ラブライブ!ーschool idol produce-   作:AGRS

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第4話 ひとつのI/約束

「うーん…」

 

「かよちーん!次、移動教室だよ~」

 

「あ、凛ちゃん。うん、すぐ準備するね」

 

「どうかしたの?」

 

「えっとね…晴人君のことなんだけど」

 

「晴人君がどうかしたの?

…あ、もしかしてかよちん。晴人君のこと好きになっちゃったのかにゃ~?」

 

「ち、ちがうよぉ!そういうのまだよくわかんないし…そうじゃなくて、晴人君の名字のこと!」

 

「名字~?」

 

「変わった名字だとは思ったけど、なんだか聞いたことがあるような気がするの。とっても大事なことだったような…うぅ~思い出せないよ~」

 

「そうなの?凛にはさっぱりわかんないよ!

それより早く行かないと遅れちゃうにゃ~」

 

「あ、待ってよ凛ちゃん!

…今度晴人君に聞いてみようかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、希は晴人と知り合いなの?」

 

 

昼休みの生徒会室。せっかくなので一緒にお昼にしようという希の提案を受けて、絵里と3人で購買パンを食べていた。

元々、今日は購買で済ませるつもりだったので

とても有難い。

 

 

「うちの神社のお得意様やからね」

 

 

おい、まだ1回(正確には2回だが、1回目は通りかかっただけなのでカウントしないことにする)しか行ってねーぞ。

 

 

「というのは冗談で、今朝お賽銭しに来てくれたところ知り合ったんや。にしても驚いたわ。まさか晴人がウチらの手伝いをしてくれる人やったなんて」

 

「俺のセリフだよ…」

 

やきそばパンにかぶりつきながら希に言う。

どの学校においてもやきそばパンがうまいのは

定番である。

どちらかと言うと俺はコロッケパン派だが。

 

「とにかく紹介する手間が省けてよかったわ」

 

「ウチの紹介なんてどうでもいいって言うんだ…

ひどいわ、えりち」

 

「もう十分仲良いみたいじゃない…

これで後はにこだけね」

 

「にこ?その子がμ'sの最後の一人か?」

 

「そうよ。アイ研の部長でもあるんだけど…あら」

 

 

絵里はスカートのポケットから携帯を取り出す

 

「ごめんなさい、少し外すわ」

 

そう言って隣の部屋へと行ってしまった

 

 

「晴人、えりちのこと、ちゃんと見てあげてね」

 

「え?」

 

半分ほどパンを食べたところで、希が突然そんなことを言ってくる。

 

「あの子、なんでもかんでも自分1人で背負う所があるんよ。ま、本人も自覚してるんやろうけど、簡単にどうこうできるもんやない」

 

真剣な表情をした希が言葉を続ける。

 

「ウチが、音ノ木坂を救うためにμ'sに入ったのは間違いない。けど、同時にえりちのためでもあるんや。えりちが何処かで壊れてしまへんよう、助けになりたいんや」

 

「…………」

 

「だから晴人もえりちの…いやウチらμ's全員の

"支え"になって欲しいんよ」

 

 

 

…驚いた。それが第一の感想だった。

 

「希って天然っぽいやつかと思ったけどちゃんと考えてるんだな」

 

「晴人までそんな嫌味言うん!?傷つくわ~」

 

 

希は拗ねたのか口を尖らせる。

 

「ごめんって。希が言いたいことはちゃんと伝わったよ。俺も手伝うって1度決めた以上できることはやるつもりだ。とことん皆の頼りにされてやるさ」

 

そう言うとたちまち希の表情がにこりと変わった。

 

「最初からそう言えばいいんよ。

いけずやなぁ、晴人は」

 

 

なんてやり取りをしていると、隣の部屋から絵里が戻ってきた。

 

 

「待たせてごめんね…晴人」

 

「ん?」

 

「最後の1人が来るわ」

 

 

 

バンッ!と勢いよく生徒会室のドアが開けられた。

 

 

 

「にっこにっこに~♪絵里ちゃーん、にこ達のアイ研を手伝うってやつを見にきたわよー」

 

 

ツインテールの女の子は満円の笑みで入ってくる。

ふむ…。

 

 

「なあ、絵里」

 

