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ありがとうございます!
とても励みになっております。
花垣が最初のタイムリープをしてきた日から3日後の夜、場地から連絡がきた。
どうやら、マイキーと龍宮寺が清水の喧嘩賭博の現場を押さえたらしい。
無事に花垣とマイキーは接触出来たと思って良いだろう。
それから何日かして、林田の親友が
場地と松野もしっかり居合わせていたため、大事には至らなかったという。むしろ、ボコボコに潰したらしい。
松野からはその時の場地がいかにカッコ良かったかを延々と聞かされた。
夏休みが間近に迫ったある日、神社の駐車場に見慣れない2人の人影を見つけた。
花垣武道と橘日向だ。集会場所に呼ばれたとうことは、花垣はちゃんとマイキーや龍宮寺のダチとしてやれているようである。
さて、問題はどうやって自分が花垣と接触するかだ。橘がいるところでタイムリープ等の話は出来ないので今は無理だろう。通っている学校が分かっているので待ち伏せすることも可能だろうが、登校時間や下校時間に自分が他校付近にいることはどう考えてもおかしい。これが意外と難しい問題だったりする。
駐車場には東卍のメンバーが集まり始め、花垣は絡まれていた。アニメと同じように三ツ谷が助け船を出し、花垣をマイキーのところへ連れて行く。
マイキーの雰囲気がいつもと違うことに気付いた。
マイキーだけでない。あの場地と松野も、こちらに目もくれないのだ。
胸騒ぎがして、家を飛び出した。
なるべく音を立てないように階段を上がり、神社の茂みに隠れて集会の様子を見ることにした。
今まさに集会が始まろうとしている。
マイキーがみんなの前に立つと、空気が変わった。
「今日集まったのは“愛美愛主”の件だ。ウチとぶつかりゃ、でかい抗争になる」
一瞬、聞き間違いかと思った。
“愛美愛主”と“抗争”の言葉に鼓動が早くなる。
林田の親友を救ったのに、なぜ愛美愛主と抗争をする必要があるのだろうか。
「この間、パーの
ここまで聞いて、やっと気付いた。
これは稀咲の策略に違いない。東卍と抗争になれば、理由なんて何でも良かったのだ。
そうなると、“83抗争”の展開もアニメのようになる可能性が高く、龍宮寺は清水に刺されるはず。それは何としても止めたい。何か良い策はないだろうか。
一人で悶々としている間に、集会どんどんと盛り上がっていった。
「日和ってるやついる?いねえよなぁ!!?“愛美愛主”潰すゾ!!!8月3日、武蔵祭りが決戦だ」
マイキーのあの有名な掛け声と共に、神社に雄叫びが響き渡った。
集会が終わり、タイミングを見計らって茂みから場地と松野に声を掛ける。
「おい。」
「うわっ!何でそんなとこいんだよ!?」
「2人ともちょっとこっち来い。」
他のメンバーに見つからないよう、茂みに呼び寄せ座らせた。
「なんで、抗争が起きようとしているんですか?抗争にならないために2人に任せたんでしょう。」
「俺らはちゃんとパーの
「…その時、名乗りませんでしたか?意気揚々と“東京卍會 壱番隊 隊長 場地圭介だ”とか、言ったんじゃないの?」
「…言ってたっすね」
「なぜヤンキーはすぐ名乗りたがるの?」
「
「理屈はわかった。でも、チームの名前出したらチーム同士の問題に発展しちゃうでしょうが。その結果が
林田の親友を襲って揉めさせる作戦は失敗したものの、場地と松野が派手に暴れ、東卍の名前を出したお陰で、稀咲にとって“良いきっかけ”を作ってしまったのだ。
「さっき、マイキーはいつって言ってました?」
「8月3日、武蔵祭りが決戦…」
「前に話したこと、覚えていますか?8月3日、何が起こる?」
「…ドラケンが死ぬ」
「このままじゃ、龍宮寺くん本当に死んじゃいますよ。」
「じゃあどうすんだよ」
「とりあえず、清水将貴を見張って。愛美愛主の奴が接触してくる可能性がある。そいつに唆されて、清水が龍宮寺くんを刺すから。」
「はぁ!?何で?キヨマサは東卍だろうが」
「清水は喧嘩賭博の件で龍宮寺くんを恨んでる。」
「逆恨みじゃん」
「ただの“逆恨み”だと思うでしょ?実は清水を裏で操ってる奴がいる。そいつは抗争に乗じて、清水を使って龍宮寺くんを殺し、空いた東卍の副総長の座に座ろうとしている。」
「誰だよ、そいつ」
「稀咲鉄太」
