ただあの世界観が好きでこれを書いてるんで原作のゲームの内容と矛盾が生じるかもしれません。できるだけ減らしたいとは考えてますが、もしあったときは「まぁそんな事もあるよね」と温かい目で見ていただけると幸いです。
感想、評価くださった方々ありがとうございます!マジで励みになります。
これからもよろしくおねがいします。
「お待ちしておりましたぞイーサ......あれれ、どなたですかな?」
城の入り口付近まで行くと門のあたりに馬車があり、その荷台からとても大きな、いや太った男性が現れた。
俺のことを尋ねる前にイーサ...とか言ってたけどなんだろう。
「そういうアンタこそ誰なんだ?」
「これは失礼、私はデュークと申します。ここで武器商人を営んでおります。さて、予定ではあなたとは別の方がこちらに来るはずなのですが、あなたは予定外ですねぇ。一体どちら様でしょうか。」
「俺はここら辺にマ○クの注文を受けて配達しに来ただのウー○ーイーターだ。」
「ほぉ、マク○ナルドですか。あそこのハンバーガーは安くてとても美味いと話を聞いたことがありますが、この村でそれを注文された方がいらっしゃるのですか。いやぁ、わかりませんなぁ。」
そう言ってポットを取り出し、お茶を飲み始めるデューク。
そういえば村中にゾンビがいる中、なぜこの人は隠れもせずなんの装備もしないでここにいる事が出来るんだろう。ただでさえあの体で動くのは難しそうだし、馬車もあまりスピードが出ないだろうに。
あ、今のうちにここのマップを見とこっと。
ん?なんだこれ。何も映らない、現在地も目的地も出てこない。
いよいよいよいよ本当に不味くなってきたな、ただでさえこんな危険な状況にいるのに、届ける相手の場所もわからない。
全く誰なんだよ俺をこんな目に合わせるきっかけを作った注文者は。えーと......
「..............ハイゼンベルク」
「ゴフッッッ!?!?」
「えっ!ちょ、ちょっとどうしたんだよデュークさん!」
注文したやつの名前をつぶやくといきなりデュークがお茶を吹き出した。
「い、今...ハイゼンベルクとおっしゃいましたか?」
「え?あぁ、そうだけど」
「なるほどぉ、あの方が絡んでいたのですかぁ。」
「おいおいこの人がなんかしてるのか?」
「いえいえ、別にそういうことではありませんが、この方は
「四貴族......」
「ええ、この村の統治者であるマザー・ミランダに従える4人の村の権力者です。村の各所に拠点となる施設を構えておりまして、村の人々から恐れられています。
そしてこの城がその四貴族の一人、オルチーナ・ドミトレスク婦人の拠点です」
なんか色々とややこしい事になってきたな。
四貴族とか言う人達のうちの一人が注文したのが原因で、今目の前にある城がまた別の四貴族の一人の城と......
あ、確か商品がビックマ○クのセットにえびフィレオ、月見バーガー、チーズバーガーだったな。なるほど、どうやらその四貴族で食べる予定なのかな。
そのドミトレスクとかいう人に会えばとりあえず配達は完了か、よし、行こう。
「分かった。ありがとなデュークさん。じゃあそのドミトレスクさんに会ってみるよ」
「そうですか、ではまたどこかで会いましょう。お気をつけて......」
そしていよいよ俺は城の中へ入っていった。
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「それにしてもあの人はなぜこんなところにやってきたのでしょう......まぁ、私にはあまり関係無さそうでしたから、自分の仕事に戻った方がよろしいですかな」
立方体の独特なカバンを背負った男が城に入っていったのを見て、改めてデュークは彼のことを考えた。
本当はここでイーサン・ウィンターズが来るはずだったのに、現れたのは知らない男性だったのだ。デュークは表情はあまり変わっていなかったが、内心とても驚いていた。マク○ナルドやウー○ー等の言葉は少しは聞いたことはあったが、顔はここらの人ではないし、さらには配達のために来たと言っていた。こんなところにに配達が来るわけはないし、来ても生きては帰れないだろう。
注文者がハイゼンベルクと言ったときはまた驚いた。さらには他の四貴族の方達も食べようとしているのかと思うと少し可愛らしいところもあるのかと笑えるが、おかしい。まずまず彼はどうやってこの村ヘ来たのだろう。ここらへんは山々に囲まれていて、マク○ナルドと言ったような店からは相当離れている。彼の格好を見たが車では来ていない、頭に被っていたヘルメットの形状から考えるにバイクでもない、
自転車?こんな山々に囲まれた所に彼は自転車でやって来たと言うのか。
ありえない。
とても重装備で来たのなら考えられなくもないが、それ程の装備ではなかった。ただ冬の寒さをしのぐ程度。そんなのでココまでやって来たと言うのか。
ますます謎が深まるばかりだが、考えすぎていてもしょうがない。一旦忘れて、自分のやるべきことをしなければ。
「おや?向こうに見えるのは......あぁ、やっと
そしてデュークは本命の男とやっと出会った。
イーサンが自分の商品の武器を買っている時、
(あれ?さっきの彼は武器は持っていたのでしょうか?彼にも売ってあげればよかったかもしれませんね...)
