ブラック・ブレット―仮面使い―   作:島夢

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待っている方がおられたら本当に申し訳ない!


感想ありがとうございました!


ゆっくりしていってね!


第10話

 みなさんは修羅場って知ってるか? いや、俺は知らなかったんだが本能でなんとなくわかってしまったよ…。

 

 今俺は聖天子様の護衛のために一緒の車に乗っている、真正面には聖天子様のがニコニコとした天使のような微笑みを浮かべながら俺を見ている。

 

 そして、俺の隣には金髪の少女、アリスが俺の腕を組み、ニコニコしながら笑顔で聖天子に見せつけるように引っ付いてくる。

 

 

 ど う し て こ う な っ た !

 

 

 怖い、何が怖いって?聖天子の微笑みとアリスの笑顔だ!

 

 

「アリスさん? 少し引っ付きすぎでは? 仮夢さんがいざというときに動けないと仕事できませんよ?」

 

「大丈夫だよ、聖天子。いざというときはちゃんと離れるから」

 

「そうですか…ならば心配はありませんね」

 

 

 怖い…聖天子の微笑みが怖い…アリスの笑顔が怖い…。

 二人の間に火花が散って見える…!

 マジ怖い…。

 

 というか、運転手さんの顔がすごいことになってる、めっちゃ緊張していらっしゃる。危なすぎる…。

 

 俺はあくまで平静を装って話す。

 

 

「聖天子様、もうすぐ目的地に着きますので、準備をしてください」

 

「はい、わかりました」

 

 

 聖天子も平静に…そう、めっちゃ冷静に返す…逆に怖い…。

 アリスもアリスでなぜか機嫌が悪くなるし…。というか、アリス、お前は死神のペルソナだから、起こるとしゃれにならんのだ!その辺ちゃんと理解しているかいyou!

 

 まあ、冗談じゃないけど…。プライベートな話はここまでにして…。

 

 いやな予感がするなぁ…。

 まあ、今回聖天子が会いに行く…話し合いをする相手がちょっとやばいやつというせいもあるのかもしれないけどさ…。

 

 というか…殺気を感じる気がしないでもないんだよなぁ…警戒しておくとしようか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とまあ、色々警戒したものの、何も起こらなかった。今のところは…だけどな。

 目的地にはついたものの、しばらく待たなければならないらしい…。

 

 まあ、目的地とはいってもここは東京エリア、そこまで危険もないだろう…。流石にほかのエリアに行くのならちょっと危険もあるかもしれんが…。

 

 客間のようなところで聖天子に少しの間待ってもらう必要があるらしい…。

 ちなみに今回聖天子が合う予定の相手は、久津輪 創見(くつわ そうけん)、64歳、「呪われた子供たち」差別主義者の筆頭とも呼ばれるクズ爺。

 会ったこともあるし、依頼を申し込まれたこともあったが依頼内容が胸糞悪い内容だったから依頼を断った。

 

 結構ひどい断り方をしたので、めっちゃ嫌われている。まあ、正直、俺も久津輪は死んでもいい人種だと思う。

 俺は善人じゃないから、死んでもいい人間なんてのはいると思ってるからな…。

 

 聖天子は「呪われた子供たち」への差別をなくそうとしている…久津輪は「呪われた子供たち」差別主義者…まあ、言わなくてもわかるな?

 

 警戒しておいて損はないわけだ。

 

 俺は客間のような…豪華な装飾の施された部屋、そして広い部屋だが…まぁ色々豪華すぎて下手に触れないので、壁に背中を預けて立っている。

 アリスと聖天子は会話の聞こえない程度に離れたところで二人で座って会話している。

 なぜか近づくと「今は大事な話をしているので少し離れていてください!」「そうだよ!女と女の話を男がきくのはナンセンスだよ!」って言われたのである程度離れている。

 まあ、アリスはペルソナで人より感覚や身体能力に優れている…。そこら辺のイニシエーターにもひけをとらない強さだし、危機察知能力はかなり高いので、護衛向きだしこれくらい離れていても大丈夫か…。

 と、考えている。

 

 

