魔進チェイサーはヴィジランテ(リメイク版)   作:ティガ・レウス

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ダークシャドウはまだ常闇を許してませんが個性の特訓をするので渋々出てきてました。ですが常闇とは絶対に喋りません

リメイク前と違い出久は拳藤達を助けてます


VS開闢行動隊

洸汰君を合宿の宿泊施設に送った後、他の敵の気配がする方向にいた

 

「この辺りにいる筈だが…」

 

出久はバイラルコア達に捜索を任せた。しばらくして戻って来たがこの辺りには居ないとバイラルコア達はクラクションを鳴らしていた

 

「ありがとな」

 

《オツカーレ》

 

出久はバイラルコア達にお礼を言い変身を解除した後再び探そうとしたが

 

 

「……ッ!」バッ!

 

暗い中、黒ずくめの服装で見分けにくいが、俺の背後の崖の頂上からイレイザーヘッド……俺の元担任の教師こと相澤消太がこちらを凝視していた。

 

「緑谷……何故ここにいる?この場所で林間合宿が行われるのは外部には一切洩れていないはずだ」

 

「恋人である轟さんの事を心配して此処に辿り着いたんですよ。そしたらこのザマだった、ってだけですよ。ああ、そうそう。マンダレイ、でしたっけ?プッシーキャッツのリーダーの甥っ子さん、保護して宿泊施設まで送っておきましたよ。今頃、誰かヒーローにでも保護されてるんじゃないですか?」

 

 

「……そうか。その件に関してはプロヒーローとして礼を言わせて

もらおう……。」

 

「で、何か用ですか?相澤センセ?まさかヴィジランテの俺を逮捕する機会でも、ずっとうかがっていたんですか?」

 

「いいや……お前の姿が見えたから追っただけだ……。ところであの筋肉のバケモン……“血狂い”マスキュラーを倒したのはお前か?」

 

「おっしゃる通りマスキュラーを倒したのは俺ですよ。言っときますがヒーロー免許は持ってますよ?捕まえたって無駄ですから」

 

「そうじゃない……。何か俺でも、その、お前の役に立てるようなことがあれば言ってほしいだけだ。」

 

「……な⁉︎」

 

全くの予想外だった。まさかそんなことを言い出すだなんて、完全に想定外だ

 

「ふっハハッ」

 

「……何が可笑しい?」ギンッ

 

相澤先生は俺に睨みを利かせて凄んでみせた。

 

「いや……俺みたいなヒーローもどきにあんたのような偉大なヒーローが……そんなことを言うなんて、全くの予想外だったからな……」

 

「あの時……お前が道を踏み外す原因を作ったのは、アイツらだけじゃ無い……俺たち教師にも、その責任がある。俺は……そのせめてもの罪滅ぼしをしたいだけだよ」

 

相澤先生にしては珍しく、非常に控えめな姿勢だ。

 

「そうですか……。では一つだけ言う」

 

「……何だ?」

 

「今、ここに来ている生徒全員の……個性による戦闘を最低限、許可してください」

 

「何故だ?」

 

「恐らく敵連合は今回は少数かつ精鋭のメンバーで来ている可能性が高い。1人1人の戦闘力は非常に高いでしょう……。もし、このまま個性の使用を許可せずにいたら……確実に死人が出ます」

 

「なるほど……。分かった。許可は俺が出そう。マンダレイがいるはずだから、この無線機で、俺がマンダレイに指示を出す。そうすれば、彼女の個性『テレパス』で全生徒に伝えられる。という訳で、この無線機をお前に渡しておこう」

 

ブンッ

 

そう言って、相澤先生は捕縛布の中から小型の無線機を取り出して、俺に投げて渡した。

 

パシッ

 

「ありがとうございます。それともう一つ……。敵連合の狙いは爆豪だ相澤先生もどうか気をつけて」

 

「……ああ。気を付けろよ」

 

「ええ」

 

俺は再び走り出した死柄木弔は何を考えているのだろう。俺をどうするつもりなんだ?そんなことを考えながら、俺は戦地へと向かっていった。

 

ーーーーーーーー

ーーーー

ーーー

 

