怪獣娘×令和ウルトラマン クロスオーバーユニバース スピンオフ集   作:特撮恐竜

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時系列は『再びその輝きを』の前です。
久しぶりの怪獣娘タイガの世界です。本編と地続きのお話では初めての戦闘シーンもあります。(クリスマス回はあくまでパラレル)

透明怪獣『ネロンガ』登場



ピグモンさんとのデート

ウーラーを救い、ピリカが再び復元されてヴィラン・ギルドにいたマグマ星人とマーキンド星人がGIRLSに入ってから3日後、ヒロキは街中のとある駅前である人物と待ち合わせをしていた。

 

「そろそろ時間かな・・・。」

「ヒロヒロ〜‼︎」

 

ヒロキは自身を呼ぶ声を聞いて声が聞こえた方向を見る。すると私服のトモミがこちらに向かって駆けてくる姿が見えた。

 

「御免なさ〜い‼︎お待たせしてしまって〜‼︎」

「だ、大丈夫ですよ‼︎電車が遅れたんなら仕方ないですって‼︎」

「いえ、それでも年下のヒロヒロより時間ギリギリになってしまったんです‼︎これでは大人としてヒロヒロに顔が立ちませんから・・・。」

「僕は気にしてませんよ。だから気にしないで下さい。」

「・・・ヒロヒロ、ありがとうございます。それでは・・・行きましょうか。」

「ええ。」

 

ヒロキとトモミは並んで街に繰り出していく。この2人が何故ここで待ち合わせをしていたのかそれは1日前に遡る。

この日は入ったばかりのピリカにマグマ星人とマーキンド星人を加えたクララの復帰ステージの打ち合わせがあった。そして打ち合わせが終わった後、ヒロキは自販機でジュースを買うと、休憩に使われるラウンジに向かっていく。すると後ろからトモミが声を掛けてきた。

 

「ヒロヒロ。」

「トモミさん?どうしたんです?」

「あの・・・あの・・・。」

 

トモミは顔を赤くしながらモジモジしている。彼女は勇気を振り絞り、意を決して口を開いた。

 

「ヒロヒロ、明日、時間があるなら・・・私と一緒にお出掛けしませんか?」

「え?トモミさんと・・・ですか?」

「はい・・・急なお誘いで御免なさい・・・。でも、間もなくキンキンの復帰ショーに向けての準備で忙しくなってしまいます。だから・・・もし良ければ・・・明日、一緒に出掛けませんか?勿論、ヒロヒロに何の予定も無ければの話ですが・・・。」

「明日なら大丈夫ですよ。」

「ほ、本当ですか⁉︎」

「ええ。」

 

トモミはヒロキの返事を聞いて笑顔になるとヒロキの両手を掴んで振り回し始める。ヒロキはそんなトモミの姿に振り回されていた。

 

「あ、ありがとうございます‼︎それでは明日、××駅で待ち合わせしましょう‼︎ヒロヒロと一緒に行きたいところ沢山あったんです〜‼︎」

「わ、分かりました‼︎わかりましたから手を離して下さい‼︎」

 

 

 

こうして2人は今日、デートする事になり、今に至る。そしてヒロキはトモミに連れられてある場所に向かっていた。

 

「ヒロヒロ、こっちです‼︎ついて来て下さ〜い‼︎」

 

トモミの後についてヒロキが来たのはフルーツ飴の店であった。ヒロキは店に並べられた飴を見比べ始める。

 

「ここって・・・この前あのバラエティでタレントが来た・・・。」

「はい‼︎若者に人気の飴屋さんです‼︎特に林檎飴とさくらんぼ飴が人気なんですよ‼︎」

「へ〜・・・林檎飴といっても色々な味があるんだね・・・じゃあ僕はシナモンにしようかな。」

「私は普通にシンプルな林檎飴ですぅ〜!すいませ〜ん、これとこれ下さ〜い‼︎」

 

低い身長なため店員に存在を知らせるため、ピョンピョン飛びながらトモミが店員に注文する。そして数分後、2人は頼んだ林檎飴を舐めながら街を散策していた。すると2人は壊されたビルがほとんどほぼ完成に近い状態になった修復現場を眺める。

 

