【手直し中】魔法少女リリカルなのは!?「私立聖祥大学付属小学校最弱の少年」 作:ヘルカイザー
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〜アリシアサイド〜
早朝、海鳴総合病院にて
「......ん.....うっ......ここ....は?」
何処?
アリシアは目を覚ますと周りをキョロキョロと見回す。
場所は分からないが知っている場所だったのでアリシアは安堵した。
病院見たいだけど.......私何で入院してるんだっけ?
起きたばかりで記憶が混乱しているアリシアだったがその理由はフラッシュバックの様に脳裏に蘇る。
あ!そうだ!?
私けいくんの妹に刺されてそれで........。
確か、けいくんが私を抱えて逃げようとした所までは覚えてるけど.....。
「けいくん何処行ったのかな?でも流石に逃げたよね。指名手配の身だし。」
これからどうしようかな?
けいくんは妹のわがままで犯罪者にされただけ。
だけどそんなのは理由として通らない。
結局施設を襲ったのは事実だし、始めたのもけいくん。
どうすればけいくんを助けられるのかな.......。
景太の事で色々考えてる時ガラガラっという音と共にアリシアの病室に誰かが入ってきた。
「失礼しま......アリシア!?良かった、目が覚めたんですね!」
病室に入ってきたのはシュテルでアリシアが起きてるのを確認するなりアリシアのそばまで駆け寄る。
「うん、おかげさまで。それよりごめんねシュテル、心配かけて。」
「いえ、気にしないでください。心配して当然です。私達は親友なのですから♪」
そう言うシュテルを見てアリシアにも自然に笑顔が戻る。
そうだ、シュテルならけいくんが捕まってないかどうかわかるよね?
アリシアは笑顔から少し真剣な表情へと戻しシュテルの目を真っ直ぐに見つめ景太の事を尋ねる。
そして、アリシアが真剣な表情になったことで何かを察したのかシュテルも真っ直ぐにアリシアを見つめた。
「シュテル?ちょっと聞きたいことがあるんだけど。けいくんはまだ捕まってないよね?」
シュテルは少しアリシアから目を逸らしたがすぐに元に戻すと口を開いた。
「景太はアリシアが運び込まれた日に逮捕されました。」
「え........。」
間の抜けた声をあげ信じられない言わんばかりの顔になるアリシア。
どうして捕まったの?
なんでけいくん逃げなかったの?
私を助けた所為?
「アリシアを八神家へ運び込んだのは景太だそうで、連絡を受けて駆けつけたフェイトがそのまま八神家で逮捕しました。」
「ちょっと待ってよシュテル、八神家?!病院じゃなくて?何でわざわざ捕まる様な所に運んだの!?」
私を助けるだけなら病院に運んでも良かったのに........どうしてわざわ......ざ....。
違う....そうじゃ無い....。
....そうだ.......思い出した......。
あの子は明らかに私を殺そうとした.....それでその後、盲ろうとする意識の中で私にトドメを刺そうとしたのもわかった。
あのまま逃げて私を病院に運んでもあの子は私を殺そうと追いかけてくる危険があった。
だからけいくんは......捕まるリスクを負ってでも一番安全なはやてちゃんの家に運んでくれたんだ.......。
はやてちゃんの家なら治療できるシャマルさんもいるし戦闘になってもシグナムさんやヴィータちゃんもいる。
けいくんだって......辛いのに.......それなのに....。
全部......私の為に......。
「ねぇ〜シュテル?けいくんは......どうなるのかな?」
「わかりません。でも......管理局へのテロ行為、それとアリシア......貴方への殺人未遂がかけられています。軽い罪で済むとは「待......って.....。」アリシア?」
今......なんて.....言ったの?
私への........殺人未遂?
けいくんが私を殺そうとしたって......そう、疑われてるの?
なんで?
けいくんは捕まってまで私を助けてくれたのに......。
どうしてけいくんばっかりこんなに辛い目に.....。
「どうしてぇ........。」
ポタ......ポタ.....