「さてと…」

 

 

 俺は少し呟きながら、壁に預けていた背中を壁から離し、自分の足だけで立つ。

 アリスに「ちょっと出かけるから、悪いけど聖天子の護衛…任せたぞ?」と言って部屋から出る。

 

 俺は歩きながら、ペルソナ能力で強化された感覚を研ぎ澄ませて殺気、敵意を探る。

 

 車の中で感じた殺気を探しているのだ…。

 

 とりあえずまず初めに感じたのが、保脇たち聖室護衛隊の殺気。

 これもう明らかに敵意より上の殺気を感じる…。

 一応ついてきてはいるが、客間は別のところにわけられ、大変イライラしているのが手に取るようにわかる…。

 そしてもう一つが…。

 

 そう考えながら俺は前を向く。

 

 目の前には清掃員さんかな?掃除道具一式を持っている男性が歩いている…。

 

 俺がすれ違った瞬間、男性清掃員の手に持たれていた、モップから剣が引き抜かれいきなり後ろから斬りかかってくる…。

 大体予想済みだったので、ギリギリで回避しながら、振り向き、袖から折り畳み式の剣を出し、展開しつつ、峰で顔面をたたき、ひるませた瞬間仕込みモップを持った腕を関節を決めて捻りあげ、人通りの少ない所に無理やり連れていく…。

 

 

「よし、ここならいいだろう…話せ、誰の差し金か…まあ、大体予想はつくんだけどな…」

 

 

 どうせ久津輪だろ…?そう思いながら、『召喚機』を相手の側頭部に当てて脅す…。

 

 

「まあ、言うとは思ってないぜ? 目的は…そうだな、聖天子の暗殺じゃねぇか? 菊之丞様がいない今を狙って…さ」

 

 

 俺はにやにやしながら聞く…。

 召喚機をぐりぐり押し付けながら…。

 

 まだ関節を決めたままの腕をそのままひねりあげて腕が外れる寸前までやる…。

 

 

「あがっ!」

 

「ふ~ん…言わないのか…」

 

 

 となると…忠誠心が高いか、家族が人質か、それとも殺しのプロか…。

 この強さからしてプロはないな…。忠誠心か、人質か…。

 久津輪が忠誠心を得られるとは…思えないな…なんか、ほかのエリアの連中とつながってるって噂もあるし、金や権力は持ってるがな…。

 

 となると、人質だな…。多分だけど…。

 

 

「プロ雇わずに捨て駒にしたってことは…」

 

 

 ああ、こいつは陽動か…ってことは、今…本体が向こうに向かってるのか…。ちょいとまずいな…。

 陽動というより保険だったかもしれんし、捨て駒を一応という形で入れたのかもしれんが今はそんなの関係ない…。

 俺は男の腕を外し、首筋に手刀を振り下ろし、気絶させて物置のようなところに放り込み、閉じ込める…。

 

 殺した方がよかったかもしれんが…まぁ、人質で動かされているのなら、殺すと後味が悪いからな…。

 

 アリスが護衛についてるが、もしかすると…な?

 

 俺は急いで走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 見つけた…! 今まさに扉を開けようとしている…。

 というか、殺気を振り巻きすぎだ…!中のアリスも気づいていることだろう…。

 俺は走りながら呟く…。

 

 

「ペルソナチェンジ、タナトス」

 

 

 右手で折り畳み式の剣を展開しつつ、左手で召喚機を出し、自分の側頭部に銃口を当てる…。

 悪いけど消し飛ばす…!

