となりのゴルシさん   作:天むすちゃん

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すいません、今回ゴルシ出てきません。
フジ先輩とモブコが喋る回です。
次回はバッチリゴルシ出てきますのでご了承ください…。


となりのゴルシさん9

「…ひとまずこんなもんかな。」

中央の寮は広いことで有名だ。その分あまり人が寄り付かない穴場もある。例えば私がパックのココアを飲みながら、今他のスプリンターの子についてスマホで調べてノートに情報を記す作業をしていたここ。一応自販機も座る場所もあるのに昼間も日当たりが悪く暗い場所だからか皆ドリンクを買う際も違う自販機スポットにいる。…だが私的には好都合だ。どこか薄暗くて人が来ない場所という事は私にとっては落ち着く場所だからだ。勿論こういった場所でなく資料室や自室でこの作業をやっても、同室のトコトコさんとは幸い良好な関係だし彼女は邪険にはしないだろうからいいのだが。やっぱり気分転換である程度こういった場所にいたくなるのだ。

 

「…ブリッジコンプ、フリルドメロン、ユイイツムニ…サクラバクシンオー、カレンチャン、ニシノフラワー、ヒシアケボノ…強そうな相手は増えてくばっかりだなこれ。前見た時よりコーナリングも速さも格段に成長してる子もいるし…世知辛い……多少はマシになったけど私もコーナリングもうちょい改善を…新潟千直オープン専用機、なんてまとめサイトでも揶揄されるのいい加減ちょっとつらいし…いや記事にされるだけまだマシなのかな…いやでも…。」

こっちがレベル上げしても強い子達もレベル上げするから情報集めても集めてもキリがないな本当に。

 

だがまあまあ私がよくここにいる事を知っている方々はいる。ゴルシさんとトコトコさん、それから

「やあこんばんは、ポニーちゃん。相変わらず勉強熱心でチャーミングのは良い事だけど、ちょっと根詰め過ぎてはいないかい?」

「…チャーミングって、私とはかけ離れた形容詞じゃないですか?…その形容詞はそのまま貴方にお返ししますよ、フジ先輩。」

今私を見つけて話しかけてくださったこちらのフジキセキ寮長もそう。朝も思った事だけど本当に顔がいいな。しかも人格者という。なんというか、いつ見ても私と画風が違うな。距離適性も幅広いし?これでいて実は努力家で?寮長という管理職もこなして?いやもう素晴らしい方です本当に。

「いいや。頑張っている後輩はいつだってチャーミングさ。この間もお疲れ様。」

サラッと隣に座ったよこの方。…顔近くないですか?パーソナルスペースをあけましょ。

「あの、お隣に座るのは良いのですが、少し近いのでは…この間…ああ、模擬レースの事ですか。まあ6着でしたけどね…。それにフジ先輩は運営の手伝いをされていたんですし…フジ先輩の方がお疲れでは?」

「いや、あれくらいどうってことないよ。それに、普段はシャイな君の勇姿が間近で見れたしね。」

「いえいえそんな先輩に比べたら…本当にダメですよ私。…いくらバクシンオーさんをはじめとする強敵がいたからとはいえ本当はもっとこう…なんかどんでん返し起こせたらと思ったんですが結局コレですよ…やっぱ本番弱いんですかね私…色んなとこでコイツはまあまあ速いけどいつまでもオープンしか勝てないのは坂苦手な上コーナリングが微妙であがり症すぎるからとか言われてますし…。」

「こら、あまり自虐はよくないといつも言ってるだろう?ほら、可愛い顔が曇って台無しじゃないか。」

いやだから顔、顔が近いです。もう思わず手で顔隠しちゃった。あと可愛いっていうのは私に使う形容詞ではない。ほら、それこそカレンチャンさんとかに使うワードでしょ。

「…前から言ってますけど可愛いって私に使う形容詞じゃないですよ。私なんぞ下の中がいいとこです…あ、また自虐言っちゃった……うーん、でも事実じゃないですか…。」

「ははは、顔がちょっと赤くなってるね。…君は努力家で可愛い後輩だと私は思うけどな…ただ、その…君、あんまりエゴサーチとかはあんまりしない方がいいタイプなんじゃないかな?ほら、ゴールドシップにもあんまり周りに対して過敏にならない方がいいって言われたんだろ?それに君くらいキャリアがあればファンもいるだろうし。」

あ〜さっきより真剣な顔でまた可愛いって言われた。恥ずかし。…一応確かにこんな私にもファンはいるんだよな…なんか女の子が多い。SNS朝しんどいとか面白かった漫画とか小説の話とかしか書いてないんだけど。あとたまにゴルシさんとかトレーナーさん、トコトコさんと出かけた報告とか。…ゴルシさんも女子のファン多いんだよなあんなんなのに。

