氷竜アニオリ スピンオフ   作:タイキック新

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アニオリ2話目です!2~3日したら本編にも移して、さらに2~3日したらガルナ島編後に入れる予定です。


ガルナ島編後
オレがオマエでオマエがオレで


ガルナ島から、ナツ、ルーシィ、ハッピー、グレイを連れて帰ってきたリートとエルザとラリカは、ギルドの門を開けた。

 

「ただいまぁ」

 

「ただいま戻りましたわ」

 

リートとラリカは、肩を落とすナツ達を他所に、いつも通りの挨拶をする。

 

「マスター!マスターは居られるか!!」

 

エルザは、早速指示を仰ごうとマカロフを探す。

 

「お帰りなさい、島はどうだった?ちょっとは海で泳げたりした?」

 

帰ってきたリート達を、ミラが出迎える。

 

「いや、それどころじゃなかったんだけどな…」

 

「ちょっとミラさーん…空気呼んで空気」

 

エルザは、未だマカロフを探している。

 

「マスターは!!?」

 

「評議会のなんたら会合とかなんたらがあるとかで、昨日から出掛けてるぜ」

 

マカオがそう説明すると、ナツ達はホッと息をつく。

 

「ってか…なんたらばっかりでさっぱり分かんねぇぞマカオ」

 

「しょうがねぇーだろ!思い出せねぇんだから」

 

 

「とにかく!今ん所セーフ!!」

 

「よしっ!じーさんが帰ってくるまで、アレはねーな」

 

「よかったよ~オイラ達まだしばらく地獄を見なくてすむよ~」

 

ナツ、グレイ、ハッピーはマカロフが居なくて安心する。

 

「だからアレってなんなのよー!!あー気になる!!あー怖い!!実態が分からないだけに尚更怖いー!!」

 

ルーシィは、とことんアレに怯えていた。

 

「アレねぇ…やるとしても随分久々だな」

 

「最後にやったのは、初めてナツが喧嘩で建物を崩壊させたとき以来だった気がしますわ」

 

「あー、あったあった!マスターが今後の為にも本来よりきつめのお仕置きを、とか何とか言って実行したんだっけか」

 

リートとラリカが昔の事を思い出していると、ナツの顔色がまた悪くなる。

 

「おい止めろ!じっちゃんが帰って来るまで安心してたのに、思い出しちまったじゃねぇか!!」

 

「自業自得ですわよ、私達に当たらないで下さいまし」

 

「そーだぞぉ、マスターが帰ってくるまでに腹括っとけよ」

 

「静かにしていろ!!」

 

「「「「ひぃぃぃ!」」」」

 

リートとラリカ以外は、エルザの睨みに怯えていた。

 

「マスターはいつ戻られるんだ?!」

 

「うーん、多分そろそろだと思うけど」

 

エルザは、ナツ達の方へと振り返り今後について話し始めた。

 

「マスターが帰ってきたらすぐに判断を仰ぐ、S級クエストに手を出した罪は罪!心の準備をしておけ」

 

「「「ひぃぃぃ!」」」

 

「だからどーいう心の準備をすればいいのよぉ!!!」

 

「じゃ、オレはかき氷でも食べて待つとしますかね」

 

「私はハーブティーが飲みたい気分ですわ」

 

「呑気すぎるでしょアンタ達!!!」

 

「仕事から帰ったら必ずかき氷!このルーティーンだけは絶対に譲れねぇ!そもそも、お前らを連れて帰る前にかき氷一回食いそこねてんだ!意地でもオレはかき氷を食う!第一オレは罰を受ける側じゃねぇ」

 

「どんだけ食い意地張ってんのよ!!?」

 

「私はアレをされるあなた達を見ながら優雅にハーブティーを楽しみたいだけですわ」

 

「ドS過ぎる!!?だからアレってなんなのよぉーーー!!!」

 

「フフッ、すぐに用意するわね」

 

ミラが、カウンターからかき氷機とお茶っ葉を取り出し準備を始めた。

 

「はい、お待たせ♪」

 

「おぉー、いっただきまーす!」

 

シャクシャク

 

「ありがたくいただきますわ、ミラ」

 

 

「それにしてもよぉ、ナツとグレイはともかく、ルーシィちゃんがあんな目にあっちゃうのかぁ、気の毒になぁ」

 

一緒に話を聞いていたワカバが、ルーシィを哀れみの目で見る。

 

「気の毒って…?」

 