「街の立ち直りは早いですね。ニセウルトラマンベリアルにウーラーの騒動からまだ1ヶ月も経ってないのにあっという間に建物が並びましたよ〜。」

「そうですね・・・確かに早いかもしれません。」

「こうして見ると・・・人間の立ち直る力は逞しい物です。でも、そんな逞しさもヒロヒロがイガイガ達と命を掛けて戦ってくれるからこそ、湧き上がってくるんでしょうね・・・。」

「それは違うと思いますよ・・・。きっとタイガ達ウルトラマンがいなくても・・・人間には元々強く立ち上がる力がある。そして・・・今の世界には怪獣娘がいる。きっと怪獣娘達も活躍してるからこそ、人々の力が更に高くなったんだと思います。」

「ヒロヒロ・・・。」

「クララちゃんのファッションショー、ベニオさん達の大怪獣ファイト、サチコちゃん達のライブ・・・どれも心を沸き立てる力を体の底から感じました。キラキラ輝いて活躍する彼女達の姿があるからこそ、今を生きる人達は明日もまた頑張ろうと思える・・・僕はそう思ってます。」

「ヒロヒロ・・・。」

 

トモミは街を見つめるヒロキの顔に目をとられる。ヒロキのその真っ直ぐな瞳を見て心の底からヒロキの言葉を感じたトモミはヒロキに向かって真っ直ぐ向かい合った。

 

「ヒロヒロ・・・改めてGIRLSに入ってくれてありがとうございます・・・。あの時、ヒロヒロをGIRLSに入れた事は・・・決して間違いじゃなかった・・・私は改めて・・・そう感じました。」

「トモミさん・・・僕の方こそありがとうございます・・・。僕をGIRLSに入れてくれて・・・。」

「さ、そろそろ先に進みましょうか。ヒロヒロと行きたいところ、沢山ありますから‼︎」

 

 

 

 

 

 

林檎飴を食べながらヒロキとトモミか向かった先は最近オープンした植物園だった。ヒロキはトモミと一緒にコスモスの花を眺めている。

 

「綺麗ですね〜。」

「コスモスの花・・・ですか。そういえばタイタスから聞いたんですけど、ウルトラマンにもコスモスって名前の人がいるらしいですよ。」

「コスモス・・・ああ、ウルトラマンコスモスですね‼︎知ってます‼︎GIRLSの記録にもありましたよ‼︎慈愛の戦士と呼ばれていて・・・無闇に怪獣を倒さず、心を鎮めてあげたと資料にありました‼︎」

「当時、地球の脅威だったカオスヘッダーまで助けてあげたらしいですからね・・・。」

「それも記録に残っていました・・・本当に優しくて綺麗な心の持ち主だったんでしょうね・・・ここに咲いてるコスモスの花のように・・・。」

 

 

植物園を後にした2人はアトラクション施設を訪れていた。ヒロキがトランポリンに乗って何度もジャンプしながら高さか知らされた壁にタッチする中、運動能力の低いトモミはとても跳ね飛ぶトランポリンに恐怖を感じている。

 

「ヒロヒロ〜、私やっぱり怖いです〜‼︎」

「大丈夫ですって‼︎もしものために安全紐も付いてますから‼︎」

「でも〜・・・。」

 

ヒロキはトランポリンから降りてトモミに駆け寄ると彼女の手を握る。突然手を握られたトモミは顔を赤くしながら困惑した。

 

「ひ、ヒロヒロ⁉︎」

「もしもの時は僕がトモミさんをキャッチしますから安心して下さい。だから、頑張って。」

 

トモミは年下である思い人の励ましを受けて勇気を出してトランポリンに上がる。そして勇気を振り絞ってトランポリンを飛んだ。

 

「えーい‼︎」

 

元々運動能力が低いトモミは最低ラインまでしかいかなかったものの心の底から安堵を感じている。

 

「や、やった・・・私、飛べました‼︎」

「トモミさん、全然出来るじゃないですか‼︎・・・よく頑張りましたね。」

 

ヒロキは思わずトモミの頭を撫で始める。するとトモミは頬を膨らませながら口を開いた。

 

「む〜、子供扱いしないでください〜‼︎私、これでもヒロヒロより年上なんですよ〜‼︎」

「ああ‼︎御免なさい・・・つい‼︎」

「全く・・・結構皆さん勘違いしちゃうんですよね〜。私はれっきとした大人だって言うのに〜‼︎」

「本当に御免なさい‼︎悪かったですって‼︎」

 