俺は、炎を使うヴィラン(偽物だった)との戦闘を終え、一度宿舎に戻ろうとしていた。そうしようとしたとき、無線で俺を呼び出す音がした。

 

「はい、こちらイレイザー。どうしたブラド?」

 

『イレイザー、マンダレイの甥が戻ってきたぞ!』

 

 

ブラドが少し興奮した様子で無線をかけてきた。見つからなかった洸汰君が帰ってきたらしい。特に怪我とかは無いようだ

 

「そうか。ブラド、ちゃんと保護したか?」

 

『もうしてある!ところでイレイザー、そっちで“魔進チェイサー”を見かけなかったか?』

 

「いや。見かけてない。というかここに来れるわけ無いだろ」

 

『ところがな、イレイザー。洸汰君は『魔進チェイサーに助けてもらった。』と言っているんだ。嘘だと思ったが、伝えてくる必死さから、どうも嘘ではないらしい……。それに“血狂い”マスキュラーを魔進チェイサー改め仮面ライダーチェイサーが目の前で倒したと言ってもいる……』

 

「何?」

 

『なぁ、イレイザー。もしこの話が本当だとしたら……』

 

「……ああ。緑谷がここに来ている、ってことになるな。」

 

緑谷は過去に俺が除籍してしまった教え子だ。アイツには、誰よりもヒーローとしての素質があった。だが、ある女子生徒による事件でその道は完全に閉ざされてしまった。恋人である轟も悲しんでいたそれだけじゃない……。

 

 彼奴の母親は精神を病んで入院してしましたらしい…それ以降はホームレス同然の生活を送っていたとか……生徒たちが「緑谷を見た。」と何度も言う様子から生きてはいるらしい。

ここ最近はショッピングモールでデート中の緑谷と轟が敵連合の首領と会話をしていた、という話まできている。話しかけても完全に拒絶されてきたらしい。俺は緑谷を探すつもりはない。アイツだって自分を追い詰めた人間に会いたいとは思っていないはずだ。それが俺に考えられた、一番合理的な行動だ。緑谷はきっと俺のことを恨んでいる。だがアイツは俺を責める権利がある

 

『……オレも……。少しでもフォローすることができれば、彼の人生はもう少しいい方向に変わっていたのかもしれない……』

 

「ブラド。過去のことを悔やむのはやめろ。非合理的だ」

 

『……合理主義者のお前らしいな』

 

「何とでも言え。」

 

そんなやり取りを続けていると森の方から物音が聞こえた。

高速で何やら動いているらしい

 

「……誰かいるようだ。一旦切る」

 

『分かった。気を付けろよ』

 

「ああ……。」ガチャ

 

無線機を切り、岩陰から物音の正体を探る。もしかしたら新手のヴィランかもしれない。油断は禁物だ。

 

 

目を凝らして見てみると、洸汰君が言っていた仮面ライダーチェイサーに似た姿が見えた

 

「お疲れ」

 

《オツカーレ》

 

!?気付かれたか!?

 

「……ッ!」バッ!

 

今、気付いたようだが、気付かれたのには変わりはない。

 

 写真で見た通り変わり果てていたもののこの男は俺が除籍した生徒、緑谷出久そのものだった。傷だらけだったがそこまで酷くはないようだだが、まずは聞きたいことが山ほどある。何故、ここで合宿が行われていたことを知っていたのか、本当にマスキュラーを倒したのか、目的は一体何なのか、数え上げたらキリがない。

 

「恋人である轟さんの事を心配して此処に辿り着いたんですよ。そしたらこのザマだった、ってだけですよ。ああ、そうそう。マンダレイ、でしたっけ?プッシーキャッツのリーダーの甥っ子さん、保護して宿泊施設まで送っておきましたよ。今頃、誰かヒーローにでも保護されてるんじゃないですか?」

 

緑谷は、淡々とそう述べた。今言ったのが事実だとすると、いや、事実なのだろう。とてもじゃないが、そんな嘘をその場しのぎで作れるはずがないし、何しろ、今の緑谷の容貌が、何者かとの激しい戦闘があったことを物語っている。

 

 

「……そうか。その件に関してはプロヒーローとして礼を言わせてもらおう……。」

 

