怪獣娘×令和ウルトラマン クロスオーバーユニバース スピンオフ集 作:特撮恐竜
本当はヘビクラさんの話を書こうと思ったのですがマコの話の方がスムーズに浮かんでしまいまして・・・急遽変更致しました‼︎
時系列は二期後〜怪獣娘Z前です‼︎
印南マコになった日
シャドウジェネラルとの戦いから一週間後、GIRLS東京支部のとある部屋のベッドで横たわっている少女がいた。その少女は不機嫌そうや表情をしていた。その時、足跡が聞こえて来る。そして足音が近付き、彼女の前にやってきたのはトモミだった。
「お元気ですか〜、もう1人のガツガツ?」
「これが元気そうに見える?」
「窮屈な思いをさせたのは本当に申し訳ありません・・・でも、貴方が人間社会で暮らしていけるか検査しなければいけませんから・・・。」
「色々と面倒ね・・・人間社会って・・・。シャドウジェネラルとの戦いで分離したわたしの戸籍やら何らやらでさ・・・。」
そう、ここにいるのは印南ミコがシャドウミストに取り憑かれた時、分身ごとシャドウを切り離した結果生まれたもう1人のガッツ星人である。シャドウミストの支配から解放され、彼女自身は本体であるミコの体に消えていくと思っていた。しかし、実体が余りにも強すぎたのか彼女は1人の怪獣娘として存在してしまったのである。そこでGIRLS東京支部は彼女に人間社会で暮らしていけるかを計測する検査やテストをしていたのだ。
「本当にお疲れ様です・・・。」
「で、どうだったの?わたしの体は?3日間も掛けて調べたんだから結論は出たんでしょうね?」
「はい、勿論です‼︎貴方の体を調べた結果、普通の人間と変わらない構造をしていました‼︎よって貴方に人間社会で暮らす許可が出ましたよ‼︎」
「そう・・・普通に暮らせるのね・・・。」
「ただ、貴方にはこのGIRLSでもう1人のガッツ星人の怪獣娘として所属してもらう事にもなりました・・・。」
「・・・やっぱりそうなるのね。」
シャドウガッツはトモミの言葉に顔を曇らせる。そんな彼女の思考を察したトモミは慌ててフォローの言葉を掛けた。
「だ、大丈夫です‼︎少なくともわたし達と一緒にいる事で貴方の安全も保証されますし・・・住む場所も用意出来ます‼︎給料だって出ますから食べたい物や欲しい物も買えますし、趣味が出来ればそれに取り組む事も出来ます‼︎やりたい事が出来れば部活などもありますから入れば取り組む事だって出来ますよ‼︎」
「そんなもの・・・ないわよ・・・。」
「大丈夫です‼︎貴方はまだ生まれたばかりなんです‼︎これから幾らでも見つける事が出来ますよ‼︎」
トモミの言葉を聞いてシャドウガッツは考え始める。真剣に考えている彼女を見守るトモミの後ろからドアを開けてミコが入ってくる。
「ピグっち、話は終わった?」
「ええ、粗方は。」
「⁉︎・・・何でここに?」
「?迎えに来たからだよ。」
「迎え・・・?」
「あれ?ピグっち、まだ話してない?」
「ああ、そうでしたね。今後貴方の住む場所なのですが・・・ガツガツと同じ部屋に住んで頂きます。」
ミコと同じ部屋に暮らすと聞いてシャドウガッツは嫌そうな顔をする。そんな彼女にミコか腕を組んで詰め寄った。
「当然じゃない。貴方はわたしの妹みたいなものなんだから‼︎わたしと暮らすの嫌なの?」
「・・・貴方は嫌にならないの?自分と同じ顔の奴が一緒に暮らすなんて・・・。」
「別に嫌じゃないよ。わたし、ずっと一人っ子だったし、それに分身しても同じ事を繰り返すだけで虚しかったんだ。・・・思わぬ形ではあったけど、ようやく妹が出来て嬉しかったんだ。だから、一緒に帰ろう。」
