ついに来ました、産土神依頼。
なんでわかったかって? 目の前に大暴れしてる産土級がいるからですよ!
「プロテゴマキシマ! プロテゴマキシマ! プロテゴマキシマ!!」
とりあえず、自分たちに防御呪文をかける。
「梟先輩!?」
「ステューピファイ!」
効いた!
産土神が止まる。
「お前ら逃げるぞ!!」
補助監督消えてるし! 帳から出れねーし!
「悪霊の火!!」
覚悟を決めて、ドラゴン型の炎を杖から吐き出す。
消すのクッソ大変だけど、そんなことを気にしている余裕はない。
悪霊の火は、産土神にダメージを与えてくれた。
あらゆる魔法を使ってなんとか足止めする。
呪霊を祓って悪霊の火をなんとか消化すると、俺は後輩2人に向き直った。
「ありがとうございます、梟先輩!」
素直に礼をいう灰原。警戒してこちらを見る七海。俺は杖を向けた。
「大丈夫だ、七海。ちょっと色んなことを忘れるだけだから」
「色んなことってなんですか」
「俺、記憶がないからさ。忘却呪文人間に掛けるの初めてになるんだよな。記憶の上では。大丈夫。理論上、この戦いの記憶だけ忘れる可能性もなきにしもあらずだ」
「全く安心できませんね」
「そんなことしなくても、黙ってますよ!」
「信じられるはずがないだろ?」
そして、戦いが始まった。
負けた。
クッソ俺、雑魚すぎ!?
「お願いします、黙っててください。でないと処刑されちゃう」
俺は後輩2人に土下座する。
「はぁ……。なんなんですか。魔法使いとでも言うつもりですか」
「言うつもりです」
「えっ じゃあ、どこかに魔法界とかあって留学しに来る子とかいるんですか?」
「それが俺です」
「ええーっ!」
驚く灰原。頭を押さえる七海。
「なぜこの学校へ……記憶がないのでしたか」
「そう。ついでに言えば魔法界への帰り方もわからん。魔法で暴れればワンチャン魔法奉行所が捕まえにくるけど、そしたら多分、刑務所か秘匿死刑か……。魔法使いの刑務所って、幸せな気持ちや記憶を全部吸われて廃人になるんだよ。最悪、魂を吸い殺される。絶対いや」
「わかりました。黙っています。っていうかいまだに奉行所なんですか、魔法界」
「できるだけ梟先輩の力になりますよ!」
「おお……。ありがとうありがとう。じゃあ、口裏合わせしよっか」
「謎の呪術師が助けに来たって言いますね」
「いや、気絶して気がついたら全て終わってたってことにして」
「そうですね。どんな人が助けにきたかとか聞かれたら困りますし」
「そういうこと。お礼としてお守りと転移できるアイテムあげるから、死にそうな時だけ使って」
「「ありがとうございます」」
そして、七海たちと一層仲良くなれた。気がする。
救助に夏油がきて、無事であることを喜んでくれた。
「無事で良かったよ」
「いや、気がついたら気絶しちゃっててさ。もうダメかと思ったよ、夏油さん」
「夏油先輩、あれは産土級でした……」
「気になるね。何があったの?」
「僕ら、気絶しちゃったから何も覚えてないんです」
「ふむ。すごい焼け跡があるね。残穢も感じない……。一体何が」
「さあ」
ということで、誤魔化してその場はどうにかした。
でも。
「等級違いの依頼多すぎんだろ!!」
「絶対殺してやるという悪意を感じますね」
「こっちも魔法のこと言えないのが痛いよね」
「マグルに呪いを掛けたい……。魔法奉行所に捕まってもいいから呪いを掛けたい……」
「落ち着いてください、先輩」
七海と灰原はなれたもので、最初はドン引きしていた蛙チョコと紅茶をいただいている。紅茶を入れてくれたのは黒井さんで、理子ちゃんと甚爾さんとお茶会である。津美紀ちゃんと恵くんはお昼寝中。
彼らの面倒は一生見る所存。だって魔法見られたからね。仕方ないね。
「大変じゃな」
「理子ちゃんたちほどじゃないよ」
「妾はいいのじゃ。たまに外に出してもらえるし、ペットの世話で忙しいしの」
「ドラゴンに乗って飛ぶのはいいわ」
「記憶、いまだに戻らないんですか?」
「オブビリエイトで消した記憶は消滅する。もしそれだったら戻らない」
「魔法ってクソですね」
「そんな魔法を掛けようとしてたんですか。いずれは恵くんも出してあげないとなのでは?」
「まあ、困ったら呼べよ。たまには依頼料分の働きをしてやる」
「まじでお願いします」
後は夏油衰弱問題とミミナナ救出問題か。
はっ ポッケないないしちゃえばいいんじゃね?
もはや3人も6人も同じだよね。
バレたら魔法界の法律的にアウトだけど、でもよく考えてみて。
トランクにいるドラゴン。どう考えても法律違反だから、俺はどっちみち犯罪者なのだ。
ズッ友だね、アズカバン!