名家のウマ娘   作:くうきよめない

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理想通りの夢じゃなくても

 

 

 

 トレーナーの前で決意表明をしたすぐ後のこと。

 

 

「えーそれでは、第一回チキチキ春の天皇賞でメジロマックイーンをどうぶっ倒してやろうか作戦の会議を始めまーす」

 

 

 そう訳の分からないことを言ったトレーナーは、「わー」と乾いた声とやる気のない拍手でトレーナー室内のテンションを盛り下げた。

 先程、真の意味でボクのトレーナーになってくれたあんなにもかっこよかった彼の株は、ただ今急転直下で落ちていっている。

 

「おい、なんだその目は。何か言いたいことでもあるのかよ」

 

「いや、トレーナーって上げて下げるの上手いよね。ボク尊敬しちゃった」

 

「うん、褒めてないね。それに一ミリも尊敬してないね」

 

 それはバレるであろう嘘を看破され軽く舌を出す。先程この人にあんなことを言ってしまったのは間違いだったのだろうか。

 

「ご、ごほん。それで、そろそろ真面目な話をしてもいいか?」

 

「真面目じゃなかったのはトレーナーでしょ? そもそもチキチキってなんなのさ」

 

「はあ? そりゃお前あれだよ……ノリだよ。こういう時は雑にチキチキって付けるものなの! 多分!」

 

「ちょっと何言ってるか分かんない」

 

 トレーナーはこれがジェネレーションギャップかとよく分からないことを言って膝をつく。

 いい加減話が進まないから余計な口は挟まない方が良さそうだ。この人を脱線させたら止めるのが難しい。

 マックイーンやダイヤちゃんは普段こんな人を相手に……いや、あの二人もあの二人で色々おかしいから一概にはトレーナーが悪いと言えないか。

 

 それにしても、

 

「春天でマックイーンを倒す作戦会議って言っても何を話すのさ。そもそも、ボクだったら変なことしなくても──」

 

「勝てないから君は出走するのをやめるとか言い出したんだろ? そもそも、長距離適性の話で言えば君はマックイーンに劣る」

 

「うっ……」

 

 図星だ。本来のボクが春の天皇賞で完膚なきまでに倒されたように、スタミナ勝負をしても勝てる可能性は低いだろう。

 

 ここはボクにとって理想郷として作られたが故に、その理想が崩れ去ってしまったらこの世界も一緒に崩れる。

 そんなことは滅多に無いはずだが、その滅多なことの中心にいるのが目の前にいるトレーナー。事実、彼は先程この世界の真理を言い当てボクの理想を破壊しかけたばかりだ。

 

「と、いうわけで君は絶対にマックイーンに勝てない! 勝てる確率は天変地異で明日世界が終わる確率より低い!」

 

「ほとんどゼロってこと!? そこまで言わなくてもいいじゃん! もしかして勝負をハナから諦めるつもりなの!?」

 

「アホ抜かせ、僕は誰よりも諦めが早いけど同時に誰よりも負けず嫌いなんだ。それに、このままマックイーンに勝たすってのも気に食わない」

 

「……キミ本当にマックイーンのこと大事に思ってるの?」

 

「……? 思ってるけど」

 

 どうやら無自覚らしい。それより、誰よりも諦めが早くて誰よりも負けず嫌いって面倒な性格しているなと思う。

 ゲームで負けても負けても突っかかってきたのを考えるとそれも納得だ。

 

「君は春天ほどのスタミナが物を言う長距離レースでマックイーンに勝つことはできない。それはマックイーンのことを一番よく見てきた僕だからこそ分かるんだ」

 

「……じゃあどうすれば勝てるの? ボクが春天でマックイーンに勝つ方法って……」

 

 

 腐ってもこのヒトはマックイーンとダイヤちゃんのトレーナーだ。あの二人をここまで導いてきた彼ならきっと凄い打開策を見出しているに違いない。

 

 

「そんなの簡単だよ。次は通じないであろう一発限りの奇襲を仕掛けるんだ」

 

 

 前言撤回、やっぱりトレーナーはトレーナーだ。

 

 

「おい待て帰るな! せめて話を聞けよ!」

 

「……はぁ、一応聞くだけ聞くよ、その奇襲とやらを」

 

「聞くだけ聞くって……言っとくけど、残りの時間でできることってのは限られてる。最短で勝ちに行くルートは正直言ってこれしか思いつかない」

 

 嘘は言っていない。真剣な眼差しでボクを見つめるトレーナーはどこか懇願気味だ。

 そんな目で見られたら断れるものも断れなかった。

 

「……分かった。でも、奇襲って何するの? まさか卑怯な手段とか言わないよね?」

 

「まさか、やることは単純だ。君の脚質を変える」

 

「は?」

 

