黒雷のウマ娘   作:にゃんこ丸

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皆さんはハロウィンイベ、どうだったでしょうか?


私はお兄様に慣れませんでした(´;ω;`)



5話

 

 

 

 やっほー、みんな。絶賛悩み中なノエルちゃんだよ。

 

 

 前にエアグルーヴさんから言われた言葉が気になってるって言うのはあるかも。ただ婆ちゃんとは一緒にいたいし。

 

 んなぁあ!!わかんない!!

 どうすればいいのさ!!

 

 

 「……って、考え事しながら走ってたらこんな所まで来ちゃった。」

 

 

 そこは、色とりどりの花が咲き乱れた平原。そう、私が婆ちゃんと初めてあった場所。少し懐かしく思いながらふかふかの平原に腰を下ろす。

 

 

 「あぁ〜、ホント懐かしい。ここ来るの久々だなぁ。」

 

 

 ……あぁ〜、そういえば私が1回だけトレーニング逃げ出してここに来た時、婆ちゃんが探しに来てここで語り合ったことがあったな。

 

 

 

 

 ……そうだ。あの時、婆ちゃんが言ってた。

 

 

 

 『ノエル。好きにやりな。』

 

 

 『アンタの進みたい道を真っ直ぐ、ただ前だけ見てな。』

 

 

 『一度決めた事は、絶対折るんじゃないよ。』

 

 

 

 今でも思い出せる。昔の私を救ってくれた婆ちゃんとの話。あれ以来、どんなにキツいトレーニングにも必死に取り組めた。だからこそ手放したいとは思えない。この居場所を。

 

 

 

 「……キツイなぁ。」

 

 「なにグズグズしてんだい。このバカ娘は。」

 

 「……ねぇ、会ってすぐにバカ娘って言うのやめない?というか、私いまシリアス入ってたのに問答無用で引っ張り出すのやめない?」

 

 

 

 というか、いつ居たの〜?さっきまで1人だった気がしたんだけどぉ?

 あぁ、シリアスが「アイルビーバック」って言おうとしてるのに婆ちゃんが無理やり沈めてるよ。

 

 

 

 「アンタがシリアスな状態になれる訳ないに決まってるじゃないか。頭のネジ数十本くらい抜けてんだから。」

 

 「ねぇ!?せめて数本にしない!?数十本っ!?もう人間やめてるよ!?」

 

 「何言ってんだい。アンタは元よりウマ娘じゃないか。」

 

 「そういうことじゃないよォ!?」

 

 

 

 私がピーピー騒いでいると婆ちゃんが私の隣に腰を下ろした。私とは目も合わせず、ただ前を向いて。

 

 

 

 「……そうさ、アンタはウマ娘。他者と競い合いたいという本能を持った。負けず嫌いなウマ娘さ。」

 

 「競い合う、ね。」

 

 「ノエル。アンタはこんな所で人生を終えていいのかい?」

 

 「……何言ってんのさ。私は婆ちゃんと居れればそれで「いい加減にしな!」

 

 

 

 怒気を孕んだ声で私の言葉をかき消す。横を向けば真剣な目でこちらを見つめていた。いつもの瞳の奥に見えた優しさはなく、刃のように鋭い眼光がギラギラ光っている。

 

 

 

 「私なんかに依存するんじゃないよ。私はアンタを縛り付ける鎖になんかなりたかないよ。」

 

 「けど、私は……」 

 

 

 

 私はどうにかここに入れるように言い訳をしようとしたら左頬に鋭い痛みが走る。一瞬の出来事に理解が出来ず、婆ちゃんの方を見れば右手を振り抜かれていた。

 

 

 

 「さっきからなんだい!文句ばっかり言いおって!鬱陶しいわ!私はそんな子に育てた憶えはない!」

 

 

 「アンタは誰だ!私の知ってるノエルは怖気付いたり、言い訳をしたりしないで、強くなるために努力を続けれるカッコイイ娘さ!今のアンタはダサいったらありゃしない!」

 

