ラブライブ!ーschool idol produce-   作:AGRS

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す、すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!(ドゲザァァァァ

長らく消息不明を決め込んでおりましたが、作者は元気です。ええ、元気ですとも。(課外に追われてたなんて言えない…ビクビク)


それはそうと暑いですね、溶けそうですw てかもう溶けてます、身も心も。

ところで、今日は誰の誕生日かな……?

フフフ、では張りきってどーぞ!


第25話 絶望……Q/賽は投げられて

 

 

 

 

「はぁー…つ、疲れた……」

 

 

風呂上がりで髪を一通り吹いたタオルを横に投げやって、俺はベッドに倒れこむ。

 

 

 

上気した体温を冷まさせるように、ベッドの少し冷たい感触を肌を通して体の中に染み込ませる。少しずつではあるが、体温が下がると共に疲労も薄れていくように感じた。

 

 

 

今日一日で色んな事があった。振り返る事さえ辛く、思い出したくないと思えるほどに。

 

 

 

特に、桐葉が帰って来た後からは大変だった…。

 

 

 

真姫のあの衝撃発言に桐葉は少なからず動揺してたみたいだ。持っていたバックを床に落とし、ポカンとした表情の桐葉を見れるなんて一年に一度あるかどうかだ。ちょっと新鮮。

 

 

 

…が、その時の俺にそんな事で含み笑いをする余裕なんてない。どうにか真姫の発言を撤回するように努めたのだが……

 

 

 

 

『事実なんだから、取り下げる必要なんてないでしょ?』

 

 

 

 

との事である。

 

 

 

いや、俺も初耳なんだが。て言うかお互い告ってもいないし、告られてもないよね。その事実はいつ形成されたのか問い出したい所だ。

 

 

 

ともかく、この状況でうちに泊まらせるとなると、かなり難しい。案の定、桐葉も複雑な表情を浮かべている。真姫の両親に電話する前だったし、ここはどうにか帰らせるしかないか……。

 

 

 

その旨を伝えると真姫は激しく取り乱した。

 

 

 

 

『嫌っ! 晴人と一緒にいるの!!』

 

 

 

 

冷静な態度から一転、この有り様である。正直とりつく島もない。

 

 

 

何度か言葉をかけて宥めようとしたが、真姫は聞く耳持たないと言うように嫌嫌と首を振るばかりだった。

 

 

 

真姫の心情を分からないわけじゃない。詳しい理由は知らないが、今は彼女自身不安なんだろう……。

 

 

 

だが、だからこそ。ここでの甘やかしは彼女の為にならない。心を鬼にしてでも彼女を奮い立たせるには突き放すしかなかった。

 

 

 

 

 

『言うことを聞くんだッ!』

 

 

 

 

俺の恫喝に真姫は身を竦ませた。心苦しくはあるが、大事な仲間である彼女の為でもあるのだ。強い口調で言葉を紡ぐ。

 

 

 

 

『不安のは分かる……でも自分を見失っちゃ駄目だ。それに、明日また学院で会えるだろ?』

 

 

 

 

最後の方はできるだけ穏やかな口調で言ったつもりだった。俺の説得が功を為したかどうかは曖昧だが、真姫を目元を拭って聞いてくる。

 

 

 

 

『明日…ちゃんと来てくれる?』

 

 

『ああ…』

 

 

『約束…よ…?』

 

 

『おう』

 

 

 

 

納得したようで真姫は俺の服から手を離す。両親に連絡し、迎えの車が来るまで真姫は何度も何度も『ちゃんと来てね』、『約束破ったら嫌よ?』などと明日会うことの確認を繰り返すばかりだった。あの怯えた仔犬のような目は直視できなかったなぁ…。

 

 

 

そして、真の地獄。夕食の席において俺の必死の弁解が始まった。

 

 

 

桐葉にとって初対面の相手で助かった。真姫という女の子はかなりの冗談好きでクラスのムードメーカー(真姫推しの皆様ごめんなさい)であると言ったら納得してくれた……と思う(桐葉は常時無表情なので感情の変化が分かりにくい)。

 

 

 

それにしても……今日は料理の味付けがやけに濃いかったな……気のせいだろうけど。

 

 

 

「ね…む…い」

 

 

 

ライブを終えた後でもないのに体が酷くだるい。薄れた疲労も蒸し返してきた。極度の眠気により、閉じかけていた瞼からチカチカと光が見える。

 

 

 

俺の携帯だ。鈍く手を伸ばして携帯を取り、メールを受信したようなのでメール画面を開く。

 

 

 

「…またか」

 

 

 

