怪獣娘×令和ウルトラマン クロスオーバーユニバース スピンオフ集   作:特撮恐竜

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時系列は『夕映えの戦士』の後です。


それぞれの生き様

ナックル星人オデッサとの戦いから3日、ヒロキは暗い表情でGIRLSの休憩室で祖父の手帳に貼られたナックル星人の写真を見つめていた。そんなヒロキの様子を知らないミカヅキが話しかけてくる。

 

「おーい!ヒロちゃーん‼︎」

「・・・・・・。」

「どーしたの、そんな暗い顔して!また何か失敗しちゃったの?」

「・・・・・・。」

「もー!仕方ないなぁ‼︎人間誰でも失敗する事あるんだからそんなに落ち込む事無いって‼︎次から気を付ければいいんだよ‼︎」

「・・・・・・。」

「だからいつまでも落ち込まない‼︎そうだ‼︎これからアギちゃん達とたこ焼き食べに」

「煩い‼︎」

 

突然怒鳴ったヒロキにミカヅキは驚きを隠せない。ヒロキは感情のままミカヅキに言葉を続ける。

 

「人の気も知らないで軽々しく落ち込まないとか口にすんなよ‼︎こっちはそんな気分じゃないんだよ‼︎知り合いが亡くなったんだからな‼︎」

「えっ⁉︎」

 

ヒロキの言葉に流石のミカヅキも動揺を隠さないでいた。ヒロキは頭に血が上っているのか更に言葉を続ける。

 

「前から思ってたけどゴモラさんって無神経なところありますよね‼︎人が気にするところにずけずけと入って騒動になった事あるんじゃないんですか⁉︎」

「そ、そんな事‼︎」

「どうしマシタ?」

 

騒ぎを聞きつけてクララがやってきた。その後ろにはかぷせるがーるずの3人であるアキ、ミク、レイカもいる。ヒロキはクララの声を聞くと少し頭が冷えたのかその場から立ち去っていく。

 

「ちょっ⁉︎ヒロキさん‼︎」

 

ミクの静止も聞かずヒロキはその場を去っていってしまった。アキとレイカが顔を見合わせて何が起きたのか分からず疑問を浮かべている。

 

「ヒロキさん、どうしたんだろう・・・。」

「ゴモたんさん、今度は何したんですか?」

「い、いや・・・わたしにも分からないけど・・・知り合いに不幸があったみたいな事を・・・。」

「ここはワタシに任せてくれマセンカ?ワタシはヒロキとは長い付き合いデスカラ。」

「そういえばヒロキさん、キングジョーさんとは幼馴染みでしたね。じゃあお願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

その後、ヒロキはGIRLSの屋上で手摺りに腕をかけ、物悲しげな表情を浮かべながら街を眺めていた。

 

「小田さん・・・。」

『ヒロキ、いい加減元気出せよ。あの時はああするしかなかったって。』

「フーマ・・・分かってるけどさ・・・そう割り切れるものじゃないって・・・。」

『・・・君の気持ちは分かる・・・だが・・・いつまでも落ち込んでいては・・・。』

『・・・ヒロキ。』

 

トライスクワッドの声を聞いても何処か上の空なヒロキ。そんなヒロキの目の前が真っ暗になる。

 

「だーれダ?」

「・・・クララちゃん、何のつもり?」

「Ohh、そんな怖い声出さなくてもいいじゃないデスカ。」

 

ヒロキの目を両手で覆ったのはクララだった。ヒロキの今までにない冷たい声を聞いたクララはヒロキを宥める。

 

「どうしたんデス?最近のヒロキはどこか暗いデスヨ。」

「・・・別にクララちゃんには関係ないだろ。」

「そんな事ありマセン!!GIRLSの皆、ヒロキの事心配してマシタヨ!!」

「・・・・・・。」

「・・・それにワタシ達幼馴染じゃないデスカ。子供の頃からお互い困ってた時は助け合ってきマシタ。ワタシに力になれる事がいつだって力になりマスヨ。これまでも・・・これからモ!!」

「・・・クララちゃん・・・。」

「だからお願いデス。何か悩み事があるなら打ち明けて下サイ。ワタシはヒロキがどんな悩みを抱えていたとしてもそれを受け入れマス!!」

 

真面目な表情のクララにヒロキは一瞬彼女から目を逸らす。そして彼女の顔に再び視線を向けると観念したように口を開いた。

 

「クララちゃんには敵わないなぁ・・・。この前のウルトラマンと戦ったナックル星人は覚えてる?」

「エエ、覚えてイマス。」

「あのナックル星人・・・実は僕の知り合いだったんだ・・・。」

「ああ、成程・・・エエッ!?どういう事デスカ!?」

「実は・・・・・・。」

 

ヒロキは自身がウルトラマンとして戦った事は伏せて小田との間に起こった事を説明し始めた。クララは黙ってその話を聞き続ける。

 

「・・・・・・という訳なんだ。」

「成る程・・・そういう事デシタカ。」

「あの時・・・僕が少しでも行動出来ていたら・・・小田さんがウルトラマンに倒される事はなかったんじゃないかなと思ってるんだ・・・。」

 