「アリ.....シア.......。」
アリシアの目からはポタポタと滴が落ちてきていた。
突然の事でシュテルも驚く。
「シュテル......違う.....違う...よ。けいくんは何もしてない。ただ私を助けてくれただけ........うっ....うっ......私を刺したのは......けいくんじゃないぃ.......。」
アリシアは泣き叫ぶのを必死に耐え何とか絞り出す様に小さな声で言いそれを聞いたシュテルは目を見開き唖然としていた。
「そんな.......嘘です.......じゃ、景太は.......無実の罪で尋問を受けていると言うことですか?では、何故景太は本当の事を言わないのですか.........どうして.....。」
「シュテル、すぐにその尋問やめさせて!!お願い!!!」
シュテルに怒鳴り散らすのは間違っていると思うアリシアだったが入院中の今のアリシアには今何もできないのだ。
「そうですね.......わかりました!今景太を収容してる施設に連絡を「その必要はない。」......クロノ。」
シュテルが収容施設に連絡を入れようとしてくれた所、いつの間にかドアに寄りかかっていたクロノがそれを止める。
「その必要はないってどう言うこと?私を刺したのはけいくんじゃない!!!けいくんは悪くない!!!」
アリシアはシュテルを止めたクロノに対し猛抗議を始める。
「少し落ちてくれアリシア。それより今の話は本当なのか?景太が君を刺していないって話は。」
クロノは冷静にアリシアをなだめ話の真意を確認する。
「うん.......本当だよ。」
「.....そうか。はぁ.....。まずはアリシア、目が覚めて良かった。心配したよ。それでなんだがアリシア、落ち着いて聞いてくれ。景太はさっき収容施設から脱獄した。」
脱......獄した?
嘘......そんなことしたら.......。
「今日.....脱獄した時をもって、景太は広域指名手配犯として指名手配される。」
そん.....な.........。
これで捕まったらけいくんは一生収容施設から出られない。
どうしてなのけいくん?
もうけいくんには脱獄する様な理由はないはずなのに.....。
「だが!」
「「!?」」
クロノが色々考え落ち込んでいるアリシア達の思考を切る。
クロノが流れを切ったことでアリシア達も少し落ち着きを取り戻してきた。
「僕はこのまま景太を逮捕して終わらせるつもりはない。どうにも腑に落ちないんだ。僕も収容施設へ景太に会いに行ったが、脱獄なんてする様子じゃなかった。あの景太の目は自分の過ちを後悔している様に感じた。だからこの脱獄がどうしても納得いかない。だから........君達にも力を貸して欲しい。景太を救う為に。」
クロノの言葉に2人は黙って頷いた。
〜サイドアウト〜
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〜景太サイド〜
収容施設を抜けた僕達は美花の案内で美花がいた研究所の前までやってきた。
その研究所は地球とは別の世界にあり、周りも荒野で囲まれていてどう見てもまともな研究所に見えない。
ギュッ
「お兄ちゃん、やっぱりやめよう?私もう一緒に死んでなんて言わないから........元の世界に帰ろう?」フルフル.....
美花は移動中に同じ様な事を何度も言ってきていたがその度に景太は大丈夫だからっと美花を説得する様に励ましながら来ていた。
しかし、景太の腕を抱えこむようにして抱きつきながら歩いている美花は研究所が近くになるにつれ少しずつ不安になっているのか震えだしている。
「美花、元の世界に戻ったとしてそれからどうするつもりなの?僕は別に美花と一緒に死ぬのが嫌なんじゃ無い。僕の所為で美花が辛い思いをしているのが嫌なんだ。まぁ〜アリシアちゃんとシャルの件に関しては怒りたいけど、こうなったのも元はと言えば僕が美花を守れなかったのが原因だしね。だから今度は必ず守るよ。」
「景太お兄ちゃん.......うん、わかった。」
2人は覚悟を決め研究所へと入って行った。
〜サイドアウト〜
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜???サイド〜
「フフフ、来たようだね。待っていたよ梅雅景太君。これで全ての準備は整った。長かった......ここまで来るのにどれだけの時間を費やしたか.........フッ。だがそれも今日までだ!梅雅美花は第1過程は成功したがそれ以上は計算上不可能と出てしまった。しかし、その兄、梅雅景太ならば前置きなしで真理に迫れる。私はずっと君を見ていたのだよ。精霊の力を持ち、その身に覇王の力を宿す君をね。」ニタァァァ
白衣を着たその男は入り口の前で止まっている景太達をモニターで見ながらそう言った。
さて、どうするか?