「で、何か用ですか?相澤センセ?まさかヴィジランテの俺を逮捕する機会でも、ずっとうかがっていたんですか?」

 

「いいや……お前の姿が見えたから追っただけだ……。ところであの筋肉のバケモン……“血狂い”マスキュラーを倒したのはお前か?」

 

「おっしゃる通りマスキュラーを倒したのは俺ですよ。言っときますがヒーロー免許は持ってますよ?捕まえたって無駄ですから」

 

緑谷は殺気を浴びせながら睨んでいた

 

その辺はオールマイトから聞いたオールマイトの元担任だったグラントリノが緑谷にヒーロー免許を渡していたと言っていた

 

“魔進チェイサー”としての緑谷は、今に至るまで何人ものヴィランを相手に、倒してきている。その中には指名手配犯もいた。

そんなヤツに俺が敵うとは考えにくい。

一先ずここは目的を聞いた方がーーー

 

 

 

 

 

 

ーーーいや、ここはコイツの手助けをする方が良いだろう。俺の一個人としてのせめてもの罪滅ぼしとヒーローとしての敵連合の目的も探ることを

兼ねて協力すれば、合理的かつ形勢は大きく変わるはずだ。

 

「そうじゃない……。何か俺でも、その、お前の役に立てるようなことがあれば言ってほしいだけだ。」

 

「……な⁉︎」

 

緑谷は、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をして、目を丸くして俺を見た。

 

「ふっハハッ」

 

緑谷は苦笑いをした俺がこんなことを言い出したのがそんなに可笑しかったのだろうか。

 

「……何が可笑しい?」ギンッ

 

俺は緑谷に睨みを利かせて凄んでみせた。

 

「いや……俺みたいなヒーローもどきにあなたのような偉大なヒーローが……そんなことを言うなんて、全くの予想外だったからな……」

 

「あの時……お前が道を踏み外す原因を作ったのは、アイツらだけじゃ無い……俺たち教師にも、その責任がある。俺は……そのせめてもの罪滅ぼしをしたいだけだよ」

 

俺は思ったことをそのまま話した。何一つとして嘘は無い。緑谷に、必要の無い苦しみを与えてしまったのは俺の教え子たちだけの非では無い。

 

監督責任として、俺にも非がある。アイツの言い分に耳を傾けてやっていればもしかしたら何か変わっていたのか、俺はどう対応してやれば良かったのか。性格に合わない、そんなことをいつも考えていた。

 

「そうか……。では一つだけ言う」

 

「……何だ?」

 

軽く息を呑んだ。何を言ってくるのか軽く警戒していたが、それも必要無かった。

 

「今、ここに来ている生徒全員の……個性による戦闘を最低限、許可してください」

 

「何故だ?」

 

「恐らく敵連合は今回は少数かつ精鋭のメンバーで来ている可能性が高い。1人1人の戦闘力は非常に高いでしょう……。もし、このまま個性の使用を許可せずにいたら……確実に死人が出ます」

 

「なるほど……。分かった。許可は俺が出そう。マンダレイがいるはずだから、この無線機で、俺がマンダレイに指示を出す。そうすれば、彼女の個性『テレパス』で全生徒に伝えられる。という訳で、この無線機をお前に渡しておこう」

 

俺は捕縛布の中から小型の無線機を取り出して緑谷に投げて渡した。

 

「ありがとうございます。それともう一つ……。敵連合の狙いは爆豪だ相澤先生もどうか気をつけて」

 

爆豪……?何故アイツが狙われているんだ?確かに普段からヒーローとしてどうかと思うような、言動、行動はあるが、根っからの悪では無い。もしや、あのUSJの時の脳無に改造するのか?様々な考えが頭を過った。

 

 

「……ああ。気を付けろよ」

 

「ええ」

 

《ライダー!チェイサー‼︎》

 

緑谷は再び変身すると走っていった

 

「……お前は誰よりもヒーローやってるし、誰よりもヒーローに向いている男だよ。緑谷」

 

俺は、誰もいない夜空に向かって呟いた。

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

「ご機嫌よろしゅう雄英高校!我ら敵連合、“開闢行動隊”!」

 

トカゲのような見た目をした男が、あらゆる刃物が束になった大剣を掲げてそう挨拶した。

 