送信者は…真姫。内容は催促。『明日』、『遅れないでね』、『待ってるから』……彼女からのメールがひっきりなしだ。もう今日だけで二百通を越えそうだぞ。

 

 

 

『分かってる、心配すんな』と返信して携帯を置く。ひとまず仰向けになって天井を睨みつけた。

 

 

 

依存されてるーーというのは嫌でも分かる。でも、これは明らかに異常だ。それほどまでに真姫は追い詰められてるってのか?……こりゃあ精神科の病院とかに診てもらうのも検討しなきゃかも…。

 

 

 

しかし、その為にも一度真姫ちゃんと話をしないと…はは、ライブの予選どころじゃないな…。

 

 

 

 

(学校、行きたくないな……)

 

 

 

 

そんな事が頭を過る。不謹慎、だとは思ってる。だが、純粋に大きな目標だけを見てたあの頃とは違い、今では学校へ行くのが気が重くて仕方ない。

 

 

 

何から何まで問題だらけ。……もう脳は働きたくないほどに疲れきっていると思う。

 

 

 

 

「……駄目だ、眠い」

 

 

 

ベッドに体を預け、俺は力なく意識を手放す。

 

 

 

視界の外では携帯がまたチカチカと光っていた。また明日返信すればいいだろうーーそう思ってようやく俺は眠りについた。

 

 

 

だから、山ほど送られたメールから、一つだけ別の人物のものである事に気付くことは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にゃにゃ…晴人くん…」

 

 

「言うな……何も…」

 

 

 

 

 

翌日の音ノ木坂学院。気怠い体を引きずりながらも、俺は自分の教室で席についていた。

 

 

 

眼前にはクラスメイトである凛が立っている。常に無邪気な表情の彼女だが、今ばかりは困惑の顔で"俺の隣を"見据えていた。

 

 

 

 

「…………」ギュッ

 

 

 

 

無理もない。真姫が俺の右腕にしがみついているのだから、何か言いたくなりもするだろう。

 

 

 

「真姫、授業も始まるしそろそろ…」

 

 

「嫌」

 

 

「嫌じゃなくてーー」

 

 

「嫌」

 

 

 

 

俺が教室に入ってからずっとこの有り様だ。俺を目にした瞬間、一目散に近付いて抱き付いてきた。当然の如くクラスメイトから好奇の視線が贈られる。真姫はそれを意に介さず、ただただ俺に身を任せた。

 

 

 

おまけにしがみつく力が強すぎて右腕はびくともしない。振り払おうにも出来ない。何処からそんな力が出てくるんだ…。

 

 

 

 

「な、なんだか信じられないものを見ているみたいだにゃ…」

 

 

 

 

凛の発言に俺は苦笑する。なるほど確かに常に背筋をシャンと張っている真姫がこんななら見間違いとか思ってしまうだろう。しかし、残念ながら夢でも見間違いでもなくこれは現実だ。どれだけ否定しても無駄に終わる。

 

 

 

 

(ん…そういや花陽は…)

 

 

 

 

気になって花陽の姿を探す。未だに彼女に対する不安は拭えない…けれど、何時までウジウジ考えてても仕方ない。真姫もこの状態なんだ、気になる事は一つずつ解決していかないと。

 

 

 

振り返った所で花陽と目が合った。どうやら自分の机で本を読んでたらしい、花陽は笑って手を振ってくる。

 

 

 

 

俺も挨拶を返そうと右手を上げ……ようとしてガッチリと固められてるのを思い出し、左手を上げた。難儀だなぁ…。

 

 

 

花陽は暫く俺を見た後、再び読書に戻る。ん? よく見たら何か書き込んでる、メモ帳か? 大きいから何かの本と思ってしまった。……何書いてるんだろう。

 

 

 

 

 

「それはそうと、晴人くん! 今日は部室に来てくれるんだにゃ!?」

 

 

 

 

突然の凛の声で俺は振り向かされる。び、びっくりした……声デカイって。

 

 

 

 

「ああ、ちゃんと行くよ」

 

 

 

 

不安要素はあるけど、とは言えない。俺の身勝手でアイ活は滞ってたと思う。気合いを入れ直さないと。

 

 

 

 

それを聞いた凛は満円の笑みを浮かべる。ああ、癒される……凛みたいな感情がすぐ分かる子は見てるだけで疲れが吹き飛ぶな。

 

 

 

「わーいにゃ! これでまた皆で集まれるにゃ!」

 

 

「喜び過ぎだろ、俺が戻ったくらいで…」

 

 

「晴人くんが居るのと居ないとじゃ全然違うにゃ~。ね、真姫ちゃん!」

 

 

「……」

 

 

「あ、あはは……何か言って欲しいにゃ~…」

 

 

 

 

しょぼんとした凛を見ながら、俺は彼女のさっきの言葉を頭の中で反芻させていた。

 

 

 

 

("皆"……?)

