何か貧乏神拾ったんだが 作:隣の家に晩飯凸する止まらないゴルシ
ウィィィッス!!
関係ないけどマトリックスレザレクションズ…楽しみですね
彼は一体何者だったのだろうか、と帰りながら考える。
話してすらいないのに依神がいることを当ててみせた。
一瞬、里の依神に恨みを持つ住人、かとも思ったが、それならもっと必要以上に近づくはずだった。
じゃあ、何だ。
一体、何者だ。
何か良くないことが起きる―――――
たった20年生きた程度でも、研ぎ澄まされた勘は彼に警告を発していた。
思考の沼にはまるうち、既に自宅が見えていた。
依神が風呂に入っているのか、家の簡易的な煙突…のようなものからは湯気が天へと昇っていた。
―――用意を、しとくんだね――彼らは、お構いなしにやってくる。
まただった。依神を拾った時の声が、鳴った。
「お前は―――誰、なんだ?」
―――それを教えるのは、まだ先さ――――ほら、早く幸せをかみしめておくんだね
それきり、声は喋らなくなった。
「ただいま」と声を発し、自室の布団に倒れこむ。
勿論、すべての体重を重力に任せるわけではなく、多少膝を折り曲げてである。
意識が吸い込まれてゆくように、視界は暗くなり、思考もおぼろげになってゆく。
夢を見た。
暗い、真っ暗な場所で、ぼうっとしていた。
すると、あの居酒屋で出会った男が、「急げ、ここはじきに崩れる」と、手をつかみ引っ張ってゆく。
だが、引っ張られる自分は酷く疲れている様子で、次の瞬間、上から落ちてきた瓦礫につぶされて、それきり何も見えなくなった。
「…」
そこで、目が覚めた。
左目を手で覆ってみる。
視界が半分黒くなる。
時々、夢で見た
(暗転のたびに、意識が
どうやら食パンを自分で焼いて食ったらしく、台所には皿が一つあった。
ゆっくりと、台所に近づき、水をコップに入れる。入れ終われば、食卓の上に安置されているケースの中から、青いカプセルを取り出し、水で喉の奥へと流し込む。
以前、かかりつけの医者から『精神安定剤』として処方されたものだった。というのも、彼は現在進行形で軽いうつ病なのだ。
「なにそれ?」と依神が聞き、「ただの薬だ」と答える。
大したことではなかった。
この程度が日常。
たまに皿が割れたり、まぁ不幸なこともあるが、彼はこの日常が堪らなく好きだった。
だが、そんな日常は、長く続かない。
それが、この世の摂理だった。