「ヴィラン……!?何でここに……!?」

 

「外には漏れていないはずじゃあ……!」

 

突然のヴィラン、それも2人の来襲に生徒たちは戸惑いを隠せずにいた。

 

「はぁ……♡どの子から頭潰そうかしら……!」

 

サングラスをかけ、鉄の塊の棒のような武器を持ったオネェ口調の敵がそう口にした。

 

「待て待て、そう早まるなマグ姉!生殺与奪は、全てがステインの意志に

沿っているか否か……!それで決める!」

 

「ステインにあてられた者か……!」

 

「お前は……そうそうそこのメガネ君。インゲニウムの弟だな?お前はステイン、そして彼が認めた人間、緑谷出久の終わりを招いた人物……申し遅れたが、俺はスピナー!ステインの意志を継ぎし者だ!」

 

「ぐっ……!」ズキ……!

 

スピナーの、「緑谷出久を終わらせた」という言葉が飯田の心を深く抉った。

 

「何でも良いが貴様ら……!お前らが今、攻撃しようとした女……ピクシーボブは!最近婚期を気にし始めいてなぁ……何としてでも女としての幸せを掴もうっていい歳こいて頑張ってきてたんだよ!そんな女の顔、傷モノにしようとしていたヤツが偉そうに語ってんじゃないよ!」

 

虎が睨みを利かせて敵たちに対して凄んだ。

 

「虎……。」

 

「ヒーローが……人並みの幸せを夢見るか!」

 

ズゥゥゥゥン!

 

突如起きた地響きと共に、ヴィラン対ヒーローの戦いの火蓋が今、切られた。

 

「思っていたより重いパンチ……♡」

 

「鍛え方が、違うわぁ!」

 

ヴィランとヒーローとの戦闘が始まり、虎は、ヴィランの内の1人と肉弾戦を行なっていた。

 

「(こやつ……我のキャットコンバットの動きを読んで応戦している……!かなりの手練れという訳か……!)」

 

「あーん!もー近いッ!アイテム拾わせてっ!」

 

虎とマグネは距離を詰めて激しい攻防を繰り広げる。

 

「ラグドール……!逃げて……!」

 

ピクシーボブは脳無に襲われているラグドールを土魔獣を生成することで

サポートしていた。ラグドールの通信機は破損していたため通話はできないがゴーグル越しにピクシーボブから姿が見えていたため一応防戦できている、といった状況だ。

 

「しつこっ……!」

 

「しつこいのはお前だ!ニセモノが!早く粛清されr《ヒッサツ!フルスロットル》[ズガン!]ぐぁっ!?」

 

 

突如現れた謎の影により、スピナーの大剣が蹴り飛ばされ大きく弾かれた。

 

「ニセモノかどうかを決めるのはお前らじゃない……」

 

「!新たな敵か!?」

 

「あの姿……まさか……洸汰が言っていた」

 

「あ、あれは!?」

 

「そ、その声み、緑谷君!?」

 

 

突如現れた人物の正体は魔進チェイサー改め仮面ライダーチェイサーこと緑谷出久だった。

 

 

「み、皆!ラグドールが……

 

 

助かってる!脳無が機能停止しているわ!」

 

「ええ!?」

 

「な、脳無が!?」

 

「土魔獣でどうこうできる代物じゃないはずだぞ!?」

 

「一体何が……まさかあの子が!?」

 

「皆……!」ガサッ

 

茂みからラグドールが顔を出した。耳の通信機は破損して、あちこち負傷しているものの、無事なようだ。

 

「ラグドール!無事だったのね!」

 

「うん!さっき……!いた!あの子だ!チェイサーがあちきを助けてくれたんだ!」

 

 

「さっき振りだな」

 

「チェイサーですって!?姿は違うけどどうしてここに……」

 

「恋人が心配でたどり着いただけです……あ、そうだマンダレイ。相澤せ……イレイザーヘッドから伝言があるそうです。これを」シュッ

 

パシッ

 

「……これは?」

 

「無線機だ。それでイレイザーヘッドから指示を聞いて、貴方の個性、テレパスで全員にその指示を伝えてください。あと、貴方の甥っ子の洸汰君は保護しておいた……宿泊施設まで送ったのでもう大丈夫だ」