ただ迎えるのもつまらない。
でも貴重な実験素体だ傷物になってはかなわん。
まぁ〜少しならいいか、これからボロボロになるし。
お!
フフフ、そうだ。
美花で遊ぼう。
男はモニターのパネルの一つを押しいくつかの操作を行う。
そして最終的に出てきたウィンドウにはこう表示が出ていた。
強制操作ON/OFFっと。
そして、男は迷わずONを押す。
男がパネルを押した時男のいる部屋に2つの足音が響く。
フフフ、全て計算通り。
さぁ〜ショータイムだ!!!
「貴方がここの責任者ですか?」
「...........。」プルプル.......
部屋に入って来たのは景太達だ。
美花は相変わらず震えている。
景太の問いを聞いた男はモニターを出したまま振り返る。
「ようこそ!!!よく来たね梅雅景太君!会いたかったよ!それはもう待ち焦がれた!?」バッ!!
男は両手を広げて大げさにリアクションをとる。
「僕は別に会いたくなかった。」
「つれないねぇ〜えぇ〜?フフフ、あっははははは!!」
男は高らかに笑い、それを聞いている美花は完全に怯え切っていた。
「お、お兄ちゃん.......。」ガクガク.......
スッ
ナデナデ
「大丈夫だよ美花、僕に任せて!」
景太は安心させる為に励ましながら美花を撫でる。
「素晴らしいねぇ〜!感動したよ景太君。本当に妹の為にここに来たんだね。いやいい.......実に素晴らしいお兄さんだなぁ〜美花?フフフ。」
「いい加減にしてください。僕達は貴方と世間話をしに来たんじゃ無い!」
フフフ、もっと怒りたまえ。
やはり君には適合しそうだ。
スッ
ピ、ピ
男はモニターを操作する。
「それじゃ、お望み通り本題に入るとしよう。景太君、私のモルモットになれ。」
ピコン
「ふざけないでください、そんなものなる訳が「がはっ!?」美花!?」
男が一つのパネルを押した瞬間美花が胸を押さえてうずくまり、顔も真っ青になっていた。
「うっ.......がぁあ!?.....あ"あ'あ"..........。」
フフフ、私が今押したのは美花の心臓の心筋を不規則に動かすボタンだ。
今はまともに息すらできまい。
「あ......あ"あ"!?く、く.......るしい.....よぉ......。」
「美花、大丈夫!?くっ.......美花に何をした!!!」
いいぞもっと怒れ、そして見せてみろ覇王の力を。
景太君が覇王の力を使わなければこの装置は起動しない。
使え、使うんだ景太君。
君の中の闇を。
「答えろ!美花に何をしたんだ!!!」
私に見せろ!
「少し遊んでいるだけだよ。では、こんなのはどうかな?」
ピ、ピピピ.........ピコン
男は再びモニターのパネルを操作し何かを始める。
「えがぁ!?あ.......ああ........あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁぁぁああああああああ!?痛い、い"た"い"!?助け.....て.....お兄...ち...ぁぁぁぁああああああああ!!!」
今度は頭を押さえ床でのたうちまわる美花。
美花の顔は苦痛で歪み目からは涙は勿論、よだれや鼻水がだらしなく垂れていた。
この激痛で美花の精神は早くもボロボロになっていた。
「美花!?やめろ!?もういいだろ!!!」
ちっ。
何故使わない?
これじゃ、足りないのか?
なら。
「景太君、これを見ろ。今起こってる美花の状態は全てこのモニターで行っている。そしてこのパネルだが、これを押せばどうなると思う?」
「何を......。」
フフフ、そうだいい反応だ。
君も察しがついてるだろう?
いや、もう話をきいているんだったな?