「・・・・・・。」
ミコが差し出した手をシャドウガッツも握り返す。その光景を見てトモミも笑みを浮かべた。
「決まりですね。」
「それじゃあ、今日から貴方もわたしの家族だよ‼︎・・・そうだ‼︎名前を付けてあげなきゃね・・・貴方の名前は・・・名前は・・・マコ‼︎印南マコだよ‼︎」
「印南・・・マコ?」
「そう‼︎妹が出来たら1番名付けたかった名前なんだ‼︎・・・嫌かな?」
「印南・・・マコ・・・悪い気は・・・しないわね‼︎」
「じゃあ決まりね‼︎これからよろしく、マコ‼︎」
「あ、ちょっと、引っ張らないでよ‼︎」
ミコがマコの手を取ってそのまま何処かへ連れて行く。トモミが微笑ましそうにその光景を見送るとランがやってきた。
「彼女の事はどう?」
「大丈夫です‼︎いざという時はガツガツもいますから‼︎きっと何とかなりますよ‼︎」
「そう・・・。」
「ここがわたしの部屋・・・?」
「そう、今日から貴方はここで暮らすんだよ、マコ‼︎」
ミコがシャドウガッツに『印南マコ』と名付けて彼女を連れて行った先は自身が住む家だった。ミコはマコに家の中を案内する。
「生活に必要な家具は全部GIRLSが出してくれたけど、何か他に欲しい物はある?」
「無いわ。・・・わたしには充分すぎるくらいよ・・・。」
「そっか・・・良かった。」
その時、夕暮れを示すサイレンが鳴り響く。それを聞いた途端、マコのお腹の音が鳴り響いた。
「あっ・・・。」
「ふふ、そろそろお腹空く頃合だよね。夕飯の準備しよっか。準備してくるからマコは適当に寛いでて‼︎」
「・・・寛いでて・・・ってどうすればいいってのよ。」
ミコがマコの部屋を出ていくとマコはどうしようか悩み始める。数分考えた彼女は部屋を出てリビングに出るとTVを見つける。思わず彼女はリモコンを手に取り、TVを点けた。
「何か面白い番組・・・やってないかしら?」
リモコンを操作して適当にチャンネルを変えているとTVの画面がドラマに切り替わる。数分間、眺めていると再びリモコンを操作して別の画面に切り替える。
「つまらない・・・次・・・。」
次に画面に移ったのはバラエティ番組だった。画面には司会の横の席に様々なタレントが座っている。マコはその中で右奥の画面に注目した。そのタレントの中に怪獣娘のゴモラが写っていたのだ。自分が知る顔をTVで見て思わず彼女はTVに顔を近づける。
「これって・・・ゴモラ⁉︎何でTVに?」
「ゴモは大怪獣ファイターだけじゃなく様々なタレントをやってるからね‼︎結構バラエティ番組に出る事も多いんだよ‼︎」
「ふーん。」
「はい、夕飯の準備出来たよ‼︎マコも席に座って‼︎今夜はシチューだよ‼︎」
テーブルにクリームシチュー、サラダ、パンに加えデザートのオレンジ、グレープフルーツの盛り合わせが並び立つ。2人は向かい合わせに席に座った。
「それじゃあ、頂きます‼︎」
「・・・頂きます・・・美味しい・・・。」
「本当⁉︎良かった‼︎・・・ねえマコ・・・明日は服を買いに行こうよ‼︎」
「服を・・・?」
「うん、マコも私服欲しいでしょ‼︎何より・・・女の子はお洒落しなきゃ‼︎」
「・・・まぁ・・・いいわよ。・・・それより・・・おかわりある?」
「もう食べたの⁉︎早いね〜、流石わたし‼︎勿論おかわりもあるから沢山食べてね‼︎」
「それじゃあ・・・。」
2人は食事を終えると風呂を沸かし、先にマコが入っていた。マコは湯船に浸かりながら夜の外をぼーっと眺めている。するとミコがドアを開けて入ってきた。
「マコ、一緒に入ろう‼︎背中流してあげるよ‼︎」
「ちょっ⁉︎アンタ急に入ってくるんじゃないわよ‼︎」
