ラブライブ!ーschool idol produce- 作:AGRS
やっぱり更新遅れましたw
考えてはいるんですが、中々文章に表せない……。
難儀なものです。
それでは、どうぞ!
「ねぇ、晴人君。明日一緒にCDでも見に行かない?」
ダンスの練習の振り付けを一通り終え、アイ研部室に戻ってきてそれぞれ帰り支度をしていると、ことりが突然そんな事を言っていた。
「し、CD?俺と?」
「何か新しい新譜がないかなぁって」
ことりとは例の1件もあり、会話しづらい。
と思っているのは俺だけのようで、ことりはニコニコしながら話しかけてくる。
…俺、この人にキスされたんだよな。右頬だけど。
「ちょうど週末だし…どうかな?」
身長差があるせいか、やや上目遣いになるような形で見つめてくる。
ちょ、やめてくれ。ことりの容姿でそれはあまりにも破壊力がありすぎる。
「えー!? それなら穂乃果も行きたいー!」
俺とことりの会話を聞いていたのか、制服に着替えた穂乃果が間に入ってきた。
「私も晴人君とどこか行きたいよ~」
「たかがCDショップだろ…」
「うぅ~。それでも!」
「そうですね、私も一緒に行ってみたいです」
カバンを肩に下げた海未も会話に混ざる。
って海未も賛成なのか…。
週末と言っても明日は金曜日。大方、ライブ前の緊張をほぐすための息抜きのつもりなんだろう。…だからって俺を誘う必要があるのか?
「もちろん、穂乃果ちゃんと海未ちゃんも。人数は多い方が楽しいからね~」
「やったー! 海未ちゃんも行くよねー?」
「ええ、では練習終わりに行きましょうか」
2年生組は既に行く気満々である。えぇー…俺、まだ行くとも言ってないんだけど…。
「うーん、凛も行きたいけど、明日は思いきりラーメン食べたい日だから遠慮しとくにゃ!」
「花陽も…ちょっと用事があって…」
「私も…」
一方で1年生組は、みんなやんわりと断った。助かった、と思うべきかもしれない。この消極的な流れに乗って状況を打破する……!
「おいおい。そもそも俺が行くと言ったわけじゃ…」
自然な表情でことりの提案を断ろうとすると
「え? 晴人君、行かないの~?」
「行かないの!?」
「行かないのですか?」
…………
「行、き、ます……」
情けない、と内心自分を嘆きながら、明日を迎えることの憂鬱さに深く溜め息をついた。
「晴人もすっかり皆の人気ものやね~」
「……そうね」
絵里と希は部室を出た後、生徒会室へと向かうため廊下を歩いていた。アイ活中とはいえ、任期も残り少ない彼女達にとって引き継ぎなどを疎かにしない為にも日々の生徒会の仕事は大事だった。
また、これを理由に明日の予定も断ったわけだが。
「最初はどうかと思ったけど、いざ関わってみるといいもんやね。やっぱり男子1人いるだけで変わるんやねぇ」
「それがいい方向に、とは、言えないけど…」
絵里の発言に希は首を傾げる。疑うような視線で希は彼女に訪ねた。
「えりちは晴人に不満があるん?」
「まさか。晴人を引き込んで正解だったわよ」
実際、彼はよくやってくれている。
曲やダンスの僅かな問題点を晴人は即座に指摘し、メンバー達への配慮も完璧だ。穂乃果や凛は彼を信頼しているし、にこや真姫も彼に対して少なからずとも嫌ってはいないだろう。絵里自身、理事長から話を聞かされたときは動揺したものの、今となっては杞憂だった。
このまま行けば、来週の講堂ライブも大成功を収める事になる……絵里はそんな確信染みた思いまで持っていた。
「ただ…晴人の影響がスクールアイドルの事だけに留まるとは思えなくて…」
絵里は神妙な面持ちで、廊下の窓から外を眺めた。
すでに空は赤く染まりかけており、学校帰りと思われる小学生が元気に走っていた。
「…それは、晴人がμ'sの誰かと恋仲になって、それが原因でウチらがバラバラになる…とか?」
「そうじゃない。そうじゃないわ…」
希が口にした可能性を絵里は首を振って否定した。
恋仲になるだけならまだいい。……その恋仲になった"後"を考えるのがとてつもなく怖い。
「今のままいられなくなると言うか…私達が私達でなくなってしまうような気がして」
それは彼女の憶測であったが、ある意味では正鵠を射ていた。
ただ、現時点では彼女に知る由もない。
「私自身もよくわからない、わからないのよ…」
生徒会室に辿り着き、そのドアの前で表情を曇らせる絵里を心配して、希は気遣うように声をかける。
