俺らでジオウを神作にする!   作:鳴滝の■■

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おわりのはじまり?

加古川飛流が預けられることになったのは父方の叔母に当たる人物の家であった。

加古川智子(さとこ)といい、バツイチで職業は近場の建設会社で経理のパートをやっている。

 

金使いは荒いが、借金を作るほどではなく今のところ食うには困っていない。ただ給料日前には財布の中身が寂しくなる程のどこにでもいる貯金の出来ない女だった。

 

「はい、どうぞ」

 

「あ、ありがとう」

 

加古川飛流は直ぐにその家での役割を見つけた。

何度だって言うが、彼にだってオーマジオウになれるぐらいの素質はあるのだ。

智子は食事を外か弁当で済まして、洗濯物は干すのを面倒臭がり週一で近場のコインランドリーで乾かしたものを適当にタンスへ詰めている。

彼女にはないもの、彼女に必要なものを提供することが最も自身がこの家で荒波立たない日常を送る手段であることを見抜いて、立場を確立化させたのである。

 

家事洗濯は率先して行った。

 

「痛っ!」

 

洗濯掃除はともかく料理では何度も手こずって指を切った。

彼だってまだ子供だ。こんなことをしていないで外で遊びたかったし、苦労してレシピ通りに作ったのに思い通りにならない味には地団駄を踏んだ。

 

けれど自分にはもう守ってくれる家族も帰る場所もない。

我が儘を言える状況ではないのだと勝手に理解して、溢れる涙を拭った。

 

学校の行事などの書類、給食費など、筆跡を真似て提出したり、雀の涙ほどのお小遣いを元手にネットの世界で稼いで、それを当てたりもした。

 

一切自分が負担にならないように。

叔母はお世辞にも彼を歓迎しているとは言えず、むしろ鬱陶しく思っているように見えたが、また家族を失うのは嫌だった。

 

だから全力で……幸せになりたい。傷を受けた恨みを晴らすよりも癒す方を選んだ。それが当時の飛流の原動力だった。

そして王の器である彼がそれに執念を燃やした結果、最初は月三千円も稼げれば良い方だったネットでのバイトが、これはもう少し改良すればもっと儲かるのでは?

直感で、あるゲームアプリの欠点に気づいて独学でプログラミングを学び、睡眠時間を削ってそのゲームのシステムを理解し改善案を出した所、面白いぐらいに運びが上手く行き50万円のお礼を頂けることになった。

 

「ありがとう!貴方を迎え入れて初めてよかったと思えたわ!」

 

叔母に初めて貰った称賛の声は意外と悪くない。肉親のそれとは比べるまでもないが、全て養育費として取られた金を気にすることはなかった。

 

それからそのゲームアプリの会社とは契約を結び、いつの間にか叔母の年収を越える頃になると、充実した毎日、と言える日常を送れるようになった。

 

叔母は飛流の稼いだ金を惜しげもなく使い、近頃はホストに嵌まって、仕事も手につかない酷い有り様であったが、それでも飛流は優秀だったので問題なく日常が壊れない金額を稼ぐことは出来た。このまま行けば、いずれ彼は復讐心を忘れて、今の生活に妥協する。

 

そんなつかの間の平和を噛み締めていた時…………気味が悪い。突然そう言われて飛流は追い出された。

 

意味が分からなかった。

自分は何も彼女に負担をかけていなかった筈だ。むしろ自分のお陰で遊ぶ金に余裕が出来ただろうと、あまりの不条理に飛流も叫んだが、「自分はこんな人間じゃなかった」「お前のせいで人生を狂わされた」と入れ込んでいたホストにこっぴどくフラれたとかで荒んでいた彼女は聞く耳を持たずに扉を閉じた。

 

「……………………」

 

仮にこの時、彼がアナザージオウの力を手に入れていたら、怒りのあまり叔母を惨殺していたのだろうが、()()冷静になれた彼はもしもの為にと隠していた小遣いをその日のうちに庭から掘り返し、以前から目を付けていた空き家で一夜を過ごした。

 

涙はでなかった。まるで全身から溢れ出す怒りが燃やしてしまったかのように感じたが、空き家にあった埃まみれのソファーと虫が食っていた毛布にくるまって、その日は無理やり眠った。

