(追記)整合性を取るために時系列などを調整しました。
塵堂千雨がプロデビューしておよそ6年。
塵化ヒーロー「ダスト」は瞬く間に頭角を顕し、デビューした翌年にはすでにビルボードチャート5位にまで食い込み、ヴィラン検挙数に至ってはオールマイトとエンデヴァーに次いで3位という凄まじい功績を挙げ、異例のルーキーとして強く注目を浴びた。学生時代にはそれほど大きな活躍がなかったこともあり、同級生や教師たちからは例外なく驚きの声が上がった。
「ダスト」
「…!エンデヴァーさん、お久しぶりです。こうして面と向かって話すのは…あの日以来ですね」
チャート発表とそれに伴うインタビューが終わった後、エンデヴァーが千雨に声を掛ける。
「ああ…。まずは改めて礼を言う。本当にありがとう。君があの日、燈矢を救ってくれなかったなら…俺は取り返しのつかない事態に陥ってしまっていただろう。おかげで、寸でのところで踏み止まることができた。燈矢にも、夏雄にも、冬美にも、焦凍にも…そして、冷にも全てを懺悔した。それで終わることではないが、目が覚めたのは確かだ。君は…俺たち全員を救ってくれたんだ。」
「…勿体ないお言葉ですよ。私が燈矢くんを救けたのは、ただ自分が見捨てるのは心苦しいと…そう思っただけです。本来ならビルボードチャート5位なんていうのも烏滸がましい、自分勝手な人間で…」
「それは違う」
エンデヴァーは自虐的な千雨の発言を即座に否定する。
「たとえ君自身がそう思っていても、私にとって君は紛うことなきヒーローだ。君を応援する人々も、皆そう思っている。真に自分勝手な人間には、誰もついて行きはしまい」
「…ありがとうございます」
「うむ。賞賛は素直に受け取れ。ここにいることに胸を張れ。それが他のヒーローや君を支えてくれる人々に対する敬意や感謝に繋がるのだからな。では」
そう言って去っていくエンデヴァー。彼の後ろ姿を眺めつつ、千雨は思う。
「(きれいな瞳だった…。1位への執着とか、最高傑作とか…そういうのが全部取っ払われたみたい。燈矢くんとも仲直りできたみたいだし、一先ずは安心かな。それに…やっぱりすごいや。『ここにいることに胸を張れ』…か。その通りだ。私に期待してくれてる人がいる訳なんだし、その人たちの思いを裏切るわけにはいかないよね。…いかないんだけどねぇ…)」
この先を想い、憂鬱になる千雨。彼女は現在、かつてのある行いによって一部で今もバッシングを受け続けている。当時は報道規制なども行われ、またその実情も明らかになってはいたのだが、それでも関係各所の後ろ盾が無ければプロヒーローの存続が叶っていたかどうかは怪しかった。何せ彼女は、
「(未成年誘拐…少なくともヒーローのやることじゃあないもんねえ)」
犯罪紛いの行いに手を染めたのだから。
(追記)
今更ではありますが、千雨のプロフィールを載せておきます。
Name:塵堂千雨
Hero Name:ダスト
Birthday:6/3
Height:178cm
好きなもの:パン、麺類、お好み焼きなど