 このヒトは一体何を言っている? 脚質を変える、その意味が分かっているのだろうか。

 スズカのようにそのウマ娘に合った脚質に変えるならまだしも、元々得意な脚質があるウマ娘に脚質の幅を利かせるくらいならゲートなり基礎練なり他の練習をした方がいいだろう。

 それに、脚質を変えること自体簡単なことじゃない。

 

「君の脚質は主に、前目で逃げるウマ娘を窺うような位置をキープする先行策だ。中距離においてそんな君に敵うウマ娘はそうそういない。でも、何度も言うが相手は3200mのマックイーン。そんなあの子も君と同じ先行策が得意、つまり単純なスタミナ勝負になってしまう」

 

 トレーナーの言うことはごもっともだ。そういう意味では脚質を変えて奇襲というのはとても理に適っている。

 少なくとも、スタミナ勝負をするよりかは勝ち目はあると思う。でも、それをするということはつまり……

 

「真っ向勝負を捨てるってこと……? そんな勝ち方で本当に勝ったって言えるのかな……」

 

 トウカイテイオーは今までほとんど同じ作戦で走ってきた。それはボクだって同じことで、こだわりというほどでもないけど、この走りをしないということは自然とそういう考えになっても仕方がないと思う。

 

「違うな、間違っているぞトウカイテイオー」

 

「え……?」

 

「この状況に於いて、己の走りを捨てるということは絶対に勝つという信念を捨てないということだ。愚直に進んで痛い目を見るか、多少道を逸らしてでも大成するか。賢い君ならどちらを選択するのかは分かってるはずだ」

 

「……やっぱりキミはずるいなぁ。考える余地を与えてくれないんだもん」

 

「ちなみにマックイーンは見事にやってみせたよ」

 

「尚更やるしかないじゃん! 既に無くなってる逃げ道潰さないでよ!」

 

 そうだった、そういえばマックイーンは秋の天皇賞でそれをしていた。繫靭帯炎後のGⅠレースであれだったんだから相当驚かされたのを覚えている。

 

「んで、脚質を変えるって言っても逃げは論外だ。あの天下の爆逃げウマ娘、メジロパーマーでもそれは叶わなかった。とはいえ、中途半端な差しじゃあマックイーンのスピードに翻弄されてスタミナを奪われるだけ。だったら残る場所は一個しかない」

 

 悪い笑みだ。このヒトは春天までの残りの時間でボクにそれができると完全に信じきっている。

 

 

 だが、そんな悪魔のような笑みは何故だかボクに力をくれた。

 

 

 

 

 

 

 

『一番後ろで体力温存だ。京都レース場のラスト4ハロン、そこに全てをぶつけてこい』

 

 

 

 

 

 

 

「なんて、簡単に言うよね……」

 

 

 レース中にも関わらず、トレーナーから聞かされた作戦を思い出して苦笑する。

 彼の言う通りに練習し、追込を得意とするウマ娘のレースを何度も見て、ようやく形にはなった。

 これが天才であるボクじゃなかったらトレーナーはどうするつもりだったんだと思ったが、先に聞かされたマックイーン、そして同室であるマヤノも同じようなことができるのを思い出してさらに苦笑。

 特にマヤノに至っては変幻自在と言われるまでにそれをこなすのだから、改めてその凄さを実感してしまう。

 

 

 そんなことを考えていると、レースも半ば折り返しを過ぎ向正面に差し掛かった。

 今のところは順調だ。ペースもそこまで早くはない上に、追込みの練習と同時に行っていた毎日の長距離マラソンのおかげでボクの脚はまだまだ残っている。

 

 追いかけるより方と追いかけられる方、どちらが精神的にきついかと言われたら後者なのは間違いない。

 しかし、相手はマックイーン。そう易々と攻略させてはくれなさそうだ。

 

 

「おっとっと」

 

 

 向正面に入った辺りから全体のペースが緩くなった。

 垂れてきたウマ娘をヒョイっとかわしてグッと踏み込み、我ながら見事なステップで華麗に切り抜ける。これが究極無敵のテイオーステップってね。

 

 でも、ただ横に移動しているだけでは無駄に体力を消耗するだけなのは一目瞭然。なので最後に使う脚を残しつつ、徐々に進出を開始して前との距離を縮める。

 流石にボクとはいえ、一番後ろから先頭にいるマックイーンと一騎討ちというのは骨が折れる。

 

 

 3コーナーの上り坂を過ぎ、残りは800mとなった。2400mというボクの得意距離を走り終わり、さらにそこからどれだけ下り坂を利用して追い比べを制することができるかが勝負の鍵となる。

 

 

 ────つまり、ここが天王山。

 

 

「……!」

 

 幸いなことに、下り坂に入るまでに中団まで上がりきることができていたので、そこから物理法則に従い内側目掛けて加速する。

 他のウマ娘の妨害と見做されないように空いたスペースへ入り込み、一気にマックイーンの後ろに……と、行きたかったが、やはり考えることは同じなようだ。ボクが加速を始めると同時に彼女も速度を上げた。