 俺はそう考えながら、引き金を引く…。

 

 ペルソナを出すときのパリンッという何かが割れる音と足音で気づいた男はこちらを驚きながら見て、銃を向ける。

 

 まあ、いきなり走ってこられたらそら銃向けるわな…。何より、後ろにいるタナトスが怖いんだろうなぁ…。

 

 サプレッサーのついたハンドガンで撃たれるが、タナトスが勝手に銃弾を弾き落としてくれる。

 その男の右手にはペンタグラムが書いてあり、その上に一枚の羽根が書いてあった…。

 なぜか、覚えておかなければならない気がして、頭にくっきり残ったが…。俺はそのまま…。

 

 

「ブレイブザッパー」

 

 

 そう呟く…。タナトスは手に持ったその刀を振りかぶり…。

 

 次の瞬間には男の体は消えてなくなっていた…。

 ブレイブザッパー…威力高すぎだろ…。

 まあ、死体が残らないように結構力こめて撃ったからな…。

 

 

「流石に…ペルソナを二人同時に召喚するのはつらないな…」

 

 

 タナトスが具現化を解かれ、消えていった。

 俺は扉を開け、聖天子とアリスのいる部屋に戻る…。

 

 そういえば、使い捨てに使われたあの男はどうしようか…? いや、あいつも後ろめたいことがあるのだし、俺のことは言わないかな?

 まあ、放置しておいてもすぐに見つかるだろう…。

 

 部屋に入った瞬間、アリスに抱き付かれた…。どうやら女同士の会話とやらは終わったらしい…。

 聖天子が不思議そうにこちらを見て言った。

 

 

「どこに行っていたんですか?」

 

「少しトイレにな…。悪いな、護衛を離れちまって…」

 

「いえ、大丈夫です」

 

 

 とりあえず誤魔化しておく…。余計なことを心配させたりするわけにもいかんし…。菊之丞様には今度報告しておいたほうがいいかもしれんが…。

 いや、大丈夫…か?

 菊之丞様が知らない…ということは少し考えにくいな…。

 

 まあ、いい、それよりもそろそろ来るだろう…あのクズ爺…。

 さっき人を一人殺したことは…あとで存分に悔やむとしよう…今悔やんでも仕方のないことだし…な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 流石に話し合いの場には政治家でもない俺が行くのは無理みたいなので、部屋の入り口でまたされている…。

 

 アリスは俺の服の裾を掴んで、ぼーっとしている。

 

 それにしても、久津輪のここに来た時の顔が…な。

 不思議そうな顔をしていた、大方、成功しても失敗しても大騒ぎになると踏んでいたのだろうが、騒ぎになっていないことに対して疑問を抱いたのだろう…。

 

 そして気になることが一つ…あの男の腕にあった、ペンタグラムに一枚羽…。

 はぁ…まだまだ面倒くさそうだ…本当の敵はガストレアなんかより、膨れ上がった人間の欲望と憎悪かね…。

 

 正直、ガストレアも人間も、どちらも怖いことに変わりはないものな…。

 

 今日で護衛は終了…聖天子の隣には菊之丞様が戻り、にらみをきかせるから安全…だろう。

 まあ、襲撃らしい襲撃は今回のあれだけだったからな…。

 

 とりあえず、今回わかったのは久津輪とペンタグラムに羽は関係がありそう…といったところか…。

 このマーク(ペンタグラムに羽)がなんなのか、知る必要があるな…。

 

 俺はそんなことを考えながら、聖天子と久津輪が出てくるまでの時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回はありがとうございました」

 

依頼(オーダー)、ありがとうございました、依頼主(クライアント)様、今後ともご贔屓に」

 

 

 俺は聖居で聖天子とそんな会話をしている…。

 俺は言いながらしっかりとお辞儀する、アリスも隣でお辞儀している。

 

 聖天子は微笑を浮かべた後。

 

 

「ええ、またお願いするかもしれません」

 

「そのときはまたよろしくお願いします」

 

 

 俺も微笑を浮かべ、会話する。

 そして、聖天子に背を向け、歩き出す。

 

 アリスが満面の笑みで「またねー!」と言っている、聖天子とアリスって仲がいいのか悪いのかわからんな…。

 後ろを向いているのでわからないが、聖天子もニコニコしながら手を振っていることだろう…。

 

 さ~てと、ペルソナの二人同時召喚使って疲れたから、家に帰ってさっさと寝よう…。

 

 そう考えながら俺はアリスと一緒に帰路を歩いて行く。


















今回は少し五翔会のことを知った…
さて、仮夢さん…どう動くかな?

そろそろ原作開始すると思います!

感想待ってます!

次回も頑張って編みます!

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