 

 

 今までこんな真剣な顔をした婆ちゃんを見たことがない。呆然とした私はただただ婆ちゃんの顔を見ることしか出来なかった。

 よく見れば婆ちゃんの目からは一粒の雫が流れていた。

 

 

 

 

 「いいかい!私は元気に走り回ってるノエルが好きさ!文句言いながらも諦めず努力出来るノエルが、誰かを大切に思えるノエルが!誰よりも愛してんのさ!」

 

 

 「そんな娘が中央で走れる!私の自慢の娘が中央のレースで一着取れるかもしれないんだ!これ程嬉しいことはあるかい!」

 

 

 

 

 肩を掴まれ、力を込められる。

 私の事を愛していると、自慢の娘だと言ってくれる。

 

 

 私が中央のレースで一着を取ることを確信してくれている。

 

  

 

 「婆ちゃん……私……。」

 

 

 「……頑張りな、ノエル。重賞を取って見せてくれ。そして、私に自慢させておくれ。『あの子は私の愛娘』だと。」

 

 

 婆ちゃんがいつもの優しい表情に戻るとゆっくり抱きしめてくれる。私の頭をゆっくり、ゆっくりと撫でてくれる。

 

 

 「……う、ん……う゛ん!」

 

 

 

 涙が止まらなかった。

 誰も信じてくれなかった。

 無価値だと捨てられた。

 仲間から裏切られた。

 

 こんな、こんな私を婆ちゃんは愛してくれた、育ててくれた。

 

 傍に寄り添ってくれた。

 嬉しかったんだ。誰かが隣にいてくれるだけで、そばに居てくれるだけで、こんなにも世界が色づいて見えるなんて知らなかったんだ。

 

 

 

 「勝つから……絶対、負けないから!」

 

 

 

 これは恩返しだ。

 私を、俺を、愛してくれた婆ちゃんに対する恩返し。

 私が婆ちゃんに出来る唯一の。そして、最大の恩返しになるのだ。

 

 

 

 「だから……見てて!婆ちゃん!」

 

 

 

 婆ちゃんの抱擁から抜け出すと立ち上がる。そして、天を指差し『満面の笑み』で叫ぶ。

 

 

 

 「サイキョー無敵のノエルちゃんが!中央で勝ちまくる姿をね!」

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 「本当にいいんだな?」

 

 

 

 皇帝さんが私の目を真っ直ぐ見つめながらこちらを見てくる。そこには何故か優しい感情が瞳の奥に宿っていた。

 

 

 

 「はい。もう決めました。」

 

 

 

 もう迷わない。

 行ける所まで突っ走る。

 婆ちゃんに自慢の娘だって言って貰えるように。

 

 

 

 「駆け抜けてやる。」

 

 

 「誰よりも速く。」

 

 

 「誰よりも強く。」

 

 

 「風も雷すらも超える速さで。」

 

 

 

 「中央に黒雷を轟かせてやる!」

 

 

 「うん、その意気やよし。ようこそ中央へ。ノワールエクレール、歓迎しよう。」

 

 

 

 会長さんは右手を差し出してきた。それを勢いよく掴む。今まで見せなかった、笑顔を、闘争心を、剥き出しにして答えるのだった。

 

 

 

 

 「よろしくお願いします!!」

 

 

 

 

 

 





遂に中央行きを決めたノエルちゃん。

ここから雷神伝の始まりである。

おや?なにやら芦毛のウマ娘が麻袋を担いでいるぞ?

なにやら不穏な空気です。

次回、トレセン学園に突入するノエルちゃん。
   トレセン七不思議!?世にも奇妙なウマ娘!?の二本です

では、皆さん。またお会いしましょう!

『安価』ノエルちゃんどこのチームに入って欲しい

  • 奇天烈なスピカ
  • 優秀無敵なリギル
  • 和み担当カノープス
  • カオスたっぷりオリチーム
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