そして一週間ばかりは、これから一人で生きていこうと真面目に考えたが直ぐに限界を感じて施設に入ることになった。

 

もしかしたら叔母が自分を追い出したのは一種の気の迷いで直ぐに迎えにきてくれると思ったが、そんなことはなかった。

 

彼が居なくなってから数年後、色々なところで借金を作った彼女は自己破産して姿を眩ませたらしい。

 

 

 

 

347:鳴滝の息子

『お前、何をして!』

『本当はあんまりやりたくないんだけど、時間を遡ってこうなった原因を叩いた方が早いでしょ!』

『時間を?……まさかこれで過去に戻れるのか!?貸してくれ!やり直したい過去があるんだ!』

 

348:俺らでジオウを神作にする

おぅ、成る程。そういう手か

 

349:俺らでジオウを神作にする

たまに忘れそうになるけど、ジオウってそういうのが出来る作品だった

 

350:俺らでジオウを神作にする

またイッチ発狂案件で草

 

351:俺らでジオウを神作にする

加古川飛流のやり直したい過去ってバス事件のこと?

 

352:俺らでジオウを神作にする

>>351

じゃね?

ちょうどアナザージオウ回だし、このまま二人で行く流れとか?

 

353:俺らでジオウを神作にする

しかしアナザー電王はデンライナー持ってたのに、アナザージオウは何でタイムマジーン持ってないんやろう?

 

354:俺らでジオウを神作にする

それはあれやろ。タイムマジーンはツクヨミのだから……

 

355:俺らでジオウを神作にする

それを言ったらデンライナーだって別に電王のものじゃないし

 

356:俺らでジオウを神作にする

劇場版は持ってたけど本編のアナザー電王はデンライナー持ってなかったし、もしかしたらタイムジャッカーとスーパータイムジャッカーの使うウォッチは別物なんじゃないの?

 

357:俺らでジオウを神作にする

多分本編で出せなかったのは、出すと恒例の電車バトルをやらねばならず……そこまで予算がなかったんだろう

 

358:鳴滝の息子

『わ、ちょっ!?』

『どうやって使うんだ!?ここ……これか!』

 

そのままタイムホールに入ったので、どうせならとちょっかいを入れるで。

 

キシャァァァァ

 

『ん?何だ声が……おぉぉ!?なんだあれ!?』

『怪物?汽車?キシャア汽車!?』

 

それはワイが電王世界に行った時のこと。ターミナルで廃棄予定だった時の列車を盗み出して改良したモンスター列車や。

今の電王達が乗ってるやつより型式は三つぐらい下やが、部品変えたり、オイル漏れ修理したと思ったら、あ、エンジン亀裂入っててアカンヤーンって、エンジン載せ変えしたり、色々改造して大砲とかいっぱい付けたんやで!

 

『撃ってきた!撃ってきたぞ!』

『何で?え、危ないっっっ!!!』

 

大砲の一つが当たり、大きくバランスを崩したタイムマジーン。

 

『ぐぅぅぅ!』

 

墜落させるつもりはないので、そのまま遊ばすで。

 

『こっちも何かないのか!?』

『あるにはあるけど、どのみちこの空間じゃあ使えない!』

『なら貸せっ!この画面で行きたい時代を選べるんだな!』

『ちょっと、この状況でまだ行こうとしてるの!?』

『当たり前だ!俺の人生が台無しになった日、父さんと母さんが死んだあの日!やり直せるなら何だって俺は捨ててやる!』

 

359:俺らでジオウを神作にする

まぁ……そうだろうなぁ

 

360:俺らでジオウを神作にする

ジオウの設定上〝出来る〟ことを、はなから加古川飛流を更正させる気がなかったのか、本編ではやらなかった訳で、予算やストーリーの都合とか考えなかったら加古川飛流はこう動くよ

 

361:俺らでジオウを神作にする

しかしこうなると、やり直した世界でも両親が生きている世界線を作らずに叔父さんの家で暮らすソウゴって…………

 

362:俺らでジオウを神作にする

>>361

いや、マジェスティのこと言ってるのか?

あれは描写されてないだけで、両親共々生きてるかもしれんやん

 

363:俺らでジオウを神作にする

まぁ確かにソウゴは歳のわりに、死という離別に対して割りきれ過ぎている感は否めない。

瞬間的に取り乱すことはあっても数日掛けて気持ちに整理を付けて、以降引きずるとかはなさそう

 

364:俺らでジオウを神作にする

もしかしてソウゴは完璧な王の資質を持ちすぎて、王は人の心が分からない、を地で行ってた?

