怪獣娘×令和ウルトラマン クロスオーバーユニバース スピンオフ集 作:特撮恐竜
後編は・・・次回までお楽しみに‼︎
クララの記者会見から3日後、ヒロキは大怪獣ファイトのチラシ配りを手伝っていた。その横にはミクラスとマガバッサー、マガジャッパもいる。
「こういうの地味な活動もやるんだね・・・。大怪獣ファイトって結構人気あるからこういう事やらないと思ってたよ。」
「そもそもGIRLS自体、近年結成されまシタカラネ。大怪獣ファイトもそこまで長い歴史があるわけじゃない分、知名度もまだまだなんデス。」
「へー・・・。」
キングジョーの説明でヒロキはまだ怪獣娘の活動は知名度の高さの割に殆どの人が知らない苦労があると感じていた。
「さっ、チラシ配りを始めまショウ。ワタシも手伝いマスカラ。」
「そうだね・・・チラシ全部配ってもっと皆に大怪獣ファイト見てもらおうか!」
「フフ、張り切ってマスネ。でも、チラシが減らないからと言ってばら撒いたりしちゃ駄目デスヨ〜。」
しないよ、そんな事!ていうかそんな事する人いる?いないでしょ。」
ヒロキがキングジョーの忠告に返事を返した途端、ミクラスとマガバッサーが黙り込んだ。2人とも何処となく目を逸らしている。2人の様子が気になったヒロキは思わず訊ねた。
「あ、あのさ・・・・ミクラスさんもマガバッサーさんもなんで目を逸らしてるの・・・・?・・・・・・まさか2人とも」
「・・・・・うん。」
「・・・・・やったんだ・・・・。」
「・・・・・わたしの場合は・・・・・・ジャッパいなかったらやってたかも・・・・・しれないです・・・・・。」
「・・・まぁ・・・チラシばら撒いた前科のある人が2人もいたので・・・・一応忠告ヲ・・・。」
「安心して、絶対にやらないから。」
そしてヒロキ達のチラシ配りが始まった。その傍らでヒロキはミクラスとマガバッサーと話しながらチラシを配っている。
「・・・あのさ2人とも・・・なんでそんな事・・・。普通に考えればチラシばら撒くなんて・・・・。」
「しょうがないじゃん・・・・さっさと終わらせたかったんだもん。こんか地味な事やりたくなかったし・・・・。」
「でも・・・それで怒られたら本末転倒じゃん・・・・。」
「一応、わたしは未遂で終わりましたよ・・・・ジャッパいなかったら危なかったですけど・・・・。」
「まぁ、気持ちは分かるけどさ。コツコツ頑張っていこうよ。多分、皆さこういうのを積み重ねて少しでも怪獣娘について理解してもらってたんだろうからさ。」
「うん・・・そうだね。」
「あの・・・皆さん、キングジョーさんがもうチラシ配り終わりそうです・・・・・。」
「「「えっ⁉︎」」」
マガジャッパの声でヒロキ、ミクラス、マガバッサーはマガジャッパの視線の先に目を向ける。するとそこには大勢の人が順番にキングジョーからチラシを貰っていた。既に彼女の手元にはチラシの束が数枚しか無かった。
「皆さん、ドウゾ‼︎」
「あ、ありがとうございます‼︎キングジョーさん‼︎」
「キングジョーさんに勧められたからには絶対に今度の大怪獣ファイト見ます‼︎」
「マジか、クララちゃん凄いな・・・もう配り終わりそうだよ・・・。」
「キングジョーさん、本当に大人気のモデルだからね・・・。以前、アギちゃんが握手会の警備に入ったらしいけど・・・その時も大勢のファンが来たらしいよ。」
「ヒロキさん、幼馴染なんですよね?キングジョーさんの人気ぶりを知らなかったんですか?」
「いや・・・人気があるのは知ってたけど・・・・ここまでとは思わなかった・・・・。」
「おジョーさん‼︎」
ヒロキとミクラス、マガバッサーがキングジョーを横目に話している中、1人の黒服を着た男性がやってきた。ヒロキはその顔を見てミクラス達に目の前の男性について聞く。