「やめろ......頼む......それだけは......やめてくれ......。」
「フフフ、そうだ。これを押せば美花の体内にある制御装置が彼女の細胞に干渉し粉々に破壊する。これを押せばね?フフフ、君には見せた方がいいかね?妹が目の前で粉々になる所を!んフフフ......あっははははははは!!!」
その言葉は景太をキレさせるには十分だった。
高らかに笑う男の声は何処までも景太の怒りを刺激していた。
ピタッ
「っ!?....なんだ......指が動かない.......。」
パネルを押そうとした男の指がその手前で止まり全く動かなくなった。
そして男が景太に視線を戻した瞬間男は理解した。
この要因は景太であると。
「は.......ははは.....あっははははは!?素晴らしい!?これが覇王の力か!!この殺気、それに相手の動きを止める強烈な眼力!いいよ、想像以上だ?!」
「今すぐ、美花を解放しろ!」
スゥゥゥ
ギン
景太の瞳が黒から金色へと変わる。
「フフフ、威勢はいいね〜。だけど全部私の手の上だよ?」
キュゥゥゥゥゥビュシュゥゥゥゥン
「な!?グッ.......これ....は.........。」
突然景太を光の柱が捕獲し、それに捕らえられた景太は全く動けなくなってしまっていた。
「フッ、捕まえたぞ景太君。それはなぁ〜君の為に開発した捕獲用のエネルギー吸収フィールドだ。君の覇王の力は精霊の力が源になっている。そしてそのフィールドは精霊の力を吸収する。フフフ、終わりだよ。」
「くそ......美....花.....。」
これで目的は達した。
フフフ、なら美花はもう用済みだ。
最後に妹が粉々になる所を見せてやるかな。
「景太君?妹が死ぬ所を見たくはないかね?」
男が言った一言は景太の顔を凍りつかせた。
そんな景太に男は不敵な笑みを向ける。
シュィン
精霊の力を吸収され続けている景太の瞳は金色から黒へと戻る。
精霊の力が尽きてしまったのだ。
覇王の力が解けたことで景太のさっきまでの覇気が消えた。
「あ"....ああ......お兄.......ちゃん.......。」
「やめてくれ!?僕は捕まえたんだからもういいだろ!美花を自由にしてやってくれ!!」
フフフ、何を言い出すかと思えば無理な相談だ。
美花は失敗作だ。
廃棄処分しないといけないからね?
「じゃ、始めようか?景太君?フフフ。」
「やめて.......美花を助けて.......。やめろ.......やめろぉぉぉぉおおおお!!!」
ピ、ピ.......ピコン
これですぐにでも粉々に.......!?
「馬鹿な何故起動しない!?こんな筈「残念だけどこの子は殺させないわ。」........お前は......。」
「シャル.......。」
さっきまで美花の近くに誰もいなかった筈だがいつの間にかシャドールが立っていた。
「お前は美花に殺された筈だが.......いやそれより、美花の制御装置をどうやって妨害した?」
あり得ん.....美花の制御装置は美花の頭の中にあるんだぞ?
それを妨害するなど。
「制御装置?もしかしてこれのことかしら?」
ポイ
カン、カラララ........
シャドールが男の前に投げた物を見て男の顔が驚愕に染まる。
「制御装置......だと......。貴様、どうやって取り出した!?こんな事出来る筈がない!お前は何者だ!!!」
「えぇ、確かに人間には無理かもね?でも残念♪私は人間じゃないから関係ないわ!さぁ〜景を返して貰おうかしら?」
予定外だ。
どうする.......ん?
この反応は.........フフフ。
男はモニターのを見て何かに気づいた様に笑う。
「緑の精霊......さん.....。私は貴方を....殺そうとしたのに......どうして美花を.....助けてくれるの?」
「貴方は景の妹よ?私が助けないわけないでしょ?それにそろそろ貴方も幸せになるべきだわ。」
美花はシャドールの言葉に嬉しくて泣きはじめた。
そんな事を言ってくれる人は研究所で監禁されていた為何処にもいなかったのだ。
「君は精霊だね?なら、悪ふざけもそこまでだよ?フフフ。」
ピ、ピピピ.........ピコン
ブゥゥゥゥゥン
「っ!?がっ!?うっ.......何......体に力が......入らない......あ......。」
ドサ
突然シャドールを緑色の閃光が駆け抜けシャドールの力を奪う。
んフフフ。
思った通りだ!