「…あ、独り言聞こえてました?」

「まあ、ここは静かなとこだし、ウマ娘の聴力の良さは同じウマ娘の君も知ってるだろ?」

「…そうですね。おかげさまで私みたいなのにもファンはいます。」

「…お返しはしたい気持ちはあるんですよ、御恩のある方々に。…でも…なんか周りの声が気になったりとか自分の才能に懐疑的になっちゃって…。」

「…また、何か溜め込んでる感じじゃないかい?私でよければ、まだ吐き出してくれても構わないよ。」

…本当色んな人に頭が上がらないな、私。

 

「…邪な物言いとは自分でも思いますが、いっその事未勝利で勝てずにいる子達よりマシだと割り切って生きて行けたら楽なんだろうなとは思いますよ。勝てないで学園を去った子達の中には私みたいなのでも…羨ましかった子も居たかもしれない訳で。でも極端な話、未勝利でここを辞めた子達だって、発展途上国の読み書きも学べず毎日飲み水を汲みに長い道のりを歩いてる子供とかよりはマシな訳で。下を見たらキリがないのが分かって、でも上ももっとキリがないのも分かるんですよ。でもここ出てやりたい事も特にない。迷路ですよ迷路。人生って迷路です…。」

「…でも私は、悩む事って悪い事では無いと思うよ…自虐的になり過ぎるのは良くないと思うけど。」

「え?」

「割り切れないで悩むって事はさ、物事に真剣に向き合ってる証拠でもあると私は思うから。…それにほら、真面目にレースに向き合ってなきゃそんなノート作らないと思うし。」

「…え、ああ。これですか。確かに情報追加は欠かせませんし、バ場適性とか距離適性違う方々のも集めたりしてますが…まあ割とみんなこういう研究してますよ…最近は半分趣味みたいになってきましたし…ここまでノート作成してる子あんまみないってトレーナーさんには言われましたが。」

「多分それって、誰にでもできる事じゃないと私は思う。私は、君のそういう実は勉強熱心なところは美徳だと思うな。」

「え、あ。や、別に、その。」

また他人の事褒めながら顔近くなったよ。私臭くないかな、心配なんだけど。

「だから…ほら!」

「わっ…。」

フジ先輩がそういうと、突如として手元に現れたのは1輪の赤い薔薇。

「頑張り屋の後輩にプレゼントさ。」

「えっ、あ、ありがとう、ございます…。」

びっくりして思わずただでさえ小さい声が尻すぼみになってしまった。しかもちゃんと棘ぬきされてる生け花だ…。キザだなぁ。やっぱりかっこいいなフジ先輩。

 

「ふふふっ…気に入ってくれたなら何よりさ。…ところでそのノート、見た感じ前より新しいものみたいだけど…この間のは使い切ったのかい?」

「え、ああ、はい。」

「…前から気になってたんだけど、そのノートって今何冊溜まってるのかな?」

「…確かこれで…11冊目でしたかね。」

「え?!二桁いったのかい?」

「…はい。」

「そんなに沢山あるなら…もしかしてそのノートってどこかに私についてのページがあるものもあったりする?」

「はい、勿論。フジ先輩は高松宮記念で結果を残されている、スプリンターとしても優秀な方ですから。」

「…もしよかったら、そのノート、今度私に見せてくれないかな?」

「え?!…若輩者な私の知識をご本人に…。」

…恥ずかしいんだけど。




ゴルシとモブコのヒミツ②
アニメハ〇キューのアイキャッチのペットボトルを倒すやつを体育館で再現しようとチャレンジしていたら割とあっさり出来て、珍しく二人共テンションが上がっていたところに寮長コンビが現れて興味を示し、フジ先輩もヒシアマ先輩もあっさり成功したので二人は世界の広さを知ったらしい。

モブコの両親のこと
父親は都内の私立大学の文学部教授(日本文学専攻)。
母親もウマ娘。昔ダートのスプリンターとして大井トレセンで走っていた。母親も父親も優しい。ちなみにネガティブな性格は父譲りらしい。

書いてて思ったんですがモブコ、ハヤヒデとかイクノとは理屈っぽさのタイプちょっと違いますね。なんて言ったらいいか分からないけど石橋叩いて渡るを地で行くという感じ。神経質で臆病で考え過ぎるが故の。
あとモブコのファンについてもフジ先輩若干今回触れましたが、モブコもまあネームドウマ娘に比べたら少ないですがファンはいます。
なんかサブカル女子っぽい女ヲタク多そうですねモブコ。香i椎iかiてぃとかあiのちゃんのヲタクみたいな。

併走トレーニング回でモブコと併走して絡んで欲しいウマ娘は?

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