まいごのまいごのふくろうさん。   作:かりん2022

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そうだ、高専に行こう 前編

「魔法界行きたい! 行きたい行きたい行きたい!!」

 

 ぴゃあああああと泣きじゃくるミミナナ。

 トランクの中で、俺は色々と準備をしていた。

 津美紀は涙目だし、恵は無言で訴えている。行きたいと。

 

 灰原は楽しそうで、七海もちらちら見てくるのが隠せていない。

 

「危険だからだーめ」

 

 そういって、プロテゴのお守りを一つ二つ。

 そして、いそいそと準備する男が2人。

 

「いっぱいお土産買ってくるからね」

「なんでいく気満々なのかな、傑、甚爾」

「そんな……! 連れて行ってくれないのかい!?」

「ゼッテーついていく」

「罠の可能性もあるんだし、ダメに決まってるだろ……」

「ずるいぞ連れてって(罠ならなおさら)!」

「本音と建前逆ですが? ……本格的に犯罪者だとわかってさ。しかも、犯罪者と敵対してて、今も俺の思想は犯罪者より。仕方ないだろ」

「仕方なくない! 私は自分の身は自分で守れるよ、君が心配なんだ!」

「ドラゴンよりは弱いんだろ、魔法使いの奴ら」

 

 はああ。

 

「まじで邪魔するなよ?」

 

 ということで、2人を連れて魔法界に向かった。

 

 いざ、ショッピングである。

 欲しい物は色々ある。

 目を輝かせながら、あと、2人に注意しながら店を回っていると。

 

「クィディッチのチケットが販売、だと……?」

 

 ……欲しいものは、色々ある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行けー! がんばれー!」

「わあああ! がんばれー! がんばれー!」

「猛虎チームに百ガリオン!」

 

 箒が、ボールが激しく飛び交うのを応援する。

 魔法界の観光といったらやっぱりこれだよね! クィディッチ万歳!!

 傑も甚爾さんも楽しんでくれている。

100ガリオンの資金源は後で問い詰めておかないと。

 散々騒いで、バタービールを飲み、たっぷり魔法界の軽食を食べた。

 大満足でクィディッチ会場を後にした。

 ところで、お分かりだろうか。

 クィディッチは場合によっては三日もかかる競技である。

 お分かりだろうか。

 

「夏油様あああああああ!」

「夏油様、心配しましたああああ!」

「戦闘でもあったのですか?」

「治療薬出しときました!」

 

 泣きついてくる子供達。睡眠不足で目を真っ赤にした大人。俺は静かに土下座した。

 

 

 

 

 さて、悟も心配していたそうなので、お土産持って高専に任務をもらいに行きますかね。

 高専に入ると、授業中に関わらず、悟が転移してきた。

 

「梟! 傑と大人の階段登ったってマジで!? 俺は? 俺は!?」

「人聞きの悪いこと言うな!! 泡たっぷりのノンアルコールビールで酒盛りしただけだから!! 大人って泡が髭みたいになっただけだから!」

「だから俺は!??」

「はぁ……。悟と硝子の分はちゃんと用意してあるか「これ!?」」

 

 手提げカバンに手を入れると、そのカバンごと強奪された。

 

「ちゃんと補助監督と先生方にも分け「わかってる!!」」

「はいはい」

「せんせー! 俺らもノンアルビール欲しいでーす! ヒゲはやして大人の階段登りたーい!」

「お、おい」

 

 元気な生徒が窓から顔を出して声を上げる。それを別の生徒が止めている。

 俺は笑顔でそれに応えた。

 

「おー! 飲め飲め、いっぱいあるから! ただし放課後な! 安心しろよ、本当にアルコールないから」

「あ“?」

「あ“? 何威嚇してんだよ、まさかお前生徒を怖がらせてないよね? ちゃんと可愛がってやってる?」

 

 悟が生徒を威嚇したので頭ホールドしてさらに威嚇する。

 

「ちょうどいいから、授業参観していってやんよ」

「ああ? みてろよ、俺の完璧な授業っぷりを」

 

 そうだ。悟の成長イベント潰しちゃってるんだから、気をつけるべきだったな。

 

 

 ズカズカと乗り込んで、教室で見学。

 

 

 

 

 

 うん。

 

 

 

 

 うん。

 

 

 

 

 いい先生してるじゃん。安心した。生徒が戸惑ってるように見えるけど、気のせいだろう。

 

「さすがだな! 超いい先生じゃん!」

「僕、最強だから」

 

 ふふんと笑う悟。

 放課後、一年生の教室に続々と生徒達が集まった。

 準備のいいことに、つまみを持ってきてくれた。

 悟は鼻歌を歌いながら、バタービールと魔法界のお菓子で常識的なものを出していく。

 

「ん、これだけ?」

「それは高専と五条家に配る用。悟と硝子にはまた別に、な」

 

 関係各所にお世話になっていると、気を使うのだ。

 

「体がぽかぽかするー」

「せんせー。ヒゲがwww」

「ほんっとお前勇気あるな!」

「大人の階段登ってしまいましたね」

「梟さん、毎日授業参観に来てください」

「お願いします」

「そんなことしなくても、悟は毎日優しい良い先生だよな?」

「え?」

「これから傑と交代でしょっちゅう遊びに来ようかな。生徒に悟先生の話聞きに」

「がん、ばる」

 

 悟がいう。当初と比べたら、まー可愛くなっちゃって。

 お守りや回復薬筆頭に魔法グッズの効果すごいな!

 

「でもご褒美欲しいなー」

「今年の連休、硝子と傑と悟と俺で、すっごいとこ連れてってやる」

「絶対だぞ! 仲間外れは許さないかんな!」

 

 硝子と悟が両側から身を乗り出す。

 

 がしゃんと音がして、開き掛けたドアの隙間から傑が荷物を落としたのが見えた。

 

「わ、私を抜きにして梟が悟と硝子とラブラブしてる……?」

「あーもー。傑も来い来い」

 

 そして同級生ハーレムが完成する。

 愛の妙薬は使ってないからね? ドラゴン様様である。俺がいないとドラゴンとかとも会えないからね。

 

「梟さんって何者……?」

「術式なくて呪力が少ない人の希望みたいな人です。ちなみに一級ですが、実際に倒しているのは天与呪縛で呪力がない甚爾さんって人です。いっそ補助監督になりませんかってラブコールは送ってるのですが」

 

 まあ、応じないよね。

 キラキラした目で伊地知に見らているが、ごめん。俺、その代わり魔法が使えるんです。

 

 

 

 

 

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