 流石はマックイーンと言ったところで、坂を利用して加速している最中でも内側をほとんどロス無く立ち回っている。

 

 でも、ここまでは想定の範囲内。トレーナーの言う通りマックイーンに離されないようペースを維持し、最終直線に入ったら溜めていた脚を爆発させる。シンプルだがこれが一番だ。

 

 

 コーナーを過ぎ、いよいよ最終直線。ここから先は全力疾走、脚を残した甲斐があったというものだ。

 

 

「トウカイテイオー、行っちゃうよ──」

 

 

「やめろ! トウカイテイオー!」

 

 

 真のラストスパートをかける直前、どこからともなく静止の声が飛んできた。だが、そんなことを気にしている余裕は無い。

 

 マックイーンとの距離は1mも無いんだ、ここから一気に駆け抜ければきっとマックイーンも……ッ、脚が……!? 

 

 

「いっ……!」

 

 

 踏み込んだ瞬間、右脚にチクリとした違和感のような痛みが走り、一瞬体勢が崩れてしまう。

 しかし、その一瞬が命取りだ。最終直線に入ったにも関わらず、マックイーンとの距離は広がってしまった。

 

 脚を動かせば動かすほど、その痛みは違和感を通り越して確信へと変わる。

 

 おかしい、最近の練習を思い返しても怪我の兆候なんて無かった。

 だとしたらこの痛みはレース中に……あの時だ、垂れてきたウマ娘を避けた時の踏み込み。ボクとしたことが、マックイーンしか見ていなかったばっかりにこんなミスを……ッ! 

 

 

「二度と走れなくなるぞ! テイオー!」

 

 

 さっきからボクに走るのをやめろと言っているのはトレーナーか。ここからスタンドまではかなり距離があるというのに、ざわめく歓声の中から良く声を届かせているものだ。

 

 確かにトレーナーの言う通り、これ以上は危険かもしれない。例え走りきることができたとしても、二度と走れなくなりレース人生が閉幕という可能性だってある。

 そもそもボクは元々単なる思念体だ。それすらも忘れているとは、トレーナーもまだまだだなぁ。

 

 怪我に悩まされた本来のトウカイテイオー。そして、その理想郷として作られた世界でのボク。皮肉なことに、同じ運命を辿るのがオチだったのかもしれない。

 自分はトウカイテイオーと似て非なる存在だ。コピーのような存在とでも言えばいいだろうか。無敗の七冠という称号だって、実際には作られたものにすぎない。

 

 

 それでも、トレーナーはボクのことを"トウカイテイオー"だと言ってくれた。この世界の真実を告げても、何の迷いもなくそう呼んでくれた。

 

 

 トレーナー、キミがボクを心配して走るななんて言ってくれてるのは分かってる。でもごめん、それには答えられそうにないや。

 

 この脚が壊れてもいい、二度と走れなくなってもいい。これが最初で最後の大舞台になるのなら、それはそれで本望だ。

 

 

 だって言ったでしょ? ボクは……ボクの望みは──

 

 

 

 

 

「────キミと勝ちたいッ!!」

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 満月が浮かぶ綺麗な夜空。奇しくもあの時も同じ満月だったなと、目の前の諸悪の根源を見てそう思う。

 

 夜の三女神像はなんだか神秘的……なんて思うはずもなく、三女神に対して恨み辛みの感情を抱いている僕は、今にもそれをぶっ壊したくなるほどの破壊衝動に駆られていた。

 この世界との別れも近いため本当にそれをやっても良かったが、最後の最後で器物損壊なんて後味が悪い上に、次はこのポンコツ女神にどんなことに巻き込まれるか分からないのでやめておいた。

 

 

 三女神像は何を考えてこの世界を作り出したのだろうか、というのは野暮な話題か。

 

 誰にだって心残りがある、後悔がある、無念がある。全てのウマ娘の祖となる三女神がトウカイテイオーの想いを偶然汲み取ってしまった……というのが、彼女の話を聞いて推測できる内容だろう。

 

 異世界転生……いや、この場合は異世界転移か? まあどっちでもいい、僕がこの世界でやるべきことはもう終えた。後は元の世界に帰るだけ……

 

「……これどうやって帰るんだろう」

 

 なんとはなしに三女神像の前に来たものの、帰り方が分からないというハプニングが発生する。

 普通に考えたら気付くだろうが、なるべく早く帰りたい想いが先行して周りが見えなくなってしまっていた。

 今トウカイテイオーと顔を合わせるわけにはいかない。別れが惜しくなるし、あの子が消えゆくのは見たくなかった。でも、あの子がいなければ僕は帰れないわけで……

 

