となりのゴルシさん   作:天むすちゃん

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インタビュー回です。ここに来て時系列とかどっかに無くしちゃいました。すいません。
ちなみにインタビュアーはnot乙名史記者です。



となりのゴルシさん5

『Q.貴方にとってゴールドシップさんはどのようなウマ娘ですか?』

 

「普段は巫山戯た方ですが、レースにおいては油断ならない方でもありますわ。」

 

「…プライベートも戦い方も普通じゃない、わよね。」

「お前に右にならえしたくはねェけど…そうだな。」

 

「レースも私生活も訳わかんないけど、面白い子だよ!」

 

「唯我独尊、天衣無縫なウマ娘…ですかね。」

 

「…トレセン学園の大うつけ。」

 

「…食えない奴。」

 

「マジで意味わかんない奴!」

 

「私は普段、ある程度の予定を立てて生活するタイプなのですが…どうにも彼女の前では予定が乱れがちになってしまうんです…不思議な方です。」

 

 

 

「あ、芦毛のやばいやつ…ですかね…。」

 

「う、うーん、他の方々とは違った形容の仕方ですね。柔らかいというか、気の抜けた…。」

「…エアグルーヴ先輩の大うつけって回答も私と負けず劣らずアレでは?…いや、というかまず、なぜこの豪華メンバーに対するゴルシさんについてのQ&Aインタビューに私が混ざってるんですかインタビュアーさん。」

「貴方は時折ゴールドシップさんのSNSに…カメラ目線は大抵していませんが…ツーショットや個人写真が掲載されていますし、何より先日シンボリルドルフさんが『プライベートのゴールドシップの事が聞きたいなら、彼女にも取材をしてみてはいかがでしょう』とおっしゃっていたので。」

寝顔とか諸々ウマッターやウマスタにあげてたやつね…。

「(会長、全て善意で仰られたお言葉なのでしょうが、私は緊張で胃が痛いです)」

なぜ私がこのような状況にいるのか。事の発端はどうやら某大手ウマ娘雑誌の企画でゴルシさんの特集をやるらしく、そのためゴルシさんと関わりがあるウマ娘にゴルシさんに対する思いを赤裸々に語って貰っている…らしい。

「こんなん私みたいなモブには荷が重い仕事です…。」

「いえいえ、モブだなんてそんな!私実はサマースプリントシリーズを毎年見ているんですが、アイビスサマーダッシュでの貴方のラスト200mの末脚には目を見張るものがありましたよ!」

「…貴方のような有識者にそう思われていたなら光栄です。…まあ、結果は4着でしたが…。」

末脚は伸びましたがね、負けは負けですから。バックダンサーでしたから。

「ま、まあまあ…それではあの、他の質問に移りますね。モブコさんとゴールドシップさんのファーストコンタクトについてお聞きしたいのですが…。」

「あ、それもまたちょっと…間抜けな話になりますよ?」

「…大丈夫です。インタビュアーとして真実を受け止めます。」

 

「あの日は入学初日でした。ひとり好き…だったはずの私は緊張している中でとにかく教室では静かにやり過ごそうと思ってぼーっとしてたんですよ。息を潜めて。」

「やはりあまり目立ちたいタイプでは無いんですね。」

「…そうですね。その時は中央でこれからやってけるかって不安もありましたし、余計キャピキャピは出来ませんでした。そんな中で左隣の席にいた…今も左隣にいるんですが…ゴルシさんが声をかけてきたんです。…彼女、第一声でなんて言ったと思います?」

「な、なんと仰ったんですか?」

 

「…『将棋崩しやらね?』って言ってきたんです。名前すら聞く前に。」

「…え、入学初日ですよね?入学初日から教室に将棋の道具持ってきてたんですか、ゴールドシップさん。」

「…はい、脚がついてないタイプの将棋盤と駒を知らぬ間に机の上に出してましたね…。初対面の方に失礼かなとは思いましたが、ついこう言っちゃいました。『いやいくらなんでも貴方初日からリラックスし過ぎじゃないですか?』って…。」