 

 

 

 

そこに疑問に思った所で俺の思考は打ち切られる。本令がなり、担当の先生が入って来たからだ。さて…どう説明したもんかな、と悩みの種である右隣の少女を横目で見るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「高坂 穂乃果! 復活、だよ!」

 

 

 

 

アイドル研究部部室のドアが勢いよく開けられる。そこに立っている栗色の髪のスクールアイドルを見て、絢瀬 絵里は苦笑を噛み殺した。

 

 

 

 

「久しぶり、穂乃果。……体調は万全みたいね」

 

 

「うん! いきなりレッスンでも問題ないよ!」

 

 

 

 

穂乃果は待ちきれないと言わんばかりにせわしなく体を動かす。退屈だった病院生活からやっと解放されたのだ。十代女子の時間を取り戻して行かなくてはと意気込みは充分である。

 

 

 

 

「あまり張りきり過ぎても駄目ですよ」

 

 

「穂乃果ちゃんならやりかねないけどね~」

 

 

 

 

穂乃果の両隣にいた園田 海未と南 ことりがそれぞれカバンを置きながら呟く。

 

 

 

 

「何にせよ、早く戻って来てくれて何よりね」

 

 

「晴人も来るみたいやし、一安心かな」

 

 

 

 

絵里と共に部室に来ていた矢澤 にこと東條 希が安堵の息をつく。フルメンバーが揃う事に二人とも多少の喜びを感じているようだった。

 

 

 

 

 

「んん? 晴人君も来てなかったの?」

 

 

 

 

 

まさか何かの事故に……なんて思ってしまった穂乃果は心配そうに希に聞いてみる。

 

 

 

 

「あはは、違う違う。ただの一日休みなだけやよ。心配する事ない」

 

 

 

 

 

その時、部室のドアをノックする音が鳴った。おそらく一年生組だろう。希は「来たみたいやね」とドアノブに手をかけて開いた。

 

 

 

 

 

「よう、みん……穂乃果!?」

 

 

「久しぶり、晴人君!」

 

 

 

 

晴人は目の前のスクールアイドルに驚きを隠せない。何故なら本来ならまだ病室で寝ているはずだからだ。

 

 

 

 

「た、退院したのか!?」

 

 

「うん! ……あれ? 私、晴人君にメールしたよ、ね……?」

 

 

「……メール?」

 

 

 

 

晴人は反射的に携帯を開く。無数にある真姫のメールから一つだけ穂乃果のを見つけた。

 

 

 

 

気付いた時には遅い、頬を膨らませながら穂乃果は晴人に詰め寄る。

 

 

 

 

「も~! ちゃんと見てよ!」

 

 

「わ、悪い。昨日は見る暇がなくて…」

 

 

 

 

申し訳なく思い、晴人は頭をかく。紛れもなく晴人の落ち度であるが、あんな事があった後なので無理もないのだが。

 

 

 

 

 

「ぶー、まぁいいけど……それより晴人君……」

 

 

 

 

穂乃果の視線が晴人の隣に移る。穂乃果だけではない、この部室内にいた全てのスクールアイドルが晴人の右腕にしがみついている真姫を見ていた。

 

 

 

 

「えーと、これはだな……」

 

 

 

 

今日だけで説明するのは何度目だろうか。真姫が何も言わない以上、晴人が何か言うしかない。だが、この時ばかりは違った。

 

 

 

 

 

 

 

「私、晴人と付き合う事にしたの」

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「……」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

長い長い沈黙。一人は固まり、一人は目を見開き、一人はぽかんと口を開けている。ちなみにその口を開けてぽかんとしているのが晴人であり、すぐ隣にいる真姫を見ていた。

 

 

 

(は……? え……? な、何言ってんだ真姫? それに近い事を昨日も聞いたんだけど…)

 

 

 

 

晴人の心情をお構い無しに、真姫をしがみつく力を強める。そこで、長かった沈黙が破られた。

 

 

 

 

「え、えええ~~~!? そうなの真姫ちゃん!? 」

 

 

 

 

穂乃果の絶叫が響く。それに次いで希、にこ、凛とそれぞれ晴人に真偽を問いだしてきた。

 

 

 

 

「どんな手使ったん? 晴人」

 

 

「真姫ちゃんが…は、晴人と? あり得ないわ…」

 