その後、近くのクレープ屋のクレープを奢る約束をして、2人はクレープ屋に立ち寄り、クレープを買う。ヒロキの奢りで買ったチョコバナナと苺のクレープを手に取るとトモミは笑顔で頬張り出す。

 

「ん〜‼︎美味しいです〜‼︎」

「そうですか・・・それは・・・良かったです。それで・・・その・・・本当に申し訳なかったです・・・。」

「いいですよ〜、許します。今度から気をつけて下さいね。」

「ええ。」

 

ヒロキもチョコアイスとカスタードクリームが入ったクレープに口をつける。2人がクレープを完全に食べ終えるとヒロキがトモミに訊ねた。

 

「次は何処に行くんですか?」

「え〜とですね・・・次は」

「か、怪獣だぁぁぁぁぁ‼︎」

「逃げろぉぉぉぉ‼︎」

「え?怪獣⁉︎」

「ヒロヒロ、あれを‼︎」

 

突然騒ぎ出した周りの言葉を聞いてトモミが彼らが逃げて来た方向を見て、ヒロキに呼び掛ける。ヒロキがその先を見ると耳まで裂けた鋭い牙が並ぶ口にギョロリとした目、鼻先に一本、後頭部に2本の角を備えた怪獣が街の電柱から電気を吸い取っていた。初代ウルトラマンと戦った透明怪獣『ネロンガ』が街の電気を吸収していたのである。

 

「ギイイイイイン‼︎ギイイイイイイン!!!

「あれは透明怪獣・・・ネロンガ‼︎」

「お爺ちゃんの手帳にも載ってました‼︎確か・・・電気を食べる怪獣・・・でも・・・何処から現れたんだ⁉︎」

「それを考えるのは後にしましょう‼︎私は市民を安全な所に避難させます‼︎ヒロヒロ達はネロンガを‼︎」

 

ヒロキは頷くとトモミと別れてネロンガに向かっていく。トモミは焦る人々を落ち着かせながら避難誘導を行う。その時、ネロンガが後頭部と鼻先の角を合わせて電撃を放った。電撃はトモミの後ろに立つビルに命中し、ビルが崩れ落ちる。

 

「キャアアアアアア‼︎」

 

トモミが押しつぶされると思った時、光と共にヒロキが変身したウルトラマンタイガが現れてビルを受け止める。その姿を見たトモミは明るい笑みを浮かべた。

 

「ヒロヒロ‼︎イガイガ‼︎」

 

タイガはトモミに頷くとビルをその場に下ろしてネロンガに向かっていく。ネロンガは再び電撃を放った。タイガはネロンガの電撃を受けて思い切り吹っ飛んだ。

 

「シェアアアッ‼︎」

(‼︎・・・結構効くなこれ・・・しかもかなり痺れたし・・・。何でウルトラマンはコイツの電撃を胸で受け止められたんだよ・・・。)

『そんなの・・・俺が知りてえよ‼︎』

 

タイガがヒロキの呟きに文句を言う中、ネロンガは透明能力で忽然と姿を消す。タイガが周りを見渡しながらネロンガを探すと背中からネロンガが突進を仕掛けて来た。タイガはネロンガの突進を受けて前から崩れ落ちる。

 

『ぐっ⁉︎コイツ、また消えやがった‼︎』

 

タイガが振り向いて周りを見渡すもまたしてもネロンガのすがたは見当たらなかった。すると後ろから電撃が飛んできてタイガを吹っ飛ばす。

 

『ぐわあああ⁉︎』

(タイガ‼︎)

.

再びタイガは辺りを見渡す。しかし、ネロンガの姿は完全に見えなくなっている。タイガが探す中、ヒロキが声を上げた。

 

(タイガ、相手は透明になってるだけだ。この場から消えてる訳じゃない。あんなでかいのが歩いてるんだ。足跡や足音くらい響く筈、そこを狙おう‼︎)

『成る程、名案だ‼︎』

 

ヒロキの助言でタイガは辺りを見渡す。すると広い工事現場の砂の上に足跡が薄らと出てきた。そこにネロンガがいると感じたタイガは腕を十字に組んでスワローバレットを放つ。

 

『そこだ‼︎スワローバレット‼︎』

「ギイイイイイイイン⁉︎」

 

