俺らでジオウを神作にする!   作:鳴滝の■■

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王者と王蛇

ダブルウォッチに導かれて事件現場へと訪れたソウゴ達。

…見たところ現在進行形で怪人が暴れているといった様子はない。

 

「ウォッチが反応してるってことは全く無関係って訳じゃなさそうだけど」

「うん。もしかしたらこの事件にアナザーライダーが関わっているのかも」

 

随分人が集まってるようだが、流石にこの中に隠れているという訳ではないのだろう。

そう冷静に判断を下すソウゴ。

 

二人をここまで導いたウォッチは探偵であるあの左翔太郎から貸り受けたものだ。探偵、つまりは事件に関連しているということだろうか。

 

具体的な根拠はないが、何となく確信があった。

 

百パーセントウォッチの力を引き出した時に感じた、ライダーとしての単純な力だけでなく癖や特技までトレースしてしまう深い没入感。

それと似たような物を今回も感じたのだ。

 

ソウゴはポケットからダブルウォッチを取り出し、それが指す棟の三階部分を見つめる。

 

「彼処に行ければ一番良いんだけど……」

「人もいるし流石に今から忍び込むのは不味いわよね。まだアナザーライダーが原因だと決まった訳じゃないし、捜査の邪魔になるもの。テレビやネットで情報を集めて、時間はかかるけど一旦警察の捜査が終わるのを待つのはどうかしら?」

 

ツクヨミからの提案にソウゴは頷いた。人払いを済ませ、夜分に忍び込むという手もあったが、流石に犯罪に手を染めることになるので躊躇われたのだ。

 

「それもいいが、先ずは事件に詳しい人物に尋ねてみるのはどうだろうか?」

 

「あ、ウォズ」

 

ここで何処からともなくウォズが登場。

彼は爽やかなスマイルを浮かべて助言でもするように提案する。

 

「そうだね。もしかして心当たりとかある感じ?」

「あぁ勿論だとも」

 

そして彼が手招きする方に着いて行けば、ズカズカと事件現場に歩を進める女性とそれを止めようとする男性の姿があった。

 

 

 

 

 

 

720:鳴滝の息子

『ちょ!流石に不味いって!!』

『大丈夫です。隣の階の人に聴き込みをするだけですから』

『え?…まぁそれなら大丈夫か』

『と言ってもこの事件が例の連続失踪事件と関係しているなら、取材してもろくな情報は得られないでしょうね。…せめて例の絵があるかどうかぐらい確認したいんですど』

 

721:俺らでジオウを神作にする

連続失踪事件……?

 

722:俺らでジオウを神作にする

もしかしてさっきの話は何度も起きているってこと?

 

723:俺らでジオウを神作にする

ミラーモンスターが暴れているということなのか、それとも……

 

724:俺らでジオウを神作にする

もしかしてさっきの子は優依ちゃんとは関係ない?

例の絵ってことはさっきのミラーモンスターの絵が重要なのか?

 

725:俺らでジオウを神作にする

ディスパイダーが暴れてるのかな?

それともミラーモンスターが各地で暴れてる?

 

726:俺らでジオウを神作にする

これって……龍騎のオマージュていうか、まさか始まろうとしてる?ライダーバトルが

 

727:俺らでジオウを神作にする

気になる情報が解禁されたな

 

728:俺らでジオウを神作にする

待って。連続失踪事件ってことは似たような事件が何度も起きてるって事だよね?

ミラーモンスターによる食人行為なら死体は残らない筈だし……全部あの優依ちゃんの転生体?が関わってるとしたら行動範囲が広すぎる

これは前提が崩れるぞ……

 

729:鳴滝の息子

『ねぇ、ちょっといいかな?』

 

『うん?』

『俺の名は常磐ソウゴ。アンタ達にその事件のことで聞きたいことがあるんだ』

 

『……ソウゴ?んんんん?はぁ!?お前ソウゴか!?』

 

突如、真司は驚くような声をあげた。

 

『お前、また会えるって何年ぶりだよ!』

 

730:俺らでジオウを神作にする

ん?この反応からして……過去で会ってる?

 

731:俺らでジオウを神作にする

何かこの後藤って子。髪も茶髪だし滅茶苦茶活発で、当時の真司を見ているよう

 

732:俺らでジオウを神作にする

これ、ウォズの思惑通りなんだろうか?

 

733:俺らでジオウを神作にする

この感じは過去のライダーバトルにジオウが参戦する流れかな?

 

734:俺らでジオウを神作にする

あれ?城戸はライダーの記憶を失ってないのか?