「まあまあ‼︎いいからいいから‼︎」
マコは湯船から強制的に出されるとミコに背中を洗われる。マコの背中を洗うミコの顔は嬉しそうな顔をしていた。
「おお〜‼︎流石わたし‼︎お肌も綺麗だね〜‼︎痒いところはない〜?」
「・・・無いわ。」
「そうか・・・良かった・・・マコ、わたしね、ずっと妹が欲しかったんだ・・・。」
「妹が?」
「わたしの両親、結構忙しい仕事についてて、一人っ子だったからずっと家で留守番する度に兄弟が欲しいと思ってたの。怪獣娘になってからはさ、分身が出来る宇宙人の力で何度か分身して時間を潰しても同じ動きをするだけで余計に虚しくなっちゃって・・・だからマコと一緒に暮らせてとても嬉しい・・・。」
「・・・ミコ・・・。」
「折角こうやって生まれてくれた訳だしさ、これから一緒に楽しい思い出作って行こうよ。・・・だからさ、明日の買い物は目一杯楽しも‼︎ね‼︎」
「・・・仕方ないわね・・・。」
そして翌日、ミコとマコはマコの私服を買うべく街に買い物に出ていた。服屋から出てきた2人の両手には紙袋が握られている。
「いやあ〜、沢山買ったわね〜。」
「一部は貴方の分も入っているでしょ」
「アハハハハ‼︎そうだったそうだった‼︎」
笑いながら足を進めるミコの後ろをマコがついていく。その時、建造中の工事現場に積み重ねられた鉄骨の山に新たな鉄骨が落とされた。その時、新たな衝撃を受けた事で鉄骨が滑り落ち、下にいた女の子と母親に降り注ごうとする。
「うわっ‼︎鉄骨が崩れる‼︎」
「えっ・・・⁉︎」
「ママぁ‼︎」
「危ない‼︎」
自分の体を盾にして娘を守ろうとする母親を見てミコは思わず駆け出そうとする。しかし、隣のマコは既にソウルライザーを構えるとその画面をタップして怪獣娘に変身した。
「ソウルライド、ガッツ星人‼︎」
「え?・・・ま、待ってマコ‼︎」
マコが変身したガッツ星人は最初に落ちてきた鉄骨を飛び蹴りで吹き飛ばすと親子を抱えて瞬間移動する。
「⁉︎・・・わたしは何を⁉︎」
「あ、ありがとうございます・・・‼︎」
「おーい、大丈夫ですか⁉︎」
ガッツ星人(マコ)は思わず正気に戻り自分の行動に疑問を抱く中、工事現場の監督らしき者が駆け寄ってくる。ガッツ星人(マコ)に助けられた2人は彼女の傍で作業員の質問に答える。
「はい、わたし達は無事です‼︎」
「怪獣娘のお姉ちゃんが助けてくれたもの‼︎」
「そうですか・・・本当に良かった・・・この度は申し訳ございません‼︎・・・貴方もありがとうございます、お陰で大惨事から免れました‼︎」
「いや・・・わたしは・・・その・・・。」
「怪獣娘のお姉ちゃん‼︎」
ガッツ星人(マコ)に助けられた少女は彼女に飴玉を渡す。そして笑顔を浮かべながら礼を言った。
「ありがとう、怪獣娘のお姉ちゃん‼︎はい、これあげるね‼︎」
「あ・・・ありがとう・・・。」
話が終わり、親子が彼女から離れていく。こちらに手を振る女の子を真っ直ぐ見送ったマコの横にミコがやってきた。
「やるじゃん、マコ。」
「・・・わたしは・・・どうして・・・。」
「それはマコにも誰かを守りたいという気持ちがあったからだよ‼︎だから咄嗟に動いてあの子を助ける事が出来たんだって‼︎」
「私に・・・助けたいという気持ちが・・・。」
マコはミコの言葉を聞いて以前から悩んでいた疑問をつい口に出す。ミコはその疑問に笑みを浮かべながら答えた。
「わたしは・・・人間なの・・・それとも・・・?」
「マコは人間だよ‼︎人間で怪獣でもあるわたしと同じ怪獣娘‼︎貴方は印南マコ、それ以外の何者でもないよ‼︎」