「そ、それはまた…エキセントリックな方とは存じ上げていましたが…。」

「まあやりましたけど。」

「え、やったんですか将棋崩し?!」

「楽しかったです。」

「な、なら、よかった…?」

 

「そ、それでは次に、ゴールドシップさんとは普段はどのように過ごされているかを教えて頂けますか?」

どのようにか、また何からいえばいいかちょっと困る質問が…。

「…他愛ないことしかしてないですよ、私がただただ傍観するだけの時もありますし。」

「傍観?何を傍観されるんですか?」

「トランプタワーを授業中に作ったり…蝉の抜け殻とタンポポを机にプレゼントされたり…あとは仏像を彫ったりするのを見てます。」

「…授業中ってそれ、怒られないんですか?」

「なんか見つかって注意はされてましたね。まあ次の日今度はルービックキューブやってましたし、何をどう言ったって懲りませんよあの子は。成績はいい方だし。」

「そうなんですか…懲りないんですか…ちなみにその、セミの抜け殻とタンポポはどうしたんですか?」

「ポリ袋に入れて持って帰りました。」

「保管したんですか?!」

「いやまあ、せっかく貰ったんだしこの際と思って…タンポポは枯れちゃうんで押し花にして栞にしました。」

「…なるほど。意外と付き合いはいいんですねモブコさん。」

「…まあゴルシさん悪意はない方ですから、ただただ様子がおかしいだけで。だったらもういいかなって。」

「…そうですか。いやそれをそんな感じで流してるモブコさんも大概変わってる気はしますが…。よく分かりました。それでは次に、レースを走るウマ娘としてのゴールドシップさんへの見解をお伺いしたいんですが…。」

「…正直そういうのは同じ距離適性のレースで競い合った方々に聞いたお話を掲載された方がいいですよ絶対…だって私G3入着が関の山の格下スプリンターですよ?絶対生徒会の方々やG1ウマ娘の皆さんの方がいい話してますって。」

「いやまあ、貴方個人の見解をちょっとだけ聞きたいなぁと…。中長距離の最前線の方々とは違った見解をと…。」

「…そうですか。違った見解というか単なるファン目線みたいな話にはなっちゃいますが…。やはり私が見ていてびっくりしたのは皐月賞と菊花賞ですかね。」

「クラシック三冠のうち二冠を制した際ですか。あの2つのレースには私も驚かされました。」

「えぇ。まあまず私は…ご存知かもしれませんが、彼女と違い未勝利戦脱却には3度の敗北を要しました。この時点で私は、彼女とのレースの才覚の差は十二分に認知していました。…また自虐から入ってすいません…一応誤解されたくないので言っておくと、元々彼女とは入学段階で実技成績に差はありましたし、だからって気まずくなった事はないですけど…。」

「…取材に伺う身ですから、モブコさんの情報はある程度頭に入れてきました。10月の新潟1000mでの未勝利戦、でしたよね?最初の勝利は。確かにゴールドシップさんとは数ヶ月の間は空きましたが、ジュニアシーズンの内に未勝利戦突破が出来たのであれば界隈全体からしたら決して悪くない成績だと思いますが…。クラシックまで未勝利で中央を去るウマ娘も多くいますし…。」

「それは分かっています。尤も、1200以上の距離の適性がないことを理解できたという点では、ジュニアの時期の数多の敗北もある意味有意義ではありました。…ただやはり、私の口から言えるのは、彼女はレースにおいては間違いなく初期から私達の世代の最前線にいたということです。…話を三冠に戻しますね、三冠レースは全て私は現地に応援に行っていました。皐月賞は序盤、 彼女がシンガリにいたのは覚えていますか?」

