【2021.9.25. 14:00】
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ありがとうございます。
とても励みになっております。
家庭訪問以来、松野との距離が更に開いてしまった気がする。
日々の生活の中で何気に発した「午後から雨が降る」とか「今日の給食はカレー」とか、そういう小さな“予言”を当ててしまったことがよくなかったらしい。実際には予言でもなんでもない。ただ、毎日天気予報を見ていて、事前に配布される給食のメニュー表を確認していただけである。しかし、天気予報を見る習慣が無く、配布されたプリント類が机の中でクシャクシャになっている松野の目には予言を的中させたように写ったようだ。未だに“ノストラダムスの生まれ変わり”だと思っているらしい。
ある日の放課後、また場地が机で何かを書いていて、松野はそれに付き合っていた。
「2人とも、今日は夕方から雨ですよ。降ってくる前に帰った方が良いのでは?」
「てめぇ、また予言か?」
「予報です。」
「千冬ぅ、お前はすぐ突っかかるんじゃねーよ」
場地が呆れて笑っていた。
「そうですよ松野さん、こっちはこんなに歩み寄ろうとしてるのに。」
「それ!それが煽ってるんだつーの!その感じムカつく!」
正直、松野の反応が面白いからつい煽ってしまっている。威嚇してくる松野を無視して場地に話しかけた。
「で、場地さんは何を書いているんです?」
「……て…手紙…」
学校で手紙を書いていることは薄々気づいてはいた。
宛名も先程しっかり確認した。そして、この“手紙”を利用できると考えた。
「あ、ここ、
「…は?」
「“また”?何で場地さんが“虎”書けなかったこと知ってんだよ」
「この間言ったでしょう。“何でも知ってる”って。壱番隊の隊長さんと副隊長さん。」
「俺は聞いてねぇ」
「あの時は松野さんとしか話してなかったか。」
「まあ、千冬からは聞いたけどよ」
「てめぇホント何なんだよ。未来が分かるとか、何でも知ってるとか」
「始業式の日は“未来が分かる”って言ったけど、本当はちょっと違う。正確には、君たちのこと、東卍の過去と未来を知っている。断片的だから全部じゃないけど。…その手紙の相手も知ってる。」
「はぁ!?何でてめぇが知ってんだよ!?オレだって教えてもらってねぇのに!」
「…千冬、お前今日は先に帰れ」
「え?なんで…っ」
松野は悲しそうな寂しそうな顔をしていた。
「ちょっと2人で話してぇ」
「タイマンなら買いませんよ。」
「“話してぇ”って言ってんだろ。教師とタイマンなんかしねーよ」
「…わかりました。何かあったら連絡してください。オレは場地さんのためならいつでも飛んで来ますから!」
松野納得していなさそうだったが、場地に言われて渋々帰っていった。
外ではポツポツと雨が降りだしていた。松野は傘を持っているのだろうか。
「…で、先生よぉ、何をどんだけ知ってんだ?さっき千冬は“また間違えてる”に反応したけど、俺が気になるのはそこじゃねぇ。迷いもせず“一虎”って言ってたことだ。それに、家庭訪問のとき、俺の格好に疑問なさそうだったし、オフクロは何も言ってねーのに俺がオフクロ泣かせたこと知ってた。普通に返しちまったけど、おかしいだろ」
「…場地さんって、お勉強出来ないくせに、そういうところは鋭いんだね。」
「はぁ?バカにしてんのか?…まあ、いいや。で、一虎知ってんのか?」
「2年前のマイキーの誕生日…」
「わかった、もういい」
話し始めてすぐに遮られてしまった。きっと他人の口から自分たちの過ちを聞かされるのは嫌だったのだろう。
しかし、こちらがあの事件の経緯を知っていることを理解するには十分だったようである。
「じゃあ、次だ。東卍の過去、何を知ってる?」
「東卍は
「んだよ、最初からじゃねーか」
「いや、その後から今までのことはほとんど知らない。」
「東卍の未来は?」
「10月31日」
「それは前にも聞いた。“血のハロウィン”で俺が死ぬ。」
「続きがあるって言ったら?その日、場地さんが死ぬと、12年後に松野千冬が死ぬ。」
「はぁ?」
「2人の死はリンクしてると思ってる。場地さんが死ななければ、松野さんも死なないはず。」
「千冬が言ってた。アンタは俺を死なせない為にいるんだって」
「それが、自分が
「だからオフクロに、俺を守るって言ったのか」
「場地さんを救えれば、松野さんも、羽宮くんも救えるはずだから。」
「何で一虎…?」
「場地さんは、その日、抗争の中で羽宮一虎に刺される。」
「はぁ!?何で!?一虎が…?」
「羽宮くんは、“自分を肯定する為にマイキーを敵にするしかなかった”。少年院にいる間にどんどん闇落ちして、そして、マイキーを憎み、東卍と決別。
「なんだよ、それ…」
やはり場地には衝撃だったようである。どんな地獄でも最後まで一緒だと誓った親友に刺されるのだ、無理もない。
「ショックだろうけど、今のままだと、そうなってしまう。でも、未来は変えられる。そこで鍵になるのが、その手紙だ。」
「手紙…?」
「今、羽宮くんにとって、場地さんからの手紙は心の拠り所になっているはず。上手くいけば、羽宮くんの闇落ちを防げると思う。そうすれば、東卍を離れることはない。羽宮くんに刺されないし、場地さんは死なない。松野さんも死なない。みんなハッピー。」
「…なるほど」
「だから、場地さんは、羽宮くんのためにも、自分が死なないためにも、良い手紙を書く努力をすること。」
場地は、先程書いていた羽宮宛の手紙を読み直し始めた。
「…先生、これでイイと思うか?」
言葉にはしなかったが、「これで一虎を救えるか?」と言うように不安げな表情で見上げてきた。
この日から“手紙の添削”という普通は業務内容にない仕事が追加されてしまった。
ここから少しずつミッション開始していけそうです。
最近、予定をちゃんと立てられないのが悩みです。
また宣言した日と違う日に更新してる。前倒しだから良しとしましょうか。
次の更新は10月3日です(目標)