「ワカバてめぇ!!ともかくってなんだともかくって!!」

 

「そうだ、しかもナツと一緒にするんじゃねぇ!!!」

 

ナツとグレイの二人は、ワカバを巻き込んで喧嘩する。

 

「アレをされるってのに結構元気じゃねぇか」

 

「ちょっとつまらないですわね。ナツ、グレイ、もっと暗い顔してお待ちなさいな、その方がハーブティーもより美味しくなる気がしますわ」

 

「「ふざけんな!!」」

 

「漢には責任の取り方ってもんがある、見せてもらうぜ、テメェらの漢をな」

 

「ずるいよぉオイラは何でそのともかくってのに入ってないんだよぉ」

 

エルフマンやハッピー達も、最早言いたい放題だ。

 

「だから、あんな目って何ーー!!?」

 

 

 

 

その後マカロフを待っているのが暇になったのか、ナツがリクエストボードの前に行くと、見たこともない奇妙な依頼書に目がとまった。

 

「お?何か変な依頼書があるぞ」

 

「あ?んだ?」

 

「ホントだ、なんだこれ?」

 

グレイとリートもその依頼書に目が止まり、無意識に気にかけてしまう。

 

そこへ、ナンパから戻ってきたロキがナツ達の下へやってくる。

 

「あぁ、ナツおかえり」

 

「おうロキ!えっと…この文字の」

 

「なに?」

 

ナツ達が気になったのか、ルーシィもやって来た。

 

「!?ルーシィも帰ってたのかーー!!?」

 

「当たり前でしょ?ナツ達と一緒に行ってたんだから、何でそこまでビビるの?」

 

「い…いや、じゃあ!」

 

ロキがルーシィから逃げようとしていると、こちらに向かってくるエルザと衝突した。

 

「おまえ達、今はそれどころではないだろう」

 

「オマエとぶつかったロキもそれどころじゃなさそうだぞ?」

 

ナツは、不用意に依頼書の文を声に出して読み始めた。

 

「この文字の意味を解いて下さい。解けたら50万J差し上げます」

 

「50万Jですって!?リートこれは解くしかありませんわよ!!!」

 

「おまえ露骨すぎだ…」

 

「文字の意味を解け?珍しい依頼だな」

 

リートが解いて欲しいと書いてある文字を見ると、それは古代文字の一種で書かれていた。

 

「これ、古代文字じゃねぇか、こんなの誰が読めんだよ」

 

「私は無理ですわよ!」

 

「胸張って威張るな…」

 

「でも、隣に現代語訳があるよ?」

 

「ですけど、そのまま読んでもさっぱりですわ」

 

エルザ以外は、依頼書に興味心身だった。

 

「だから、止めろと言っている」

 

「おぉー!でも、こっちは読めるぞ…ナニナニ?」

 

ナツは、現代語訳を口に出して読み出した。

 

「ウゴテル ラスチ ボロカニア…だぁー!全然わかんねぇー!!」

 

ビカァ!

 

「ん?」

 

不用意に依頼書を読んだ、ナツの体が光出した。

 

そして、それは近くにいたリート達も巻き込んでいく。

 

光が収まると、いきなりグレイが寒がり出した。

 

「さ…寒い…」

 

「あ?氷使いが何で寒いんだよ」

 

「ううぅ…ナニコレ?体の中が異常に寒いぃ」

 

次に動き出したのは、ルーシィだった。

 

「!?なんか、重てぇ…なんか胸の辺りが非常に重てぇ!!こ…腰にくるぅ」

 

「どーしたルーシィ?声のトーンがやけに低いぞ」

 

「?そんな事な…えぇーーー!!!」

 

グレイが隣にいるルーシィを見て、大声で驚き始めた。

 

「!アレ?何で倒れてたんだっけ?」

 

グレイが騒いでいるとロキが目を覚まして立ち上がるが、そちらもどうも様子がおかしい。

 

「フッ、ていうか僕はなんで立ってるんだ?」

 

ナツの口調もいつもと変わっており、ナツがふとルーシィの方を見るといきなり怯えて逃げ出した。

 

「うわぁー!」

 

「おいナツ、何でオレの顔見て逃げ…はっ?なんだこの声?」

 

ルーシィが、自分の声に違和感を感じる。

 

「なんかいつもとパターンが違うな」

 

 

「何を慌てていますの?」

 

「「「「!?」」」」

 

全員が驚いた表情で声がした方へ振り向くと、お嬢様口調になっていたリートが話していた。

 