「ええ。」

「…正直私、生意気にもこれ今日は1着無理かなって思っちゃったんですよ。中山2000であそこから追い込めないでしょって。…やる気ない時の顔最初はしてたし。」

「私も現地にいましたが…同じく私も、あそこから勝つとは思えませんでした。」

「しかも、覚えてます?荒れたバ場の内側から追い込んで勝ちましたからねあの子。ちょっとスペースがあったからって普通あそこからいけませんよ。…ゴルシさんに普通って概念をフィルタリングするのがそもそも不毛かもしれませんが。…しかもレース後に裏で会いに行ったら、あの子観戦してただけの私より元気だったんですから…。」

「そ、それは凄い…。まあ、あんな浮き沈みの激しいレースご友人が展開したら誰だって気疲れしますよ…。」

「しかもそれ以上のめちゃくちゃを菊花賞でやりましたからね…。有り得ます?京都レース場の坂で加速して追い込んで勝つって。もう意味わかんなくて、わたし現地で声に出して『はあ?!』って言っちゃいましたから…。」

「ミスターシービーさんの模倣とも呼ばれたあのタブー戦法ですね…。」

「ああ、アレぶっちゃけシービーさんリスペクトでもなんでもなく普通にノリで行ったらしいですよ…なんですかノリって…『普通あそこで加速したらバテるとか怪我とか考えないんですか』ってレース後すぐ詰め寄りましたけど…私だったら多分無理です。ただでさえ坂苦手なんですから私…京都は短距離でも坂がキツくて京都では私惨敗なんですから…3000であんなんやるパワーとスタミナって何…いやでもそもそも無理とか言うメンタルがダメでしょ私…すいません、自虐程々にって取材前にトレーナーさんから言われてたんですけど結局また…。」

色々な気持ちが混ざって思わず、インタビュー中なのにパーカーのフードの端を持って頭を抱えてしまう。

「いえ、大丈夫です。しかしこう改めて振り返ってみるとめちゃくちゃなレースされてますね…。」

いけない、姿勢戻そう、うん。

「そのメチャクチャな勝ち方を一生に1度の三冠路線でやるってのがまたおかしいんですよあの子…ロマンのある勝ち方ではあると思いますけど…もうちょい躊躇しろよとも思いますね…。」

「そうですね…。それでは最後にもう一つだけ。」

「あ、もう一個あるんですか?なんでしょう?」

「これはモブコさんにしかしない質問なんですけど…あなたにとってゴールドシップさんはよいお友達ですか?」

「……嫌いな子とはこんな長く付き合えませんし、お互いレース見に行ったりもしませんから。まあ、まあ好きというか…良い友人関係だと、私は思っています。」

「ふふっ、ありがとうございました。これでインタビューは以上です。」

「…ありがとうございました。」

 

「…あの、ところで先程ゴールドシップさんにインタビューを伺おうとしたところ見当たらなかったんですが…モブコさんどこにいらっしゃるかご存知ないですか?」

「え?当の本人がどこかほっつき歩いてるんですか?全くあの子は…。」

呆れつつふと視線を移すと、窓の外に、ターフに芦毛のアレはいた。

「ね、寝てる…。」

「え、寝てるって…あっ!ホントですね、外で寝てる…しかもグラウンドの真ん中…うつ伏せで…。」

「…なんであんなとこで……ちょっと起こしてきます。待っててください。」

「え?!」

こっちがめちゃめちゃいいとこ話してた時に…ホント訳分かんない…。




補足すると冒頭のQ&Aインタビュー受けてるメンバーは上から
メジロマックイーン

ダイワスカーレット
ウォッカ

トウカイテイオー

シンボリルドルフ

エアグルーヴ

ナリタブライアン

トーセンジョーダン

エイシンフラッシュ

モブコ
です。
こうやって話かいてて思ったんですけど、やっぱりモブコって単体だと結構湿度高い子ですね…。自己肯定感も自己評価も低い暗い思春期タイプというか…ゴルシがカラッとし過ぎなのもあるかも知れないけど。

併走トレーニング回でモブコと併走して絡んで欲しいウマ娘は?

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