ラブライブ!ーschool idol produce-   作:AGRS

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どうも、精神と肉体を疲弊させるテスト期間でもスクフェスは欠かさずやっていたAGRSです。

アニメ、もうすぐ終わっちゃいますね、てか今日じゃん! 絶対見る!

こっちはこっちで新キャラが出てきます。ああ、何で自分はこんな無謀な事を…。

とりま、どうぞ!


第20話 消えかけたC/第3の鳴動

 

 

 

 

 

「大丈夫だったのか? 穂乃果は……」

 

 

 

 

昼休みの2年生の教室。それぞれ話ながら昼食を摂っている女子生徒達の中、俺は海未に尋ねた。

 

 

 

 

「体調の方は問題ありません。早ければ来週までには退院できると…」

 

 

 

 

海未の返答に、俺は大きく息を吐きながら肩の力を抜いた。土曜日に絵里から「穂乃果が倒れたの!」と連絡が来て、今日の日まで自分の心が穏やかとは言えなかった。

 

 

 

当然だろう。自分の友達が、自分が担当しているスクールアイドルが倒れたのだから。

 

 

 

その後、面会に行った海未とことりから容態を聞き、大事には至らなかったと分かっても、気がかりが消えた訳ではなかった。実際に俺も面会に行こうと思ったのだが、海未から「晴人は来ないで下さい」と言われ、病院の場所も教えて貰えなかった。ええー…、そんな突き放すように言われたら流石に傷つくよ海未…。

 

 

 

何にせよ、穂乃果の無事はきちんと確認できた。退院するまでに時間がかかるとしても、命の危険とかがあるわけじゃない。

 

 

 

 

「驚いたよ。倒れたのが打ち上げで別れた後のすぐだって聞いて」

 

 

「ええ、絵里が通りかかっていなければどうなっていたことか…」

 

 

「絵里に感謝だな」

 

 

 

 

穂乃果が倒れていた所を、通りかかった絵里が発見したらしく、メンバーへの報告も彼女からのものだった。

 

 

 

「穂乃果、過労なんだろ? やっぱり無理させ過ぎてたのかな…」

 

 

「…まぁ、ここ最近皆"ラブライブ!"への意気込みが強くなってましたからね。練習の方も優しいとは呼べるものではなかったでしょう」

 

 

「う…」

 

 

 

言葉を詰まらせる。講堂ライブ直前、真姫が貧血で倒れかけた手前があるため、否定出来なかった。

 

 

 

「だからと言って晴人が気に病む必要はありません。今回の事は、穂乃果が体調管理を怠っていた為起きたんです。誰のせいでもないですよ」

 

 

「そう言ってもらうと助かるけど…うーん」

 

 

 

海未の言葉に責任を感じる心が多少和らいだ。が、自分がまったく関係ないとは言い難い。俺は小さく唸った後、組んでいた腕を解いて再び海未に尋ねる。

 

 

 

「目立った外傷とかないよな? 擦り傷とか…」

 

 

 

それを聞いた海未はクスクス笑う。あれ、なんか変な事聞いた?

 

 

 

「心配し過ぎです。言ったでしょう、体調の方は問題ないと。……ただ」

 

 

「ただ?」

 

 

 

海未は穂乃果へ面会に行った時の事を思い出していた。

 

 

 

『海未ちゃん、ことりちゃん、わざわざ来てくれてありがと!』

 

 

『これ、お見舞い品だよ~』

 

 

『どうですか? 病院生活は』

 

 

『う~ん。早速退屈してるよー…。特になにかあるわけじゃないし、学院の皆が恋しいな~』

 

 

 

(……?)

 

 

 

『あははー…。他の皆も心配してるよ』

 

 

『……晴人は特に心配してましたよ』

 

 

『そうなの? なんだか悪いな…』

 

 

 

(……これは)

 

 

 

その後も海未はあえて会話の中に晴人の名前を出し、穂乃果の様子を伺った。しかし、穂乃果は特に過剰な反応をするわけでもなく、淡々と会話をするだけだ。

 

 

 

 

(違和感が……消えた……?)

 

 

 

 

海未は何らかの反応を見せると確信していた。ここ最近の穂乃果の変化を感じ取っていた彼女なら尚更だ。しかしどうだ。目の前の幼馴染みは無邪気に笑い、ときに大袈裟な身振りをして、自分達の会話に応じるだけだ。

 

 

 

その光景は、かつてスクールアイドルに憧れていた頃と何1つ変わらないーーー

 

 

 

 

 

「……海未?」

 

 

 

何やら考えこんでいた海未は驚いたように顔を上げる。

 

 

 

「も、申し訳ありません…」

 

 

「…俺には言いにくい事か?」

 

 

「……ええ」

 

 

 

ふむ、と俺は軽く思考した。

 

 

 

「分かった。何も聞かないよ」

 

 

 

 

女子として、男子に言いにくい事もあるのだろう。気にはなるが深入りしない事にした。

 

 

 

 

「穂乃果が心配ですか?」

 

 

 

 

唐突な海未の質問に、今度はこっちが虚を突かれた。

 

 

 

 

「そりゃ…な」

 

 

 