「お…おいリートどうした?オマエ…オカマみてぇに」

 

「誰がオカマだコラ」

 

「「「「!?」」」」

 

また別の方から声が聞こえそちらを振り向くと、ラリカがマカオを睨み付けていた。

 

「ラリカ?」

 

「は?…」

 

ラリカが自分の体を見て、急激に顔色を悪くさせる。

 

「な…な…ななななんじゃこりゃあぁぁぁ!!!!」

 

「肉球!?茶色の毛!?オレの体に見たことねぇもんがある!!?ナニコレこわっ!!!」

 

 

「一体何を騒いでいる!」

 

「?」

 

リート達が騒いでいるのを見ていたマカオ達だったが、振り返るとそこには、キリッと姿勢を正したハッピーが立っていた。

 

「わぁー、ナツ見て見て…アレ?ナツは?」

 

エルザがナツを探していると、ロキが返事をした。

 

「あぁ?何だよ?つーか視界暗ぇ~」

 

「オイラの胸に格好いいおっぱいが2つついてるよ。ほら」

 

エルザが、自分の胸を寄せてロキに見せる。

 

おーーー!

 

「な!?やめんかー!!」

 

ゴチーーン!

 

「あんまり痛くないよ?」

 

ハッピーが、エルザに向かってキックするが、即座に鎧姿になったエルザにダメージはなかった。

 

「何だこのネコ型体型は…というか、これはネコそのモノだ…私は換装した覚えなんかないぞ」

 

 

「これ何がどーなってんの!?何かとっても寒いぃ!!それにどーしてここに私のそっくりさんが居るのよぉ!!」

 

「つーか何でオレはネコになってんだ!!?そんな魔法は覚えてねぇよ!!?」

 

「なんだか私も寒くなってきましたわ…というか、目線がやけに高くなりましたわね」

 

「鈍感すぎじゃね!?」

 

「まだ気付かんのか!私たちの心と体が、入れ替わっている!!!」

 

「「「「「「えぇーーーー!!?」」」」」」

 

「どーいうことだハッピー!!」

 

ロキ(ナツ)が目線をハッピー(エルザ)の位置まで合わせて話しかける。

 

「私はエルザだ!!」

 

「あぁ?」

 

「ハッピーはオイラだよぉ!ロキひどいよぉ」

 

エルザ(ハッピー)が、自分を主張する。

 

「あぁーうるさい」

 

「ってことは…」

 

ハッピー(エルザ)が、誰と誰が入れ替わったかを説明する。

 

「ナツとロキ、リートとラリカ、グレイとルーシィ、そしてあろうことか、私とハッピーが入れ替わったのだ!!」

 

えーーーー!!!!

 

「何であろうことかなんだよぉ」

 

「古代ウンペラー語の言語魔法…チェンジリングが発動したんじゃ」

 

そこへ、ようやく帰ってきたマカロフがリート達の下へやってくる。

 

「マスター!」

 

「じっちゃん!」

 

「あの依頼書が原因じゃ。ある呪文を読み上げると、その周囲に居た人々の人格が入れ替わってしまう。これぞ、チェンジリングじゃ」

 

「チェンジリング!?」

 

ルーシィ(グレイ)は、ロキ(ナツ)の肩に手を置く。

 

「オマエ、ナツなんだよな?」

 

「ああ」

 

「テメェ!!何てことしやがった!!!」

 

「知るか!!依頼書ちょっと読んでみただけだろーが!!!」

 

「つーか目の前暗ぇんだよ」

 

「サングラス取れや!!!」

 

「止めんかルーシィ…いや、グレイ…この呪文で入れ替わるのは人格だけではない」

 

ラリカ(リート)が、真っ先に察した顔をした。

 

「人格だけじゃないって…まさか…」

 

「そう、魔法も入れ替わるのじゃ」

 

はぁーーー!?

 

そして、その頃ナツと入れ替わっていると気がついてないロキは、外を歩き回っていた。

 

「はぁ…はぁ…暑い、まるで腹の中にマグマがあるみたいだ」

 

そして、女性を見かけたナツ(ロキ)は、即座にナンパを始める。

 

「やぁ!その内どっかでディナーでも一緒にどーだい?」

 

「「キャー!!!」」

 

ナツ(ロキ)の顔を見た女性達は、悲鳴を上げて逃げ出した。

 

「?」

 

気づけば、ナツ(ロキ)の口からは、ヨダレのように炎が出ていた。

 

「だぁー!ぎゃぁぁぁ!!!何だコレはーー!!!」

 

そして、場所は戻り妖精の尻尾ギルドで、マカロフから最後の説明を受けていた。

 

「最後にもう1つ、チェンジリングは発動してから30分以内に呪文を解除しないと…未来永劫元に戻る事はない…という言い伝えがある」

 

!?