ヒロキはクララの横で町を眺めながら悲しげな声を上げる。暫く沈黙が続くとクララが口を開いた。

 

「ヒロキ、これはアナタの責任ではありマセン。小田さんは自分の意思でタイガとの戦いを望んだんデス!だから、ヒロキが何も背負う必要はないんデスヨ‼︎」

「クララちゃん・・・。」

 

ヒロキはクララの言葉を聞くと再び町に目を向ける。クララもヒロキと同じように町に目を向けながら語り始めた。

 

「・・・・・・難しいデスヨネ・・・。その人によって自身の生き様は違いますから・・・ヒロキの気持ちも分かりマス。」

「そりゃあそうだろうけど・・・でも‼︎」

「・・・ヒロキ、小田さんは小田さんの生き方があったんだと思いマス。・・・・・・1度その道から離れたとしても小田さんは戦いの日々を忘れられなかったのでショウ・・・。」

「そんなのは僕もとっくに分かってる‼︎・・・・・・でも・・・小田さんは言ってくれたんだ・・・失敗しても何度もやり直せばいい・・・って・・・・・・。」

「ヒロキ・・・。」

「あの言葉は・・・あの言葉は嘘だったのかな・・・。大怪獣ファイトの手伝いで乱入してきた宇宙人との戦いで窓を破壊したりして被害を出した事で怒られた時、小田さんがそう励ましてくれたんだ・・・。」

「きっと・・・その言葉自体は小田さんの本心だったと思いマスヨ。」

「えっ?」

「あくまでワタシの予想ですが・・・小田さんは地球で暮らす内に多くの命を奪ってきた罪悪感に苦しめられる事もあったと思いマス。・・・それでも・・・この星で長い間自身の正体を隠して平穏に暮らしてこれたのは・・・この星で出会った人々と交流して・・・同じような言葉を聞いて・・・それを心に深く刻み込めたからではないでショウカ?」

 

クララの言葉にヒロキは空を見上げながら小田の今までの人生がどんなものだったのか考え始める。暫くして予想がついたヒロキは再び口を開いた。

 

「確かに・・・あの人は多くの命を奪ってきたって言ってた。そんな小田さんももしかしてこの星で多くの地球人と関わって・・・この星の自然に触れた事で・・・・・・風景画を描くのが生きがいになって・・・。」

「それでも・・・きっとその心の中で戦いたいという思いはまだ忘れられなかったんだと思いマス。そして・・・地球に再び怪獣が現れるようになって・・・ウルトラマンも現れて・・・抑えていた思いを隠し切れなくなって・・・最終的にタイガに倒されテ・・・。」

「・・・この星には多種多様な人々がいて・・・その人によって生き様は違う・・・そんなのは理解出来る・・・・・・出来る筈なのに・・・どうして・・・僕は・・・何も出来なかったんだろう・・・。」

 

ヒロキの言葉を聞いた時、クララがヒロキを抱きしめてくる。クララはヒロキに言い聞かせるように口を開く。

 

「ヒロキ・・・自分を責めちゃ駄目デス・・・。アナタは自分に出来る事を精一杯やったんデス・・・!アナタに非はありマセン‼︎」

「クララちゃん・・・でも・・・その出来る事が・・・これだけじゃ・・・。」

「これから強くなればいいんデスヨ。強くなって・・・自分に出来る事の範囲を更に広くすればいいんデス。そうすれば・・・アナタが救える人々は更に多くなる筈デス!」

 

ヒロキはクララの顔を見る。彼女はヒロキの顔を見ると微笑んで言葉を続ける。

 

「ヒロキ・・・人の生き様は・・・人によって違いマス・・・。生き方も・・・生き甲斐も・・・この世界は人様々デス・・・。だからこそ・・・共に生きていく事は難しい・・・・・・これはワタシも同じだと思ってイマス。」

「クララちゃん・・・・・・。」

「でもだからと言って諦めちゃ駄目デス。諦めないでどんな時でもギリギリまで手を伸ばしていけば・・・・・・必ず救える人がいる筈デスヨ。」

「・・・・・・クララちゃんの生き様って・・・・・・何?」

 

ヒロキは自身の肩を抱き寄せるクララの手に自身の手を重ねながら訊ねる。クララは更にヒロキの事を自分に抱き寄せながら答えた。

 

「ワタシは・・・今は停止中ですが・・・・・・モデルとして多くの人達を笑顔にしたい・・・まだ怪獣の力に目覚めて不安な怪獣娘ちゃんに自分を受け入れればステージでこんなに輝ける事を知ってほしい・・・そしテ・・・。」

「そして?」

「破壊兵器として生まれたもう1人のワタシに・・・戦う以外の生き方を知ってもらう事・・・それがワタシの・・・生き様デス。」

 

ヒロキはそう言って微笑むクララの顔をじっと見つめていた。今の彼女の表情に見惚れながらクララの言葉を最後まで聞くと思わず呟いた。

 

