ラブライブ!ーschool idol produce- 作:AGRS
「海未ちゃん!ことりちゃん! 今日から1年生に新しい子が来てるんだって! それも男の子!」
「共学化に向けたテストの一環らしいですね。絵里から聞いています。」
「見に行ってみようよ~。もしかしたらイケメンかもしれないよ!」
「うーん。私もちょっと気になるかな。」
「ことりまで…。はぁ…、昼休みも残り少ないから見に行くだけですよ。」
「やったー!じゃあ早速行ってみよー♪」
「穂乃果ちゃんは今日も元気だね~。」
「出来ればもう少し静かにしてほしいものです…。」
「お願いだにゃ!晴人君!」
昼休みも終盤に差し掛かった頃、俺は星空さんに
言い寄られていた。
「晴人君の力があれば、
りん達もっと輝けると思うにゃ!だからこそ
協力して欲しいにゃ!」
「とは言ってもだな…。」
俺が返答に困っていると
「真姫ちゃーん!凛ちゃーん!花陽ちゃーん!
やっほーっ!!」
廊下から3人の女子生徒が入ってくる。
上級生かな…。彼女らに話しかけてきたという事は
この人達もスクールアイドルの可能性が高い。
「ん?あ!もしかして君が新しく入ったっていう
男子生徒?」
星空さんに負けず劣らずの元気さをみせる
目の前の先輩(だろう)が話しかけてくる。
「私、高坂穂乃果!2年生だよ!この音ノ木坂学院で
スクールアイドルやってます!で、こっちの二人も
同じメンバーだよ!」
「初めまして。園田海未と申します。男子1人とは
大変でしょうけれど、早く馴染めるといいですね。」
「南ことりです。お母さんにはもう会ったかな?
この学院の理事長、私のお母さんなんだ。」
三者三様に挨拶してくる。
と、とにかく俺も俺も返さないと。
「えっと、高坂先輩、園田先輩、南先輩、
初めまして。俺、夢神 晴人って言います。
理事長からスクールアイドルの事は聞いています。」
「う~ん、堅苦しいなぁ。普通に名前で読んでよ。」
「いや、それは流石に…先輩ですし。」
「私達μ'sは上級生だろうと分け隔てなく名前で呼ぶ事
にしてるんです。問題ありませんよ。」
「…じゃあ、穂乃果、先輩。」
「ほ・の・か!それに敬語もいらないよ!」
「…よろしく。穂乃果。」
「うん♪よろしくね、晴人君!
それで凛ちゃん達と何話してたの?」
「聞いて欲しいにゃ、穂乃果ちゃん!
晴人君にはスッゴい才能があるんだにゃ!
是非ともμ'sに来て欲しいのにゃ!」
あぁ…そう言えばそういう話だったんだ。
「どういう事?花陽ちゃん。」
「さっき、真姫ちゃんが作曲した楽譜をは…晴人君、に
見てもらって…。そしたら私たちにわからないような
ミスを指摘してもらったり沢山アドバイスをくれて。
だから、その…協力して欲しいなって。」
「そうなのですか?真姫。」
こくり、と西木野さんが頷く。
おいおいおい…!
「ちょっと待った。あくまでも俺は素人考えで
意見しただけだ。おれが言ったことが全部正しいとは
限らないよ。」
「そんな事ないにゃ!晴人君は絶対に才能があるにゃ」
「だから…。」
あぁもう、めんどくさいな!