「…何?」

 

 

 

 

「アイ研の部長って…1年生?」

 

瞬間、眼前に繰り出された蹴りがとてつもなく

理不尽に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく失礼な奴ね!にこは3年生にこ!」

 

 

場所は変わってアイドル研究部部室。気を失ってる俺を希が運んでくれたみたいで顔の手当もしてある。

 

…だからって蹴り入れることないだろ…。内心でそんな文句を言う。

 

 

「これでもμ'sのまとめ役でアイ活歴が一番長いんだから、そこのところ理解することね、夢神 晴人!」

 

 

ビシィッ!っと俺に指を突きつけてくる。

 

「はいはい…。じゃあ立場を弁えて"にこ先輩"とでも呼ぶべきか?」

 

「ん~、なんか、気持ち悪いから

普通ににこでいいにこ」

 

 

き、気持ち悪いって…はっきり言うやつだな。

 

 

「あんた、μ'sのの手伝いをしてくれるみたいだけど…本当に使える奴なわけ?」

 

「そればっかりは実際の活動を見てもらうしかないと思う」

 

俺は苦笑する。

 

 

「…言っとくけど中途半端なんか許さないからね」

 

途端に、にこの声質が変わる。

 

 

「穂乃果から聞いてると思うけど私達μ'sは本気で"ラブライブ!"を目指してるんだから、あんたがμ'sの活動を手伝うってんなら、にこはとことんあんたを利用させてもらうからね!」

 

 

またもや指を突きつけられる。

 

 

「そういうことなら全然構わないよ。さっき希にも同じような事言ってきたし」

 

「…何ですって?」

 

 

にこは腕を組んで俺の話に耳を傾けた。

 

 

「半ば強引に手伝いをさせられるかと思ったけど、

凛や穂乃果…それに希の話を聞いて俺は自分自身でμ'sの活動を手伝おうと思ったんだ。まだ、お互いによく知ったわけじゃないけど皆なら…スクールアイドルの頂点に立つことも夢じゃないかなって」

 

 

にこは目を見開く。やばい。調子に乗りすぎたかな?

けど、これが俺の本心だ。嘘偽りない、俺が思ったことなんだ。

 

 

「自然にそう思ったんだ。μ'sの手伝い係として

…いや」

 

 

そこで1度言葉をおく。

 

 

「μ'sのプロデューサーとしてかな?」

 

 

おこがましく言ってみせる。

…流石に今のは臭すぎたな。

 

 

にこにもそう指摘されると思ったのだが

 

 

「……じゃあ、約束してよ」

 

 

…え?

 

 

「本当に私達のプロデューサーになるんなら

…約束して」

 

 

にこは真っ直ぐ俺を見て言い放った。

 

 

 

「絶対に…にこ達を見捨てないで。…裏切らないで」

 

 

怯えるように静かに言ってくる。

…過去になにかあったのか?

 

気にはなるけど俺が今すべき事は1つだ。

 

 

「わかった」

 

無理矢理にこの手の小指を出させる。にこは慌てているが無視して、俺の小指と絡ませた。

 

 

「裏切らないし、見捨てない。…絶対に」

 

 

力強くそう言った。

 

「…あ、う、あ…」

 

にこは口をパクパクさせている。心なしか顔も少し赤いような気がする。大丈夫か?と言おうとすると

 

キーンコーンカーンコーン♪

 

昼休み終了のお知らせを告げるチャイムが鳴る。

 

…ヤバイ!いくら転入生だからって2日連続で遅れるのはヤバイ!

 

 

「じゃ、じゃあ俺もう行くな!

にこも急いだ方がいいぞ!じゃあな!」

 

部室のドアを強引に開き、俺は飛び出した。

 

 

 

 

「…なんなのよ。聞いてれば臭いことばかり言っ ちゃってさ…」

 

自分1人になった部室でにこは立ち尽くしていた。

 

 

「けど…」

 

開けっぱなしのドアに向かって呟く。

 

 

 

 

「カッコよくは…あるかな」

 

 

 

聞こえるはずもない小さな声で、にこはそう言って

笑った。

 

 

 

 




今回も(ry

サブタイのIは"intent"
『決意』を差してます。


更新ペースをあげれるように頑張ります!

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