ことりが倒れた時と同じだ。あの時はまだ、μ'sの一員としての自覚が薄かったのかもしれない。しかし今は、このμ'sの存在が、自分の生きる意味を形成していると言っても間違いではない。

 

 

 

…正直、もしμ'sの誰かが命を落としたら…自分でも正気を保てるか分からない。

 

 

 

「…穂乃果が羨ましいです」

 

 

 

海未は俯きながら、小さく呟いた。

 

 

 

「晴人から…皆から愛されて……やはりあの子には人を惹き付ける何かがあるのですね。私にはとても…」

 

 

 

……何を言ってるんだ海未は。

 

 

 

「馬鹿、海未だって愛されてるよ。海未の存在意義は歌詞を作る事なんかじゃない。皆が挫けない、その力強い精神なんだ。胸を張って誇っていい事さ」

 

 

 

μ'sの支えは間違いなく穂乃果だ。だが、穂乃果だけがμ'sを支えてるわけじゃない。穂乃果が旗印とするならば、海未は要なのだ。

 

 

 

 

「……晴人」

 

 

 

 

海未は僅かに頬を染める。まるで俺の言葉に感銘を受けたようだった。

 

 

 

 

「ありがとう…晴人」

 

 

 

そう言って、屈託ない笑顔を向ける。…その笑顔にどうやら見惚れてしまったらしい。頭を軽く掻いて、話題を変えた。

 

 

 

「…そういや、ことりがいないな」

 

 

「ことりなら生徒会室に行くと言ってましたが」

 

 

 

生徒会室って言うと…絵里かな? 何か用でもあったんだろうか。俺も穂乃果の件について話さなきゃいけないし…。

 

 

 

俺の思考を邪魔するかのようにチャイムが鳴る。海未は俺に一礼して、自分の席に戻って行った。よし、俺も教室に戻ると……あ、

 

 

 

「俺、昼飯食べてない…」

 

 

 

途端、空腹感が俺を襲い、食欲の無常さを味わうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

高坂 穂乃果は、病室の窓から単調な流れる風景をボーっとしながら見ていた。ベッドの上にはことりが持ってきてくれたCDやゲームがあるが、すぐに飽きて退屈をもて余していた。

 

 

 

「暇だな~…」

 

 

 

そもそも、何故自分はこんな所にいるのだろう。道端で倒れたらしいが、まったく記憶がない。あの日は皆でテストの打ち上げに行って、御飯を食べて、そのまま帰ったはずーーーなのに。

 

 

 

医師から過労と聞いたが、正直体調管理は万全だった、と思う。練習は大変だったが、倒れるほどではなかった。

 

 

 

ならば何故ーーーそう考えた所で頭に痛みが走る。これのせいで考える事すらままならなくなっていた。

 

 

 

しかし、その天性の感の良さ故か、穂乃果は1つの考えが頭に浮かび上がっていた。

 

 

 

 

(私……何か忘れてる?)

 

 

 

 

絵里が聞いたらおそらく動揺するだろう。しかし、肝心な事はそこではない。肝心な事はーーー

 

 

 

 

 

 

 

ーーー"自分は何を忘れたのだろうか"

 

 

 

 

 

 

 

……大切な事だったような気がする。かけがえのない事だったような気がする。人として、大事な感情だったようなーーー

 

 

 

瞬間、頭に激痛。その痛みはまるで、自分の思考を阻害(ロック)するかのようだった。穂乃果は考えるのをやめ、ベッドに横たわる。

 

 

 

しばらくすると、病室の扉をノックする音が聞こえた。穂乃果はそちらを向いて、「どうぞ~」と気の抜けた返事をする。

 

 

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 

 

穂乃果は驚いて目を丸くする。しかし、その人物は穂乃果のそんな様子をお構い無しに微笑み、悪魔のように囁いた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

俺はマンションへの帰り道を歩いていた。今日のμ'sの活動は次の曲の打ち合わせだけだった為、比較的に速く終わった。

 

 

 

 

ついに練習も本格化する。"ラブライブ!"の予選は完全な新曲での出場であり、既存の曲は使えない。だからこそ、新譜に関しては急がねばならない。

 

 

 

穂乃果の事もあるけど…ま、俺がどれだけ気にしても仕方がない。第一に考える事はスクールアイドルの頂点であり、まずはその為の予選通過だ。

 

 

 

思考を断ち切り、歩みを速める。するとーーー

 

 

 

 

「……晴人さん?」

 

 

 

 

えっ、と呼び掛けられた声の方を向く。そこには桃色の髪で、気品のある雰囲気を漂わせた女性が立っていた。

 

 

 

 

「やはり、晴人さんですね」

 

 

 

 

…見覚えがある。ありすぎる。俺はこちらに歩み寄ってくる女性の名前を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……菊理、さん」

 

 

「ふふ、お久しぶりですね」

 

 

 

 

かつて2年前ーーー我が姉、夢神 桐葉と共にA-RISEを栄光に導いたスクールアイドル、希咲(きさき) 菊理(くくり)は俺の言葉に応じるかのように、柔らかに微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





Cは"camaraderie"、『友情』とかそんな感じです。

スクフェス11回勧誘したのにUR出なかった…解せぬ。

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