タイガはスワローバレットを受けてネロンガが怯んだ隙に懐に近付き、連続パンチを打ち込む。10発ほど拳を打ち込むと最後の1発とばかりにネロンガの顔面に拳が放たれ、ネロンガが吹っ飛んだ。そしてヒロキは左腕にプラズマゼロレットを出現させるとその力をタイガスパークに読み込ませた。

 

〈プラズマゼロレット、コネクトオン‼︎〉

 

タイガにゼロのビジョンが映るとゼロがワイドゼロショットを放つ時のチャージと同じ動きをしたタイガが腕をL字に組んでゼロの力を宿した光線を放つ。

 

『ワイドタイガショット‼︎』

 

ネロンガも対抗して電撃を放つもワイドタイガショットの威力が電撃に勝り、電撃は掻き消されていく。そしてワイドタイガショットがネロンガに届き、ネロンガは光線をまともに受けて大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

その後、事件の整理のためにGIRLSが出動し、検証やネロンガが出現した理由などの究明が行われた。調査部のエレキングがいつの間にか怪獣娘に変身したトモミことピグモンに報告する。

 

「どうやらこの事件の犯人は宇宙人よ。この星に宇宙船な不時着したらしく、宇宙船の修理のためにネロンガをヴィラン・ギルドから買って街の電気を奪っていたらしいわ。」

「成る程・・・そういう事でしたか。ご苦労様です、エレエレ。」

「・・・礼には及ばないわ・・・ウインダム、マガバッサーにマガジャッパ、貴方達どうしたの?」

 

エレキングが声を掛けた場にはアギラ達に連行される宇宙人の集団があった。3人は何処か不安げな目をしている。

 

「いや・・・キングジョーさんの復帰ショーまであと少しなのにまたこんな事件が起きるなんて・・・って思って・・・。」

「そうっスよ・・・このまま事件が続けば・・・キングジョーさん、再びステージに立てなくなっちゃうじゃないスか・・・。」

「この先、大丈夫なのでしょうかって・・・思って・・・。」

「大丈夫だよ。」

 

不安げな3人にヒロキが声を掛ける。3人がこちらを向いた事を確認したヒロキは続けて口を開いた。

 

「大丈夫、人が立ち直る力は強いんだ。例えどんな事件が起きても・・・何度だって立ち上がってみせるよ。」

「ヒロキさん・・・。」

「それに・・・僕がいる限り・・・何度怪獣事件が起きても・・・僕が食い止めてみせるさ。だから・・・クララちゃんの晴れ舞台は絶対に成功させてみせる。絶対にね‼︎」

「フフ、それでこそヒロキデース‼︎ヒロキ、当日はよろしくお願いシマスネ〜‼︎」

 

ヒロキの言葉を嬉しく感じたキングジョーがヒロキに抱き付く。するとキングジョーは目が笑っていない笑顔でヒロキの耳に呟いた。

 

「それで・・・今日はどうだったんデス・・・?」

「へ?何が⁉︎」

「惚けるつもりデスカ〜?ピグモンとのデートデスヨ〜。詳しく聞きたいデスネ〜。」

「べ、別に一緒に林檎飴食べたり、植物園行ったりなどしただけだよ‼︎本当にそれだけだって‼︎」

「本当に〜‼︎うちらも詳しい事聞きたいな〜‼︎」

「ミカヅキさんまで⁉︎いや、僕本当に嘘なんか」

「別に疑っている訳じゃないですけど・・・詳しく今日の事聞きたいだけですって・・・。」

 

ヒロキはゴモラ、レッドキング、マガコンビの視線に恐怖を感じるとキングジョーの拘束が緩んだ隙に抜け出す。当然、ヒロキに想いを寄せる者達はその後を追いかけ始めた。

 

「あっ、逃げる気デスカ⁉︎」

「あっ、待てぇぇ‼︎」

「逃さねえぞぉぉ‼︎」

「勘弁して下さぁぁぁぁい‼︎」

 

この後、ヒロキとキングジョー達の壮絶な追いかけっこか夜まで繰り広げられたとか・・・。ヒロキが彼女達から逃げ切れたかどうかは・・・未だに分からないままだったという。




これから先タイガ編、Z編、トリガー編を連載するにあたってどの話を更新したか分かりやすくするため、最新話にはNEWの文字を入れました。
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