もう設定がガバガーバ・ガーバババですが許してください。ウェイブくんが何とかします。
続きは書くか微妙なので良い感じに切りました。
スロット作った七匠は、ATの演出見直して、どうぞ。
この世に生まれついての善や悪が存在するのだろうか。
そもそも正義とは何なのだろうか。
帝国の警備隊に所属していた私の父は、凶賊によって命を落とした。
何故、私の父が死ななければならなかったのか、当時、私の胸中は凶賊に対しての怒りで一杯だった。
父が死に、お金が生きていく為にどうしても必要となる。私も働くことを母に伝えると、母からは色々なことを学んでからでも遅くない、子どものあなたが急いで働きに出ることはないわ。ということでしっかりと学校に通うことにした。
学校に通うからには、様々な知識を付けたい、あの凶賊と同じ人間を決して許さないというドス黒い感情から必死で勉強した。
ただその認識は徐々に変わっていくこととなる。
ある時、道を急ぐあまりに母からあまり通らないよう言われていた裏通りを使い家に戻っていた。そこで目にしたのは、躾というにはあまりに過剰な暴力を子どもに与える市民の姿だった。
見るに耐えない状況に警備隊を呼ぼうとしたところ、丁度警邏中の警備隊員が現れた。
これであの子どもも保護されるだろう、そう思って立ち去ろうと思っていたら警備隊の隊員が市民から大金を受け取っていたのだ。
その光景を見た私は愕然とした。市民を守るべき正義の警備隊が金を受け取り、犯罪行為を黙認する。
この時、私の価値観は完全に崩れることとなる。
この件を境に、帝国で何が起こってるのか自分は思い知ることになる。帝国では市民に重税を課し、払えない者には人身売買など非合法な取り引きが日夜行われていること。その結果、犯罪に手を染めざるを得ない人が多く存在すること。
そう、私の父を奪ったあの凶賊もそんな帝国の被害者であったかもしれないのだ。それどころか自分の父親も実は悪事の片棒を担いでいたかもしれない、もう何も信じたらいいのかも分からなくなっていた。
ありとあらゆることが本当に正しいのか、正義とは何なのか、母親を心配させないようにと平静を装い、精神を擦り減らすような日々が続いた。
ある時、そんな生活に転機が訪れた。
ひょんなことからある女の子と仲良くなり、父親が帝国の政治に関わる人間ということを知った。
聞くところによると、彼女の父親は不正を許さない、良い政治家のようだった。自分の父親を誇りに思っているのだろう、そんな父親の話をする彼女に対して、抑えきれない感情が爆発した。
「じゃあ…どうしてそんなに素晴らしいことをしてるのに帝国は汚れてるの…?市民を守るはずの警備隊がお金の力で犯罪を黙認してる…非合法な取り引きだって起こってる、それなのに国は見て見ぬふり!何が政治よ!困ってる目の前の人すら救えない癖に!!」
突然の私の言葉に目を開く彼女。
自分でも分かっている、こんなことを彼女に言ったところで何も変わらない。彼女の父親が悪い訳でもない。自分ではどうしようもないこの怒りを誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。
「君の言う通りだ。」
「父上…」
いつの間に居たのだろうか、彼女の父親がそこに居た。
座り込んでいる私と目線が合うようしゃがみ、こう続けた。
「確かに、この惨状は私たちの行いが招いた結果だ。君が言うことももっともだ。本当にすまない。」
そう言い切り、彼は目を伏せた。
彼の言葉に嘘偽りは無く、この国の姿に心を痛めていることが私にも伝わった。
この人になら国を変えられるかもしれない。
そう思い、私は彼にこう言った。
「私をあなたに仕えさせていただけないでしょうか?」
「良いのかね…?君のような若者ならこんな見知らぬ一政治家に仕える以外にも、もっと道がある筈だろう?」