 

「なななな…あれから、何分たった!!?」

 

ミラは、時間を淡々と答える。

 

「16分、あと14分ね」

 

「半分過ぎてんじゃねぇか!!」

 

「じっちゃん!元に戻す魔法は!!?」

 

「うーん、何せ古代魔法じゃからのぅ…そんな昔の事はワシはよぅ…知らん!!」

 

「「「「「「あぁーーーー…」」」」」」

 

「S級クエスト破りのお仕置きを楽しみにしてたんじゃがのぅ、コレではどーにもならんわい!!ま、精々頑張ることじゃ」

 

リート達入れ替わり組は、ボーゼンとするしかなかった。

 

「何てこった!!えーいこうなったら!!!」

 

ルーシィ(グレイ)が着ている服に手をかけて、服をぬごうとする。

 

「いやーー!!ちょっと、それだけは止めて!!!」

 

「レディが人前で脱ぐんじゃありませんわよ!!!」

 

グレイ(ルーシィ)とリート(ラリカ)が必死にルーシィ(グレイ)を押さえる。

 

「そうか、中身はグレイだから、脱ぎ癖もそのまんまなんだね」

 

「もう、オレとしてはそれどころじゃねぇよ…下手すりゃ一生このままラリカとして生きていかなきゃなんねぇのかも知れねぇのに…」

 

ラリカ(リート)の顔色は、とことん悪くなっていた。

 

「あ!そうか!」

 

「ハッピー!?何を!?」

 

ハッピー(エルザ)は、エルザ(ハッピー)が何か行動を起こそうとしていることに気付き、止めようとする。

 

「面白そうだな、やってみようっと」

 

「うわー!!や…止めろ!」

 

「換装!換装!オイラも換装!うわーい!!」

 

エルザ(ハッピー)がいきなり換装をし始め、ツインテールのスク水姿に釣り竿を持つという、ツッコミ所満載の姿に換装する。

 

「どじゃーん!!」

 

その姿に、男ども数人が興奮する。

 

「「「おぉー!これはこれで」」」

 

「いや、何でいきなりあんな姿に換装してんだよアイツ…」

 

「やめんかーーー!!!」

 

ゴン!!

 

「あ…」

 

ハッピー(エルザ)が殴ろうとすると、今度はエルザ(ハッピー)の無意識に出された肘に顔面をぶつけてしまう。

 

「なんということだ…S級魔導士としてのプライドがぁ」

 

「じゃあ、どうしてあの水着を買いましたの?」

 

「もうあの水着見せた時点でプライドもへったくれもねぇな…」

 

「あれぇ?おかしいなぁ、格好いい鎧にするつもりだったのに」

 

「分かった!確かに魔法も入れかわっちまうが、中途半端になっちまうんだ!!」

 

「おいロキ…じゃなかった。中の奴」

 

「中の奴とか言うな!!何だよ?」

 

「オマエの魔法はどーなってんだ?」

 

ワカバにそう聞かれたロキ(ナツ)は、渋い顔で答える。

 

「わ…わかんねぇ…なんも感じねぇし何もおきねぇ…つーか何かモヤモヤしてるだけだ」

 

「あ?」

 

「何だこのムズムズする感じはーーー!!!」

 

ギルドで騒いでいると、慌ててナツ(ロキ)が走って戻ってきた。

 

「誰かーー!なんとかしてくれーー!!!」

 

「何だその炎」

 

「つーかヨダレだな」

 

「下品ですわね」

 

そう言うリート(ラリカ)の口からは冷気がだだ漏れしていた。

 

「お前も人の事言えねぇぞ」

 

「止まらないんですのよ!!!」

 

「確かに、すごく中途半端ね」

 

ハッピー(エルザ)は、翼を出して空中を飛んでみていた。

 

「おぉー成る程、空を飛ぶとはこういう感じか…ナドト感心してる場合ではない!!!もう時間がないぞ!!!」

 

「一体どーしたら…はぁ」

 

ため息を吐くグレイ(ルーシィ)の口からは、氷が垂れ流されていた。

 

「グレイ…じゃなかった。ルーシィ、口から氷が…」

 