だから加古川飛流は改心しなかったのか?

 

365:俺らでジオウを神作にする

これでバス事件起こらなくなったらどうなるんだ?

 

366:俺らでジオウを神作にする

止めるとしたらどこから?バスに乗る前に加古川親子を止めるならソウゴには影響しないけど……

 

367:鳴滝の息子

『あれだ!』

『え、あのバスって……』

 

『止まれ!!!!』

 

368:俺らでジオウを神作にする

止めちゃったよ

 

369:俺らでジオウを神作にする

止まった……

 

370:俺らでジオウを神作にする

もしかしてツクヨミとかも来てない感じか?

 

371:俺らでジオウを神作にする

待て。この展開ってもしかして

 

372:鳴滝の息子

『母さん!父さん!』

 

停車したバスの中に乗り込む飛流。

 

『…………やっぱりそうだ。このバスはあの事件の』

 

それに対してどうして良いのか分からない。

そんな戸惑いの顔をするソウゴ。このバスがあの事件……自分の両親が亡くなった物と同じなら中には彼の両親がいる筈だ。

 

会いたい……けど、会ったら歴史が変わる。

歴史が変わったら今までの自分の努力が全部シャボン玉みたいに無意味な物になってしまうかもしれない。

 

『どうしたら……』『うわぁァァァァ!!!!』

 

ガシャンと、その時バスのフロントガラスを突き破ってアナザージオウが飛び出してきた。

 

『え!?』

 

『試練の最中にとんだ邪魔が入ったな……』

 

倒れたアナザージオウを介抱していると、黒いシルクハットの男が入り口から降りてくる。

 

『スウォルツ!!?どうしてここに!?』

 

『ほぅ俺を知っているのか。そしてその船……つまるところ貴様らは時を移動して訪れた来訪者といった所かな?』

 

 

373:俺らでジオウを神作にする

ラ☆ス☆ボ☆ス復活

 

374:俺らでジオウを神作にする

ここでまさかのスウォルツ!

 

375:俺らでジオウを神作にする

そういや居たわこいつ

 

376:俺らでジオウを神作にする

もう退場したと思ってた

 

377:俺らでジオウを神作にする

そりゃ居なきゃおかしいよね

 

378:俺らでジオウを神作にする

アナザーディケイドの力がなくても変身した飛流を吹き飛ばせる力はあるのか……流石は『元』平成最後のラスボスだ

 

379:俺らでジオウを神作にする

しつこい男は嫌われるぞ

 

380:鳴滝の息子

『奇妙な面をした怪人に変身する男。そしてタイムマジーンの操縦者。いや、お前の佇まいはただの案内人にしては貫禄がある。もしやお前が俺の選んだ王の器か?』

『何のことだ?この力はアンタじゃなくてウォズが俺に……』

『ウォズ……あぁあの蝙蝠か。成る程成る程……お前がここに訪れたということは未来で俺はしくじったらしい。まさか虎の子であるアナザージオウですら懐柔するとは器のデカさを見誤ったようだ』

 

いやはや不甲斐ないばかりだ。

苦笑して首を左右に振る。

 

『ッゥ!……もしかして、アンタがこの事件を起こしたのか?』

『ふむ………』

『答えろ!』

 

381:俺らでジオウを神作にする

流石に気づくよな

 

382:俺らでジオウを神作にする

おいおい我が魔王を怒らせるとか死んだわアイツ

 

383:俺らでジオウを神作にする

>>382

尚、死ぬのは二度目である

 

384:俺らでジオウを神作にする

これにはキレたか。

 

385:俺らでジオウを神作にする

そりゃ両親殺した犯人が目の前にいるもの

 

386:鳴滝の息子

『このまま計画を続行すれば遠くない未来で俺は死ぬ。死にはしなくともそれに近い仕打ちを受ける……か』

 

ソウゴの問い掛けにはまるで興味がないように振る舞うスウォルツは不意に時止めを発動させた。

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

『く、しまった』

『何だこれ、動け……ない!』

 