「・・・・・・暫く見ないうちに・・・クララちゃん、大人っぽくなったね・・・。」

「フフ、1度ヒロキと別れて以降、人間関係も戦いも場数を踏んできまシタカラ。」

「・・・そっか・・・。」

 

ヒロキはクララの手を握る力を強くする。クララもそれに答えるようにヒロキを抱き締める力を強くした。夕陽に照らされながらお互いの顔を近くで見つめ合うヒロキとクララだが思わぬ乱入者がやってきた。

 

「ヒロちゃーん‼︎・・・・・・って・・・ええっ⁉︎」

「ご、ゴモラさん⁉︎」

「ゴモラ⁉︎アナタ、どうしてここに⁉︎」

「い、いや・・・その・・・お邪魔しましたぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「待って‼︎ゴモラさん‼︎」

 

乱入者のミカヅキ思わぬムードの2人を見て顔を赤くしながらその場を走り去っていった。ヒロキは思わず引き留めたが既に彼女の姿は見えなくなっていた。

 

「ゴモラさん・・・どうしたんだろう?」

「多分、ヒロキの事心配になったんじゃないでショウカ?」

「多分だけど・・・何か誤解されたよね。急いで戻ろう‼︎」

「えっ・・・エエ・・・。」

 

ヒロキはクララの手を思わず掴んでその場を走っていく。ヒロキに引っ張られる中、クララはヒロキに聞こえないくらい小さな声で呟いていた。

 

「ワタシは・・・別にヒロキとなら・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、2人は自分達の関係を誤解したミカヅキが通りかかったトモミに話そうとしていたところに割って入り誤解を解いていた。そして誤解が解けた後、ヒロキは全ての経緯を語ってミカヅキに頭を下げる。

 

「ゴモラさん‼︎本当にすみませんでした‼︎」

「アハハハハ‼︎いいよ、そんなに頭を下げなくて‼︎気にしてないから‼︎」

 

ヒロキはミカヅキの言葉に思わず安堵して息をつく。するとミカヅキの方もヒロキに近付いてきた。

 

「わたしも御免ね。あのナックル星人の事でヒロちゃんが悩んでいる時に声を掛けちゃって・・・。」

「ゴモラさん・・・。」

「でもさ、いつまでも既に起こってしまった事を気にしてたって仕方ないよ!今生きている以上、わたし達はその事を受け入れて前に進まなきゃ‼︎そうじゃなきゃ小田さんというナックル星人も浮かばれないよ‼︎」

「ヒロヒロ、ゴモゴモの言う通りです。過去は変えられません。だからこそ、今生きている私達はより良い未来に向かうために前に進まなきゃいけません‼︎だから・・・ヒロヒロも前を向きましょう。」

「ピグモンさん・・・。」

「ヒロキ、どうしても一歩を踏み出せない時はワタシがアナタを支えマス‼︎アナタが前に向かって進めるようニ‼︎」

「クララちゃん・・・。」

 

ヒロキは3人の言葉を聞いて小田から託された手紙をズボンのパケットから取り出した。そしてそれを眺めると再びポケットにしまいクララ達に目を向ける。

 

「クララちゃん・・・ピグモンさん・・・ゴモラさん・・・ありがとうございます‼︎僕は・・・前に進みます‼︎あの世の小田さんが安心して僕を見てくれるようになるためにも‼︎」

 

3人はそれを聞いて思わず笑みを浮かべていた。その後、解散となったヒロキはクララと一緒に帰路についていた。

 

「今日はありがとね、クララちゃん。」

「イエ、ワタシも前にヒロキに助けられマシタ!これくらいお互いさまデスヨ‼︎」

「・・・クララちゃん・・・・・・。」

 

ヒロキは暫く見ない内に大人っぽくなった幼馴染の笑顔に見惚れていた。自身の顔を見つめている事に気付いたクララはヒロキに問い掛ける。

 

「ン〜?ヒロキ、どうしマシタ〜?」

「へっ?・・・いっ、いや‼︎何でもないよ‼︎それより今日はもう帰ろうぜ‼︎」

「エエ‼︎」

 

ヒロキはクララの声に我に帰ると彼女の目の前に一歩立って誤魔化す。そして2人一緒に帰路につく中でヒロキは思わず思っていたことがあった。

 

(暫く離れている内にクララちゃん・・・大人っぽくなったな・・・あの彼女の笑顔・・・思わずドキってしちゃった・・・何で?)

 

その日、ヒロキの中で今まで彼女の中に無かったある1つの感情が芽生えた。しかし、彼がその感情の正体に気付くのはもう少し後の話である。




大抵怪獣娘のSS読んでいるとおジョーさんって頼れる先輩として書かれているイメージが強いように思います。
だから、怪獣娘タイガはそんなおジョーさんが自身の感情で暴走してしまうという珍しい展開じゃないかと自分でも思うんですよね。
なので今回は頼れる先輩としてのおジョーさんを描きました。
皆さんはどう思いますか?是非とも感想お待ちしています‼︎
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