「!?キモい!もうやだぁ…」

 

 

 

「ルーちゃん!私に任せて!」

 

「!」

 

慌ただしくなったギルドに、仕事から帰ってきたレビィが声をかける。

 

「レビィちゃん!」

 

「レビィ…」

 

 

「オレたちチームシャドウギアが戻ってきたからには、必ず元に戻してやるぜ!!」

 

「あぁ!という訳で」

 

「「頼むぜレビィ」」

 

ジェットとドロイは一歩後ろに下がり、レビィを先頭にだす。

 

「お前らはなにもしねぇのかよ」

 

「「こーいうのはレビィの専門だ」」

 

「胸張って言うことか!!!」

 

 

「ありがとう!レビィちゃん」

 

「ルーちゃんの為だもん!頑張る」

 

そして、レビィは小声でグレイ(ルーシィ)に耳打ちする。

 

「ルーちゃんの書いた小説、絶対読者第一号になりたいから」

 

「んで!どーすんだ!?」

 

レビィは依頼書を見て、解読を始める。

 

「私、古代文字にちょっと詳しいから、だからまずは、その依頼書の文字を調べてみる」

 

「時間がねぇ!間に合うのか?」

 

「とにかく!この場はレビィに任せよう!」

 

魚を加えたハッピー(エルザ)がそう言うが、加えている魚のせいで、頭に入ってこない。

 

「!?…なぜ私が魚を……」

 

「おいしいよ?」

 

レビィは風読みの眼鏡で、依頼書の文字に関連している書物を次々と読みあさっていく。

 

「あと、10分くらいしかないぞ!!」

 

「というか、レビィはその文字を読んでも平気ですの?」

 

リート(ラリカ)が、ふと思った事を聞いてみる。

 

「こーゆー古代の魔法はそのまま読み上げなければ大丈夫なの」

 

「時間がねぇ~!あぁー!モヤモヤするぅ、もうずっとこのままだったらやべぇぞぉ!!」

 

「元凶が言ってくれんじゃねぇか、え?ナツ」

 

ラリカ(リート)は、ロキ(ナツ)を睨み付けながら指をゴキゴキと鳴らす。

 

「お…おおお落ち着けよラリカ!!」

 

「オレはリートだ!!!」

 

「でも、オイラは気に入ってるよ、もっといい鎧にかんS「だからやめんか!!」」

 

もう一度換装をしようとするエルザ(ハッピー)を、ハッピー(エルザ)が止める。

 

そして、レビィは読んでいた本をパタリと閉じた。

 

「どう?レビィちゃん」

 

「何かわかったか!?」

 

「うん…わかんない」

 

「「「「「えぇーーーー!!!」」」」」

 

入れ替わった全員が、ショックで声を上げる。

 

「そうか…私はこれから先…妙な羽の生えた猫として生きていくのか…」

 

「オレは今後空を飛ぶしかできないのか…はぁ」

 

ハッピー(エルザ)とラリカ(リート)は、絶望に打ちひしがれていた。

 

「オイラは妙じゃないよぉ!」

 

「私は空を飛ぶ意外にもちゃんと出来ることはありますわよ!!」

 

「…えーーい!!!」

 

またも、ルーシィ(グレイ)が服を脱ぎ出そうとし始め、グレイ(ルーシィ)が必死に止める。

 

「だからやめてよぉ!!!」

 

 

「だぁー!!モヤモヤするぅ!!」

 

「僕はもう二度とデート出来ないのか…」

 

 

「ちょっ…落ち着いて!もっともっと考えるから!!」

 

レビィは、必死に解決法を探す。

 

「マカオ!!時間は!?」

 

「あと8分…そろそろ腹括った方がいいかもな」

 

「ジョーダンじゃねぇ!!意地でも元に戻ってやる!!」

 

レビィの後ろでは、ドロイとジェットが応援団の格好で必死に応援する。

 

「「フレー!フレー!レ・ビ・ィ!」」

 

「アイツらただの応援要員かよ」

 

「テメェら!!それがレビィの邪魔になってオレたちが元に戻らなかったらぶっ飛ばすからな!!!」

 

ラリカ(リート)は、かなり焦っているのか、どんどんと言葉使いが荒くなる。

 

しかし、何も出来ないリート達は、ただ黙ってレビィの解読が終わるのを待つしか出来なかった。

 

「もし、ずっとこのままだったらどーする?」

 

ふと、ルーシィ(グレイ)は、思った事をみんなに聞いてみた。

 

