ラブライブ!ーschool idol produce- 作:AGRS
「うーん…」
「かよちーん!次、移動教室だよ~」
「あ、凛ちゃん。うん、すぐ準備するね」
「どうかしたの?」
「えっとね…晴人君のことなんだけど」
「晴人君がどうかしたの?
…あ、もしかしてかよちん。晴人君のこと好きになっちゃったのかにゃ~?」
「ち、ちがうよぉ!そういうのまだよくわかんないし…そうじゃなくて、晴人君の名字のこと!」
「名字~?」
「変わった名字だとは思ったけど、なんだか聞いたことがあるような気がするの。とっても大事なことだったような…うぅ~思い出せないよ~」
「そうなの?凛にはさっぱりわかんないよ!
それより早く行かないと遅れちゃうにゃ~」
「あ、待ってよ凛ちゃん!
…今度晴人君に聞いてみようかな」
「それで、希は晴人と知り合いなの?」
昼休みの生徒会室。せっかくなので一緒にお昼にしようという希の提案を受けて、絵里と3人で購買パンを食べていた。
元々、今日は購買で済ませるつもりだったので
とても有難い。
「うちの神社のお得意様やからね」
おい、まだ1回(正確には2回だが、1回目は通りかかっただけなのでカウントしないことにする)しか行ってねーぞ。
「というのは冗談で、今朝お賽銭しに来てくれたところ知り合ったんや。にしても驚いたわ。まさか晴人がウチらの手伝いをしてくれる人やったなんて」
「俺のセリフだよ…」
やきそばパンにかぶりつきながら希に言う。
どの学校においてもやきそばパンがうまいのは
定番である。
どちらかと言うと俺はコロッケパン派だが。
「とにかく紹介する手間が省けてよかったわ」
「ウチの紹介なんてどうでもいいって言うんだ…
ひどいわ、えりち」
「もう十分仲良いみたいじゃない…
これで後はにこだけね」
「にこ?その子がμ'sの最後の一人か?」
「そうよ。アイ研の部長でもあるんだけど…あら」
絵里はスカートのポケットから携帯を取り出す
「ごめんなさい、少し外すわ」
そう言って隣の部屋へと行ってしまった
「晴人、えりちのこと、ちゃんと見てあげてね」
「え?」
半分ほどパンを食べたところで、希が突然そんなことを言ってくる。
「あの子、なんでもかんでも自分1人で背負う所があるんよ。ま、本人も自覚してるんやろうけど、簡単にどうこうできるもんやない」
真剣な表情をした希が言葉を続ける。
「ウチが、音ノ木坂を救うためにμ'sに入ったのは間違いない。けど、同時にえりちのためでもあるんや。えりちが何処かで壊れてしまへんよう、助けになりたいんや」
「…………」
「だから晴人もえりちの…いやウチらμ's全員の
"支え"になって欲しいんよ」
…驚いた。それが第一の感想だった。
「希って天然っぽいやつかと思ったけどちゃんと考えてるんだな」
「晴人までそんな嫌味言うん!?傷つくわ~」
希は拗ねたのか口を尖らせる。
「ごめんって。希が言いたいことはちゃんと伝わったよ。俺も手伝うって1度決めた以上できることはやるつもりだ。とことん皆の頼りにされてやるさ」
そう言うとたちまち希の表情がにこりと変わった。
「最初からそう言えばいいんよ。
いけずやなぁ、晴人は」
なんてやり取りをしていると、隣の部屋から絵里が戻ってきた。
「待たせてごめんね…晴人」
「ん?」
「最後の1人が来るわ」
バンッ!と勢いよく生徒会室のドアが開けられた。
「にっこにっこに~♪絵里ちゃーん、にこ達のアイ研を手伝うってやつを見にきたわよー」
ツインテールの女の子は満円の笑みで入ってくる。
ふむ…。
「なあ、絵里」
「…何?」
「アイ研の部長って…1年生?」
瞬間、眼前に繰り出された蹴りがとてつもなく
理不尽に見えた。
「まったく失礼な奴ね!にこは3年生にこ!」
場所は変わってアイドル研究部部室。気を失ってる俺を希が運んでくれたみたいで顔の手当もしてある。
…だからって蹴り入れることないだろ…。内心でそんな文句を言う。
「これでもμ'sのまとめ役でアイ活歴が一番長いんだから、そこのところ理解することね、夢神 晴人!」
ビシィッ!っと俺に指を突きつけてくる。
「はいはい…。じゃあ立場を弁えて"にこ先輩"とでも呼ぶべきか?」
「ん~、なんか、気持ち悪いから
普通ににこでいいにこ」
き、気持ち悪いって…はっきり言うやつだな。
「あんた、μ'sのの手伝いをしてくれるみたいだけど…本当に使える奴なわけ?」
「そればっかりは実際の活動を見てもらうしかないと思う」
俺は苦笑する。
「…言っとくけど中途半端なんか許さないからね」
途端に、にこの声質が変わる。
「穂乃果から聞いてると思うけど私達μ'sは本気で"ラブライブ!"を目指してるんだから、あんたがμ'sの活動を手伝うってんなら、にこはとことんあんたを利用させてもらうからね!」
またもや指を突きつけられる。
「そういうことなら全然構わないよ。さっき希にも同じような事言ってきたし」
「…何ですって?」
にこは腕を組んで俺の話に耳を傾けた。
「半ば強引に手伝いをさせられるかと思ったけど、
凛や穂乃果…それに希の話を聞いて俺は自分自身でμ'sの活動を手伝おうと思ったんだ。まだ、お互いによく知ったわけじゃないけど皆なら…スクールアイドルの頂点に立つことも夢じゃないかなって」
にこは目を見開く。やばい。調子に乗りすぎたかな?
けど、これが俺の本心だ。嘘偽りない、俺が思ったことなんだ。
「自然にそう思ったんだ。μ'sの手伝い係として
…いや」
そこで1度言葉をおく。
「μ'sのプロデューサーとしてかな?」
おこがましく言ってみせる。
…流石に今のは臭すぎたな。
にこにもそう指摘されると思ったのだが
「……じゃあ、約束してよ」
…え?
「本当に私達のプロデューサーになるんなら
…約束して」
にこは真っ直ぐ俺を見て言い放った。
「絶対に…にこ達を見捨てないで。…裏切らないで」
怯えるように静かに言ってくる。
…過去になにかあったのか?
気にはなるけど俺が今すべき事は1つだ。
「わかった」
無理矢理にこの手の小指を出させる。にこは慌てているが無視して、俺の小指と絡ませた。
「裏切らないし、見捨てない。…絶対に」
力強くそう言った。
「…あ、う、あ…」
にこは口をパクパクさせている。心なしか顔も少し赤いような気がする。大丈夫か?と言おうとすると
キーンコーンカーンコーン♪
昼休み終了のお知らせを告げるチャイムが鳴る。
…ヤバイ!いくら転入生だからって2日連続で遅れるのはヤバイ!
「じゃ、じゃあ俺もう行くな!
にこも急いだ方がいいぞ!じゃあな!」
部室のドアを強引に開き、俺は飛び出した。
「…なんなのよ。聞いてれば臭いことばかり言っ ちゃってさ…」
自分1人になった部室でにこは立ち尽くしていた。
「けど…」
開けっぱなしのドアに向かって呟く。
「カッコよくは…あるかな」
聞こえるはずもない小さな声で、にこはそう言って
笑った。
今回も(ry
サブタイのIは"intent"
『決意』を差してます。
更新ペースをあげれるように頑張ります!