俺らでジオウを神作にする!   作:鳴滝の■■

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中編(その二)


ニューゲーム

「俺がサーガ・バグスターを攻略する。お前達はあっちのエグゼイド(もど)きを頼めるか?」

「分かった。ゲイツもそれでいいよね?」

「ふん……異論はない」

 

よっす、前回に引き続きイッチや。

今回はメンバーの一人が手慰みに開発した光学迷彩式のスパイグッズで忍んで三人の様子を見守ってるで。

 

「ふぁぁ~」

 

そんで今回の影の立役者こと、エグゼイドの力を維持してるフータロス先輩は俺の後ろで胡座をかいてる。

 

フータロス先輩といえば、ちょっと前に俺が特異点であることが判明して、物は試しと仮面ライダー電王に変身したことがあったんやんやが、その時フータロス先輩に憑依して貰った姿が、何かソードフォームのパチもん臭くてダサかった……と、フータロス先輩はその件をメチャクチャ気にしてるので、本人の前では間違ってもその話題を口に出してはいけなかったりする。

 

 

「我が軍団は無限!つまりは無敵!」

「なッ!?奴が召喚出来る数に際限はないというのか!」

 

なんかサーガ・バグスターの召喚した大量のバグスター軍団にゲイツ君が驚いているけど、メタ的なことを言うと三十体以上は召喚出来ないようにしている。

スーツを量産すると予算が……とか世知辛い理由でもないけど単純に見栄えを重視した結果やね。

 

「このまま増やされ続けても面倒だ!」

「ならゲイツはアイツらを。俺はアナザーエグゼイドをもう一回叩く!」

 

どうやらバグスター軍団はゲイツ君が。

アナザーエグゼイドはジオウが。

サーガ・バグスターはエグゼイドが相手するといった感じに決まったようや。

 

俺としてはジオウがサーガ・バグスターを倒すもんだと予想していたけど、バグスター退治はエグゼイド側の領分であるし、永夢の性格からして、どんな能力を持っているかも分からない相手を他人に任せたりはしないよな。

 

「大変身!」

 

エグゼイドがレベルアップしてレベル2になった。

スペック的にレベル1の方が火力は高かった筈だが、機動力を重視したみたいや。

 

エグゼイドはそのままブロックを生成してバグスター軍団を一気に飛び越えると、ガシャコンブレイカーをブレードモードに変更、サーガ・バグスターに振り下ろした。

素早いエグゼイドの攻撃に対応しきれる訳もなく、サーガ・バグスターのHPが減少する……はずが……

 

「むぅん!」

「なに!?」

「油断したな勇者よ!」

 

サーガ・バグスターは持ち手の杖で剣を受けて弾き飛ばした。

 

これにエグゼイドは驚きの声を上げる。

見た目からして後衛の魔法使いというイメージの強いサーガ・バグスターが、まさか近接戦も出来るとは思わなかったのだろう。

 

だがしかし。サーガ・バグスターのモデルとなったのはゲムデウスだ。

今のエグゼイドには知るよしもないが、もとよりゲムデウスは全てのバグスターの能力が使える。

 

序盤補正で下方修正したとはいえ、サーガ・バグスターの真価は強力な魔法攻撃ではなく、マルチタスクに対応する万能性にある。

 

「……マインスイーパ、起動」

 

空中でパーリーされたエグゼイドはそこからバランスを崩して尻もちをつく。そしてそこにはサーガ・バグスターが仕掛けた地雷式魔方陣が眠っており、「パチっ」という音。

エグゼイドが何かヤバいと感じたのも束の間、

 

「うわぁぁぁぁ!!!!」

 

――爆発。

ゴロゴロと煙の中から転がってきたエグゼイドの胸元のライフゲージが1ドット減少した。

 

「くっ!それなら!」

 

エグゼイドは発光のエナジーアイテムでサーガ・バグスターの視界を一瞬眩ませ、ガシャコンブレイカーをハンマーモードに変更、更にBボタンを二回押すとサーガ・バグスターに叩きつける。

 

「無駄……なっ!?」

 

HIT!HIT!