 

「そ、そうだったのかにゃ!? 晴人くん! 」

 

 

 

 

誤解である。だが、皆信じようとはしないだろう。何より、真姫が晴人にくっついているという時点で誤解であると信じさせるのはかなり厳しい。

 

 

 

とにかく誤解を解こうと晴人が脳をフル回転させているとーー

 

 

 

 

「皆静かに!!」

 

 

 

 

絵里の一喝で部室内は再び静寂に包まれた。椅子から立ち上がり、未だに晴人の腕を掴んでいる真姫を睨む。

 

 

 

 

「真姫、何を考えているの。スクールアイドルに恋愛はご法度って、貴方が言い出した事じゃない。今更心変わりしたとでも言うの?」

 

 

「……別に」

 

 

 

 

真姫は顔を俯かせながらも、聞き取れるかどうかさえ微妙な声で返答した。

 

 

 

 

「スクールアイドルとか…もうどうでもいい……」

 

 

 

「ーーーーー」

 

 

 

 

嘆息は果たして誰のものか。その場にいる全員が驚愕の表情を浮かべる。

 

 

 

 

「よくないよッッ!!」

 

 

 

 

業を煮やした花陽が真姫に怒鳴りつける。突如の事に凛はビクッと怯えた後、花陽を落ち着かせようとした。

 

 

 

 

「か、かよちん、落ち着いて…」

 

 

「今までのμ'sの頑張りを無駄にするって言うの!? そんなの、誰が許しても花陽が絶対に許さない!」

 

 

 

 

花陽がここまで激昂しているのを見た者はいないだろう。凛は呆気に取られて体を震えさせる。

 

 

 

 

そこで、真姫の衝撃発言から今の今まで硬直していた海未が意識を取り戻した。現状を把握し、取り直しにかかる。

 

 

 

 

「花陽、ひとまず落ち着いてーー」

 

 

「海未ちゃん、ちょっと黙って」

 

 

「……ッ!? こ、ことり……?」

 

 

 

 

遮ったのはことり。動揺する海未を無視して、絵里に負けず真姫を睨み付けた。

 

 

 

 

「ねぇ、真姫ちゃん…考え直してくれないかなぁ」

 

 

 

 

雰囲気が一変、一触即発の展開へと変わる。三人の少女に睨まれながらも真姫は自分の意見を曲げない。ここで負けてしまったら、それこそ私には何も残らないとでも訴えるようにーー

 

 

 

「み、みんな…練習しようよぉ……」

 

 

 

耐えきれなくなった穂乃果が涙目で言う。けれど、絵里、花陽、ことりの三人はその提案を断る。

 

 

 

「真姫、さっきの発言を撤回しなさい」

 

 

「するまで一歩も動かないから」

 

 

「物分かりがいいと助かるんだけどな~」

 

 

 

 

混沌とした中、晴人は頭の中で必死に打開策を考えていた。何も考え付かなくてもどうにかしたい、そんな思いが表情から見てとれる。

 

 

 

 

(ヤバイ、ヤバイぞ。この流れは……!)

 

 

 

 

晴人が無い頭を絞って考え悩んでいるとーー

 

 

 

 

「ーー全員、聞いて!」

 

 

 

 

にこがパイプ椅子の上に立ち、突如宣言した。

 

 

 

 

「これより、スクールアイドル『μ's』は一週間の間、一切の活動を禁じます!また、"ラブライブ"に関する行動もしてはいけません!」

 

 

「え、ええええぇぇぇーーーーー!?」

 

 

 

 

真っ先に反応したのはまたもや穂乃果。すぐさま穂乃果はにこに断固抗議する。

 

 

 

 

「そ、そりゃないよにこちゃん! やっと穂乃果も復活してこれからだって言うのに……!」

 

 

「五月蝿い! こんな状態で"ラブライブ"になんか臨めないわよ! アイドルにまとまりがないなんて愚の骨頂! 練習したいんなら一刻も早く頭を冷やす事ね!」

 

 

 

 

誰よりもプロ意識が高い女の子である。今の状況を見て、歯がゆいと感じたのだろう。小柄な体を駆使して他のメンバーを部室の外に追いやる。

 

 

 

 

「行こっ! 晴人!」

 

 

「お、おい。真姫!」

 

 

 

 

晴人の手を掴んだまま、真姫は駆け出す。何人かはその後を追っていった。

 

 

 

こうして、フルメンバーが揃い活動がされるかと思いきや、にこの言葉の元活動停止に追い込まれるのだった……

 

 

 

 




穂乃果の誕生日に合わせたかっただけっていうw
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