ラブライブ!ーschool idol produce- 作:AGRS
よっしゃあああああああぁぁぁぁ!!!
あ、どうも、AGRSです!
ついに!ついに自分が書きたかった展開が書けました!やー満足満足w
皆さん、期待しちゃっていいですよ!←(何様
先に謝っときます、穂乃果推しの人、すみません!
では、どうぞっっっ!!!
ーーー訳が分からない。
そう思えるほどの混沌とした状況だった。
「……」
ファミレスの1スペースで俺は腕を組んで座っている。最初に持ってきた水とメロンソーダ(MIX なっちゃん)は既に飲み干しているため空だ。
「~~♪」
俺の右隣では、穂乃果が満円の笑みでカルピスを飲んでいる。
「……」
左隣では、真姫がテーブルに肘をついて店内を見ていた。
「むむむ…」
俺の正面では、凛がメニューを穴が空くほど見つめている。何を食べるか悩んでいるようだった。
「……あはは」
凛の左隣では、花陽がそんな凛を見て苦笑している。
「ウチのおすすめはこのコスモドリアなんよ~」
凛の右隣では、希がそんな事を言いながらメニューの1つを指差した。
「……」
俺達の隣の席では、海未が凛々しい表情で佇んでいる。持ってこられた水は1滴も飲んでいない。
「……」
海未の左隣では、ことりがにこにこしながら俺達の方を見ている。…にしても見すぎだと思うけど。
「……ふぅ」
海未の正面に座っている絵里はやれやれと言った感じで水が入っているグラスに口をつけた。テストが終わった後にも生徒会の仕事があったようで、やや疲れ気味みたいだ。
「なんか座り心地悪いわね、この椅子…。ちょっと晴人! そこと変わりなさいよ!」
そして絵里の隣に座っているにこが、相も変わらず偉そうな態度で俺に言ってくる。
「変わった所でそんな違いないだろ…」
にこにそう言い返すと、俺は心の中で大きく溜め息をついた。
俺はここに至るまでの出来事を思い返す。
テスト終了の打ち上げとして、凛、花陽、真姫と共に俺の奢りで何か食べに行こうとなったのだがーーーそこで偶然穂乃果、海未、ことりの2年生組と鉢合わせたのだ。
考えていたことは同じだったようで穂乃果達も何か食べに来ていたようだった。当然と言えば当然だが、一緒に食べに行こうと言う穂乃果の提案に彼女達の分まで俺が奢る事になった。
花陽が複雑な表情をしていたが…そんなに1年生組だけで食べたかったのかな?
すると、すぐさま俺の携帯に希からメールがきて、「何か奢ってくれへん~?」と言ってきたので、ここに来るようにと返信した。
かくして、音ノ木坂学院のスクールアイドルユニット"μ's"の全メンバーとそのプロデューサーがとあるファミレスに集まったのだった。
「……本当にファミレスなんかで良かったのか?」
誰に言うようでもなく、俺は呟く。それに対して絵里が代表するように返答する。
「いいのよ、全員分好きなの食べに行ったら…流石に時間足りないだろうし。それに、ファミレスと言っても色々美味しいものはあるんだからそれで満足させてもらうわ」
なるほど、と俺は内心思った。妥協していると言ってもちゃんと食べたかったものに釣り合うくらい食べるってわけね…。
では、次の問題だ。
「…穂乃果、くっつきすぎだ。離れろ」
「え~? これ以上離れたら穂乃果死んじゃう!」
そのくらいで死ぬもんかーーーと言おうとして、やめた。既に何十回と繰り返したやり取りだ。今更注意した所でこの少女がわかってくれる筈もない。
諦めるように溜め息をついていると、穂乃果が制服の裾をクイクイと引っ張って聞いてきた。
「ねぇねぇ晴人君。……どうして晴人君達だけで行こうとしたの?」
「ん…たまには俺達だけで行くのもいいって事になってな。穂乃果達が他の予定あったかもしれないし」
「誰が言い出したの?」
「え…? 花陽だけど…」
「ふぅん…」
俺の話を聞いて一通り満足したのかそのまま穂乃果は花陽の方を向く。彼女の視線に気づいたのか、メニューを見ていた花陽は慌てた様子で穂乃果に口を開いた。
「ご、ごめんね。穂乃果ちゃん」
「ううん、いいんだよ別に。…でも、次からは一言かけて欲しいなぁ」
「…そうだね、"気をつけるよ"」
穂乃果と花陽の間に火花が散った。……ような気がする。僅かに手汗が滲んだ。
「ねーねー、そろそろ注文しようよ~。凛、お腹が空きすぎて死にそうだにゃ~」
……確かに凛だとそれで餓死しそうだな。と、笑えない冗談を心の中で思いながら頷く。
「じゃあ、皆決まったみたいだから注文しようか。遠慮しなくていいからな」
俺の言葉とほぼ同時、凛が勢いよく呼び出しボタンを押すのだった。
「晴人君、私が食べさせてあげるよ!はい、あ~ん」