「あぁ?どーって、何が?」

 

「この先、この状態のまま仕事に行く気かよ?」

 

「そりぁ、元に戻らなかったらそーするしかねぇだろ」

 

「それはマズイよな…やっぱり…」

 

ラリカ(リート)も、同じ事を考えていたらしく、もし元に戻らなかったらどーなっているか想像する。

 

「あ…」

 

グレイ(ルーシィ)が声を出し、皆の注目を集める。

 

「どーした?グレイ…ではなくルーシィ」

 

「これ大変よ!だって今のアタシ達、皆魔法まで入れ替わって中途半端になっているでしょ?そんなんで仕事に行って上手くいきっこないもん!」

 

「ってことは…」

 

「今の…」

 

「私達は…」

 

「まぁ…間違いなく…」

 

「「「「「「妖精の尻尾最弱のチーム!!?」」」」」」

 

「かっこわる」

 

ロキ(ナツ)とハッピー(エルザ)は、ようやく事の重大さを理解し、先ほど以上に焦りを感じる。

 

「ヤバイ!!!確かにそう言われれば、かなりヤバイ!!!」

 

「なぜ今までそんな単純な事に気づかなかったのだぁ!!やはりネコになってしまったせいかぁ…」

 

「でも、オレはとっくに気づいてたぞ?」

 

「ハッピーと私の知能は違いますのよ!当然ですわ」

 

「ひどいよぉ!リート…じゃなくてラリカも入れ替わってからのエルザもいちいちトゲがあるよぉ!」

 

エルザ(ハッピー)は、飛び上がりハッピー(エルザ)の上にのしかかる。

 

「うわぁー!!」

 

「今何しようとしたんだ?エルザ…じゃなくてハッピー」

 

「ひどいこと言われたから…オイラこんなとこ出てってやるぅって飛んでいこうとしたんだ…そしたら羽がなくて、羽がなくて転んじゃったんだ」

 

「わ…私が悪かったから…どいて…く…れ……」

 

エルザ(ハッピー)の重さに耐えきれなくなったハッピー(エルザ)が、耐えきれずに白目を向いてしまう。

 

「わかった!!!」

 

レビィが叫ぶと、入れ替わり組の全員がレビィへと視線が向く。

 

「「「「「おぉーー!!」」」」」

 

「おっしゃ!魔法が解けるんだな!!」

 

「どーすれば解けるんだ?」

 

「この古代文字はね、ここに永遠の入れ替わりをもって幸せをもたらすって意味なの」

 

「やったー!レビィちゃんすご!」

 

「ここに…永遠の入れ替わりをもって幸せをもたらす」

 

「なぁ…今のオレにはそれが不吉な言葉にしか聞こえねぇんだが…オレの思い過ごしだよな?…な?」

 

「そんで!?」

 

「つまり!この魔法で入れ替わった人達が永遠に幸せに暮らせますって意味なの!!はぁ~解けてよかった~」

 

レビィの言った意味を理解した者達は、ショックを受ける。

 

「「ちょっと待てぇ!!!」」

 

「それじゃオレたちに一生このままでいろって意味じゃねぇか!!!」

 

「肝心の戻し方が分かってねぇじゃねぇか!!!何やってんだオメェは!!!」

 

「あ、ホントだ!!どーしよー」

 

「無自覚でしたの!!?」

 

「レビィちゃん、魔法が解けなきゃダメなのよ。きっと何か方法があるはずよ。裏の意味とか…そーいうやつ、そっちを重点的に調べてみて」

 

グレイ(ルーシィ)のアドバイスで、レビィはやる気を更に出す。

 

「うん!頑張る!」

 

そして、レビィはまた解読を始め、その後ろでは先程同様に、ジェットコースターとドロイが応援し始めた。

 

「「フレー!フレー!レ・ビ・ィ」」

 

「あの応援チームかえってウザくねぇか?」

 

「オレもそう思う…スポーツとかならともかく、解読に応援は絶対に邪魔だろ」

 

「暑苦しいですわね」

 

「いや、気合いが入っていいと思うぞ!オレも参加してぇぐらいだ」

 

「「「えぇ~」」」

 

応援団に呆れていたワカバ、リート、ラリカと、逆に賛成派のエルフマンに、ワカバ達は少し引いていた。

 

「ちがう…こうじゃない…こうしたら、余計分かんなくなった。これじゃあ言葉になってない、うーん」

 

そうこうしてる間にも、時間はどんどんと過ぎていく。

 