 

 

「……私は貴方の正体は分からない……でもとにかく洸汰を助けてくれてありがとう!イレイザー!」

 

ガガッ

 

ザー

 

『こちらイレイザーヘッド。緑谷……チェイサーはそこに居るな?』

 

「ええ。いるわ」

 

『よし……早速、テレパスで生徒全員に俺の名前で個性の使用を許可するよう伝えるんだ。しかし、必要最低限に、だ。あと敵の狙いは爆豪らしい……。これで良いな?緑谷』

 

「ああ……身を守るにはそれで十分だろう……お願いする」

 

「分かったわ……。」スッ

 

『A組B組総員!プロヒーロー、イレイザーヘッドの名において、戦闘を許可する!ただし、不必要な戦闘は控えること!ちなみに敵の狙いは爆豪勝己の模様!』

 

マンダレイの個性、「テレパス」により生徒全員にその連絡が行き渡った。

 

「伝えたわ……これでよかったかしら?」

 

『十分だ……では、気を付けてくれ』

 

ガチャ

 

「……緑谷君……。」

 

「何だ?飯田。まさかとは思うけどこの戦闘に参加するとか言うつもりか?お前は委員長らしく、他の皆を率先でもしてろ。今回も死人が出かねない」

 

チェイサーは飯田に見向きもせずに冷たく言っていた。

 

「……分かった」ブォン!

 

飯田はエンジンを使い他の生徒たちの安否を確認しに行った。

 

「チェイサー…君はステインが見込んだ人間だ……。君が、君を捨てたヤツらを助ける必要は無いはずだ……なのにどうしてそこまでする!君さえ良ければ、敵連合には君の居場所を作れる。君さえ良ければ、だが…」

 

 

スピナーが哀れむような声でそう緑谷に語りかけた。

 

「俺はお前らの番人チェイサーだ。死柄木から聞いてると思うが俺はお前らの仲間にはならないからな連れて行こうとしても無駄だ」

 

「(あの子は……リストとは別に、死柄木から、できれば連れてくるよう言われていた……緑谷出久とか言う子ね。彼は何を考えているのかしら?チェイサーは、他人に付いたりしないのは分かってるはずなのに……。)」

 

マグネは思考を巡らせた。

 

「(……さっきの地響きに私たちの思惑を知っているかのような言動……きっとマスキュラーね……彼なら色々とペラペラと喋っちゃいそうだから……。待って……マスキュラーとの通信が完全に切れたのはあの地響きが起きた時……ってことはあれがパワー負けしたってこと!?ありえない……強いとは聞いていたけどマスキュラーを倒すなんて……!)」

 

「(……ここは弱っているであろう今、連れ帰るどうこうよりも始末しておくべきね!)」ダッ!

 

自分の中で結論を出したマグネはチェイサーに襲い掛かろうと飛び出した。

 

「……!止まれマグ姉!」シュッ!

 

スピナーはナイフを投げて、飛び出したマグネを制した。

 

「「「「「!?」」」」」

 

スピナーのその行動に、彼以外の全員が驚いた。マグネを援助するためにナイフを投げたのならまだ分かる。だが、彼は「止まれ」と彼女(マグネ)を制するために投げたのだ。自分の敵であるはずの相手を助けるために行動するというのは実戦では中々見られない。それも、内通ではなく、本当の敵同士では……

 

「っ!何すんのよスピナー!危ないじゃないの!優先殺害リストとは別に死柄木直々に、連れて来れれば連れて来いって命令が出てるのよ!?」

 

ナイフを目の前に投げられたマグネは怒ってそう捲し立てた。

 

「彼はあのステインが認めた、道をニセモノ共により壊されたとはいえ、真のヒーローの素質がある者……!俺は、そんな彼の邪魔をしたくない……!」

 

「良いいのか?そんなことして。そっちの上に怒られたりしないのか?」

 

「……そんなこと構わん。俺は、ステインと……彼が認めたお前の意思を尊重したいだけだ。さぁ、進め!お前が行くであろう道に!」

 

「スピナー……。」

 

「分かったお望みどおり、行かせてもらう……お前のような信者のことはステインもそう悪く思っていないと思うぞ」

 

出久再び走り出し、その場を後にした

 

「……悪かったな、マグ姉。」

 

「本ッ当よ!……でも、あくまで貴方はステインの意思を尊重しようとしたのね……。今回の件は私たちの秘密にしておきましょう……。でも流石にそろそろ退散した方がいいわね。行くわよ!」バッ!