俺が注文したエビフライ定食を食べようとしたら、穂乃果がひったくるように箸を奪い取り、あまつさえエビフライを箸で掴んで食べさせようとしてくる。
「穂乃果ちゃん、それはやり過ぎと思うんよ…」
希が穂乃果の行動を見かねて注意してくる。だが、聞く耳を持たないと言った態度でなおも穂乃果はエビフライを俺の口に突っ込もうとしてきた。
「ほら、早く口開けてよ~」
チラリ、と希に助けを求める視線を送るが、希は「諦めるんよ」と言うように首を振った。……どうしようもないか。俺は諦めて口を開けた。
「あ~ん」
穂乃果はそれを見ると、喜んで箸で掴んでいたエビフライを俺の口の中に入れた。口の中で何度か噛んで飲み込む。すると、今まで感じていた空腹感が和いだ。
「どう? 美味しい?」
「…ああ、美味しいよ」
しかし、味はしない。自分の味覚を疑うくらい"味を感じなかった"
「えへへ、それはね! 私が食べさせてるからだよ」
自分が作ったわけでもないのに穂乃果は自身満々に言ってくる。『味がまったくしないんだ』なんて言えないのでそういう事にしておこう。
「はい、あ~ん」
2度、穂乃果は俺にエビフライを突き出してきた。
「いや……もういいだろ」
「どうしてぇ? 晴人君は嬉しくない?」
「嬉しくないわけじゃないけど皆が見てる前だし…」
「いいんだよ……見せつけちゃえば」
ドンッ! とテーブルを叩く音が響く。
「いい加減にしなさい、穂乃果」
椅子から立ち上がった真姫が物凄い剣幕で穂乃果を睨む。パスタを食べる為に使用していたフォークが落ちていた。
「あなたの最近の行動は目に余るものがあるわ。私達はスクールアイドル、誤解される行動は控えるべきよ」
怒気と説得力を孕んだ言葉に穂乃果は気圧される事もなく、真姫を睨み返した。
「スクールアイドル…スクールアイドルかぁ…」
他人事のように呟く穂乃果。
「私がそんなのだから…」
「皆邪魔するんだ…」
「それならいっそ…」
「μ'sが無くなっちゃえば…穂乃果を邪魔する人はいないよねぇ?」
嘘だ、と思うしかない穂乃果の発言に頭が痛くなった。
「んんんんんんんん~ッ!!」
突然のうめき声に俺は驚く。見ると凛が苦しそうに胸を叩いていた。…どうやら詰め込み過ぎて喉に詰まらせたみたいだった。
「り、凛ちゃん、お水!」
花陽がグラスの水を凛の口の中に流し込む。大丈夫か、おい。
「……とにかく気をつけてよね」
「はーい♪」
真姫は椅子に座り、穂乃果は俺から距離をとる。殺伐としていた雰囲気がしだいに薄れていき、普段の和気藹々とした感じに戻っていく中、俺は鼓動が速くなるのを感じた。
(穂乃果…どうしちまったんだ……?)
当然の事、そんな状態で料理の味がわかるはずもなかった。
「お腹一杯にゃ~」
何時の間にか外が薄暗くなっている。あれからそれぞれ食べたい物を注文しまくり、打ち上げは終了した。おお、財布が軽い軽い。
あの後、特にメンバーの間で問題も起きなかったし……今日の所はだけど。
「じゃ、解散にしましょうか」
絵里の言葉の元、皆それぞれ家に帰って行く。
「晴人君、またね!」
「…ああ、また来週な」
俺は力なく手を振る。さっきの穂乃果を見た後では、どうにも元気に見送る事が出来なかった。
「ことりちゃん、帰ろ!」
「ごめんね穂乃果ちゃん。私、寄るとこあるから…」
「でも、もう結構暗いよ?」
「次の衣装の材料を出来るだけ早く買っておきたいから…ごめんね」
「そっかー…じゃあ一人で帰るよ」
海未は先に帰ってしまった為、穂乃果は一人で帰るようだ。
「また来週だね、ことりちゃん!」
「うん。ーーー"またね"、穂乃果ちゃん」
何故かその別れの言葉が耳に残った。
「~~♪」
穂乃果はスキップに近い足取りで帰り道を歩いていた。空は既に真っ黒に染まっているが特に気にならない。
「今日も晴人君といっぱい話せたなぁ」
おまけにご飯も食べさせちゃったし…途中、真姫ちゃんとかが五月蝿かったから我慢したけどもっと食べさせてあげたかった。
やっぱり晴人君と居ると楽しい。何とも言えない幸福感に満たされる。彼がいればーーー他の事などどうでもいい。学院も、μ'sも、"ラブライブ!"さえも霞んで見える。穂乃果は、もうそこまで狂っていた。
「早く…会いたいなぁ」
来週にならなければ会えない残念さに胸を痛めつつ、次に会った時に何を話そうかと穂乃果は考えながら一歩踏み出した。
暗転。
穂乃果は地面に倒れ伏した。
「……あ……れ……?」
体が動かない。いや、体が金縛りにでもあったかのように動かすことができない。一体、自分の体に、何が、起きてーーー
「う……っ…く……ぅ……!」
どうにか立ち上がろうとするも、膝をつく事すらできない。それでも諦めず、立ち上がろうとーーー