「その話が本当なら確かに是非とも欲しい逸材ですね。
これから先、男手が必要になってくるでしょうし…
穂乃果はどう思いますか?」
「………。」
「穂乃果?」
「とにかく!俺は別に協力する気はー」
「晴人君。」
「え…?」
「ちょっと付き合ってくれない?」
高坂先輩に連れてこられた場所は屋上だった。
それはいいけど、昼休みが終わりそうなんだが…。
「急にごめんね。どうしても話したい事があって。」
「いえ…俺がアイドル活動を手伝うかって事ですか?」
「うん…。晴人君も知ってると思うけど、この学院…
音ノ木坂がなくならないためにも私達本気で目指して
るんだ…"ラブライブ!"」
理事長から聞いた話だとμ'sも"ラブライブ!"に参加する
つもりだったのだがμ's内でいざこざがあったらしく
見送りになったらしい。何でも高坂先輩にも原因が
あったみたいで…。
「高坂先輩は…」
ギ ロ 。
「ほ、穂乃果はそんなにもスクールアイドルに賭ける
必要があるのか?当初の目的である廃校の阻止は達成
されてるんだ。このまま、道端での宣伝や路上ライブ
とかでも十分じゃ…。」
「私も最初はそう思ったよ。けど、スクールアイドル
として皆と歌を覚えたり、ダンスを練習したりして
力を合わせて頑張ってたら気付いたんだ、
スクールアイドルの楽しさに。」
そこで穂乃果は手を胸に置いて続ける。
「私…もっと輝きたい。アイドルユニット…μ'sとして
どこまで行けるのかを確かめたい!私は…」
そしてー。
「私はアイドルが好きだから!…大好きだから」
穂乃果は強くそう言い放った。
正直、立派だと思う。1度のチャンスを逃したことにも
めげず、学校のため、μ'sのため、そして何より"自分"の
ためにスクールアイドルとして輝こうと決意した。
尊敬するのに十分な理由だ。
けれど。
けれど、もし。これから戦っていくであろう、アイドルユニットの中に、『どうしても』勝てない相手がいたら穂乃果はどうしただろうか。
今のスクールアイドルに『桐葉』がいても、穂乃果は
その決意を揺らがずにいれたのだろうか。
ふと頭の中でそんな事を思ってしまう。
………馬鹿馬鹿しい。
ありもしないことを考えても仕方ない。穂乃果は自分の意志でスクールアイドルとして進んでいくと決めたんだからその決意を聞かされた俺が彼女を信じてやれなくて
どうする。
できる、できないは問題じゃない。
大切なのは挑戦し続けること。
失敗を繰り返し、試行錯誤した末に掴みとる成功こそに
価値がある。
少なくとも俺はそう思う。
「穂乃果が目指すのはスクールアイドルの頂点。
そう考えていいんだよな?」
「うん。そうだよ!」
「となると必然的にトップアイドルユニットと言っても
いいほどの実力を持つ"A-RISE"と戦うことになるのも
わかってるよな。」
「う、うん。」
「勝てる見込みとかはあるのか?」
「え!?そ、それは……そう!皆の友情パワーで勝利!
みたいな…。」
「話にならないな。」
「う、うう~…。」
「けど…。」
俺は穂乃果に一歩近付く。
「お前の覚悟はしっかりと伝わったよ。俺もμ'sが
何処まで行けるかを見てみたい。」
「え…じゃ、じゃあ!」
「穂乃果先輩、俺にμ'sの活動を手伝わせて下さい。」
穂乃果に向かって頭を下げる。
「………勿論!改めてよろしくね!晴人君!!」
とてつもなく嬉しそうに俺に笑顔を向ける。
「あ、やっと笑ってくれた。」
「え?」
「俺と話してる間、ずっと難しい表情してたから。
穂乃果の笑った顔を見てみたかったんだ。うん。
やっぱアイドルはそうじゃないと。」
「え?え!?な…なんかそう言われると
恥ずかしいよ…。」
穂乃果は急に顔を赤らめ、目線を俺から外す。
何だ?なんか変なこと言ったか?俺。
「おいおい。これから先はその笑顔を自分たちのファン
に見せていくことになるんだ。恥ずかしがってちゃ
駄目だって。」
「ファンに…見せる。」
「そう。歌を歌って、ダンスを踊って、その楽しさを
感化させていくんだ。するとファンの皆も自然に笑顔
になっていく。沢山の笑顔を作るのがアイドルって
もんだろ?俺は手伝うだけで表舞台には立てない。
笑顔を作るなんて出来ないからな…。」
「…ううん。でも…」
穂乃果がやっと目線を合わせたかと思えば
「その笑顔を見るときは…晴人君も一緒だよ?」
静かに、しかし力強く俺に向かってそう言った。
はい!今回も疲れました…。
皆こんなしんどいのを書けるんだから凄いなぁ…
サブタイのBは"begins"
つまり『始まりは強引に』となります。
うん。分かりにくいな。
テスト期間で間が空くと思いますが
沢山の感想お待ちしております!