 

735:鳴滝の息子

『あら?編集長、もしかしてお知り合いですか?』

『うん、あぁ勿論。こいつとは昔………………ん?』

 

何やら混乱しているのか、ソウゴの顔をまじまじと見る真司。

 

『あれ?絶対昔どっかで会ったような気がするんだけどな……おっかしいなぁ~』

 

『!もしかして』

 

それにピコンと来たのが我が魔王。

横にいるウォズに顔を向けると、彼も観念したのか素直に白状した。

 

『君の推察通り、彼は仮面ライダー龍騎だ。もっともライダーの記憶と力は失っているようだけどね』

 

『なら!ちょっと失礼!』

 

これまでの事例からいって、ウォッチは持ち主の近くにある。だから真司が持っていてもおかしくはないとポケットをまさぐるのだが……なんと空振りである。

 

『あれ?』

 

もしやウィザードの時のように他者に預けているのだろうか。そう思って自身のライドウォッチを差しながら似たような物を持ってないかと問い掛けても知らないという。

 

『んんんん~?』

 

これには頭脳明晰な我が魔王でも頭に?を浮かべざる終えない。

 

736:俺らでジオウを神作にする

そういや原作でも龍騎ウォッチは持ってなかったっけ

 

737:俺らでジオウを神作にする

オーディンが持ってるとか?

 

738:俺らでジオウを神作にする

謎の男が持ってるんじゃない?

↑ここで言う謎の男とはイッチを指しているのではなく、ライダータイムで出てきた神崎士郎モドキのことである。

 

739:俺らでジオウを神作にする

多分、あの神埼士郎の亡霊みたいなやつが龍騎のデッキ持ってるからまだウォッチ化されてないんだろう。

 

740:俺らでジオウを神作にする

つまりライダータイムはイッチ時空でも開催されるということ?

 

741:俺らでジオウを神作にする

デッキが別にあるからウォッチにはなってないという訳か

 

742:俺らでジオウを神作にする

龍騎を知らないやつがいると仮定して、一応説明しておくがデッキとは龍騎本編で言う変身ベルトのような物や。

 

743:鳴滝の息子

『どういう事なんだ?―――ッ!?』

 

訳が分からないと一旦距離を取ったソウゴ。

すると鼓膜を破壊するような勢いで『ガラスを引っ掻いたような音』が鳴り響き顔をしかめた。

 

『がっ!?』

 

『ちょっと!?ソウゴ!?』

『おいキミ!大丈夫か!?』

『誰か救急車を!』

 

『(え……俺以外、聞こえてないの?)』

 

思考が鈍るほどの爆音だが、流石に周りが一切反応した様子を見せないとなると違和感ぐらい抱く。

もしかして、自分は今……何かしらの存在から攻撃を受けているのかと考えに至ると、事件現場の方から複数の悲鳴が聞こえ出した。

 

 

『いか……ないと!』

 

 

 

 

ちなみにお前らが『この音』を聞けるのはワイが編集で入れているからやで。

 

 

744:俺らでジオウを神作にする

何故……参加者ではないソウゴにこの音が聞こえるんだ?

 

745:俺らでジオウを神作にする

お前らに……ってことはソウゴには何もしてない?

 

746:俺らでジオウを神作にする

もしかして過去に遡った時に何かあったんかな?

 

747:俺らでジオウを神作にする

確かこのキーンって音はライダーしか聞こえないのよね。

 

748:俺らでジオウを神作にする

ソウゴもライダーと言えばライダーだけど、ミラーワールドとは一切関係ないから聞こえる訳ないんだよな

 

749:俺らでジオウを神作にする

事件現場で悲鳴ってことは、まだディスパイダーがあの辺りにいたのか。

 

750:俺らでジオウを神作にする

これって狙ってるかどうか分からんけど、龍騎の一話を結構意識してるよね

 

751:鳴滝の息子

『うわっ!?誰か……助けッ』

 

『はぁぁぁぁ!!!』

 

扉を開ければ、蜘蛛の糸のような物に絡まれた警察官が鏡の中に引きずり込まれようとしていた。

直ぐ様ソウゴはジカンギレードでその糸を切り払い、警察官を真司達の方へと投げて、ベルトを装着する。

 

『ここにはアンタ一人だった!?』

『い、いや!他の奴らは鏡の中に連れ去られた!』

 

ならば連れ戻さないといけない。

先ず鏡を割るべきだと思ったソウゴはその選択を破棄してジオウへと変身する。

 

『蜘蛛……の怪物』

 

鏡の前に立ったジオウにはそう表現するしかない怪物が此方を睨んでいた。

 

ディスパイダー……龍騎本編でも登場した怪物だが、その強さは龍騎の力を手に入れた真司が初めての戦いで倒せた程度である。

ハッキリ言って、今の魔王に負ける道理はない。

 

『ソウゴ!?』

 

だが、ディスパイダーが放つ糸にジオウは絡めとられ、そのままミラーワールドへと引きずり込まれてしまった。

 

752:俺らでジオウを神作にする

いや、違うな。これはあえてだ

 

753:俺らでジオウを神作にする

自力ではミラーワールドに入れないからあえて捕らわれた?

 

754:俺らでジオウを神作にする

全然動揺してないからミラーワールドに入る為だと思う

 

755:俺らでジオウを神作にする

待って。でもミラーワールドって現実世界とは法則が異なるとかで、龍騎産ライダー以外だと一分もしない内に消滅するんじゃ……

 

756:俺らでジオウを神作にする

>>755

 

757:俺らでジオウを神作にする

>>755

あれ?もしかして……ガラスの幸福ルート入った?

