気付いたら前話からほぼ1年、連載しているシリーズを全て見ても前回の投稿から半年近くが経っていた作者こと、朱色の羊です…
それに加え、本編ではなく番外編…しかも『バレンタインイベントまだやってるからバレンタイン期間内』という暴論を主張する駄作者です…
本編は鋭意執筆中ですっ!なのでお待ちくださいっ!
それでは…番外編のバレンタインシナリオ、お楽しみください
【番外編】『バレンタインシナリオ』
2月になりあちらこちらでチョコレートが飛び交う日のカルデア
そんなカルデアの中を歩く立香は食道の隅で盃を傾けていたある人物を見付けると駆けよっていった。
「
そう言ってロックオンチョコをその人物…
つい最近発生した特異点で対峙し、その特異点の解決後に召喚されたばかりのサーヴァント八岐大蛇に差し出した
「これは…確か
貴様が余に供物なぞ…どういった風の吹き回しだ?」
「供物とかそんな大仰な物じゃ無いです!
これから仲間としてよろしくって言う…お近づきと親愛の証です!」
怪訝そうな顔をしつつ受け取る大蛇の言葉に邪気の無い顔で答える立香
すると大蛇は呆気に取られたような顔になったかと思うと笑い出した
「ククッ…クッハッハッハッ!
邪神たる余によもや
前代未聞の不敬者、空前絶後の恐れ知らずであるな貴様は!
ここまで愉快なのは久方ぶりよ!
良かろう…この親愛の証は受け取ろうぞ」
そう言いながらチョコレートを懐にしまい込む大蛇
そして顎に手を当てつつ考えこみ始めた
「さて、余は邪神と言えど理性無き獣では無い…
親愛の証を捧げられたとあれば…返礼をせねば礼儀に反するというものよな
ふむ…用意をしてくるゆえ、しばし私室で待っていろ」
そう言ってその場を去る大蛇、その姿を見つつ立香は私室に戻っていった
「受け取れ、これが余からの返礼の品よ」
部屋に入るなりそう言って放られた瓢箪を受け止める立香
恐る恐る栓を抜き嗅いでみると…いつも八岐大蛇が纏う匂いが漂ってきていた
「これってもしかして…お酒?」
「案ずるな、
まぁ我が娘達はそのままでも良いと言うてはいたが…そういう訳にもいくまいよ」
そう言いながら腰に下げた瓢箪から同じ匂いの酒を呷り飲む大蛇
そんな大蛇を見ながら瓢箪の栓を閉めた立香はふと疑問を口にした
「でもこの匂い…酒呑童子や伊吹童子が呑んでるのとは違うような気がするんだけど…」
「余と共に現界した酒なのだ、余に纏わる酒など決まっていよう
それこそ我が死因の一端、
飲むなり厨の連中に使わせるなり、好きに扱え」
そう言い残しながら背を向けた大蛇、そんな大蛇に立香は声を掛けた
「あれ、何処に行くの?」
「…柄にもない事をしたせいで酔いが醒めてしまった、食堂で飲み直す」
「そっか、プレゼントありがとうね大蛇さま!」
その言葉を聞いた大蛇は立香の方を一瞥する事もなくその場を去って行った
所変わって食堂にて、いつものようにお酒を飲んでいた伊吹童子
彼女は近付いてくる己の父親の様子がいつもと違う事に気が付くと其方を向きつつ問いかけた
「あらぁパパ、どうかしたの?
随分と機嫌が良いみたいだけど?」
「いや、大したことではない…
ただ…面白いと思っただけのことよ」
そう言いながら伊吹童子の対面に座る大蛇
分からずに首を傾げる娘の前で笑いつつ盃を傾けるのだった
善なる者に討たれた
そしてその生を終えた
「だがそんな余に疑心も、嫌悪も、恐れも無く…
目の前に立つ者を見るような目を向け…ただ純粋な親愛と感謝を向ける者がいるとは思わなんだ
本当に…サーヴァントという在り方は面白いものよ」
八岐大蛇が常に携帯し、常に飲んでいる八塩折酒…の模造品
未成年であるマスターへの贈り物だからなのか、当世の常識に合わせてアルコールは抜いてあるらしい
神を酔わせ死因であるにも関わらず飲み続けたくなる程のその味は模造品とは言え天下一品
しかし須佐之男が大蛇の動きを鈍らせるために混ぜたと言われる毒も抜いたとは一言も言っていない
なので口にするときには注意が必要かもしれない
『彼奴に毒の類は効かんと聞き及んでいる
もし毒が効いても、ここには優秀な医者も薬師もいるのだ…大事には至らぬであろうよ』とは本神の言い分