「あの人、確か前にも日比谷公園に・・・。」
「ああ、JJさん。キングジョーさんの大ファンなんだ。確かアギちゃんが警備に参加した握手会にもいたらしいし。」
「クララちゃんの・・・大ファン・・・。」
「わたしとジャッパがキングジョーさんの握手会の警備に当たった時もいましたよ。キングジョーさんが出るイベントには必ず来てますからもう常連ですよ。」
ヒロキとミクラス、マガバッサーの視線の先ではJJがキングジョーからチラシを貰っている。その時、JJは神妙な表情で言葉を発した。
「おジョーさん、この前の記者会見見ました・・・モデル・・・暫く停止するそうですね・・・。」
「エエ・・・色々あって・・・暫くハ・・・・・。」
「そうなんですね・・・・でも私はいつでも待ってます‼︎キングジョーさんか再びステージの上に立って輝く日を‼︎」
「JJさん・・・・。」
JJの言葉に感銘を受けるキングジョー。すると彼に続いて彼女からチラシを貰ったファンがキングジョーに激励の言葉を送り始めた。
「キングジョーさん、俺達も待ってます‼︎」
「僕も貴方のお陰で辛い事を乗り越えられました‼︎キングジョーさんならもう一度立ち上がれるって信じてます‼︎」
「だから頑張って下さい‼︎私達いつまでも待ってますから‼︎」
ファンの皆からの励ましの言葉にキングジョーは目を潤わせていた。そして泣きそうになるのを堪えると彼女は高らかに宣言した。
「皆さん、ワタシは絶対に帰ってキマス‼︎それまで・・・・それまで・・・待ってて下サイ‼︎」
「おジョーさーん‼︎」
「絶対に負けないでー‼︎」
「あたし達いつまでも応援し続けるからー‼︎」
キングジョーの言葉に応えるファンにミクラス、マガバッサー、マガジャッパの3人は明るい顔を浮かべている一方でヒロキは下を向いて俯いている。そんなヒロキの様子が気になったのかマガバッサーが話しかけた。
「ヒロキさん、どうしたの?」
「えっ・・・ああ・・・・いや、何でもない。」
マガバッサーはヒロキの答えに一応は納得してキングジョーに視線を向ける。その後、キングジョーがその場にいた事でチラシ配りは全てのチラシを配り終える事が出来た。
その数日後、ヒロキはザンドリアスとノイズラー達のライブ会場の手伝いをしていた。その場には当然クララもいる。ヒロキはライブに使う音響機器を設置していた。大きな機材を運んで設置したヒロキに気遣いの言葉を掛けるのはホーだ。
「ヒ・・・・ヒロキさん、あ・・・・・あの・・・・大丈夫ですか?」
「ん?平気平気。これくらい楽勝だよ。」
「す・・・・・凄いです・・・・さ・・・・・流石男の子ですね。」
「いやいや大した事無いって。」
「おーい、ヒロキ‼︎」
そこにザンドリアスとノイズラーがやってきた。ヒロキは2人の姿を見ると音響機器を設置した場所を確認する。
「ザンドリアスにノイズラー‼︎2人ともこれはここで大丈夫?」
「どれどれ・・・うん‼︎バッチリ‼︎」
「次はどれを運ぶ?」
「後は・・・ちょっと待って。ノイ、次は」
「ちょっ⁉︎ちょっと待って下さい、キングジョーさん‼︎」
ヒロキが次に運ぶものを聞いてザンドリアスが確認しようとするとノイズラーがキングジョーを呼び止める声が聞こえてきた。ヒロキ達がその先を確認するとキングジョーが照明器具とカメラを設置しようとしているのをノイズラーが止めていた。
「キ、キングジョーさん‼︎それくらいアタシ達がやりますよ‼︎キングジョーさんにこんな仕事させる訳には‼︎」
「大丈夫デスヨ、ワタシだってパワーはありまマスカラ‼︎ノイズラーちゃん、これぐらいワタシにやらせて下サイ‼︎」
