お爺ちゃんが怖くて家出する。   作:ビックボブ

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第8話

 

〜SIDEガンツ〜

 

 

マリンフォードに到着してすぐに嫁が運ばれた病院に急ぐ、後ろから鬼の形相でサカズキさんも追いかけて来るので背中から時々悲鳴が聞こえる。

 

病院に到着してすぐに見聞色を使って嫁の居場所を探り出す。慣れ親しんだ気配だ、すぐに見つかることはできたが普段の気配とは違い少し弱っている。

 

サカズキさんも気配を感じとったのか2人で急いで分娩室に向かう。

 

分娩室に到着したらそこにはセンゴク元帥、ガープ中将、おつるさんが待っていた。

 

「お疲れ様です。センゴク元帥、先程は失礼致しました」

 

「遠征ご苦労だった。構わんよ、お前の気持ちは分からんでもない。」

 

「で、クロワの様子はどうなんじゃ!」

 

「落ち着きなさいよサカズキ、アンタがそんなんじゃあの子も安心して赤ん坊を産めやしない。」

 

おつるさんにたしなめられてサカズキさんは小さく唸った。それを見たガープ中将は笑っていた。

 

「港にお前達を迎えに行く途中で破水して倒れ込んでおったところをたまたま通りがかったワシが病院まで運んだんじゃ!」

 

胸をはるガープ中将に素直に感謝の言葉を告げて近くの椅子に腰を下ろすが落ち着かない。

 

サカズキさんも落ち着きなく椅子に座っている。

 

あれからどれだけ時間が経っただろう、嫁とこれから産まれる赤ん坊にもしものことが無いように祈り続けていたところ分娩室の扉が開かれた。

 

「クロワは!」

 

サカズキさんの剣幕に医者がたじろぐ。

 

「安心して下さい。母親も赤ん坊も両方無事です。」

 

その言葉に全員の顔から安堵の表情が見える。

 

「ご家族の方は?」

 

「ワシじゃ」

 

このオッサン…

 

「自分が夫です」

 

「ではお父様と旦那様から中にどうぞ」

 

医者の案内で中へ入るが緊張で心臓が口から飛び出そうだ。前世では子供はおろか結婚すらしたことがなかったのだ、世界中の旦那がこんな事を経験してると思うと本当に尊敬する。

 

気になってサカズキさんを見てみるとガッチガチに緊張していた。実際に手と足が同時に出てる人を初めて見た。

 

それを見て何故か気持ちが落ちついた。

 

部屋の少し先にはベッドがありクロワが腰掛けていた。その両手には布に包まれて見えないがおそらく産まれたばかりの赤ん坊がいるのだろう、旦那の俺が見惚れてしまうほど優しく微笑みかけている。

 

クロワがこちらに気づき話しかけてきた。

 

「あら?ガンツさんとお父さんお帰りなさい!早かったんですね?」

 

「ああ、赤ちゃんが産まれるって聞いて急いで帰ってきた。」

 

「ふふっ、無理だけはしないでくださいね?」

 

自分の事よりも我々の心配か、俺には勿体ない本当によくできた嫁だよ。

 

「よう頑張った!流石はワシの娘じゃ!バンザーイ!」

 

この人のキャラ崩壊はとどまることをしらないな、目の前で泣きながらバンザイを繰り返すオッサンに俺は少し冷めた目で見つめているが嫁は笑顔で片手だけだが一緒にバンザイに参加している。

 

可愛い。超可愛い。

 

「それより赤ん坊は?」

 

「バンzあっ!そうでした!はい、この子ですよ、今は泣き疲れて寝てますが元気な女の子です。」

 

パパとおじいちゃんですよーと言いながらこちらに赤ちゃんの顔を見せる。

 

俺とサカズキさんはおそるおそる覗き込んでみる、そこには産まれたばかりでしわくちゃな顔をした小さな妖精がスヤスヤと眠っていた。

 

自然と涙が溢れてきそうになる。過去や前世でも友人や同僚の赤ん坊を見た事があるがここまで感動した事はなかった。

 

自分の子供と言うだけでこんなにもこころを揺さぶられるものなのか、たまらなく愛おしい感情で胸がいっぱいになる。

 

この子のためなら何だって出来る、そんな気持ちにさせてくれる。

 

サカズキさんをみると嗚咽をもらしながら号泣している。

 

俺の涙が引っ込んだじゃねぇか。

 

そんなことを思っていると赤ん坊に手を伸ばし始めた。

 

「おいっ待て!その手はなんだ!最初に抱っこするのは俺だぞ!」

 

「ぬかしよる!このプリチーな天使を最初に抱っこするのはジィジであるワシが先じゃ!引っ込んどれ!バカタレがぁ!」

 

「なにがジィジだ気持ち悪い!ここは普通パパである俺が最初だろ!その後に抱っこさせてやるよ、ジ・イ・ジ」

 

「貴様にジィジと呼ばれる筋合いはない!最初にワシをジィジと呼ぶのは孫と決まっておる!」

 

「おや?それはすみませんね、ジ・イ・ジ」

 

「「………………表に出ろ」」

 

 

 

 

SIDE OUT

 

 

 

その後におこなわれた赤犬大将vsガンツ中将の戦闘は激しい戦いだった。

 

途中から面白半分でガープ中将も参加し、それを止めにセンゴク元帥までもが参加した戦いを止められる者がいるはずもなくその戦闘は2時間も続いた。

 

途中ドーベルマン中将やモモンガ中将が止めに入ってきたがサカズキさんとガープ中将にワンパンで吹き飛ばされていた。

 

しかし終わりは唐突に訪れた。

 

海軍でも上から数えた方が早い実力者4人が戦って無傷の者がいるはずもなく4人が大なり小なりの傷を負って皆肩で息をしていた。

 

「もうおやめ!大の大人が揃ってくだらないことで喧嘩して!恥ずかしくないのかい!」

 

おつるさんの声が響き渡る。

 

「くだらんとはなんじゃ!こちとらっ……貴様!」

 

「そうですよ!くだらないとはなんですかっ!っておつるさん!」

 

声のする方に目を向けると衝撃的な光景が目に入ってきた。おつるさんのその手には先程産まれたばかりのマイベイビーが抱っこされてるではないか。

 

ガンツとサカズキはショックがデカすぎたのかドヤ顔で赤ちゃんを抱っこするおつるさんを見て気絶した。

 

 

 

 

 

「まったく、この馬鹿どものせいでいらん運動をしたわい。」

 

「ガッハッハ!久しぶりに本気を出したわい!サカズキのヤツは前よりも強くなっとるしガンツも今いる中将の中ではワシを抜かして1番強いんじゃね?どうじゃセンゴク、ワシはいい拾いもんしたじゃろ?」

 

「それにかんして異論はないが早くこのアホどもを運ぶぞガープ、能力と覇気まで使いおって、周りの損害は2人の給料から引いておこう。それとガープは後でモモンガとドーベルマンに謝っておけよ!」

 

「えーめんどくさいのぉ、老ぼれ2人に1発でのされるなんぞ、鍛え方が足りんのではないか?」

 

「言ってやるなガープ。」

 

 

 

 

 

その後に目を覚ましたサカズキとガンツは3番目に誰が抱っこするかでまた揉めたがクロワに怒られて2人同時に抱っこすることで落ち着いたそうな。

 

 

 

 

 

 




親バカ&孫バカの爆誕
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