「あと3分」

 

「いやぁぁぁ!!!」

 

「魚なのか…これから、朝も、昼も、夜も…魚なのか!!猫じゃらしを見ると嬉しくなってしまったりするのか!!」

 

ハッピー(エルザ)は、そう言って肩を落とす。

 

そこに、エルザ(ハッピー)が仲直りをしようとやって来た。

 

「エルザ、さっきはごめんね。オイラが悪かったよ」

 

「ハッピー…おまえ!」

 

「喧嘩なんかしてる場合じゃないもんね。仲直りしよ」

 

「そうだな、私も悪かった」

 

「あい!これ仲直りの印だよ」

 

エルザ(ハッピー)は、生の魚を取り出して手渡した。

 

「サカナー!って…」

 

「うわぁぁぁ!!!」

 

ハッピー(エルザ)は、泣きながら翼で飛んでいった。

 

「空気を読みなさいよぉ!!!」

 

「「レビィ!!まだか!!?」」

 

「こりゃマジでヤベェ!一分切ったー!!」

 

「テメェ、何かさっきから楽しんでねぇか?!!あぁん?」

 

「こっちは必死なんだぞコノヤロウ!!」

 

ロキ(ナツ)とラリカ(リート)の二人が、カウントダウンをするマカオに逆ギレする。

 

「そ…そんな事ないって…」

 

 

「もうちょっと、なんとなく分かりそうな気はしてきてるんだけど…」

 

いつの間にか、レビィの後ろの応援団にエルフマンが加わり、2人から3人へとなっていた。

 

「頑張れ!頑張れ!レビィ!くぅ~燃えるぅ!!」

 

「アイツ似合いすぎだ…」

 

「暑苦しさも3割増しくらいになってますわよ…」

 

 

「おや?まーだやっとるのか?」

 

ギルドの奥にいたマカロフが、様子を見に戻ってきた。

 

「マスター!!何とかできねぇか!!?このままじゃ一生オレたち入れ替わったままだぞ!!」

 

「!」

 

マカロフは、何か思い出したような顔をする。

 

「何か思い出したか!?」

 

「そー言われてもねぇ」

 

「はっ倒していいですの!?この人はっ倒していいですの!?」

 

「落ち着けラリカ、マスターをはっ倒しても何も解決しねぇから…」

 

「どれだけ正確かは知らねぇけど、多分あと40秒!!」

 

「ヤバイ!!このままネコとして過ごすのは絶対に嫌だ!!!」

 

「リートも何気に失礼ですわね!!?」

 

「やぁ!1つ思い出したぞ!!」

 

何かを思い出したマカロフを、入れ替わり組が囲む。

 

「何だマスター!!」

 

「この魔法を解くときは、確か一組ずつだったハズじゃ。一辺に全員を戻すのは無理だったハズじゃ」

 

「何でそれをもっと早く思い出してくれなかったぁぁぁ!!!」

 

「忘れとったもんはしょーがないじゃろ」

 

「あと30秒…ぐらい」

 

そして、誰が最初に戻るかで争いが始まった。

 

「どのペアが最初だ!!」

 

まず、ナツとロキのペアが名乗り出る。

 

「とーぜんオレとロキだ!!なぁロキ?」

 

「そうだ」

 

次にグレイとルーシィが、

 

「そーは行かないわ!!最初はアタシ達よ」

 

次にリートとラリカが、

 

「バカ野郎!!初めはオレたちに決まってんじゃねぇか!!」

 

そして、エルザとハッピーも、

 

「待て!!私がずっとこのままだと、妖精の尻尾はどーなる!!最初は私とハッピーが」

 

「オイラはどっちでもいいよぉ」

 

「オレたちが!!」

 

「いーや!!オレたちだ!!」

 

「私たちだって言ってんでしょ!!」

 

「私たちだ!!」

 

 

「…醜い…」

 

「人間追い詰められると怖いのねぇ」

 

ナツ達のいい争いを見ている、ワカバとミラがそっと呟いた。

 

「15秒切ったよぉ~」

 

「あぁー!!分かったぁ!!」

 

そこでようやく、レビィが解読し終える。

 

「12、11」

 

「レビィちゃん!!」

 

「こー言うことなの!!つまり、説明するとね」

 

「説明はいい!!とにかく急いでやってくれ!!時間がねぇんだ!!」

 

「9、8」

 

「「オラァ!!」」

 