 

「……ありがたい。感謝する。」バッ!

 

「あ、待て!」

 

「今回はスピナーの信仰心に助けられたわね……でも、次会うときは……

ま、次なんて多分無いでしょうけど。」

 

マグネたちはそう言って森の中へ消えていった。

 

「行ってしまった……」

 

「緑谷……出久……。思い出したわ……雄英のあの事件の被害者ね……イレイザーから話を聞いたことがあるわ……」

 

マンダレイが緑谷が消えていった方を

見つめた。

 

「あの少年、委員長と話しているとき殺気を出してた……。事件のトラウマがまだ消えてないのだろう……。洗脳状態だったとはいえ、クラスメイトから暴力、罵倒、暴言で心身ともに衰弱しているのだろう……あの殺気はクラスメイトの行いに対するトラウマなのだろう……。……彼がまだ雄英に居れば、我も、彼を鍛えてやることができたのだろうか……。いずれにしても惜しい人材を失ってしまった……」

 

虎が悔やんでも悔やみ切れない、といった顔で下を向いた。

 

「彼はあの事件以来、ホームレス同然の生活を送ってきたそうじゃない……。あの力は、きっとその地獄を生き抜いていくために身に付いた実力なのよ。」

 

「……あのね。」

 

「?どしたのラグドール。」

 

「あの子……脳無から助けてくれた時にね、

他にも教えてくれたんだ。個性を奪う個性の持ち主に、あちきの個性が狙われていたことも……それと……彼が倒したときに

独り言が聞こえたんだ。「何故俺も狙うんだ?」って……!」

 

「……!ってことはあの子も!かなり危険じゃない!」

 

「だけど私たちには何ともできない……。」

 

「……っ!でも……!」

 

ピクシーボブが悔しさで手を握り締めた。

 

「出来ることと言えば、あの少年の無事を祈ることぐらいだろう……。」

 

「……そうね。さ、行きましょう。他の生徒の安全を確認しないと……。

彼が洸汰を守ってくれたんだから私たちも生徒たちを守んないと!」

 

「聞いた!?戦闘の許可が出た……つまり個性が使えるってことだよ!

茨!出番だよ!」

 

「……分かりました。私から見て、西の32°……200mほど先で、

ガスの発生源を確認……。周りに負傷者は見受けられないので、多分大丈夫でしょう……。」

 

塩崎の個性、「ツル」で森に充満する毒ガスの発生源を突き止めた拳藤、塩崎、鉄哲の3人。彼らは八百万が創造したガスマスクを付け、毒ガスの発生源を叩こうとしていた。

 

「おし!じゃあそいつを叩きに……。」

 

「そうだけど、闇雲に行ってもやられるだけ。慎重に行こう」

 

彼らは進むにつれて、ガスの濃くなって行く道へと入っていった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ここら辺から急激にガスが濃くなってきてる……。マスクのフィルターもそろそろ持たないかも……。」

 

「お。3人発見〜!」ガァン!

 

「ッ!塩崎!拳藤!」ザッ!

 

ガキガキン!

 

鉄哲が、個性「スティール」を利用し、銃撃から2人を庇った。しかし、2発撃たれた弾丸の内の1つが彼のガスマスクを破壊してしまった。

 

「ッむぐぅ……!」

 

咄嗟に口元を覆ったが、それにも限界がある。

 

「「鉄哲(さん)!」」

 

鉄哲が睨む先には、ガスを発生させているのであろうヴィランが拳銃を彼らの方に向けていた。

 

「お〜。今の防ぐか〜。さっすがエリート!」

 

背丈は中学生位だろうか。学ランに、ガスマスクを装着しているヴィランだった。

 

「ま、何発も食らえばさすがに持たないでしょ。」ガァンガァン! 

