ウマ娘はさらなる実力主義へと飛躍する。   作:推しはキングヘイロー

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今回は中継ぎ回なのでちょっと短いです。


スペシャルウィーク、テストします!

昨日のレースの疲れもなく、今日も元気にスペシャルウィークがんばります!

 

流石に三日目になると食堂のおばちゃんも慣れたようで、私が来る時間にはすでに大量の山菜定食が用意されていました。

でも自己ベストを更新できた喜びでついつい食べすぎてしまい、みんなが朝食を食べに来たときにはすでに食堂の食材はすべて空になっていて、他の生徒は全員今日は食事抜きになってしまい、私は膨れ上がったお腹を抱えて平謝りすることになりました。

 

そして教室へ。

朝食が食べられなかった為か、皆さん今日は机に突っ伏してぐったりしています。

何時もは先生に怒られないのを理由に授業中でも教室内を走り回ったり勝手に抜け出して外で遊んでいたり麻雀をしていたりでまるで動物園にいるように賑やかな教室も、今はみんなのお腹のなる音しかしません。

そこに担任の茶柱先生がやってきました。

 

「なんだ?おまえら、今日はやけに静かだな。それはそうとこれからテストを受けてもらう」

 

「えぇ、それはないよ佐枝ちゃん。こんな空きっ腹じゃマトモな点数なんて取れないよ」

 

池くんが情けない声をあげますが、周りの生徒に普段だってろくな点数取れないだろうと笑われます。

申し訳ないけど私もそう思ってしまうほど池くんの授業態度はちょっと擁護できません。

彼は授業中は何時も外村くんとパソコンでエッチな写真を見て騒いでばかりいますので。

 

「安心しろ、池。今回のテストは成績には反映されない。それに内容はちゃんと考えれば小学生にも解けるようなかんたんな復習問題だ。真面目に中学校を卒業できたらほぼ満点を取れるように調整されている。安心して受けていい」

 

そう言われ配られたテストの内容を見ると確かに一桁の足し算や引き算、簡単な漢字の読み書きなどが半分を占めています。

英語に至っては「AからZを順番に正しい順番に並び替えましょう」などとか中学生1年生レベルです。

でも最後の数問は専門的なレース知識が必要な問題でした。

天皇賞春で第4コーナーを曲がった際、自身は差しで7番手、ハナの逃げから9馬身差をつけられている場合に勝利する場合は上がり3ハロンで最低何秒必要か?理由も述べよ?現在のラップタイムはこれならえーと?これぐらいかな?

授業でレース展開論はしっかり聞いていたのと、独学で頑張っていたこと、あと自身が長距離走と差しを得意としていたのでなんとか解けましたが、他の問題はあたっているか不安です。

 

池くんが全然分からねーーと叫んでいたり、須藤くんに至っては開始1分で諦めて爆睡している中、なんとかみんなこのテストを終え今日は解散となりました。

 

 

寮への帰り道、足りない日常品を買いにモールへ行くと、電気屋さんのテレビの前でふと私の足が止まりました。

何が気になったんだろうと思いつつテレビを見ると、見たこともない四足歩行の大きな動物がレース場を走っている映像が流れていました。その動物を見ていると何故か分かりませんが言いしれない恐怖が湧き上がってきて体が震えてきます。

何あれ?あんなの見たこと無い。でもなんで?なんでか分からないけど、あれが私と同じに思えてくる。違う、私はあんな動物じゃない。私はウマ娘なんだから。

 

「おまえも同じだよ」

 

耳元で誰かが囁いています。

どこかで聞いたような懐かしい声。

でも聞いた覚えのない知らない声。

その声がわたしの知りたくなかった真実を囁いてきました。

 

「スペ。おまえも彼らと同じ。馬なんだ」

 

分からない!知らない!信じられない!

私はウマ娘!日本一になるウマ娘!あんなものと一緒にしないで!

おかあちゃんと!そしてスズカさんと約束したんだから!日本一のウマ娘になるんだって!

私はその声を聞きたくなくて耳を抑え逃げ出していきました。

 

 

 


 

 

 

「スペ。早く目覚めてくれ。じゃないと…」

 

長い銀髪をたなびかせた長身の少女は駆け出していくスペシャルウィークを見送りながら寂しげにつぶやいた。

 

「まったく、柄じゃないんだけどな。こんな役回りは」

 

そしてその言葉ともに誰にも知られずに消えていった。

 

 


 

 

私はさっきの恐怖を忘れるようにお買い物に没頭し、寮に戻りました。

そしてその後はBクラスの帆波ちゃんのクラスも同じテストを受けたようで、お互い自己採点をしました。

 

「最後の3問、かなり難しかったよね。この学校に入るまで競馬なんて見たことなかったから天皇賞って言われてもよくわからないよ」

 

帆波ちゃんはあまりレースとか興味がなかったようです。

だったらなんでこのトレセン学園に来たんだろう?

まぁ中央のトレーナー資格が取れたらスーパーエリートで将来困らないっておかあちゃんが言ってたし。

帆波ちゃん、なんだか貧乏性だから、もしかしたら実家が貧しいのかもしれません。

今回は成績に関係しないらしいからいいけど、今後最後のような問題が出てくるようなら大変だと、私は帆波ちゃんにレースについてなどを教えてあげることになりました。

国語や数学とかの一般教養は逆に私が帆波ちゃんに教えられる立場なのでこれも持ちつ持たれつですね。青春って感じだして嬉しいです。さすが都会!

 

今晩は食堂が食材切れで自炊することになったのでおかあちゃん直伝の人参ステーキを帆波ちゃんにごちそうすることになりました。

昨日のレースで貰った新鮮な人参をまるまると使い、スーパーで無料で貰ってきた安いミンチ肉と同じく無料で貰ってきた古米(何年物なのかは怖いので見ないことにしています)でたっぷり滋養をつけてお互いこれからも学園生活を乗り切ろうと乾杯までして楽しい食事でした。

 

 

でも量が少なかったのが残念。朝お腹いっぱい食べておいて良かったです。

 

 

 

ちなみに今晩も帆波ちゃんはいい匂いがしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、次の日。

私達の激動の一日が始まりました。

 

 

 

「本当に愚かだな。お前たちは」

 

 

 

 

 

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