 

「二連続攻撃だ!」

 

防いだ筈の攻撃が少し遅れてもう一度やってきた。

これはガシャコンブレイカーの能力や。

 

「もういっちょ!」

「ぐぅ!?」

 

Bボタンを押して叩いて、Bボタンを押す。

初撃は防がれるが、これなら二連撃目は確実に入るという戦法だ。

 

「この程度のダメージ、どうということではない!」

 

このままハメ技コンボに入るかと思ったのも矢先、サーガ・バグスターは叩かれながら魔法詠唱を開始して「物理反転!」エグゼイドにカウンター放つ。

 

 

 

 


381:俺らでジオウを神作にする

実力はほぼほぼ互角って感じだな 


 

それから早くも長いような時間が過ぎて戦闘開始から約30分が経った。

素人目から見て、エグゼイド側が若干不利という現状である。

 

そもそもジオウとエグゼイドが協力プレイで攻略することを想定していた為、これは当然の事かもしれないが、件のジオウといえば倒しても倒しても復活するアナザーエグゼイドの厄介さに苦しめられているようだった。

 

「このままだと……全滅するんじゃねぇか?」

「うむ……恐らくそれはないとは思いますが、なかなか上手くいかないものですな」

 

難易度でいえばビルドの時よりもグッと低くなった。

少々お粗末と言うか泥試合のようだが、このまま行けばエグゼイドが勝利する可能性は十二分にありえる。

 

けれど、ビルド編のようにワクワクした思いが沸き上がらない……ハッキリ言って面白くないと感じたのだ。

 

それはひとえにジオウ組とエグゼイドの息が噛み合っていないから、ゲームで例えるなら各々で別のモンスターを狩りにいってるような現状による物からではないだろうかと俺は分析する。

 

レジェンドライダーに見せ場を作る展開は嫌いではないが、それにしたって限度がある。

 

「ビルド組が寛容過ぎたせい?」

 

それともサーガ・バグスターのスペック調整をミスったか。

いっそのことビルドの怪人の時みたいにレベル50ぐらいの強さで作れば嫌でも協力する流れに持っていけたかもしれない。

 

 

……こういう時はあれやな。

 

 

◇◇◇◇ ◇◇◇◇

 

◇◇◇◇ ◇◇◇◇

 

385:鳴滝の息子

安価発動!

 

386:俺らでジオウを神作にする

やっぱり安価取ったww

 

387:俺らでジオウを神作にする

この土壇場で安価ね

 

388:俺らでジオウを神作にする

流石に二回目は驚かんぞ!

 

389:俺らでジオウを神作にする

このままだと沼るのは俺たちにも分かる

 

390:俺らでジオウを神作にする

さて、今回の安価はどういった物なのか説明願えるかな?

 

391:鳴滝の息子

内容はシンプルや。

『ここから面白く』

この際、手段方法は二の次で、お前らの願望をありのままに書き連ねてくれ

 

>>420

 

392:俺らでジオウを神作にする

思ったより投げやりだった

 

393:俺らでジオウを神作にする

だけど、時間を掛けて倒しても面白くないわな

編集でどうにかするにしても限界があるだろうし

 

394:俺らでジオウを神作にする

回復のエナジーアイテムとかサーガ・バグスターが回復魔法とか使いだしたら……もうキリがない

 

395:俺らでジオウを神作にする

パワー特化のサーガ・バグスターと技量特化のエグゼイド……う~ん、まさに火と油といった感じ

 

396:俺らでジオウを神作にする

ジオウ組が雑魚処理担当なのも問題

 

397:俺らでジオウを神作にする

アナザーエグゼイドがもうちょい頑張ってくれれば……ね

 

398:俺らでジオウを神作にする

多分だけど、アナザーライダーの中でもアナザーエグゼイドは特に弱い部類に入ると思う

 

399:俺らでジオウを神作にする

エナジーアイテム使えない、ガシャットの切り替えが出来ない、レベルアップ出来ない、と一応ゲームの中に入れるみたいだけど原作ではボコボコにされていたイメージしかないな

 

400:俺らでジオウを神作にする

耐久がレベル0

 

401:俺らでジオウを神作にする

せめてサーガ・バグスターの盾的な役割を果たしてくれた別々に戦うことはなかったんだが……

 

402:俺らでジオウを神作にする

ジオウに突っ掛かっては死亡→リスポーンを繰り返してるだけ

 

403:俺らでジオウを神作にする

アナザーエグゼイドになってる時、自我はあるんやろうか?

