Fate/Earnest Wish   作:白宮響花

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投稿周期とかバラバラになりそうです←酷い


第1話 プロローグ

「聖杯戦争」

それは、魔術師達が、己の願いを叶えるためにたった一つの聖杯をかけて争うもの。

あらゆる時代、あらゆる国の英雄が現代に蘇り覇を競い合う殺し合い。

 

 

 

2021年 東実市

暗い森の中、大きな屋敷がたっていた。

童話の世界に出てくるような大きさだが、少し古びた柱も目立つため、それなりなのは見て取れる。

中には地下室があり、そこでは2人の少女が大きな魔法陣を見下ろしていた。

ツインテールの髪をした1人の少女が立った。

少女の右手には10にもなる宝石が握られていた。

「この時間なら、セイバーを!」

「姉さん、頑張って。」

少女の後ろには、紫色の髪をストレートに下ろしている少女もいた。

 

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ。

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

「閉じよ(みたせ)。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する」

「―――――Anfang(セット)」

「――――――告げる」

「――――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

「誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

少女が詠唱を言い終えると魔法陣は光出した。

少女の右手には赤い刺青が入っていた。

「これで、私もマスターに。」

「やりましたね!姉さん……姉さん?」

「そういえば、サーヴァントは?」

少女達が辺りを見渡しても誰もいない。

本来ここにもう1人いなければならないのだが。

ガッシャーン!

いきなりの音に2人ともびっくりしてしまった。

「な、何?!桜大丈夫?」

「は、はい。リビングの方からみたいです。」

「行くわよ!」

少女達は階段を登り、屋敷の中を走った。

リビングの前に着き、扉を開けた。

そこには、散らかった部屋の真ん中でソファに座っている一人の男がいた。

赤い外套を身にまとった白髪の男だった。

「やれやれ、こんな召喚になるとは。マスターの底が知れる。」

「あんた、サーヴァント?クラスは……セイバーって訳でもなさそうね。アーチャーかしら。あんだけの宝石でもセイバーを引けないなんて。」

がっかりした少女は、不満そうな顔をしたサーヴァントの顔は見えていなかった。

「君がマスターか?」

「そうだけど。ほら令呪だってある。あんたのマスターよ。」

少女は右手を突き出した。

「そうか……因果かな?」

「何か言った?」

「いやなんでも。それより、私は君をまだマスターと認めてはいない。」

「は?!なんでよ?令呪だってあるわよ!どう考えても私がマスターでしょ?」

「いや、君が私のマスターにふさわしいか、まだ判断できていなくてね。それに、私は察しの通りセイバーではなくアーチャーだ。」

「……」

「姉さんは立派な人です!」

急に桜と呼ばれた少女が出てきた。

すごい勢いだったため、アーチャーもびっくりしていた。

「桜、ありがとう。いいわ、アーチャー。あなたがそう言うなら、私はあなたのマスターにふさわしいって思わせてあげる。」

少女はアーチャーに向かって意志を示した。

「では、私も君に後悔をさせよう。後で謝ったって、許してやらないからな。」

「?あ、ふふ。じゃあ、必ず後悔させて、アーチャー。私は、柊凛。」

凛は右手を出した。

「では、凛と呼ぼう。」

アーチャーも右手を出し、お互いに握手をした。

「この子は柊桜。私の妹よ。」

「よろしくお願いします。アーチャーさん。」

桜は頭を下げた。アーチャーはどこか嬉しそうな顔をした。

「そうか。では、桜くんよろしく。」

「じゃあ、聖杯戦争絶対に勝つわよ!」

夜空の月が窓から3人をひっそりと見つめていた。

 

薄暗い部屋の中で、大人たちが魔法陣を囲み、魔法陣の前には1人の少年が立っていた。

魔法陣からは光がして、一人の黄緑の髪をした人形が現れた。

「やったぞ!これで我らが勝ったも同然。さすが矢代家の長男。我が家の悲願が叶うぞ!」

大人達が高笑いをしていた。

周りの声を無視して、少年はただ、目の前の黄緑の髪をした人形に目を向けていた。

「僕は……絶対に迎えに行くからな。」

その声は目の前の人形にのみ聞こえていた。

 

 

夜の街に少年がいた。

「絶対に許さない。僕は絶対にお前を、お前たちを許さない。」

そう言いながら、歩いていた。

ただひたすらに何かを恨んでいた。

少年の後ろには、少し大きめの男がたっていた。現代に合わない武士のような格好で、普通なら浮くのだが、何故か誰も気にしていなかった。

 

 

この街には教会がたっていた。

穢れのものなど一切なく、澄み渡った聖域。

その中で、一人の神父が立っていた。

胸には月の光で輝く十字架が目立っていた。

「ふ。始まったか。私もそろそろ始めよう。私の悲願のために。この聖杯戦争にあの子も組み込まれるのだから。」

「私をここに呼び出すとは、面白いことをしてくれる。まあ、私が来たからには勝利は確実だ。」

神父の後ろには、白い髪の青年がたっていた。

「そういえば、ライダーはどうした?お主が前回の聖杯戦争から使役しているライダーは。」

「それなら少し偵察に行ってもらってますよ。」

「そうか。」

 

 

日本家屋のような趣深い家の中では、その家の持ち主にふさわしい身なりをした女性がいた。

着物を着て、清楚の代名詞とも言える姿をしていた。

「私は、争い事は好みませんが、仕方の無いことですね。予言がそうさせるのですから。さぁ、今宵も来たれ予言よ。そして我を導きたまえ。」

女性が鏡の前で呪文を唱え始めた。

その後ろでは、優しそうな女性がうっすらと笑みを浮かべて立っていた。

「今回も厄介なことになりそうですね。誰も争わない世界のために。」

 

 

 

小さな廃屋の中で、男が2人居た。

青年と思われる男と紳士的な服の男。

2人の足元には小さな肉体がひとつあり、原型など留めて居なかった。

辺りに血が飛び散っており、血なまぐさい匂いが立ち込めていた。

「あーあ、もう壊れちゃった。もう少し丈夫なのがいいよなーアサシン?」

「ええ、昔はもう少しタフでしたよ?しかし、私の思考を理解してくれるマスターで嬉しいですよ。」

「まあ、理解出来なきゃ呼ばないでしょ。俺もあんたで良かったって思ってるよ。」

随分と気味の悪い話をしていたが2人の顔は実に愉快だった。

 

 

 

彼らは、自らの願いのために動き出す。

運命に抗うために。

彼らはまだ知らない。

この聖杯戦争がこの先どのような物語を生み出すのか。

 

 

 

残すマスターはあと一人。

 

 

 

 

……To be continued




読んでいただきありがとうございました。
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