大きな大きな穴の街。
そんな街に、シルクハットの男がやって来ました。
ゆらゆら交易船にのり、はるばるオースへやって来たのです。
港に着いた男はすぐに、大きな穴に近づきました。
周りの人は男の突然な行動に驚きました、「彼が穴に落ちてしまう!」と。
多くの人に止められて、男は穴から遠ざかってしまいました。
穴に興味のある男は訳を言いながら穴にもっと近づこうとしますが、周りの人には声が届いていないようです。
穴から離される男に、さらに不幸が襲いました。
一連の流れを見ていた群衆の中に、なんと自警団が居たのです。
男は自警団に捕縛され、尋問されました。
穴に落ちようとした理由を聞かれると、男はおかしな事を言いました。
おかしな事を聞いた自警団の人たちは、男を気狂いだと思い、見張りをつけて解放しました。
男は穴に潜ることはおろか、近づく事さえ出来なくなってしまいました。
男は悲しみに暮れた末、お店を開きました。
お店はとても小さな物でしたが、異国の物を扱っていたので、多くの人が訪れました。
今日もそのお店はお客さんでいっぱいです。
こうして男は幸せに暮しました。
めでたしめでたし。
オースが舞台の物語。
どこにでもある物語。
おや?
変わった風貌の男の人が、この物語を読みました。
ある日の昼下がり、家と家の間にある、とても小さなお店に女の子がやって来ました。
「おじさんいる〜?」「おやおや、また君かね。最近は毎日来ているね」
女の子の声に反応して、血の気のない顔の男が店の奥から現れました。彼はハゲていました。
「今日も異国についてかい」「うん!」
お店の中は、外観からは予想できない程の、広々とした空間が広がっていました。
多くの異国の物、更にはシルクハットまで、壁から棚、さらには天井までビッシリと配置されています。
ですが、今日の女の子のお目当ては別の物です。女の子は男の話を目当てにやってきました。
「じゃあ前回の続きといこう」
…前回は確か、彼が召喚された敵を倒した所だったかな。
彼は倒した後に建物の中に入って、ミイラに触れたんだ。ああ、ミイラっていうのはね、死体を、こう、何か色々して形を保った物のことさ。
…なぜ彼はミイラに触れようと思ったのかは分からないが、彼は触れた後、突然その場から別の場所へ移動してしまったんだ。
それから……
「……そうして彼は、ついに敵を召喚した者へと辿り着いたんだ!」
女の子は興奮し、身を乗り出す。
「そ、それでどんな奴だったの?!」
男はニヤリとして立ち上がった。
「続きはまた次の機会だ。そろそろ空が暗くなって来た。さあ、帰りなさい」
いつの間にか空は橙色から深い青色に変わろうとしていた。
「わわっ、もうこんな時間!?はやく帰らないと!」
元気よく飛び出した女の子は、あっという間に角を曲がり、見えなくなってしまった。
「…」
曲がった角を見ながら男はニヤリと笑った。
ありがとうございました。
またまた何にもならない文章ではございますが…脳から上手く言語化できるようになれば、ちゃんと描いてみたいと思います
作品ざっくり:ブラボのパッチです。
前半の物語は本当の話で、オースに流れ着いたパッチさんが偶然見つけて、その男になりすまして生活していました。
好奇心旺盛な人がよく来るようなお店なので、そこに来る人に遺物に関する情報を貰ったり、あわよくばアビスの神秘を解くようにでも仕向けて、解いてくれないかと期待しているおじさんです。
リコという原石を見つけてニッコリしている。
扁桃石とか渡しそう()