彼女は精霊。
「何を.....した......。」
「何、大したことはしていない。君の精霊の力を吸収しただけだよ。人間の景太君ならともかく精霊の君は立つこともままならないだろ?フフフ。」
精霊かぁ〜予想外の研究素体が手に入ったよ。
これで精霊の事が何かわかるかもしれないなぁ?
解剖して徹底的に調べてやるぞ。
「緑の精霊さん........。」
美花は解放されて回復してきた為倒れたシャドールの所まで近づいてきた。
「逃げなさい......早く!」
フッ、勝手に逃げるがいい。
お前にはもう用はない。
「美花、シャルを連れて僕の家まで逃げろ!!!」
何だと?
させると思うか?
あの精霊は貴重な研究素体だ。
「でもお兄ちゃんが「早くしろ!!!」.......嫌だ、嫌だよ「行け!!!」......うっ.....うわぁぁああああああああああ!!!」
ガシッ
「待ちなさい、景がまだ!?景ぇぇえええ『シュン』
美花はシャドールを抱えその場から消えた。
身体能力を極限まで高められている美花は100メートルを0.1秒とかからず移動できる。
流石の男もこれには追いつけなかった。
「クソッ!?実験で与えた力が裏目に出たか.......まぁ〜いい。本命は景太君だ。フフフ、あっはははは。」
〜サイドアウト〜
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜アリシアサイド〜
景太邸にて
『退院おめでとう!!』
「ありがとう皆!」
アリシアは今日が退院でシュテル達の家で退院パーティーをしてもらっていた。
そこにはチームHEROのメンツやシュテル達は勿論のことクロノやリンディ、ヴォルケンリッター達の姿も見える。
こうして戻ってくれば皆が迎えてくれる。
私は幸せだなぁ〜。
でも本当は少し寂しい。
ここにいて欲しい人が今いないから。
何処行ったのかな........けいくん......。
スパァァン
「ひゃい!?」
景太の事を考えていたアリシアだったが突然アリサに背中を叩かれ驚きの悲鳴をあげた。
「祝いの席でなぁ〜にしみったれた顔してるのよ!どうせ景太の事考えてたんでしょうけど?」
あはは.....バレたか........。
でもしょうがないじゃん、けいくんはきっと何処かでまた辛い思いしてる。
聖祥カップの最後の日、私は確かに聞いた。
けいくんの本当の気持ち。
1人は嫌だって、確かにそう聞こえたんだよ。
だから、だから私『ドサ!?』?
「今何か玄関の方で音しなかった?」
「........ええアリシア、確かに聞こえましたね。ちょっと見てきます。」
シュテルが確認しに向かったがすぐにアリシア達も向かう羽目になった。
「ちょっ!?大丈夫ですか!?」
え!?
慌てた様子のシュテルの声が聞こえアリシアを含め何人かが玄関に向かう。
しかし、そこで見たのはシャドールを抱えて息を切らし倒れている美花だった。
「え.....どうしてここに.......。」
アリシアは驚く。
無理もない、自分を刺した相手が目の前にいるのだから。
「......す.......けて......。」
え?