「はぁ……なにカッコつけようとしてるのさ。トレーナーは最後まで締まらないんだから」

 

「……締まる締まらないの話で言ったらお互い様だろ? 春天同着一位のトウカイテイオーさん」

 

「そ、それは言わないでよ! 脚があんなじゃなかったら絶対ボクが勝ってたんだから!」

 

「はあ!? うちのマックイーンがそう簡単に負けるわけないだろうが!」

 

「キミは一体どっちの味方なの!?」

 

 もちろんマックイーンだ。世界は違っても、彼女は僕の愛バなのは変わらない。

 もっとも、この世界の彼女にそれを伝えたところで気持ち悪がられるのがオチだろうけど。

 

 

 熾烈を極めた春の天皇賞。世紀の一戦とまで言われたトウカイテイオー対メジロマックイーンは、不完全燃焼もいいところな同着一位という結果に終わった。

 なんだか有記念でも同じような光景を見た気がする。あの時のマックイーンは秋シニア三冠がかかってたっけ。

 マックイーンの秋シニア三冠といいトウカイテイオーの八冠といい、なんだか素直に喜べない達成の仕方だな。

 

 もっとも、素直に喜べない理由はもう一つある。トレーナーである僕にとって切っても切り離せない理由だ。

 

「……脚の方は平気なのか?」

 

「うん、しばらくは走れそうにないけど、大事には至らないって。……お注射は痛かったけど」

 

「……そか」

 

 自分でもぶっきらぼうな物言いをしたと思った。でも、内心めちゃくちゃ安堵してしまう。

 脚を犠牲にして一着をもぎ取ってやったぜ! というのは感動ストーリーとしては100点満点だが、僕としては0点もいところだ。

 無理にでも一着を取って脚を壊すか、多少手を抜いてでも今後の選手生命を維持するか。どちらがいいかと言われたら個人的に後者だ。走れなくなり絶望するウマ娘の姿は見たくない。

 

 とはいえ、この子は僕の制止を振り切ってまで走り切ったんだ。お約束という観点ならばトウカイテイオーが勝つ流れだっただろうに。

 

 なんにせよ、最後の最後で胸糞展開にならなくて良かった。

 僕がトウカイテイオーにこの世界の真実に掠った時を鑑みるに、言い方は悪いが彼女の理想郷はもうすぐ消滅する。その終わらせ方が最悪でなくて……ん? 

 

 

「……あれ?」

 

 

 何かおかしい。この世界はトウカイテイオーの理想郷のはず……それ故にこれまで無病息災という"設定"だったはずだ。なのになんで彼女が怪我を……? 

 

「……なぁ、トウカイテイオー。なんで君怪我してたんだ? 一色から聞いた話によれば、君は医者の世話になったことがないとのことだったんだが」

 

「うん、だってもうボクの理想郷じゃないもん」

 

「…………ぱーどん?」

 

 なに、なんて? もう理想郷じゃない? そんな簡単に世界って変わるもんなの? 

 

「えっと……この世界はもうボクの思い通りにいかないんだ。多分なんだけど、キミがボクをトウカイテイオーって断言しちゃったから、三女神様がこの世界をトウカイテイオーの理想郷じゃなく新たな世界として定着させたみたい」

 

「?????」

 

 どういう原理かさっぱりわからん。

 

 とどのつまり、僕が帰ってもこの世界は存続し続けるってコト? てっきりあの時のように世界が崩れ落ちて消滅するもんだと思ってたんだが……

 

「じ、じゃあ最後に嫌な思いをさせないためにレースをやめさせようとした僕の気持ちは……?」

 

「無駄だね」

 

「これが君の最後のレースだって張り切ってた僕の気持ちは……?」

 

「無駄だね」

 

「消えゆくであろう君を見たくなくて敢えて会わずに帰ろうとした僕の気持ちは……!?」

 

「全部無駄!」

 

「ふっざけんじゃねえよこのクソ女神! どこまで僕をコケにすりゃ気が済むんだこの野郎!」

 

 石に向かって吠えたところで対象からは何の反応もなく、帰ってきたのは隣にいるトウカイテイオーからの笑い声だけだった。

 

 要するに、元は不完全な世界だったけど、イレギュラーの僕が目の前にいる子をトウカイテイオーと断言しちゃったことで、どういう理屈かこの世界が完全なものとなった……うん、やっぱり訳がわからん。

 

「はぁ……せっかくこの日のために涙ぐむ練習もしてたのによぉ」

 

「その割には一人でさっさと帰ろうとしてた気がするんだけど……。でも、今生の別れって意味なら間違ってないよ」

 

「……ま、そうだよな。そんな都合よくこの世界と元の世界を行き来できるなんて思っちゃいねぇよ」

 

「意外とあっさりだね。涙ぐむ練習してたんじゃないの?」

 

「いや、あんな話聞かされて引っ込まないって方がおかしいだろ……」

 