マコはその言葉を聞いて以降、思い悩んでいた事が少し軽くなった気分になった。
更に数日後、マコはミコの通う高校に通う事になった。ミコと同じ見た目のマコが学校に通っていなければ怪しまれると感じたトモミの判断でマコも学校に通う事になったのだ。マコは自己紹介を終えて机にふて腐れながら座る。
(全く・・・何でわたしが学校なんか・・・。)
「隣の席だね‼︎私、オオタ・ユカ‼︎よろしくね、印南さん‼︎」
「・・・・・・。」
しかし、この日から1か月以上経ってもマコはクラスに馴染めず、友達も出来ないままの状態が続いた。そんなある日、池袋でガタノゾーアの事件が起こる。クラスの日直の都合でブラックスターズと鉢合わせなかったマコだが今回は池袋の市民の避難誘導に参加していた。そして避難誘導が終わり、ガッツ星人(マコ)は変身を解除してため息をついた。
「・・・もうこんなのはごめん願いたいわね・・・。」
「印南さん?」
思わず自身を呼ぶ声がした事で彼女が振り返った先にはクラスメイトのユカがいた。変身解除を見られた事に思わずマコは焦る。
「あ、貴方・・・何でここに⁉︎」
「欲しい本を探して池袋に来てたんだ‼︎それより・・・印南さんって怪獣娘だったんだね‼︎」
「え・・・ええ、まあ・・・。」
「すっげえ‼︎その姿はガッツ星人かな⁉︎わたし、怪獣好きで」
マコはその場から逃げるように走り去ろうとする。ユカは正気に帰ると彼女の手を掴んだ。
「あっ、御免‼︎嫌な事言った⁉︎」
「・・・別に言ってない・・・言ってないけど・・・。」
「じゃあ何で逃げようとするの?もしかして怪獣娘だって事、知られたら引かれると思ったの?別にそんな事しないし、誰にも言いふらさないよ‼︎」
マコは思わずユカに目を向ける。そして夜の池袋の中、マコとユカは向き合った。
「本当に・・・?」
「本当だよ、私、そこまで節操無いことはしないよ。だから、安心して、ね。」
「わたしの事・・・変とか思わない?」
「思わないよ。印南さんはその力でここで起こっていた騒動から皆を守っていたんでしょ。凄いなあって思うよ。」
マコはユカの真っ直ぐな目に彼女が嘘を言っていないと感じる。そんなユカはそのまま言葉を続ける。
「ねえ、印南さん、わたし、良かったら印南さんの事、もっと知りたい‼︎クラスで初めて隣の席に座った訳だし、友達になろうよ‼︎」
「いいの・・・?」
「勿論‼︎これからはユカって呼んで‼︎」
「・・・・・・分かったわ・・・ユカ。」
「これから宜しくね‼︎マコ‼︎」
マコとユカはその日、初めて握手した。その手のこごち良さにマコはこの日、初めて友情というものに触れる事になるのだった。
そしてガタノゾーアの騒動から更に数ヶ月後、マコはユカと一緒に下校していた。
「それでさ、今回の大怪獣ファイトはさ〜・・・。」
「それ、知ってるわよ。あれは確かに・・・。」
マコは上を見上げながら突然口を閉じる。彼女が突然上を向いた事にユカも気になり、見上げると空から隕石のような何かが降りてこようとしていた。
「何あれ?」
「・・・隕石・・・かな?」
やがてそれは地面に激突するとその真の姿を現す。それは地球から消えた筈の怪獣だったのだ。宇宙から落ちてきた凶暴宇宙鮫『ゲネガーグ』が咆哮を上げる。
「ゴアアアアアアアア‼︎」
「か、怪獣⁉︎そんな・・・嘘でしょ‼︎」
「ユカは先に避難してて‼︎」
「う、うん‼︎気を付けてね‼︎」
ユカの言葉に頷くとマコはガッツ星人(マコ)に変身してゲネガーグに向かっていく。この事がGIRLSの新たな戦いの始まりになるのだった。
後半、かなり時間が飛びましたがどうかご了承下さい‼︎