 

「っご……!」

 

スティール化しており、銃弾を防げてはいる

ものの、受けたところから血が出てきた。

 

「あれ?もう終わり?だったら次はあの女どもでやるか……。」チャキ……

 

「「……っ!」」

 

「……!(させてたまるか……!クソ……鉄分が足りねぇ……。でも拳藤と塩崎が……!)」

 

口元に流れ込んでくるガスと、銃弾を何発も受けたことにより、かなりのダメージを受けた鉄哲。だがこのままでは、拳藤と塩崎が射ち殺されてしまう……。その時だった

 

「な…‼︎身体が重たい⁉︎」

 

ガスを放っている敵の動きが鈍くなっていた。姿が見えない出久が重加速を発動したからである

 

「お、俺もだ!」

 

「私も‼︎」

 

「どうなっているのでしょう?」

 

その時ミニカー(バイラルコア)達が鉄哲達に触れて重加速を解除させた

 

「あれ?動きが…」

 

「身体が軽い」

 

「なんで?

 

「今のうちにやれ‼︎」

 

「だ、誰?」

 

「ですが今がチャンスです拳藤さん!鉄哲さん‼︎」

 

「了解っ!」ブォン!

 

「なっ⁉︎」

 

「………!」ズガシャア……!

 

拳藤の大拳で風を出して毒ガスが薄くなった瞬間、鉄哲が鋼鉄化した腕でガスマスクの敵の顔面に強烈な一撃を入れた。ガスマスクは割れて、その素顔があらわになった。

 

「……っはぁはぁ……!」

 

「大丈夫ですか!?鉄哲さん!」

 

「ああ……お前の個性で、あのガキ拘束しといてくれ……」

 

先ほどのストレートで、ガスを放っていた敵は気絶したようだ。

 

「分かりました。」シュルシュル

 

「今の声は誰だったんだろ?」

 

ーーー

 

「ガスが止まったようだな」

 

緑谷はスピナーに逃された後、索敵をし続けてる時に鉄哲達を助けていたのだ

 

「な……!八百万さん!」

 

視線の先には八百万を担ぎ、脳無から逃げている泡瀬溶雪というB組の生徒がいた。

 

「まずは脳無を……」

 

《ヒッサツ!フルスロットル‼︎》

 

バッ!

 

「うお!?何だあれ!?」

 

「はぁぁぁ‼︎」

 

ズガン

 

「ギョオオ……!」

 

疲労により威力が半減してしまい、決定打には至らなかったが、一瞬怯ませることはできた。

 

「く……早く逃げろ!」

 

「え?あ、ああ!」

 

そのままチェイサーと共に逃走する泡瀬と八百万。

 

獲物を見失った脳無は森の奥へと退散していった。退散している脳無にチェイサーは発信機を付けた一台のバイラルコアを使い後を追いかけさせた

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

八百万は頭部から出血しており、気を失っているようだ。

 

「……これで応急処置はできた。脈もあるし、命に別状は無い」

 

変身を解いた緑谷が包帯を自分にも

巻きながら泡瀬に告げた。

 

「助かった……!お前には色々聞きたいことがあるけど、まずはありがとう……!」

 

泡瀬が頭を下げて感謝の言葉を述べる。

 

「別に。助けられる人はできるだけ助けたかっただけだ」スッ

 

「あ……もう行くんだな。」

 

「ああ、さっき逃げる途中で氷塊の一部が見えた。轟さんに違いない。煙や光が見えたから爆豪もいるはずだ。敵は恐らく相当な手練れなんだろう。あの2人で時間がかかるくらいなんだからな」

 

「……お前すごいよな。」

 

「?何がだ?」

 

「そんなボロボロになっても誰かを助けようとする……その姿勢がさ。さっきだって、俺と八百万のことあのバケモンから逃してくれたじゃねぇか。」

 

「……たまたまだ」

 

「だとしても……お前やっぱすげぇよ。俺なんかよりもよっぽどヒーローだよ。」

 

「……ふん」

 

「うう……。」

 

「!八百万!目ェ覚ましたか!」

 

「俺はここを去る…じゃあな」

 

出久は気がついた八百万を見向きもせずに走り去った

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!ガスが消えた!」

 

「だったらやることは一つだぁぁぁ!」

Bomb!