 確かに、と言って笑うトウカイテイオー。気丈に振る舞ってはいるものの、そんな彼女の姿はどこか元気がない。

 思えば、彼女は別れを悟った時にクソ長い辞世の句のような言葉を述べていた。本当は寂しがりやなところがあるのだろうか。ふむ……

 

「なあ、トウカイテイオー」

 

「ん、なに、っていったぁ!? いきなりなにすんのさ!」

 

 トウカイテイオーのおでこ目掛けて思いっきりデコピンをかます。それをモロにくらったトウカイテイオーは若干涙目だ。

 ふっ、僕のデコピンの威力舐めるなよ? 昔やってた球体のホビーで鍛えられたそれはもはや全国レベルだ。ちなみにウマ娘には到底敵わない。

 

「そんな辛気臭い顔してないで、別れの時でも笑顔でいろよ。その方が僕にとっては嬉しいもんだぜ?」

 

「……ありがと、トレーナー。キミのこと、そこそこ好きだったよ」

 

「そうか、僕も君のこと嫌いじゃないよ」

 

「素直じゃないんだから」

 

「そっちこそ」

 

 マックイーンともダイヤとも違うこの感じ。やはり悪い気はしない。

 もし最初に目に映ったのがマックイーンでなくてトウカイテイオーだったら、こんな世界もありえたのかもしれないな、と。そう思えてしまうほどには。

 

「そうだ。トレーナー、これあげるよ」

 

 そう言ってトウカイテイオーはポケットから一切れのピンクの布を差し出す。それは、つい最近まで彼女の髪を結っていたものだ。

 新しいリボンを買ってあげてから彼女がそれを身につけているのを見たことがない。しかし、もう使っていないと考えても受け取るのには躊躇してしまう。

 

「その布、ボクだと思って肌身離さず持っててよね。絶対だよ?」

 

「発想が重いんだよなぁ……。というか、そんなあっさりあげちゃっていいのかよ」

 

「うん、だって今のボクにはトレーナーから貰ったこのリボンがあるからね。だから交換、思い出の品としてとっといて」

 

「……そういうことなら受け取った。そもそもこんな体験忘れられそうにはないけどなぁ」

 

 異世界転移なんて厨二イベントは今後味わえる機会は無いと考えてもいい。

 もうすぐ終わるとはいえ、それを今僕は経験している最中なのだ。昔夢見た異世界転移とは全然違う形だったけれど。

 

 トウカイテイオーから貰った布を左手首に巻き、伸びをして三女神像に乱暴に向き合う。

 

「んじゃ、そろそろ帰るとするか。あんまりここで駄弁ってたらいつまでもこうしてしまいそうだしな。ああそうだ、この世界の一色とシンボリルドルフによろしく言っといてくれ。わざわざ会いに行くのも面倒だし」

 

「……うん、分かった。その前にトレーナー、最後に一ついいかな?」

 

「おい、変なことは言うなよ? もうこれ以上の無理難題は──」

 

「もう一度、ボクのこと"テイオー"って呼んで?」

 

「────やーだよ、"トウカイテイオー"」

 

「むぅ、最後まで意地悪なんだから」

 

 頬を膨らます目の前の少女はどう見てもトウカイテイオーそのものだ。誰であろうと、彼女のことをコピーとは言わせない。愛称では呼んであげないけどな。

 

「だったらさ、目を瞑ってそこの三女神像の淵に座ってよ」

 

「……? まあそれくらいなら……」

 

 トウカイテイオーの指示通り、三女神像の噴水の淵に座って視界を閉ざす。そういえば、この世界に来る直前もこうしてここに座ったっけ。

 

 

「……どうせ忘れちゃうから」

 

 

 言う通りにしていると、トウカイテイオーが何やらポツリ独り言を呟いた。だが、それがどういった内容なのかまでは分からない。

 

 

「ん、それじゃあジッとしててね」

 

「おい、一体何をす────!?」

 

 

 言い終わる前に、頬に柔らかな感触を覚える。

 一瞬だったとはいえ、それに驚き目を開けると、既に僕から離れているトウカイテイオーが顔を赤くして舌をペロリと舐める仕草をした。

 

 

「真の強者は不意打ちを外さない……だったよね?」

 

 

 この状況とトウカイテイオーの発言。そこから推測できることと言えば……

 

 

「な、ななな……何を……」

 

「それじゃあね、トレーナー! マックイーンと上手くやりなよ!」

 

「待て! 本当に待て! 最後にとんでもない爆弾仕掛けやがって! お前マジで人のことおちょくるのも大概にしろよ!? よし、そこに正座しろ! 今から数時間に渡って大人を無礼たらどうなるのか説教して──」

 

 

 トウカイテイオーに詰め寄ろうと立ち上がった瞬間、視界がぐらりと揺らぎ意識が────

 