 

758:俺らでジオウを神作にする

いやジオウ本編でもミラーワールドで長時間活動してたし大丈夫でしょ。まぁあれは活動時間無制限のミラーワールドモドキって感じだったけど

 

759:俺らでジオウを神作にする

大丈夫だよな?ジオウってミラーワールドから自力で脱出出来るよな?

ジオウセカンドがある今、鏡の中のソウゴがいるかどうか分からんからマジで不安しかないぞ

 

760:俺らでジオウを神作にする

このミラーワールドが龍騎原産なのかジオウ産なのかによるな。後者ならともかく前者なら活動時間で詰む

 

761:俺らでジオウを神作にする

流石に大丈夫だろ?

ライダータイムでも活動時間云々の概念は失くなってたぽいし

 

762:俺らでジオウを神作にする

相手は鏡の中の存在→攻撃出来ない?でも被害者は取り込まれてる→なら自分も取り込まれれば助けられるし、こいつを倒せる筈!→なお鏡の中に取り込れたら一分で死にます

 

 

いや、こんな初見殺し、ソウゴでも分かるか!

 

763:俺らでジオウを神作にする

まぁいざとなったらイッチが動いてくれる

 

764:俺らでジオウを神作にする

不安だ……物凄く不安だ

 

765:鳴滝の息子

『ここは……いや、今は』

 

ミラーワールドへと降り立ち、自力で拘束を破ったジオウは、全てが反転しているという奇妙な世界に一瞬眉を潜める。

 

しかし今はそんな事も気にしていられないと、ディスパイダーに向き直った。

 

 

 

 

 

そんで一から十まで追っていくとエトセトラ。

 

 

 

『よしっ!』

 

ジオウは危なげなくディスパイダーを倒した。

 

 

766:俺らでジオウを神作にする

あー……

 

767:俺らでジオウを神作にする

そこカットしちゃうんか!

 

768:俺らでジオウを神作にする

久しぶりのカット

 

769:俺らでジオウを神作にする

まぁ……もう30分経ってるもんな。本当に全部描いたら日が暮れるか

 

770:俺らでジオウを神作にする

テンポは大事だよね

 

771:俺らでジオウを神作にする

ドライブアーマー使ったんか……

 

772:鳴滝の息子

『これで……ここから出られるのかな?』

 

そして潜ってきた鏡まで戻って手を当てるソウゴ。

 

…………戻れそうになかった。

 

『どうしよう』

 

その背後に"何か"が迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時を少し戻してツクヨミ達。

 

「どうしよう……この鏡、本当にただの鏡みたい」

 

「大丈夫。アイツが助かる道は必ずある筈だ」

 

「でもウォズ……はいつの間にか消えたみたいだし、貴方も力を使えないんじゃ」

 

ソウゴが取り込まれた鏡を調べてウンウンと唸る彼女達。

既にソウゴは鏡の近くから離れてしまったのか、いくら覗いても彼の姿を確認することは出来ない。

 

ツクヨミは経験則というやつで、今回の事件が真司がライダーであった事と何か関係していることは薄々勘づいていたが、肝心の力を取り戻す方法が分からなければ意味がないと項垂れていた。

 

真司は慰めるが、同時に『自分なら何とか出来るかもしれないという』謎の自信が湧いて……恐らくは中途半端にライダーとしての記憶を保持しているからだろうが、具体的にどうすればいいのかさっぱりな物だから内心かなり戸惑っていた。

 

「あの……私たちが鏡の中に入って、それが彼を助けることに繋がるかどうかは分かりませんが、あの怪物達が現れる法則なら私に心当たりがあります」

 

そんな中、後藤が手を上げた。

 

「法則?」

 

「ええ。見てくださいこの『絵』を。今まで起きた連続失踪事件には二つの共通点があります。

それはこの絵が飾っているということと、10歳未満の女児が親から虐待を受けていたということ」

 

後藤は自らが調べあげたメモを片手に絵を指差して言葉を続ける。

 

 

「この事件の嫌な所は……一度は見逃されたように助かった女児がいつの間にか消えてしまうんです。まるで神隠しみたいに。つまり犯人があの化け物なら次に狙うのは……」

 

 

 

 

 

 

ウー!ウー!ウー!

 

「……お前が?化け物に襲われてる?……ハァ。良いぜ信じてやる」

 

鳴り響くサイレンの音。

フロントガラスには盛大にヒビが入り、サイドは割れている。そして少女を保護していた警察官達は血を流して倒れていた。

 

けれど件の怪物はジオウが倒してしまったから犯人は別であった。

 

カランと、鉄パイプが地面に落ちる。

 

……イライラしたから。それだけの理由で少女を護送していたパトカーを破壊して、警察官を殴り飛ばした、

 

「ぁぁ……また祭りが始まる」

 

この怪物()の名は浅倉威である。

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