「あの子から聞いていた通り、あなたはとても誠実な人だと思いました。あなたなら国を変える力が有るかもしれない。私はそこに掛けてみたいんです…」
「…決して楽な道では無いと思うが」
「そんなことは知ってます。私はできることはなんでもやってみたい…じゃないと今までやってきたことが無駄になりますし、父や母に顔向けできません」
笑いながらそう言うと、彼は諦めた様子で溜息をつきながら
「よかろう、私の元で学ぶと良い」
「父上!?」
「彼女は本気だ。…本当は自分の娘と同じ年頃の人間をあんな地獄に連れていくことは私も避けたいが、こうと決めたら動かない、そういう人間を今までも何人も見てきたからな…」
「ありがとうございます…!」
「今更だが、本当に良いのだな?」
「ええ、私はこの国を…いいえ、この国に住む人々の為に働きたいんです。」
「わかった…。そう言えば自己紹介がまだだったな。私はチョウリ、しがない帝国の一政治家だ。君の名前を聞かせてくれんか、娘からも名前までは聞いていなかったのでな」
「はい。私の名前はセリュー・ユビキタス。これからよろしくお願いします。チョウリ様」
数年後
私はチョウリ様付きの秘書、まぁ専属の護衛も兼ねて色々な仕事をこなす毎日を送っている。
「もう鍛錬の時間か、そのあとはチョウリ様をお迎えしないと…さぁて、今日も頑張るぞー!」
護衛なのに、チョウリ様の側を離れていて大丈夫なのかという疑問もあると思うが、これはチョウリ様からの要望で「私の側に付く以上、女性の身といえど実力行使に出てくる輩がいないとも限らない」と言うことで、私は皇拳寺での修行と現在もある人との鍛錬を行っているのだが…
私が修練場に向かうと1人の男性が待っていた。
彼の立ち姿はまさに武人というに相応しい出立ちだ。
「お待たせしました、ブドー大将軍」
「うむ、構わん。…始めるか」
「はい!よろしくお願いします!」
帝国の中で、切り札と言われているほどの実力を持つブドー大将軍に直々に指導を受けている。
当然、最初は断られた。私がチョウリ様に仕えてすぐで素性の分からない人間で私が女であったのもあるのだろうし、チョウリ様が内政官であったため、武官は政治に関わるべきではないという彼のポリシーに反するということもあったのだろう、ブドー大将軍は首を縦には振ろうとはしなかった。
しかし根気よく頼み続ける私に折れたのか許可してくれた。彼の鍛錬は鍛え抜かれた近衛軍ですら音を上げるほどのものだから、すぐに諦めるだろうと思っていたのだろう。それを私は血反吐を吐きながらもこなした。結果として、大将軍直々の稽古をつけられるまでになったのだ。
おかげで、軍の人間に尊敬と畏怖の目で見られるようになってしまった。別に人間はやめてないのだからそんな視線を向けないで欲しい。
……
「はぁ…はぁ…くっ…」
「今日はこの辺で良いだろう。そろそろチョウリ殿を迎える時間であろう?」
「そうですね…。本日も…ありがとうございました!」
「あぁ…前回に比べ、体の使い方も反応が良くなっている…これからも鍛錬に励むのだな」
ブドー大将軍が褒めることはほとんどない。改善点を厳しく伝えることはあっても、良くなったことを本人に伝え、褒めることは誰に対してもなかった。
「…!はいッ!ありがとうございます!」
そんな特別感で、私は少し上機嫌になったが、それを出来るだけ気づかれないよう答えた。
「チョウリ殿にもよろしく伝えておいてくれ」
「お伝えしておきます!」
そう言うと一目散に修練場を出た。
私はセリュー・ユビキタス。この国に住む人々をより良くする為、戦う者だ。
転生しないやつで良い感じにしようと思ったら好きなスピアのパッパであるチョウリ様が居たので使わせていただきました。
ブドーとタイマン稽古できてるので、もうぶっ壊れやんって感じですけどまぁ帝具も本気も出してないということでここは一つ。