『ほぅ。これに対処されてしまえば流石にどうしようもないと諦める所だったが、ちゃんと効くのか。これは僥倖……ならばここで貴様らを始末するとしよう』

 

紫色のオーラを纏って二人へと近寄るスウォルツ。

辛うじて変身している飛流はともかくソウゴは生身だ。

このままでは不味い。

 

ソウゴは身構えるがどうしようもなく、そのまま

 

『いや、よそう。このまま殺しても俺の敗れた運命が変わる訳ではない』

『え?』

『代わりにお前がそれまで高めた王の力。それを回収させてもらう』

 

『ぐ、ぐわぁぁぁぁぁあ!!!!!』

 

力を、奪われる。

 

ビルドがエグゼイドがフォーゼがファイズがウィザードがオーズが鎧武がゴーストがダブルがドライブがディケイドが龍騎が……ウォッチが壊れるほどに発光したかと思うと泡のように消え、ソウゴのジクウドライバーがジオウウォッチらと共に消滅しようとしている。

 

『やめろ!』

『お前は邪魔だな』

 

それをただ見ているだけしか出来ないアナザージオウは吠えるが、スウォルツが煩わしそうに手を振るうと、変身が解けてスウォルツの手の中にアナザージオウウォッチがあった。

 

『な、に!?』

 

『ふん。所詮紛い物の力。期待はしていなかったがこの程度か。だがしかし……ハハ!ハハハハハハ!こちらは想像以上だ!』

 

『させ……るか!』

 

このままでは根こそぎ奪われるかもしれない。そこでソウゴは一か八か、オーマジオウになる運命を受け入れた。

 

ぶわりっと一瞬ソウゴの全身が黄金の鎧に包まれたようになり、スウォルツが吹き飛ばされる。

 

その影響で時止めは解けたが、力を奪われ過ぎたせいかそのままオーマジオウになることは出来なかった。

 

今のソウゴに辛うじて残っているのはジクウドライバーとジオウウォッチのみ。しかもかつてのゴーストウォッチのように不安定な力は一度使っただけで壊れてしまいそうだった。

 

それでも迷わずソウゴはウォッチを使う決断を下す。

こいつはここで倒さなければならない。

 

ジオウ

 

「変身ッ!」

 

「そうくるか。ならばこちらも」

 

 

ディケイド!

 

スウォルツが手に入れた魔王の力。

それをアナザーディケイドを媒介に実現させた結果、その姿はコンプリートフォームのように変化していた。

 

 

387:俺らでジオウを神作にする

バカな…………この造形は、ありだな

 

388:俺らでジオウを神作にする

絶望的な状況だが、こんな時でも膝は折らない。流石は我が魔王

 

389:俺らでジオウを神作にする

カードショップ部分をしれっとエンブレムに変更してる。しかも元の造形に紛れこませる程度に……こやつ出来る!

 

390:俺らでジオウを神作にする

やはりダブル編で一皮向けているだけあってこの程度の絶望には屈しない我が魔王。加古川飛流は力を奪われてしまったけどどうするんやろ?

 

391:俺らでジオウを神作にする

何気にソウゴが覚悟さえ決めればオーマジオウにはいつでも成れたって考察が真実だと証明されたし、それが出来なくなるほど力を奪われたって状況ヤバすぎない?

 

392:俺らでジオウを神作にする

もう残りカスじゃん

 

393:俺らでジオウを神作にする

これは展開としての良い塩梅はジオウがスウォルツに勝つことなんだが……

 

394:俺らでジオウを神作にする

何か最近ずっとそうだけどソウゴのポテンシャルに期待しすぎて、ちょっと微妙な展開になってることが多いからこっからイッチが軌道修正に入る展開に期待

 

395:俺らでジオウを神作にする

残りカスの力。恐らく使えるのは残り一回。パワーアップした敵。未だ攻略出来ていない時を止める力を使う相手だ。ここは一旦待避して作戦を練るか?

 

いいや、ここで勝つ。勝たないといけない!

 

 

我が魔王の覇王ぷりには頼もしいと感じる反面、どこまでも仲間を頼ろうとしない孤高の王(オーマジオウ)ルートに一直線で悲しくなるぜ

 

396:俺らでジオウを神作にする

いや、普通にゲイツ達に頼ろうぜ。スウォルツを一度倒したことあるんだし

 

 

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