「で・・・・でも・・・・。」
「今のワタシはモデル活動を停止させられた身・・・・少しでもワタシに出来る事をやってやり直すって決めマシタ。だから・・・ワタシに任せて下サイ‼︎」
ノイズラーはキングジョーの顔を見てどうすべきか悩み始める。つい最近まで人気モデルとしてステージの上に立って光り輝いていた身である彼女にこんな雑用や裏方の仕事をさせる事に申し訳なさを感じていたのとパワフルな彼女の助けを借りてこの仕事をさせるかで悩んでいるのだ。そこにザンドリアスとヒロキがやってきた。
「ノイズラー、君の気持ちも分かるけど・・・クララちゃんがこう言ってるんだから手伝わせてあげなよ。」
「そうよ、先輩のご厚意には甘えないと‼︎」
「ヒロキ・・・ザンドリアス・・・・・・・分かりましたよ、キングジョーさん、照明とカメラ、頼めますか?」
「任せて下サイ‼︎」
キングジョーは手に持った照明器具などを持って空を飛び高い場所に設置していく。そして全ての準備を終え、ライブが開催した。
「皆ー‼︎お待たせー‼︎」
「今日も来てくれてありがとな‼︎今日のライブも盛り上げていくぜ‼︎」
「み・・・皆さん・・・・再び怪獣が現れる騒動が続いて大変な思いをしていると思います・・・・。でも・・・こんな時だからこそ私達の歌を聞いて元気を出して下さい‼︎」
「最初の曲はこれだよ‼︎『Ultra Spiral』‼︎」
「凄いな・・・・。」
ヒロキはザンドリアス達のライブを見て思わず声を零さずにはいられなかった。隣にいるキングジョーが彼女達について説明し始める。
「ザンドリアスちゃん達はGIRLS芸能課の中で期待の星と言われてマスカラネ。数々のライブを経て今では多くのファンを持つ大人気バンドになりマシタヨ。」
「思えば日比谷公園でも凄かったな〜。2人とも僕より年下だよね?」
「ちなみにホーちゃんにメカギラスちゃんも中学生デス。バンドのメンバーはモゲドンを除けば全員ワタシ達より年下デスヨ。」
「へっ?モゲドン?」
「ああ、彼女は臨時のメンバーデス。以前、ホーちゃんが体調を崩した時に助っ人で入りマシタ。今日はこの場にはいまセンヨ。」
「そうなんだ。」
「エエ。・・・・それにしてもザンドリアスちゃんも・・・ノイズラーちゃんも・・・・ホーちゃんも・・・・・メカギラスちゃんも・・・・・・ステージの上でとても輝いてイマスネ・・・・。」
「クララちゃん?」
ステージで観客を盛り上げるライブをするザンドリアス達を見てキングジョーは少し顔を俯かせ羨ましそうな言葉を呟く。ヒロキはそんな彼女を見て心配の言葉を掛けた。
「クララちゃん、大丈夫?」
「え・・・イエ・・・・ワタシは大丈夫デスヨ!・・・・ホラ、今はライブを見ましょう‼︎凄くpassionを感じるライブデスカラ‼︎」
「う・・・・うん。」
自身を心配してくる幼馴染をどうにか誤魔化すとキングジョーはヒロキにステージに集中するよう促す。ヒロキは負に落ちない様子であったが彼女の言う通りステージに再び目を向ける事にした。
「皆さーん‼︎本日のお仕事はここまでです‼︎今日1日お疲れ様でした‼︎」
やがてライブが終わって後片付けを済ませるとヒロキはため息をつきながら座り込んだ。
「は〜・・・凄く疲れた・・・・・・わっ⁉︎」
座り込んだ時に頬に冷たい感触を感じたヒロキは振り向くと後ろに立ったクララが両手に冷えた缶ジュースを備えていた。クララは笑顔でヒロキに右手の缶ジュースを差し出す。
「フフ、今日はお疲れさまデス、ヒロキ。これ、差し入れデスヨ。」
「あ、ありがとう、クララちゃん。・・・・プハ〜、疲れた体に染みるよ、これ。」