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城の中に入ると、正面の向こうの壁に3人の綺麗な姉妹の絵画が飾られていた。
周りにはいかにもアンティークな品々が置かれてあり、部屋の角などには
いかにも「壊せ!」って感じのツボだが、俺は人のものをそんなぞんざいに扱う人ではない。それに別に壊したって中に何か入ってるなんてことないだろうし。
さっきから歩いているのだが、全くもって人の気配がない。
時々、「誰かいませんか」と声を出してみるが静寂を返されるだけで、なんの変化も無かった。異様に不気味で居心地が悪い。
そしてある一室に入った時、妙なものがあった。
閉じられた謎の大きな扉だった。その扉に石版が付いていて、何か文章が刻まれていた。
「えーと......あ、だめだこれ全然分かんない」
石版に刻まれた文章の解読に苦戦していたその時、
「ローズを捜してるのぉ?」
突然女性の声が聞こえた。
「アハハハハハハハハハァァァ!!!」
高らかに笑い声を上げているが、肝心のその女性の姿が見えない。しかし、妙なことに気が付いた。
数百匹はいるだろうその虫たちの羽音が俺の耳を塞がせた。
(うわぁ...俺虫は大の苦手なんだよなあ......)
そしてその虫たちが集まっていくと、3人の黒い修道服のような物を着た女の姿に形を変えた。
その女達、いや女というより魔女みたいなそいつらは、鋭く尖ったナイフを片手に血がべっとり付いた口を大きく開けて笑っている。
いやなにコイツら?明らかに俺を殺そうとしてるんですけど!?あっ、意外と顔は整ってて美型...だけどその血とナイフはいただけないな。俺はそういうメンヘラとかヤンデレっぽい女は好みじゃないんだよね。いやそんなこと言ってる場合じゃあないか。
「えっとぉ...ローズって言ったっけ?申し訳ないけど俺はそいつの事は全く知らないよ」
「嘘をついても無駄よぉ!あなたがここに来るのはすでに知らされているの!!」
「おいなんかさっきのデュークさんみたいなこと言ってんなぁ...」
どうやらコイツらはと俺とは違う人間を狙っているらしい。多分デュークが出合い頭に言っていた、イーサ...なんとかっていう人なんだろう。
とは言ってもこの3人は信じてないっぽいけど。
「そんなことどうでもいいからさぁ?」
そう言って一人が俺を押し倒し、他の2人が手足を押さえつけた。なんて力なんだ。俺も結構力には自信があるけど、コイツラのは尋常じゃあない。人間とは思えないくらいの力だ。
一人が俺の上に跨がる。いわゆる騎乗○位...いやいや俺はなんてことを想像してんだ。たとえ彼女いない歴=年齢の俺でもこんな時にそういうふうに考えるのは流石にマズい。
あれ?なんか首筋に冷たい感触が......
首筋に当たるヒヤリと冷たい感触をおぼえてゆっくりそこを見ると、廊下を照らす明かりが反射するナイフが目の前にあった。
「あのー...これってどういう......」
「ねぇねぇイーサン君、私達と遊ばない?」
そう言ってナイフを振り上げて今にも俺の体めがけてそれを振り下ろそうとした。
「違うっっっ!!俺はただ配達に来ただけなんだぁァぁぁぁ!!」
「「「.................................................え?」」」
ナイフは俺の心臓のギリギリで止まった。
イーサンを出してみたはいいけどそれによってより話が難しくなっちゃったなぁー。
だんだん書くのがキツくなって最終的に全部夢でしたオチみたいなことにならなきゃいいけど...
あまり主人公を理不尽に悲惨な目に合わせるのも僕の心が痛むので、イーサンみたいに手を切られたり色々犠牲にすることはさせないようにしようと思ってます。