美花が何かをつぶやいたが小さくてよく聞こえなかった。
「どうしたんですか?と言うか貴方は一体誰『ガシッ』え!?ちょっ、何するんですか!?」
美花は1番近くにいたシュテルに掴みかかると大声で叫んだ。
「助けて!?お願い!景太お兄ちゃんを助けて!!!お願い......します........助けて.....うっ......ください........ひぐっ.....うわぁぁぁぁああああああああん!!!」
シュテルから手を離し泣き始めてしまった美花に皆事情を聞くことができなかったがアリシアは聞き逃さなかった景太を助けてくれと言った事を。
「けいくんがどうしたの!?ねぇ?泣いてちゃわかんないよ!けいくんに何があったの?」
「姉さん、取り敢えず中に入ろう?ここじゃあれだから。」
フェイトの提案に皆が頷き2人を中に入れた。
リビングまで移動すると美花に事情を聴き始めたがまだ泣いていて喋れなかった為シャドールが話始めた。
「しょうがないわね。私が説明するわ。私の名はシャドール!この子は.....梅雅美花、景の妹よ!」
『妹!?』
アリシア以外の全員がハモった瞬間だった。
今まで景太に妹がいることは誰も知らなかったのだ。
景太は自分の過去を誰1人として教えていない。
「景太に妹なんていたのですか!?私はそんな話初めて聞きましたよ!?」
シュテルが声にし皆が頷く。
「まず、景の過去とこの子の事を話さないと始まらないわね。景に許可をもらってないから本意ではないのだけど、今はそんな事を言ってる場合じゃないわ。」
シャドールは自分の知っている景太と美花の過去、そして研究所での美花がされていた実験の事やアリシアを刺した時の出来事とその後の出来事も全て説明した。
その話を聞いて声を出す者は誰もいなかった。
声にならなかったのだ。
誰も知らなかった、景太が何を抱えていたのかを。
「アリシアさん?その........ごめんなさい。私は自分の勝手な想いで貴方に酷いことをして......。」
話が終わった後美花はその空気を破ってアリシアに謝り始めた。
謝られたアリシアも難しい顔をしていたがすぐに美花に向き直り笑った。
「いいよ♪私は生きてるから!それに美花も辛かったんでしょ?だからもういい。でもその代わり私達と友達になろっか?」
「え......友....達?私アリシアさんを傷つけたんだよ?」
なぁ〜んだ、蓋を開けてみたら美花はいい子なんじゃん。
この子も1人だったんだ。
でももう大丈夫だよ。
「だからそれはもう気にしなくていいって。それから友達になるんだから『さん』はやめようか?アリシアでいいよ。私ももう美花って言っちゃってるし、ね?」
「う、うん。......その....ありがとう......アリシア♪」
うむ、それでよいよい!
「それじゃ、一通り説明した所で景を助ける事に協力してくれないかしら?」
事情を説明し終えた所でシャドールが全員に協力を仰ぐ。
皆は頷くが.......。
「ちょっと待ってくれ!」
今まで黙って聞いていたクロノがそれを止める。
「何かしら?」
「君の事をまだ聞いていない。君は何者だ?景太を助け出すことには何の不満もない。だが、君と景太の接点については何も聞いていない。良かったら話してくれないかな?」
そういえばそうだ。
シャドールさん.....だっけ?
けいくんとどんな関係なんだろう?
「そうねぇ〜景の力......っとだけ言っておくわ。」
力?
何それ?
「どう言うことだ?」
「それ以上は説明できないわ。それより早く「盛り上がって来ているねぇ〜?」な!?」
ピコン
突然シャドールの話を誰かが遮ったと思ったら全員の目の前に通信モニターが開いた。
その映像を見て全員が固まった。
何故ならその映像に映っているのは景太だからだ。
実験台に上半身裸で磔にされ身動きが取れなくなっている。
すると画面の横から1人の男が顔を出した。
「や〜御機嫌よう諸君!」
こいつがけいくんや美花を?
