俺らでジオウを神作にする! 作:鳴滝の■■
常磐ソウゴはあれから何事もなく入院生活を満喫し、昨日づけで退院することになった。
「これとこれ、あとこれもだよね。一応ベルトとウォッチも持っていった方がいいのかな」
まだ包帯の取れない所もあるが、変身して戦えるぐらいには回復している。
学生カバンに教材と変身ベルト、そしてジオウウォッチとダブルウォッチ、そしてジオウ
「お、あの後ろ姿は……おはよう!」
「おおソウゴか!階段から落ちたんだってな。大丈夫だったか?」
「うん!この通り……万全よ!」
「お前だけ未だに進路決まってねぇって言うし、新年早々ついてなかったな……今度何か奢ってやるよ」
「ええっ、ホント?嬉しい!」
仮面ライダーで学生。
日夜人々の平和を守る仮面ライダーといっても現役男子高校生であるソウゴが何の理由もなしに学校を休む理由にはならない。
三年の1月ともなって進路用紙が未だに王様になるから白紙、または第一から第三まで王様希望と教師陣の頭を散々悩ませているが、これまでの戦いを経てその想いがより一層強まっているのは、はてさて良いことなのか悪いことなのか。
冬休みを挟んで久しぶりの再会となる学友達と談笑しつつ、常磐ソウゴは通学路を歩く。
「ジオウのやつまだ進路を決めてないのか」
「これは心配ですね……こっそり学校に忍び込んで進路希望用紙に公務員とでも書き込んじゃいましょうか?」
「そうだな、多少強引だがそれでやつがオーマジオウに……うおっ!?」
そんな彼をストーカーのように付け回していたゲイツとその背後からにゅっと出てきたファムちゃん。
「どうしてお前がここにいる!?」
「別にぃ~私がいつ何処で何をしようと勝手じゃないですかぁ?」
「また口調が……」
「まぁ隠すことでもないので言ってしまいますと、ドライブの歴史が消滅することを防げたので暇を出されたんです。クビになったわけではないんですけど、暫くはすることもないので、こうして平日の朝から散歩していたという訳です」
「ならさっさとどっかに行け。俺は今忙しいんだ」
「…………きゃー!ストーカー!!!!」
「バッぁ!?」
「ん?」
「どうかしたか?」
「いや、今。声がしたような気がして」
どうやら今回はアナザーライダーやアナザーファントムの絡まない日常回のようだ。
別に毎日のようにタイムジャッカーや彼らが襲撃を掛けているわけでもないので、そういう日があるのも珍しくはない。
その一方で、タイムジャッカー達が何をしているのかと言うと
「…………」
「まさかお前が裏切っていたとはな」
意識のないオーラが床に横たわっている。
「何も…ここまですることなかったんじゃないか?」
青ざめた表情のウールはスウォルツに問い掛けた。どうやら彼はオーラに殺されるという寸前でスウォルツに助けられたらしい。
「おかしな事を言うな?俺が助けなければお前はこいつに殺されていたのだぞ」
「そうだけど……その、オーラの力はスウォルツが奪っちゃったんだろ?ならもう僕たちにとっては取るに足らない存在じゃないか。それをわざわざ痛め付けるなんて」
「ふむ。確かに只の人間風情に時間を掛けすぎるというのも非合理的だな」
考え直すように顎に手をおいたスウォルツは徐にブランクウォッチを取り出した。
「まさかオーラをアナザーライダーにするのか?」
「あぁ……しかしお前の知っての通り、従来のアナザーライダーではアナザーファントムには太刀打ち出来ない。生半可なアナザーライダーを生み出した所で意味はないだろう」
「ならどうするんだ」
「簡単だ。常磐ソウゴが良い手本を見せてくれた。ライダーの力を百パーセント引き出したアナザーライダーを生み出すぞ」
「そのライダーってのは」
「ディケイドだ」