 

「!不用意に戦う必要は無いって聞いてたの!?ガスが引いた今、一旦引くよ!」

 

「肉……!肉面!にくぅうううめぇええん!

僕の、獲物、肉、肉、肉ぅぅ!」

 

体が、口以外全て拘束服で覆われたヴィランが、歯を刃物に変えて襲いかかって来ている最中だった。

 

「クソ……!(見るからにヒョロヒョロの雑魚だが……地形と個性の活用の仕方がうめぇ……相当場数を踏んできてんな……。半分野郎ははっきり言って当てになんねぇ……。)」

 

ズドォォォン……!

 

「!?何だ!?」

 

「グアアアアアアア!」

 

「轟、爆豪!どちらでもいい!早く……光を!常闇が暴走した!」

 

複製腕を使い、障子がそう言った。どうやら一緒に行動していたようだが、何かの拍子にダークシャドウが解き放たれたようだ。

 

「暴レタリンゾォォォォ!」

 

「だ、駄目だ……!その子らの肉面を見るのは僕だ……!僕の仕事……邪魔、するなぁぁぁ!」ジャキン!

 

「ぐっ!おい!爆豪……!」

 

「待て!」

 

ムーンフィッシュが歯刀をダークシャドウに突き刺したーーーーーと思われたが、歯刀はダークシャドウを貫通し、ダークシャドウによりムーンフィッシュは木をへし折りれながら叩きつけられた。その衝撃により歯は一本残らず折れ、ムーンフィッシュは伸びてしまった。

 

「見てぇ……!」

 

その様を見た爆豪は、まともに戦えなかったダークシャドウの力を見てそう呟いた。

 

「ガァァァァ!暴レ、暴レタリナイゾ!」

 

バシュッ!

 

「ひゃん!」

 

轟、爆豪の個性による光に怯んだダークシャドウは常闇の体へと収縮

していった。

 

「ハァ……!ハァ……!助かった……!」

 

「……テメェと俺との相性が最悪だぜ」

 

「私達防戦一方の相手を一瞬で……」

 

「障子、爆豪、轟……悪かったな。複製腕が切り飛ばされた瞬間…怒りに任せダークシャドウを解き放ってしまった。闇の深さ…そして俺の怒りが影響されダークシャドウの狂暴性に拍車をかけた…結果、収容もできない程に膨張し、障子や……皆を傷つけてしまった。」

 

「そう言うのは後だ。ヴィランは常闇が倒したし、一旦宿舎に戻るよ」

 

「ああ……そうだな」

 

途中で、麗日たちと合流した轟たち。だが、彼らはあることに気付いた。

爆豪、常闇がいなくなってることに。

 

「彼らなら、俺のマジックでいただいたよ!常闇君はアドリブさ。ムーンフィッシュはあれでも死刑判決控訴棄却されるような生粋の殺人鬼だ。それを一方的に蹂躙する暴力性、彼も良いと判断したのさ」

 

「!爆豪たちを返せ!」

 

「返せ?妙な話だなぁ。彼は彼自身のもの。誰のものでもないぜ。このエゴイストめ!」

 

「戦闘中にお喋りとは……随分と余裕だね」ガキィィン!

 

轟が最大威力の氷塊を放つが、それも機敏な動きで避けられた。

 

「悪いね……俺ぁ逃げ足と欺くことだけが取り柄でよ!ヒーロー候補生なんかと戦ってたまるか!」2人を閉じ込めているのであろうビー玉を握り締め、通信機を入れた。

 

「開闢行動隊!目標通り“餌”の回収は達成だ!短い間だったがこれにて幕引き!!予定道りこの通信の数分以内に“回収地点”へと

向かえ!」

 

開闢行動隊全員に通信が行き渡った。颯爽と逃げ去っていくMr.コンプレス。この時の彼はまさか誰かに先回りされているだなんて微塵も思っていなかっただろう…




次回魔進チェイサーはヴィジランテ

「そいつを返して貰おうか」

「な⁉︎お前は‼︎」

「君を洗脳して僕の仲間にしよう」

「俺はチェイサー。お前らヴィランを倒す番人だ!」

次回雄英謝罪会見
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