「……全く、手間取らせてくれるわね」
コツ、コツと足音が近付く。声がした方に穂乃果は視線を移す。
そして知る。その"少女"の存在を。
「な……ん……で……」
穂乃果は信じられないと言った表情で自分の友達であり、同じスクールアイドルユニットのメンバーである少女の名を呼んだ。
「絵……里……ちゃ……ん……」
絢瀬 絵里は微笑を浮かべながらも、穂乃果の言葉に応じた。
「さっきぶりね、穂乃果。……ちゃんと薬は効いているみたいね」
穂乃果は絵里が何を言っているのかわからなかった。薬? それはこの体の異変と関係あるものなのだろうか? だとしたら何故絵里はそんなものを自分に…? わからない、分からない、"
「ど……う……し……て……」
穂乃果は掠れるような声で尋ねた。
「……どうして?」
絵里は呆れるように首を振る。そして、地面に這いつくばっている穂乃果を見下ろした。
「穂乃果、貴方が晴人を好きなのは分かっていたわ。そして私はその感情を否定したりしない。晴人だもの、好きになるのも仕方ないわよね」
ーーーけれど、考えてみなさい。
「貴方が惚れるにまで至った彼を、私達μ'sに平等に接してくれた彼を、"どうして他の誰も好きにならないと考えられたの"?」
「あーーー」
そう。
穂乃果は自分の気持ちに夢中になる余り、他の人間に目もくれなかった。μ'sの皆が、彼に対して好意を持つと考える事すら出来なかったのだ。
「…貴方の敗因は、気付けなかった事。ただひたすら晴人と一緒に居たいという為だけに自分の仲間の存在を忘れていた事よ」
穂乃果は何も言えなかった。絵里の言葉があまりにも正論過ぎて…言い返す事が出来なかったのだ。
「さて…落ち込んでいる所悪いけど……そろそろ忘れて貰おうかしら」
そう言って絵里がスカートのポケットから取り出したのはーーー紫色の液体が入った注射器だった。
「これ、ちょっとした記憶障害を引き起こす薬なの。ある人から貰ったものなんだけど…ああ、安心して? 死にはしないから」
何でもないことのように絵里は言う。何でもないことのように言ったのだから何でもないのだろう。何でもない、大したことない、些細なーーー違う!
「…貴方の晴人に対する感情を忘れさせてあげる」
ゾッとするような声で絵里は呟いた。クスリと笑い、穂乃果に近付いて行く。
「い…や……だぁ……!」
嫌だ! 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ! 忘れる? 晴人君を? この気持ちを? どうして? 何故? いやだ! そんなのーーー耐えられない!
叫びにもならない掠れた声で穂乃果はただ必死に抵抗する。しかし、絵里は歩みを止めることなくやがて穂乃果の前で膝をつき、首元に注射口を押し当てた。
「……私を弾劾し、非難するといい。蔑み、侮辱し、口汚く罵倒するといいわ」
けれど構わない。晴人への想いに比べればそんなものーーー取るに足らない。
穂乃果は泣いていた。心の中で訴えを続けながら泣くしかなかった。
助けて! 助けてよ! 誰でもいい! 誰でもいいから! お願い、お願いします! やめて! 反省した、反省しました! 贅沢は言いません、助けて下さい! 嫌だ! 嫌だよぉ! ああ、晴人君晴人君晴人君晴人君晴人君ーーー!!
「ーーー"さようなら"、穂乃果」
プスッ
その想いは、不要だから塗り替えられた。
高坂 穂乃果は存命している。それは間違いない。元からそういう薬を使ったのだ。絵里自身、彼女を殺す気など微塵もない。
「…………」
しかし、時にはその命よりも大切な感情を、"愛"という感情をーーー絵里は奪い取ったのだ。次に穂乃果が目を覚ます時は晴人への想いなど忘れている。
「……アハ」
穂乃果が気絶したのを確認すると、絵里はその美貌を歪ませた。
「アハハ、アハハハハハハハハハハ! ごめんなさい、ごめんなさい穂乃果! けれど安心して? 貴方の分まで私が晴人を幸せにするから! 私が誰よりも晴人の側に居てあげるから!」
穂乃果は私を許さないでしょう。好きな人の記憶を奪ったのだからーーー知ったことか。
穂乃果は私を恨むでしょう。好きな人さえも奪おうとしているのだからーーー知ったことか。
知ったことか、知ったことか、"知ったことか"!
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
絵里はただ、嘲笑した。
それはまるで、人ならざるものを体現したかのような嘲笑だったーーー
サブタイのOは"oblivion"
『忘却』ですね。
改めて見るととんでもないの書いたなぁw
テスト期間に入るのでしばらく更新できないと思いますが、沢山の感想&評価お待ちしております!