 

 

 ***

 

 

 

「────ん、知らない天井……いや、もうこれはいいか。こういう状況ですぐこれ言っちゃうあたり僕も相当影響受けてるよな。そもそも僕はエヴァのパイロットじゃない……いや、もしかしたら僕自身が碇シンジの生まれ変わりだったのかもしれない……」

 

「起きて早々に何をおバカなこと言ってるんですの貴方は」

 

「ミサトさ……じゃなくてマックイーン……」

 

 頭を働かせていないため、口が勝手に適当なことを喋り出す。

 起床というより、気がついたらベッドの上で横になっていたという方が正しいか。そのため眠気は一切なく、寝起き特有の脳が働いてない感覚は無かった。

 

「えっと、ここは保健室……か?」

 

「その通りです。全く、心配かけないでくださいまし。真夜中に倒れて朝方発見されるなんて前代未聞ですわよ。ああ、ダイヤさんと一色さんに連絡しなくては……」

 

 ベッドから身体を起こして周りを見渡すと、そこは見覚えのある場所であり安堵……というよりデジャヴを感じる。

 そうだ、異世界ですぐこんな体験をした気がする。そしてその原因となったのは、ぶつくさと文句を垂れる目の前の芦毛のウマ娘であり……

 

 

「……なあ、マックイーン」

 

「はい、なんですの?」

 

「…………僕は、君のトレーナーだよな?」

 

 

 一瞬、聞くのに躊躇ってしまった。あの子が余計なことをしてなければ確かに僕は異世界から戻ってきたはずだ。

 でも、聞かずにはいられない。聞かなければならないことは多々あるが、これを聞かないことには戻ってきたかどうかの確信を得ることができない。

 

 返事を貰うまでの時間が妙に長く感じてしまう。冷や汗が流れ、極度の緊張状態へと陥ってしまった。

 

 永遠とも感じられるその時間も終わりを告げ、マックイーンの口が開かれる。

 

 

「はあ、何を当たり前のことを言っていますの? 先程から様子がおかしいですわよ、トレーナーさん」

 

「あ……」

 

 

『トレーナーさん』。その一言で不安や気掛かりといった感情が晴れた。

 なんともまあ、本当の意味で彼女の口から久しぶりに言われた気がするなと思い、変な笑いが出てしまう。

 

 ということは、ちゃんと異世界から戻ってきたということか。あれを夢と疑いたいが、それにしてはリアリティがありすぎた。

 

 向こうには一ヶ月近く滞在していたはずだが、マックイーンはさっき夜中に倒れて朝方発見されたと言った。

 つまり、三女神のせいで気分が悪くなり倒れ、そこでそのまま朝になった。その間僕の精神は異世界行きと考えると無理矢理辻褄を合わせることができる。

 

 それを誰かに話したところで信じてもらえないだろうけど。

 

「……本当にどうかされましたの? まだ体調が優れないようでしたら横になっていた方がよろしいのでは?」

 

「……いや大丈夫だ、問題ない。ちょっと変な夢見てたなって」

 

「ふーん、気になりますわね。一体どんな夢を?」

 

「ああ、それは──」

 

 マックイーンに夢の内容を説明しようとした瞬間、保健室のドアが勢いよく開かれる。

 驚き桃の木山椒の木。その方向を見ると、前髪の額あたりに綺麗な菱形を持つ少女が僕を見て目を輝かせていた。

 

「トレーナーさん!」

 

「ああ、ダイヤか。悪いな、どうやら心配かけたうおおおっ!?!?」

 

 あろうことか、突如として保健室に現れたダイヤはベッドの上の僕に向かって思い切りダイブしてきた。とてもじゃないが一晩寝ていた人間に対する行いとは思えない。

 しかし、これがサトノダイヤモンドというウマ娘だ。一番お淑やかそうに見えて、ゴールドシップをも上回る"やばさ"を持っている。

 

 今後のためにも、このような危険行為はしないようキツく叱責を……

 

「ちょ、ダイヤさん!? いきなり何をされているのですか!? そんなことをしてはトレーナーさんが潰れ……るような方ではありませんわね、ええ」

 

「よく分かってるじゃないか、マックイーン。僕はこの子のプレスにも耐えた男だぜ? こんなことでくたばるわけないだろう」

 

「それはそうなのですが、なぜそのまま平静を保ってダイヤさんを撫で続けているのですか?」

 

 おっと、僕としたことが無意識にスキンシップが過剰になっていた。

 夢とはいえ体感一ヶ月近く会っていなかったんだ。話すことすらもできていなかった分その皺寄せが来ている。彼女も撫でられて気持ちよさそうだし。

 

「せんぱい、今からスマホで三つの数字打って通報してもいいですか?」

 

「やめろくださいお願いします一色さん」

 

「119に」

 

