「2人はこのあとトウカシティに向かうんだよね?」
マツノがポチエナをブラッシングしながら訊ねた、ポチエナは気持ちよさそうに喉を鳴らしている。
「そうね、最初にどこのジムに挑戦するかはまた考えるとして、とりあえずはトウカシティに向かうつもりよ」
「そっか…寂しくなるなぁ、ポチエナ」
ポチエナはキョトンとしていたがマツノに促されて他のポケモンたちと遊びに駆け出して行った。
「コトキタウンの北の方で仲間と合流するって言ってたっけ?」
「そうだね、まぁ仲間っていうか…一緒に入団試験を受けてるから今のところはライバルってことになるかな」
「試験には合格できそうなのよね?」
クレアが訊ねる。
「少なくともこの一次試験は大丈夫なはず、ポチエナを一匹捕まえてくることが試験だったからね…正直ギリギリだったけど。」
マツノは遊んでいるポチエナの方を見ながら少し恥ずかしそうしている。
「ギリギリかどうかなんて試験官にはわからないわ、少なくとも今ポチエナはあなたのことをトレーナーとしてとても信頼してる。ポチエナを一匹仲間にするという試験内容に対して満点の回答だと思うわ」
「そういってくれて嬉しいよ、2人と別れた後もポチエナと新しい道でがんばっていけそうだ」
マツノは晴れやかに笑った。それを見たアオイが立ち上がる。
「出発の日取り決めるか!」
それから出発までの3日間、それぞれの冒険のために荷物を準備し、最終日には鳥ポケモン観察のツアーに参加した。
最後の食事はアオイの希望でマツノの特製カレーを囲み、マツノはポケモンたちにもきのみをたっぷり使った専用カレーを用意した。
「正直これマツノと離れた後はもうポケモンたちが普通の食事では満足しなくなる可能性あるな」
「それは私も懸念してたわ…いろいろ教わったりしたけどどう考えてもこのクオリティは無理よ、ていうか私たちも明日からの旅はこれ食べられないの信じられないわ…」
心なしか、ミズゴロウとアチャモが2人のことをジッと睨んでいる気がした。
「あはは、そんなに褒めてもらえるなんて。これはシェフの道もありだったかなぁ」
翌朝、ポケモンセンターで朝食を済ませた3人は身支度を整えてポケモンセンターの前に立っていた。
「それじゃ、僕はこっちに」
マツノが一歩踏み出す。目的地はコトキタウンの北にある水路らしい。
「私たちは、こっちね」
アオイとクレアも一歩踏み出した。2人の次の目的地であるトウカシティはコトキタウンの西に位置する。
「そうだ、これを2人に」
手に持っていた紙袋からマツノが取り出したのは2本の透明な筒だった。
「え、それって!」
「うん、きのみホルダーだよ」
マツノはコトキタウンに到着してすぐに、2人に贈るためのきのみホルダーを内緒で取り寄せていた。
「箱とかは邪魔になるだろうと思って開封してしまったけど、正真正銘新品だから安心してね。2人との楽しい旅のお礼に、そして旅立ちのお祝いに。良かったら使ってくれると嬉しい。」
「もちろん!ありがとう!」
2人は心からのお礼を述べた。クレアの眼にはうっすら涙が浮かんでいるように見えた。
「また必ず会おうな、マツノ!」
「うん、ジムチャレンジがんばれ!」
3人はがっちり握手を交わした。
お久しぶりの更新となりました。私生活がそれなりに忙しいため筆が遅くなってますが、ストーリーだけは頭の中で進んでいくので少しずつ文字に起こして行けたらなと思います。
さてマツノと別れ、2人旅となったアオイとクレア。トウカシティに着くまで自炊の道中は上手くいくでしょうか。