 

404:俺らでジオウを神作にする

>>403

変身のオンオフは出来る感じだけど、なんか本能で戦ってる感じがするよな

 

405:俺らでジオウを神作にする

ならアナザーエグゼイドの意識をハッキリさせて戦意を奪うとかけ?

 

406:俺らでジオウを神作にする

確かに説得は出来そう

 

407:俺らでジオウを神作にする

原作でも飛彩なら助けられる風に言ってたし、アナザーエグゼイドが罪を重ねる必要はないんだよな

 

408:俺らでジオウを神作にする

アナザーエグゼイドを無力化

サーガ・バグスターをジオウ組と協力して倒すのが理想っちゃ理想やな

 

409:俺らでジオウを神作にする

個人的にはアナザーエグゼイドがサーガ・バグスターを倒す展開も見たいがスペック的に無理っぽい

 

410:俺らでジオウを神作にする

アナザーエグゼイドとサーガ・バグスターが合体するのもアリだと思う

 

411:俺らでジオウを神作にする

ここは正義のパシンでアナザーエグゼイドの目を覚ます展開に期待

 

412:俺らでジオウを神作にする

安易に無敵ゲーマーとかで解決してほしくはないな

 

413:俺らでジオウを神作にする

ビルドの回は視聴者をワクワクさせる

エグゼイドは視聴者を世界観に引き込む感じで

 

414:俺らでジオウを神作にする

ジオウに活躍のスポットを当ててほしい

 

415:俺らでジオウを神作にする

マイティブラザーズをもう一回みたい

 

416:俺らでジオウを神作にする

飯田さんの説得はジオウにお願いしたいかな

 

417:俺らでジオウを神作にする

アナザーエグゼイドの意識を呼び覚ます

 

418:俺らでジオウを神作にする

エグゼイドに説得させる

 

419:俺らでジオウを神作にする

イッチが飯田さんの子供をサクッと治療してくる

 

420:俺らでジオウを神作にする

アナザーエグゼイドを説得する

 

421:俺らでジオウを神作にする

新ガシャットを生み出す

 

422:俺らでジオウを神作にする

 

423:俺らでジオウを神作にする

妥当なのが来たな

 

424:俺らでジオウを神作にする

この安価の場合、イッチに出来ることある?

 

425:俺らでジオウを神作にする

サーガ・バグスターを一旦下がらせるとかけ?

 

426:俺らでジオウを神作にする

ジオウ本編に換算したらもう四話目だし引き延ばしは出来ないやろ

 

427:俺らでジオウを神作にする

子供を助けるのが一番手っ取り早そう

 

428:俺らでジオウを神作にする

となると飛彩先生のとこに搬送するのがベストやろうな

 

429:鳴滝の息子

OKや。そっち方面で動いてみる。

あと息子さんは心臓病やったよな?

ちょっと息子さんの細胞から新しい心臓作ってくるわ!

 

430:俺らでジオウを神作にする

さりげなく現代医学を超越するな

 

431:俺らでジオウを神作にする

まぁ息子が助かる可能性が出てきたらアナザーエグゼイドも冷静になるやろう

 

432:俺らでジオウを神作にする

イッチがエグゼイド時空に生まれていたら、そっち方面で実力を発揮させて普通に死者蘇生とかしそうで怖い

 

433:俺らでジオウを神作にする

心臓のドナーが見つかった辺りは本編では公開せずに(ご都合主義臭いから)飛彩先生のとこに搬送した結果、助かったという情報だけ公開してくれれば視聴者もいい塩梅に納得してくれそう

 

434:俺らでジオウを神作にする

流石、怪人を作れるだけはある

 

435:俺らでジオウを神作にする

しかし原作だとあれよな。いくら飛彩先生とも言えども恐らく移植する以外に手はないと思われるレベルの心臓病の患者を別の手段で助けられたんやろうか?

 

436:俺らでジオウを神作にする

まぁあの人外科だし、100%移植手術を成功させる腕を持っていても替えの心臓がなければ意味がないわな

 

437:俺らでジオウを神作にする

そうなるとドナーを探していたアナザーエグゼイドにとっては何の解決にもならないのでは?