「誰よあんた!?早く景太を解放しなさい!!」
「これはこれは金髪のお嬢さん、それは出来ない相談だ。景太君は大事な実験素体だからねぇ〜。」
アリサが突っかかるが当然聞く耳を持たない。
「実験素体?ふざけんな!!けいくんを早く解放しろ!!!」
まるでモルモットの様な扱いにアリシアはキレていた。
「貴方.......Dr.クラム......。」
リンディがそう呟き全員の視線が彼女に集まった。
「母さん知っているんですか?」
「ええ、5年前にロストロギアと生命体の融合実験を行って指名手配された次元犯罪者よ。でも.....確か逮捕の寸前に自爆した筈.......。」
それを聞いたクラムは何がおかしいのか笑っていた。
そしてリンディの話を証明する様に喋り始める。
「その通りだよリンディ提督!それとあの自爆だがあれは偽装だ。私は今でもその実験を続けているのだよ!そしてこれが私の今までの集大成になる大実験だ!!!」
全員がクラムを睨みつけている中クラムは常にヘラヘラとし全員の反応を楽しんでいる。
「何をするつもり?」
「フフフ、これが何かわかるかね?」
クラムは景太に近づきながら手に持っている物が何かリンディに質問した。
景太は気を失っているのか何の反応もない。
「な、それは!?」
「そうだ!これは【ベイン】。寄生型ロストロギア【ベイン】だ!こいつは生物に取り付き宿主の命を蝕む。その代わり宿主は何かしらの力を得る。私はこいつの研究をしているのだよ。しかし、中々うまくいかなくてね?こいつは取り付いてすぐ宿主の命を食い殺してしまって、宿主が力を発現する前に死んでしまう。私は知りたいのだ、こいつで得られる力を。誰も知らない事をね?」
クラムが手に持っている【ベイン】と言うロストロギアは赤い肉の塊の様な丸い形をし生きているのかドクン、ドクンっと脈うっている。
「それをどうするの?そんな危険なものどうするの?まさかそんな物、景君に寄生させるつもりじゃ........。」
なのはは、震える声で自分の不安を口にした。
その不安は当たり前のごとく当たっていた。
「その通り、これを景太君に寄生させるのだ!」
「やめなさい!?そんな事をすれば景太君はただじゃ済まないわ!!!」
リンディは声を荒げる。
今目の前で行おうとしているのはやってはいけない人体実験だ。
リンディの知っている限りでは【ベイン】の宿主になった者で生きられた者はいない。
寄生されれば確実に死ぬ。
「せっかくのショーを美花に見せてやろうと思って通信をしたんだそんな事を言うなよ。さぁ〜始めようか?フフフ。」
キュィィィィン
ズブブブブ.......にぎっ。
「ケホッ!?がぁ!?あ....あ....あ....あ....あ......や....め...。」
クラムは景太の胸に手を入れ始めた。
何かしらの魔法を使っているのか景太を傷つけずに体内に手を入れておりそのまま景太の心臓を掴んだ。
「やめて!?やめてよ!!!」
「お兄ちゃん!?」
アリシアと美花が叫ぶがそんな事でやめるわけがない。
「ふむ、実に元気な心臓だ。さぁ〜行くぞ景太君?」
「やめ......ろ.......『ズブブブブ.......。』あ"あ"!?い....がぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ.........。」
クラムは反対の手に持っていた【ベイン】を景太の心臓へと入れ寄生させる。
あまりの激痛に景太は悲鳴をあげずにはいられない。
それを見ている者は見るに耐えない顔をしている。
『ドクン........ドクン........』
「うっ....あ".....あ".........あ........ぁ......ぁ...........。」
景太は痙攣し悲鳴も段々小さくなり目も虚ろになってきていた。
そしてクラムも予想外な事が起こった。
ビービービービービー
「っ!?何だ......な!?」
《危険です。心拍数が下がって来ています。このままだと生命維持ができません。『ピーーーーーーー』実験体の心肺停止を確認しました。これより蘇生に入ります》
景太の心臓は停止し研究所のプログラムが景太を蘇生させる為に色々な手を施すが。
「こんな馬鹿な!?私の計算は間違っていたのか!!!梅雅景太ならばこいつに耐えられる筈だ!何故だ!?どうしてだ!!!」
ピーーーーーー......
嘘........嘘だよ.......。
こんなの嘘に決まってるよ。
《実験体の蘇生ができません。実験体の生命活動完全に停止。これ以上の処置を無意味を判断。蘇生を中止します。》
嫌.........。
嫌だ..........。
「お兄ちゃん........あ.....あ........あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁぁぁああああああああああああああああ!!!」
美花はその場に座り込み泣き叫ぶ。
「けいくん.......嫌........いなくなっちゃ......嫌だよ......。なんでよ.........。こんなの嫌.......イヤ、いや、嫌!?嫌ぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!」
泣き叫んでる美花やアリシア、そして唖然と固まり涙を浮かべる他の皆。
スゥゥゥ
ギン
そして実験に失敗し悔しがっているクラムも気がつかなかった。
死んでる筈の景太の目が黒から金色に変わった事に..........。
次回もよろしくお願いします。