泣いてる…何言ってるんだ
「あくびしたら涙くらい出るだろ」
「あくびでもそんな風にはならないでしょ」
「ミオ、お前も来てたのか?」
大神ミオ
狼の獣人
フブキとは真逆でしっぽだけ毛先が白く全体が黒い
と言ってもフブキは狐なのだが
服装もお互い色が反転したようなデザインになっている
実際仲がいい
「そんなカッコで不用心だよ。いくらここら辺が凶暴な生き物が少ないからってお昼寝なんてしてて襲われたらどうするの、たまたまウチ達が見つけて起こしたからいいけど、襲われてたら大変なことになってたよ。」
「それに…」
「気づいてないと思うけど自分の頬触ってみたら?」
そう言われたので頬に手を…
「…濡れてる」
涙で視界がぼやけているのであくびで涙が溜まっているくらいかと思ってたがまさかこんなに…
「何か…あったんですか?」
フブキが聞いてくる
何かあったかと言われれば何も無いしなにか大切なものを忘れているような気もしなくもない
「なんだろうなぁ…何か…忘れている気もするけど…」
「剣なんていつも持ってないよね?」
「なんか特別な何かを忘れているような…無くしてしまったような…なんか不思議な気分だ」
「今度占ってみる?」
「やめとく」
ミオの占いはよく当たるらしい。だからこそ嫌だ
自分で気づいていない何かを、他人に指摘されるのが、気付かされるのが、見透かされているようで、怖い
恐れているのか、俺は
自分でも分からない何かが
「悩みとかあったら相談してね。ウチにでもフブキにでも、話してみるだけでも変わるから」
「あぁ…その時は、そうするよ」
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なんで涙が流れたんだろうか
それになんか夢を見ていたような気がする
それに、剣
俺に関係ある人達に聞いてみるか
色々な場所を移動しているとは言っても別に親が居ないからこんな生活してる訳では無い
あの夢に関しては一体なんだったんだろうか
マジでなんなのか分からない
久しぶりに帰ってみるのもいいかもしれない、帰るか
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「てなわけなんだよどう思うよ2人とも」
「いきなり帰って来たかと思えば何言ってんだお前」
「酷くねぇか?」
「そりゃ久しぶりに帰って来たかと思えば」
「昼寝してたら夢を見て?起きたら泣いてたって意味不明すぎるだろ」
「だから調べに帰ってきたんだろ父さんよ」
「つってもよぉ情報が少なすぎんだよ。家系図遡っても個人のことまでわかるわけじゃねぇんだぞ?」
そりゃあそうだけど
「それに、よく覚えてないなら調べようもないじゃない」
「それを言われるとそうなんだよなぁ」
「だったらアレやらせてみないか」
「アレやらせるの?やめといた方がいいわよまだ早いと思うし」
「父さんも母さんも何言ってんの?アレ?アレってなに?」
「実はな…」
曰く
過去にとてつもなく強い剣となった人がいて、その人が使っていたとされる剣が家にあってその剣を抜くことが出来ればその人物はとてつもない力が目覚めるとか何とか
なんというか…
「アホくさ」
「アホくさとはなんだ!一応一族に伝わってることなんだぞ!」
「んなもん信じてるやつがどこにいんだよ!」
「いるわけねぇだろ!一応一定の歳になったら持ち歩くように伝わってんだから」
「じゃあ父さんが持ち歩いてるのって…」
「そうだぞ、今年からはお前が持ち歩くことになる」
うん、めんどくせぇ
抜けない剣とかガラクタと同じだろ
抜けないのだってさびたからとかそんなだろどうせ
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なんてことを相談してきたのが今から数ヶ月前の事だ
あの後剣は息子に譲渡
あーだこーだ言いつつちゃんと持っているのはお父さん嬉しいぞ
と言いつつも息子は変わった
なんでも眠れないらしい
あの剣を持つようになったあと夢を見るようになったらしい
内容は覚えてたりしたりしなかったり
それでも共通しているのは起きた時に涙が出るということ
俺があの剣をもってた時はそんなことはなかったのだ
「共通しているのは一人の女の子…ねぇ」
「何か出来ることがあればいいけど私たちじゃどうしようもないからねぇ」
知らせを受けたのはそんな時だ
白銀聖騎士団の訓練遠征に参加していた際に1人だけ謎の光に飲まれて消滅したとの連絡があったのは