「キサキ…聞いたことねーな」
「いいですか、肝に命じておいてください。稀咲は敵だ。」
「キサキは、敵」
「“83抗争”も、“血のハロウィン”も稀咲が仕組んだこと。こっちが先読みして抗争を回避しようとしても、奴は更にその上を行く。何がなんでも抗争をして東卍を乗っ取りたいみたい。」
「それじゃ、どうしたらいいんすか?」
「とにかく、まずは8月3日に龍宮寺くんが死なないように守るしかないでしょ。」
「誰が死ぬって?」
話に夢中になっていて、人の気配に全く気づかなかった。
顔を上げると、張本人の龍宮寺が立っていた。
他のメンバーはいないようだった。
「全然降りて来ねーから探しに来てみれば、何の話してんだ?俺が死ぬってなんだよ?」
龍宮寺に聞かれてしまうのは想定外だった。
そもそも、花垣は別として、場地と松野以外に未来の話をするつもりはなかった。
しかし、聞かれてしまったのが龍宮寺でまだ良かったかもしれない。きっと龍宮寺ならこちらの意図を組んで行動してくれるだろう。
「…もし、未来が分かるって言ったら、引く?」
「いや…普通だったら引くかもしんねーけど、ちょっと納得したわ。喧嘩賭博の件も、パーの
龍宮寺が思ったよりもあっさり受け入れてくれたことに驚いた。
「じゃあ、本題です。龍宮寺くん、あなたは8月3日、清水将貴に刺されます。」
「ふーん」
「ドラケンくん反応薄くないっすか?死ぬって言われてるんすよ?」
「別に、急に死ぬとか言われてもピンとこなくね?」
「それ俺も思ったわ」
「場地も死ぬの?」
「俺は10月31日。“血のハロウィン”で死ぬらしい」
「何それ、カッケーな」
何も知らないから「カッコイイ」なんて言えるのだ。“血のハロウィン”といえば多くの視聴者にトラウマを残した単語といっても過言ではない。山岸も、あんなノリで命名しないでほしい。
「ドラケンくんの8月3日は“83抗争”っていうらしいっすよ」
「まんまじゃねーか。“血のハロウィン”の後に聞くと、ちょっとダセーな」
龍宮寺と場地はケラケラと笑い合っている。自分が死ぬとは微塵も思っていないようだ。
「そもそもキヨマサなんかにドラケンがやられるわけなくね?」
「確かに。キヨマサだったらドラケンくんの圧勝っすね」
「でも、清水は短刀持ってますよ」
「キヨマサって分かってるんだろ?だったら余裕っしょ」
何の解決にもなっていないような気もするが、龍宮寺の表情を見ていると、なんとかなるような気がしてきた。
結局のところ、“83抗争”で龍宮寺が死ななければ何でも良いのだ。
だいぶ話し込んでしまったため、マイキーが下で待ちくたびれてしまっているだろうと思ったが、エマを連れて先に帰っているらしい。良いお兄ちゃんである。
自分も帰ろうと立ち上がった時、龍宮寺からの質問が降ってきた。
「で、センセー本当は何者なんだ?」
「ノストラダムスの生まれ変わりっすよ」
答えたのは松野なのに、ふざけるなと言わんばかりの鋭い眼光で龍宮寺に見られている。
松野に助けを求めようとしたが、場地を追いかけてもう階段のところまで行ってしまっていた。
「信じられないだろうけど、松野さんは割と本気なんだよね。面倒くさくて否定しなかったから余計にそう思ってるみたい。」
松野や場地には聞こえないようになるべく小声で話しながら歩いた。
「まだ場地さんにも言ってないことがあるんだけど、龍宮寺くんに話してもいい?」
「俺に話す意味があるんだったら、話せば?」
「“血のハロウィン”で場地さんが死ぬと、マイキーくんが羽宮くんを殺しちゃう。」
「は?」
「だって、お兄さんを殺されて、場地くんまで殺されたら…」
「ちょっと待て!情報量が多すぎる!一虎が、場地を殺す…?」
「そう。でも、そうならないために場地さんが自分で頑張ってるところ。未来は変えられる、覚えておいて。」
龍宮寺は複雑そうな顔をしていた。
友達同士が殺し合いをするのだ、無理もない。
自分の死を聞かされた時よりも悲しそうな目をしていた。
「龍宮寺くんにお願いしたいことは1つ。何があってもマイキーくんを支えてあげて。それができるのは龍宮寺くんだけだと思うから。」
出遅れてどこにもマガジンが売ってませんでした。シール欲しかった。
コミックスしか読んでないので、本誌読んでも飛んでるから内容は分からないんですけどね。
10月10日に更新できたら褒めて欲しいです。