「えらく抽象的やね…。えりちは根つめすぎるからそんなマイナス思考になるんよ。ほら、リラックスリラックス~♪」
「…そうね、私の考えすぎね。ありがとう、希」
希の言葉に少しは余裕ができたのか絵里は微笑む。それを見て希も心の中で安堵の溜め息をついた。
「それにしても、晴人があの夢神 桐葉の弟なんて驚きやったわ」
話題を変えるためか、希がその話を絵里に振る。
「2年前のA-RISEのリーダー……スクールアイドルをやっていて彼女を知らない人はいないでしょうね」
「ま、ウチらの何人かは気づいてない子もいるみたいやけどね」
「あの人の名字は当時あまり知られてなかったし…晴人も話す気ないみたいだし、ね」
UTX学院のスクールアイドルの弟だということで、あの才能にも合点がいった。それを抜きにしても彼自身の才能は凄まじいものだったと思うが。
「…そう言えば、希はどこで知る機会があったの?」
絵里は晴人の転入手続きの際、理事長から話を聞いた。彼の事を察して、誰にも言いふらしたりしていない。勿論、希にも言ってないため考えられるのは他の誰かから聞いたとかだがーー
「ウチにはこれがあるからね」
そう言って希が見せたのは、彼女が愛用しているカードだった。それを見て絵里は呆れたような溜め息をつく。
「どうやって知るって言うのよ…まったく」
自分の最大の親友にそう呟きながら、絵里は生徒会室のドアを開けた。
「あ! A-RISEの新曲出てる!」
迎えた週末、金曜。穂乃果、海未、ことりと一緒に秋葉原のとあるCDショップへと赴いていた。
着いて早々、穂乃果は新譜のコーナーへと駆け出して綺麗に並べられているCDに目を輝かせている。
「これ、この前の路上ライブで歌ってた曲だね。にこちゃんから聞いたよ」
「そうなんだ。私行ってないからな~」
「私もです。1枚買っておきましょうか」
「あ、それなら海未ちゃん、穂乃果にも貸してよ!」
それって敵の売り上げに貢献するわけだが…まぁ、いい曲は何にしたっていい曲だしな。
俺は3人と離れて店内を適当にぶらついた。別に欲しいのがあるわけじゃないし、女子と見て回るのもなかなか疲れると思うし…。
しばらくして、ワゴンに積まれているCD達に目をやった。それは何年か前の物だった。
その中の1枚、当時のA-RISEであり、自分の姉が写っているのを晴人は手に取った。
「……」
ふと晴人は思う。僅かにCDを掴んでいる手に力が込められる。
(桐葉は……何を思ってスクールアイドルを……)
そんな考えが頭に浮かんだ時
「晴人、何を見ているのですか?」
うわあああぁぁぁぁぁ!!!?
背中からかけられた海未の声に、咄嗟に手に持っていたCDを隠す。首を傾げている所、どうやらバレてはいないみたいだ。
「急にいなくなったと思ったら…今、何か隠しませんでしたか?」
「べ、べべべ別に? 何も隠してなんかいないけど?」
自分でも声がうわずっているのが分かる。俺の挙動不審さを怪しんで、海未は距離を詰めてきた。
「怪しいですね…ちょっと背中を見せて下さい!」
「な、何でもないんだってば!」
「なら、見せなさい!」
絶対に見られてたまるか、と必死になって手に持っているCDを死守しなければならなかった。
穂乃果は新譜コーナーを見た後、晴人同様、店内を見て回っていた。ことりは会計に行ったのでその時間潰しと言った所だ。
「あ、晴人君! 」
遥か前方に、ワゴンの前に立っている晴人の姿を見つけた。声をかけよう、そう思って彼の名前を呼ぶ。
「はる……」
だが、それは失敗に終わった。
それより先に海未が彼に声をかけたのだ。さらに海未は晴人に詰めよって、何やら問いだしているようだ。
しかし、端から見るとまるで仲睦まじいカップルのようだった。
(……)
その光景を見て穂乃果は自分の胸が痛むのを感じた。
(海未ちゃん…晴人君と何話してるのかな…)
ーー邪魔だなぁ
(……?)
穂乃果は自分の頭に浮かんだこの感情がなんなのか分からなかった。
「お待たせ、穂乃果ちゃん。あ、晴人君達もいるみたいだね~」
「あ、ことりちゃん…。うん、それじゃ2人も呼んで帰ろっか!」
穂乃果は何もなかったように、いつもの元気な表情で晴人と海未に駆け寄って行った。何てことない。いつも通りの日常。
だが……
絵里が危惧していた事態は、すぐそこまで近付いていた……
サブタイのEは"eden"
『楽園』となっております。
なんかもう……勢いです。
次回はおそらくライブです。