まいごのまいごのふくろうさん。   作:かりん2022

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そうだ、高専に行こう 後編

お土産配り完了。

「大人の階段登っちゃった」は呪専で流行りそうです。

ちょうど肌寒くなって来た時期だし、バタービールは好ましく受け入れられてよかった。

体があったまるんだよね。

伊地知にどこに売ってるか聞かれたので内緒と答える。

また買ってきて欲しいそうだ。もちろん良いぞ。

 

 

 そして、悟の部屋で会合である。

 

 

「まだはっきりした証拠は手に入れられてないけど、お前の言ってるの本当かも。メロンパン。なんていうかさ、俺、諦めてたんだ。懸賞金とか掛けられて、雑魚がなんか吠えてるって、命を狙われるのが当たり前って、世界が敵だって、キリなんてなくて当然って。でも、違うんだ。そんな世界なんて有耶無耶な物じゃない、警戒すべき政敵がいる。そうわかった時、凄くスッキリして、安心して、戦う気が起きたんだ」

 

 悟は自分の手を握ってそういう。

 力になれて本当に良かったと思う。

 

「悟……。私も力になるよ、悟」

「しっかし、あんたもとんでもない爪隠してたね。未来視も魔法? 株で大金稼いでるのそれだろ」

「それほど絶対なもんじゃないよ。で、悟。狩れそう? 後は頭に継ぎ目のある奴で、受胎九相図の父親で、最近は虎杖って女に入ってるらしいって噂ぐらいしか知らないけど」

「まじで? 探してみる」

「悠仁って息子がいるはず。慎重に探れよ。ヤケになられたら面倒だ。縛りで自力で呪霊操術もどきができるやつだし、1000年生きて呪詛師やってんのは伊達じゃない。呪物とかその器となった者とか、わんさかいる」

「はー。メロンパンも凄いけど、それを調べられる魔法使いってすご。悪の魔法使いってマジ?」

「まあね」

「……何か、悪いことしたのか?」

 

 なんでもないように聞くが、少し緊張しているのがわかる。

 俺はしっかりはっきりキッパリと言ってやる。

 

「ドラゴンを飼うのはアウトだろ」

「「「確かに!」」」

「あと、魔法を魔法使い以外に見せるのもアウト。使うなんてもってのほか」

「「「確かに!」」」

「その辺、呪術規定があるからわかりやすいだろ? 覚えてない時に他に何かしたかもだけど、知らない」

「まーな。まごうことなき犯罪者だわ。心の底から納得した。大犯罪者じゃん」

「恩恵に預かってる私はノーコメントにしておくわ」

「私達は魔法使いじゃないからね。こっちは仲間作り、順調に進んでる。それで……」

 

 

 悟と傑の情報交換に耳を傾けつつも、悟と硝子用のお土産を出していく。

 そうなんだよな。メロンパン排除しても、呪物や器なんかが問題なんだよな。

 蛙チョコを筆頭に魔法のお菓子や……魔法のアイテム、魔法の薬。

 

「動物模倣ビスケット?」

「ああ、それ? 動物の鳴き声が食べた直後に真似できるってだけなんだけど、不評でね。口止めするなら生徒にあげちゃっていいよ」

「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は問題間違えたら、罰ゲームあるよー」

 

 楽しげに五条先生が告げる。

 

「えー!?」

 

 数少ない生徒たちはざわざわとした。昨日、急に優しい先生になったと思ったらこれである。

 もしかして、優しい教師をした反動か。

 

「間違えたら、呪術界の闇市で大人気なこのビスケット食べてね。あ、人に喋ったらマジビンタ」

「せんせー! ご褒美ですか!?」

「やばい薬でも入ってるんですか!?」

「洒落になんねーだろ……」

「がんばれー。でもバンバン間違っちゃっていいよ!」

 

 鬼か。生徒達は頑張ったが、授業はいつもより難しい。やはり鬼か。

 生徒の1人が間違えた。

 

「じゃあ、ビスケットひとつ取って、食べたら鳴き真似ね♡」

「は、はい」

 

 恐る恐る猫のビスケットを食べる。鳴きたいという衝動が湧き上がり、抑えきれない。

 

「にゃああああん」

 

 生徒の顔が猫になり、猫そのものの声をあげる。

 その後、すぐに元の顔に戻った。

 

「あっはっは! かぁわいいー! じゃあ、席に戻っていいよ。次は誰に当てようかなぁー」

 

「俺俺俺俺! 頑張って間違える!!」

 

 必死で手を伸ばす生徒が約1名。

 

「ちゃんと真面目に答えないと駄目だよ。どのみち、この授業が終わったら余ったビスケットあげるからさ。そうだ、正答したら僕の分もあげる」

「先生大好き!」

「信じて縛りはしないけど、このメンツ以外に見せちゃダメだよ?」

 

 そして、授業が終わった後、お菓子を小分けして生徒達に配った。

 先程の生徒は正答したので小さなティシュ包みが二つだ。

 

「センパーイ!!」

 

 生徒はビスケットを捧げ持ち、教室を飛び出していく。秘密とは。

 

「あっ こらっ 見せちゃダメって! あーあ。ま、いいか」

「せんせー。闇市俺らも行きたいです」

「危険だから、だーめ。というか、僕も連れてってもらえないんだよ」

「持ってきてくれるの梟さんですよね? 何者なんですか梟さん……」

「不思議な奴だよね。でも悪い奴じゃ……ないってこともないけど、優しいところあるよ」

 

 柔らかな声で言う。この男、顔と声はめちゃくちゃいいのだ。

 それにこう見えてたまにこういう不思議グッズや何よりお守りをくれるので、こう見えて五条先生の生徒人気は高い。

 雨の日に捨て猫を助ける不良か。不良だったわ。

 

 

 なお、この後休暇で魔法使いのお店に連れて行ってもらい、生徒達にマウントをとってイラッとさせるのだが、それは別の話である。

 

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