カウントダウンにイラついたロキ(ナツ)と、ラリカ(リート)は、マカオをド突いた。

 

「ぐぼぁ!!」

 

「レビィ!!早く!!」

 

「分かった!いくわよ?」

 

そして、レビィは呪文を唱えた。

 

「アルボロヤ テツラ ルビコウ!! アルボロヤ テツラ ルビコウ!! アルボロヤ テツラ ルビコウ!! アルボロヤ テツラ ルビコウ!!」

 

レビィが呪文を唱えると、依頼書が光りだしギルド全体を包む。

 

光が収まると、ルーシィは自分の体を確認する。

 

「あ!元にもどった!!」

 

「オレもだ!!」

 

隣にいたグレイも、自分の身体に戻れてホッとする。

 

「やれやれ…」

 

そういうグレイの口からは、氷が落ちていた。

 

「!」

 

「元に戻っても出んのかよ」

 

「レビィちゃん!ありがとう!」

 

「やったー!!」

 

ルーシィは、レビィに抱きついて解読した方法を聞く。

 

「どーやったの?教えて」

 

「言葉そのものには意味がなかったの、逆さ読みをやってみたんだ。古代は文字が少なかったから、色んな意味を伝えたい時に、反対から読むと別の効力を発揮するようにしてたの。だから、呪文を逆さから読んでみたら魔法が解けたの」

 

「そっかーホントありがとね」

 

「助かったぜ、レビィ」

 

「ルーちゃんの為だもん!へへっ」

 

そして、喜んでいたルーシィとグレイ以外はというと…

 

「「と…解けて(ねぇ)(ない)!!」」

 

「「えぇーーー!!!」」

 

「私もだ!!ネコのままだぞ!!」

 

「オイラはどっちでもいいけどねぇ」

 

「おい!戻ってないぞ!!どーすんだこれ!!?」

 

「元に戻ってませんわぁぁ!!」

 

 

「わずかの差だなぁ、残り3組は制限時間に間に合わなかったって事だ」

 

「そそそそんなぁ!!どどどどーすりゃいいんだよぉ!!」

 

「オレたち一緒このままなのか!!?」

 

「レビィ、もっかいやってくれ!!」

 

レビィは依頼書を見て、顔を青ざめさせていく。

 

「あれ?何か微妙に間違えちゃった…かも」

 

えぇ~~~~!!

 

「じゃあオレたちはずっとこのまま!?」

 

「悪夢だ!!悪夢以外の何者でもない!!」

 

「オイラはどっちでもいーけどねぇ~」

 

「まぁまぁ、他にも何か方法があるじゃろ」

 

マカロフ?と思い全員がふりかえると、喋っていたのはなんとミラだった。

 

「ん?」

 

「なんだか…私背が縮んでない!?」

 

マカロフの体で周章てているミラ…どうやらミラとマカロフが入れ替わったようだ。

 

「えぇー!?まさかミラさん!!?」

 

「じーさんとミラが入れ替わってんぞ!!?」

 

 

「なんというこのナイスバディ!!ウハハハハ!!」

 

ミラ(マカロフ)は、みらと入れ替われて大喜びだが、マカロフ(ミラ)はそうでもないようだ。

 

「いやぁぁ!!それだけはいや!!」

 

「もしや…」

 

ハッピー(エルザ)は、ギルド全体を見渡した。すると、予想通りにエルフマンとカナ、ドロイとジェットも入れ替わっていた。

 

「漢は諦めが肝心…あ?なんだこの酒クセェ体は」

 

「!?ちょっ!何よこれ!!何でアタシがエルフマン!!?うーっ何か急に酔いが覚めてきた」

 

「おい、ドロイ…!?」

 

「あ?何だよ?ジェット…!?」

 

「「オレたち入れ替わってんぞぉ!!」」

 

「おまえ達は入れ替わってもさして問題ないじゃろ…それにしても、これはまた夢のようなナイスバディ!!」

 

ミラ(マカロフ)が、ミラの体でグラビアの体制を真似する。

 

「いやぁぁ!!レビィなんとかしてぇ!!」

 

もはや入れ替わった者だらけで、ギルドはメチャクチャになっていた。

 

「もう、私の手にはおえないです…」

 

その後、どーにかして元に戻れたかどうかは、誰にもわからないってことで

 

「「元にもどせぇ!!」」

 

「投げっぱなしで終わりかい!!」




レビィが逆さ読みをしてみたのっと言った時、「え?…逆さ…え?」と主は混乱していました。

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