◯月×日
今日は愛娘のコロネの記念すべき1回目の誕生日だった。
嫁に早めに帰ると伝えて職場に来てみればそこには野球部が甲子園に出場したかのような横断幕が掲げられていた。
祝 コロネちゃん 1歳 おめでとう
おい、マジかよ。
自然と口から出ていたのを覚えている。
少し歩いてみれば門の入り口ではドヤ顔で腕を組んでいるサカズキさんと眉間を押さえたセンゴクさん、煎餅を片手に爆笑しているガープさんが立っていた。
近づいてみればやはり横断幕の事らしい、サカズキさんの独断であの横断幕は掲げられているとの事。
本当にこの人は原作からかけ離れてしまった。
クロワがいた時からもだがコロネが生まれてからはそれに拍車がかかってしまっている、エピソードで言うと細かいのを入れたらキリがないが今回もそのひとつにすぎない。
これ以上かかわると疲れるので無視をした。
仕事を早めに終わらせて家に着いたらお祭りができていた。
何を言ってるかわからないだろうがアニメやマンガによくある神社までの道のりの左右に出店があるのを想像して欲しい。
それが我が家まで続いていた。
道を歩いている人に聞いたらどこかのお子さんが誕生日なのでそれを祝ってお祭りを開いてるらしい。
ベビーカステラを買って帰った。
SIDE〜ガンツ〜
今日は珍しくクザンさんが家に来ている。
原作でもそうだが普段はサカズキさんとも馬が合わないので家に来る事もほとんどなかったがクロワがたまたま外であったらしくウチで晩御飯を食べて今は俺とサカズキさんとクザンさんの3人で酒を飲んでいる。
「しっかしアンタも随分丸くなったねぇ、ちょっと前までは鬼だのなんだの言われてたのに。」
ニッコニコで腕に抱いたコロネをあやしているサカズキさんを眺めながらクザンさんはポロリとこぼす。
「じゃかましいのぉワシは今忙しぃんじゃ、メシを食ったんなら早よ帰らんかぁ」
「まぁまぁ、こんな機会は滅多に無いんですからいいじゃないですか。」
「それでアンタはさっきから何をしてるのよ、ジージ、ジージって。」
サカズキさんは抱っこしているコロネに向かってジージを連呼している、話は朝に戻るがコロネが喋ったのである。
自分とサカズキさんはたまたま休みが一緒になって居間でのんびり過ごしていたら横にいるクロワの腕の中でコロネがマーマと初めて言葉を喋ったのだ。
そこからは家族全員お祭り騒ぎだった、正気に戻ったサカズキさんはコロネを抱っこしてジージを連呼しだして今にいたる。
「なるほどねぇ、パパはいいのかい?あれに参加しなくて。」
「まぁ1番最初に喋った言葉がママなのはしょうがないとしてあんな必死な姿を見るとねぇ?」
本当は自分もパパと呼んで欲しいがこんだけ必死な大人を見ると冷静になってしまう。
「そぉだねぇ本当に変わったよあの人は、君たちのおかげだねぇ。」
酒を飲みながらしみじみ言うクザンさんを見ると優しげにサカズキさんを見ていた。
「ほんじゃあ俺はそろそろ帰ろうかなぁ。」
「あら?もう帰られるんですか?」
「これ以上長居してジージに怒られるのは嫌だしねぇ。美味しいご飯ありがとうね。」
「いえいえ、またいつでもいらして下さいね。」
嫁のクロワとそんな会話をしながらそそくさとクザンさんは帰る準備をし始める。
「じゃあ最後におチビちゃんに挨拶でもしようかね。」
「なんじゃ、まだおったんか。」
「そんなせかさんでも帰るよ、最後におチビちゃんに挨拶しようと思ってね。」
そう言ってクザンさんは指でコロネの頬を撫でている。
「じゃあなチビちゃん、パパはそろそろ帰るよー。」
「何ふざけた事を言っとるんじゃおどれは。」
「クザンさん勘弁して下さいよ。」
本当にこの人は洒落にならん冗談を言いやがる。
「おーおーそんなに怒らないでよ、軽ーいジョークでしょうに。」
そう言っておちゃらけるクザンさん。
「じゃあ挨拶もそこそこでかえりm「パーパー!」…おや?」
その場にいる全員が驚いて声のした方へ目を向けるとそこにはクザンさんの指を掴んでキャッキャと笑っている娘がいた。
「パーパ!パーパ!」
あら可愛い。
でもそれよりも今は…………
「やってくれたなぁぁぁぁぁ!おんどれぇぇ!」
SIDE〜OUT〜
SIDE〜クザン〜
あらら、俺……死ぬかも。
お待たせしてしまったにぇ。