「消防署じゃねぇか! 炎上の火消しってか? やかましいわ!」

 

 どこからともなく現れた一色は、ダイヤを撫でる僕を見てドン引きする。その視線がとても痛い。まあ撫でるのはやめないんですけど。

 

「はぁ……んで、お前は一体何しに来たんだ?」

 

「……」

 

 一色のことだから倒れた僕をバカにしに来たんだろうなと思ったが、それとは反面、彼女は申し訳なさそうな顔をして頭を下げる。

 そのことに僕もマックイーンもダイヤもギョッとしてしまった。

 

「……多分、せんぱいが倒れた原因は過労です。その原因を作ったのは、仕事を押し付けて楽しようとしたわたしに違いないです」

 

「一色……」

 

「反省してます。だから……ごめんなさい」

 

 まさか一色がここまで思い詰めていたとは。

 いつもと雰囲気が全く違う彼女の有様に、たじろいでしまう。

 

 別に仕事を押し付けられるのには慣れているため問題はない。いや、社会的にはあるんだけどね? 

 でも、倒れたということは、結局のところ自分の体調管理ができてなかったということに他ならない。やりようはいくらでもあった。

 それなのに一色がそこまで背負い込むことはないはずだ。

 

「別にお前のせいってわけじゃねぇよ。これは体調管理を怠った僕のミスだ」

 

「……でも、わたしは……」

 

「ああもう、君はそこまで悪くないんだって! 全く、どいつもこいつも辛気臭い顔ばっかするなよ! 別れ際のあいつだって……あれ?」

 

 ゴリ押しで一色を元気付けようとしていると、ふとした違和感を覚える。

 確かに僕は異世界に行っていた。いやにリアリティがあったため、そのこと自体ははっきりと思い出せる。しかし、肝心なところが思い出せないのだ。

 

 

 僕は一体誰と過ごしていたのか。

 

 

「トレーナーさん、どうかされましたか? それよりも別れ際のあいつとは一体……?」

 

「あ、ああ、ちょっとね。さっきマックイーンには少し話したんだがな、寝てた間変な夢見てたんだよ。異世界っぽいって言ったらいいのかな? その世界では僕の知る史実とは違うレース結果だったり、色んな人の性格が違ったり、僕がマックイーンとダイヤを担当してなかったり──」

 

「「は?」」

 

 こっわ。マックイーンとダイヤを担当していなかったと言った瞬間当該二人はとてつもなく低い声を発する。

 

「トレーナーさん、一体全体どこのどいつが私達の変わりとなっていたんですの?」

 

「教えてくださいますよね? 答えによってはその方と法廷で相対しなければならないので。もちろん家の圧をかけて」

 

「ゆ、夢の内容だぞ……身に覚えのない罪で裁かれるの怖すぎだろ……。でも、なんか……思い出せないんだよなぁ。ええっと……」

 

 誰のトレーナーをしていたのかがさっぱり思い出せない。

 それ以外のことは全部覚えているのに、その子の名前が出てこない。雑巾を絞るかのように記憶を振り絞っても頭文字すら思い出せない。

 

「あれ、マジで思い出せない……! クソッ、不意打ちとはいえ最後に……最後に……?」

 

 何されたっけ? なにかとんでもないことをされた気がするのだが、またしても肝心なところが思い出せない。

 

 不思議そうな顔をするマックイーンとダイヤになんでもないと手を出して御する。

 

「そ、それよりせんぱい、さっき異世界って言いましたよね? その世界とやらのわたしはどんなだったんですか?」

 

「おっ、食いついたなこのアニメ好きめ。でも、お前は何も変わらなかったよ。生意気だしうるさいし口は悪いし」

 

「なんですかその物言い! それだとわたしが生意気でうるさくて口が悪いみたいな言い方じゃないですか! この中二半!!」

 

「そういうとこだぞー?」

 

 先程までの塩らしい彼女はどこへ行ったのだろう。

 キレる一色を見て、こいつは本当に何も変わってなかったなと改めて実感する。

 

 そもそも、性格が変わってしまっていたの三女神の手の届かない人間だけであり、一色は……ん? そういえば深く考えてなかったけど、人間であるはずの一色は何も変わってなかったよな……? 

 それにたづなさんや理事長も大した変化は見られなかったはず……。でも三女神は人間の性格を再現できなかったって言ってたし……あれえ? 