 

438:俺らでジオウを神作にする

>>437

頭平成のジオウに整合性を求めるだけ無駄や。そこら辺は"なんか助かった"ぐらいでいいやろ

 

439:俺らでジオウを神作にする

まぁ今回はイッチが替わりの心臓用意してくれたしな

 

440:俺らでジオウを神作にする

イッチがエグゼイド時空に生まれて、それで医者にでもなったりしたら医学界のラスボスになってそう

 

441:俺らでジオウを神作にする

>>440

これは不老不死になる方法を確立して、医療の存在意義を問いただす流れですわ

 

442:俺らでジオウを神作にする

なんかその内、自分を改造しそうで怖い

 

443:俺らでジオウを神作にする

イッチならやりかねん

 

444:俺らでジオウを神作にする

『最強になりたいなら、自身を最強に作り替えればいい』

 

445:俺らでジオウを神作にする

いずれ人をやめそうではある

 

446:俺らでジオウを神作にする

肉体スペックは人間だって言ってたし、解決作としてダークライダー化か怪人化のどっちか選ぶんだろうな

 

447:俺らでジオウを神作にする

なら俺はダークライダー化に一票

 

448:俺らでジオウを神作にする

エボル怪人にビルドって名前をつけた時、なんか嫌そうにしてたから、俺は怪人ルートに一票かな

 

449:俺らでジオウを神作にする

ライダー化に一票!

 

450:俺らでジオウを神作にする

ライダー化に一票や!

 

451:俺らでジオウを神作にする

怪人化の方がいいな

 

452:俺らでジオウを神作にする

ええい!俺の票を全部持っていけ!怪人化!

 

453:俺らでジオウを神作にする

ライダー化!

 

454:俺らでジオウを神作にする

怪人怪人怪人!

 

455:俺らでジオウを神作にする

>>454

ぜんぜん関係ないけど天神のcmが思い浮かんだww

 

……………

……………

……………

………

 

◇◇◇◇ ◇◇◇◇

 

悪の組織の長として活躍するなら意外と必要になるスキルが洗脳や暗示といった辻褄合わせが謀れる物だったりする。

 

『少シ前二子供亡クナル、子供、臓器移植ノ意思ガアッタ。ゴ家族モ同意シタ、ダカラ心臓手二入ッタ。ホント偶然、アノ子運ガイイ。ハイ、コレソノ時ノ資料ネ、OK?』

 

「ぉおぅけ~ぃ」

 

急いで培養した適合率100%の心臓を最寄りの病院へと預け、直ぐに聖都大学附属病院に情報が回るように根回しを済ませた俺は、何ともタイミングの良いことにアナザーエグゼイドの子供の様子を見に来たツクヨミを見てピコンっと閃きを得る。

 

そして何やかんや助かるといった感じの情報だけを抜き取らせて、灰色カーテンで強制的に送り届けさせてもらったという訳だ。

 

「ぇ……ぁれ?」

 

流石に戸惑った様子だったが、アナザーエグゼイドに不意を突かれて投げ飛ばされるジオウを見て、自身の役割を思い出したかのように叫ぶ。

 

「聞いて!貴方の息子さんは助かるわ!」

 

よしゃ!これで安価達成や!

 

『ゥゥゥヴ……』

「無駄だ!今のこいつの意識はアナザーライダーに呑み込まれている!」

 

……そう楽に安価は達成出来ない。

 

どうやらサーガ・バグスターが何度も復活されてくれるはいいものの、中身の飯田さんへのダメージまで帳消しにとはいかず、度重なるジオウらの攻撃で飯田さんはついに意識を失ってしまったようだ。

 

今はアナザーエグゼイドの本能だけで暴れているらしい。

ジオウ組もこれ以上攻撃すると飯田さんが死ぬかもしれないということで攻めあぐねていたんだとか。

 

「なら何とか目を覚まさせないと!」

 

「それは分かってるけどッ」

「今の俺たちでは!」

 

どうしようもない、と。

 

 

 

……しゃーない。

 

いくら怪人とはいえ、今のご時世に日曜朝8時からライダーに人殺しなんてさせる訳にもいかないし、

 

ここからは俺のステージや(ここは俺の出番や)

 

 

 

 




イッチは特異点

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