エブたそ…可愛いらしい。いや可愛いのだ。
ジジジジジジ…
短い草だらけの、少し広い空間にベッドが置かれている。枕元にある物が震えている。
震えながら大きな音を立てて、空間に音が反響する。
10秒ほど経つと、その空間へ続く扉が開いて、ふわふわぬいぐるみナナチがやってくる。
「おーきーろー!時間だぞー!」
そう言いながらベッドに横になっている者に対して、柔らかい手でゲシゲシと叩く。
「はやくご飯作れよー」
まだ止まらない。
そして叩くのが止まったかと思えば恐ろしい言葉を発した。
「お前が起きないなら今日のご飯は奈落シチューだぞ…」
「ぐーてんもるげんナナチ!それとすまなかった!」
流石にアレはもう食べたくない。
奈落シチューという最終兵器の選択を回避し、起きたばかりの体に効く簡単なスープを作る。
「なあエブたそ。今日のはどんなやつなんだ」
「今日のは魚と穀物…は少ないけど、その分野菜が多めに入ってるスープだね」
「おぉ…ぜってー旨いんだろうな。けどまたお前自分の素材使っただろ」
魚はアビスの味、ガンキマス。野菜もアビス産、しかし穀物だけはどうしても手に入らないので、手持ちの穀物を使っている。ベースは魚からの出汁。
「ぐっ……だって、ナナチに美味しい物を食べさせてあげたくて!」
「美味いもんが食べれるのは嬉しいけどよ、オイラよりエブたそが食べてくれよ。お前最近頑張りすぎだぞ」
ナナチが心配してくれるだけで嬉しい気分になる。かわいい。モフりたい。
「なー…みっ…みぃ〜」
ミーティは喜んでくれているようだ。
「んなぁ〜……なんだよ、こっちみんなって」
美味しいものを食べてるナナチの顔は国宝級である。
その顔を見られて恥ずかしくなっているナナチは世界遺産モノである。は?遺産じゃないが?生きとるが?あ?[発狂]
…………鎮静剤はとても良く効く。
ナナチが狩り場の見回りに行ったので、帰ってくるまでミーティと遊ぶことにした。
「みっ、んく…なぁー」
撫でたり、抱えたり、本を読んだり、横になったり。
ミーティは全ての動作を私に預けてくれる。
最初の頃は全く寄り付かれず、また近づいても距離を少し離されてしまう状態だった。
しかしその問題は時間によって解決され、今ではこんなにも懐いてくれた。かわいい。
ミーティはかわいいのだ。可愛すぎて一生愛でられる。
ピンク色の可愛い存在、目を惹く大きな目、大きな口。柔らかそうな腕の先、手には鋭い爪がある。
ああ…最高に可愛い……なんでもモグモグしちゃうの可愛い……………
ミーティとナナチが一緒になっている光景なんてもう粒子になって消えちゃうくらい可愛い。
ナナチが見回りから帰ってくるまで、ミーティと遊び続けた。