 

「トレーナーさん、私は! ダイヤはどうだったんですか!?」

 

「ああ、君はそもそもいなかったよ」

 

「……」

 

 それを聞いたダイヤは、僕の上から降りて保健室の隅で体育座りをしてしまった。仕方ないだろ、本当にいなかったんだから。

 

「一応聞いておきますが、私はどうなっていたんですの? なに、たかだか夢の話ですわ。私はそんなことで拗ねたりは──」

 

「マックイーンは僕に『貴方は私のトレーナーではありませんわよ?』って言ったり僕らに叩き潰すって言ったり……」

 

「こ、殺してくださいまし! 夢とはいえ私はトレーナーさんになんてことを……ッ!」

 

 そこまで気にすることないだろうに。夢どころか彼女達の知る由もない異世界の話だ。

 それなのにムキになったり、拗ねたり、半狂乱になったりと。こいつらもお子様だな。

 

「よっこいせ……ん? これは……」

 

 ベッドから出ようとした時、自身の左手首にピンク色をした布が巻かれてあるのに気がついた。

 一見すれば、何の変哲もないただの布。しかし、僕にとっては大いに意味を持つ。

 

「……マジかよ」

 

 三女神のサービス、と言ったところか。できるなら記憶もそのままにして欲しかったというのが正直な感想だ。

 

 手首に巻かれた布を解くと、隅っこに小さな文字で何かが書かれてある。

 

 

『ありがと』

 

 

 ……あの野郎。

 

 顔も名前も思い出せないウマ娘に心の中で悪態をついてしまう。

 

 思い出せないなら思い出せないでいい。でも、僕とあいつが過ごしたあの日々や思い出が消えるわけじゃない。今はそれだけで十分だ。

 

「あら、その布なんですの? ハンカチ?」

 

「お守りみたいなもんだ。てか、いつまで夢ごときの内容で右往左往してんだよ。三人揃ってアホなことすなー?」

 

「アホ……!? 待ってくださいましトレーナーさん! 貴方のこととなると暴走するダイヤさんやそもそもがアレな一色さんはその類に入るかもしれませんが、私をお二人と一緒にするのは万死に値しますわ!」

 

「なっ!? 一色さんのことについては同意しますけど、マックイーンさんだって大概ですよ! トレーナーさんが倒れていると聞いた瞬間、メジロ家の主治医や医療班を総動員させようとしたり、自室を熊のようにウロウロと歩き回ったり、誰もいないのを確認して『ここはこの前できなかった人工呼吸のリベンジを……!』とか言って──」

 

「ああああああっ! 見てましたの!? あれ見てましたの!? というか、医療班云々の話をすればダイヤさんも同じですわよ!? なんなら貴方はヘリコプターまで用意して学園中の騒ぎの的になったばかりではないですか!」

 

「ねえ、ちょっと待って二人とも。さっきからナチュラルにわたしのことディスってるのはなんなの? わたしってそんなにアレじゃないと思うんですけど」

 

「それはないですわね」

「それはないです」

 

 図書室と同等かそれ以上に静かにしなければいけない保健室で三人は大声で喧嘩を始める。

 

 どうしてこいつらは集まるとすぐこうなるのだろうか。もう少しお淑やかさというものを身につけてほしい。

 

「ちっとは静かにできないもんかねぇ……」

 

『それ、トレーナーが言えたことじゃないと、ボクは思うなぁ』

 

「……? 気のせいか」

 

 なんだかここにいる誰でもない声が聞こえた気がした。だが、ここには僕達四人しかいないため気のせいだと切り捨てる。

 

 結局異世界体験の真実がどうであれ、こちらでは一日しか経ってなくても体感的に向こうで一ヶ月以上過ごしてたんだ。疲れも溜まっているし、さっさと帰って寝たい。

 久しぶりと感じるほど懐かしいこの光景を噛み締めるのも悪くないが、具合が悪いわけでもないさっさとお暇してしまおう。

 

 手首の布の締まり具合を確認し、保健室のドアに手をかける。

 

 

「そもそもダイヤさんはやることが一々おかしいんですのよ! この間も商店街でお代が三百万円という冗談をおバカのように真に受けてたではないですか!」

 

「マックイーンさんこそ未だに一万円札を自動販売機に入れるじゃないですか! というか、おバカって言う方がおバカなんですよ! マックイーンさんのバーカバーカ!!」

 

「もう、二人ともいい加減にしよう? 中学生とはいえ名家のお嬢様なんだから──」

 

「「うるさい、おバカ!!」」

 

「はあ!? バカにバカって言われるのバカみたいに腹立つんですけど!? このバカバカバーカ!!」

 

 

 なんだか全体的に知能が低下してないか? 

 わざわざこの世界に戻らず向こうで暮らしていた方がよかったかもしれない。

 

 ともかく、今回のよく分からない経験から一つ言えることがあるとすれば──

 

 

「いい加減そろそろ行くぞ、三バカ」

 

「「「三バカ!?」」」

 

 

 

 ──異世界も割といい世界、ってね。

 

 

 

 

 特別編『異世界も割といい世界』 終

 

 

 





この特別編を書き終えた感想は、SF作家さんって本当に凄いんだなということです。

いつのまにかハーメルンの方で投稿を始めて一年が経ってました。これもひとえに読んでくださる皆様のおかげでございます。
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