「フフ、これから先もローランちゃんのショーやゴモラのトークイベントなどの手伝いにも呼ばれると思いますが、ヒロキなら大丈夫そうデスネ。なんなら、芸能課に向いてると思いマスヨ。」
「そ、そうかな。・・・なんか実感湧かないけど・・・。」
「ヒロキ!キングジョーさん‼︎」
サチコ達はヒロキが缶ジュースを飲みながら話している横にサチコ達がやってきた。クララとヒロキはライブの主役に労りの言葉を掛ける。
「皆、今日はお疲れ。」
「とっても楽しいライブデシタヨ。」
「あ、ありがとうございます・・・・。」
「ヒロキもありがと、今日は助かったよ‼︎」
「またよろしく頼むぜ‼︎」
「ああ、分かったよ。」
「今日は本当にお疲れ‼︎キングジョーさんもお疲れ様でした‼︎じゃ、また‼︎」
「エエ‼︎またデスネ‼︎」
「・・・・僕達も帰ろうか。」
「エエ。」
彼女達はヒロキ達より先に帰っていった。やがてヒロキとクララも顔を合わせると帰路につき始める。荷物を抱えて一緒に歩く中、ヒロキは立ち止まった。
「・・・あのさクララちゃん。」
「どうしマシタ?ヒロキ。」
「・・・本当はさ・・・モデル停止させられて辛いんでしょ。」
「‼︎・・・そんな事ないデス!」
「嘘だ!本当に辛くないならステージの上に立っているザンドリアス達に対してあんな顔にならないよ!本当は辛いんでしょ。僕の前では隠さなくていいよ。」
「ヒロキ・・・・。」
「言ったじゃないか。どんなクララちゃんでも僕は受け入れるって。君の辛い感情全て受け止めるって。」
ヒロキの言葉を聞いたクララは思わず彼の胸に飛び込んできた。そしてヒロキの胸の中に顔を埋めると泣き出し始める。
「うう・・・・うわああああああん‼︎・・・・ワタシ・・・・最低デス・・・・ステージに立っているザンドリアスちゃん達を見て妬ましい気持ちになるなんて・・・・ワタシはステージにだって輝かなくなったのにあの子達だけズルいなんて・・・・思ってしまうなんテ・・・・。」
ヒロキは暫く泣く彼女に黙って自身の胸を貸していた。そのままクララは泣き続ける。泣き続けるクララにヒロキは謝罪の言葉を告げた。
「クララちゃん・・・本当にごめんね。幼馴染の僕が君を支えなきゃいけなかったのに・・・僕の力が足りないばっかりに・・・本当にごめんね。」
ヒロキも自身の不甲斐なさと無力感を自覚して涙を流し始める。やがて2人はそのまま涙を流し続けた。やがて泣き止んだクララがヒロキから離れる。
「落ち着いた?」
「エエ。」
泣き止んだクララにヒロキは安堵の表情を浮かべる。クララはヒロキの顔を見て向き合うと笑顔を浮かべながら言葉を放つ。
「ヒロキ、ありがとうございマス。アナタのお陰で落ち着けマシタ。」
「言った筈だよ、どんなクララちゃんでも受け入れるって。」
「フフフ・・・ヒロキは昔と変わらず優しいデスネ。」
「クララちゃん?」
「ヒロキ、先程アナタは自身を卑下していましたが・・・アナタは無力なんかじゃありマセンヨ。ヒロキはとっても逞しくなりマシタ、暴走したワタシに怯えることなく立ち向かっていったんデスカラ。」
「クララちゃん・・・。」
「だからあまり自身を卑下しなくていいんデスヨ。アナタは本当に強くなりマシタカラ。」
2人は改めてお互いを確認した。すると周りが暗くなってきてることに気付く。
「ヒロキ、何か食べて帰りマセンカ?」
「いいよ、もう暗くなってきたしね。」
「じゃあ、出発デース‼︎実はこの辺で気になる店見つけたんデスヨ。」
「そうなの?じゃそこにしようか。」
「それなら出発デース‼︎行きマスヨ、ヒロキ‼︎」
「えっ?ああ、うん。」
クララはヒロキの手を取ると暗くなった街の中をかけていった。
綺麗に終わったと思う人もいると思いますがもう少しだけ続きます。
ご了承ください。