「転弧くん、それ…」
「…雄英から」
労いの意味も込めて、久々に自宅でゆっくりしていた千雨と転弧。彼らの元に雄英から一通の郵便物が届けられる。入試結果を発表する、合格通知だ。
「…一人で見る?」
「いや。ここで見るよ」
覚悟を決め、そのままリビングで封筒を開く転弧。中には円形のデバイスのような物が入っており、疑問に思うより早くそこから映像が投影された。
「…この人」
「根津校長だね。小さい頃に一度会っただろう?」
現れたのはごく小さな人影。鼠の姿をした人…否、人のように振る舞う鼠が、言葉を紡ぎ始める。
『やあ。遅くなってしまったけれど、入試お疲れ様。気になっているだろうし、早速本題に移るとするよ。今回、君の成績は筆記・実技共に素晴らしいものだった。特に実技試験は文句なしのトップさ』
「……え?」
「…ふふっ」
告げられた内容に思わず声を漏らす転弧。千雨は笑みを浮かべ、肩の荷が降りたような気分になっていた。
『おめでとう。今日からここ雄英高校が…君のヒーローアカデミアだよ』
それからも細かい日程などが根津から説明されていくが、転弧の耳には最早届いていない。
「…千雨さん、俺、おれ…!!」
「私からも言わせて貰うね。…おめでとう、転弧くん」
「…やった…!はははっ、やったよ…!!」
感動のあまり泣き笑いする彼を、千雨は優しく抱きしめ続けた。
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「お母さん。…俺、合格したよ」
『…まあ……!!凄いわ、転弧!本当に、凄い…!』
家族にも自身が雄英に合格したことを伝える転弧。そのまま会話を続ける中で、母は転弧に一つの質問をする。
『……ねえ、転弧。…お父さんのこと、どう思ってる?』
「……」
しばらくの間黙りこくる転弧。彼の母は静かに、我が子が話し出すのを待った。
「…正直…まだ少しだけ痼りはあるよ。……でも、きっとお父さんにも事情があったんだっていうのは…もう分かってる。だから、さ。もう少しだけ…待ってて」
『…うん。ずっと待ってるわ。…大好きだよ、転弧』
「…俺も、皆のこと大好き。それじゃあね」
『ええ、またね』
彼の父との確執は殆ど消えてなくなりつつあった。恥ずかしげに家族の愛に応える転弧。彼らが元の形に戻る日も、そう遠くはないだろう。
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「…何かまた緊張してきたな」
雄英の校門前。入学式当日、転弧はまたしても受験日のような緊張感に襲われていた。
「(大丈夫だ、平常心平常心。1-Aまでゆっくり、一歩ずつ…)」
思考まで硬直しつつある彼だったが、そこに聞き覚えのある声がかけられた。
「あれ?あの時の誰かさんだ!やっぱり合格してたんだね!」
「!?…あんた確か…気ぃ失ってた人。怪我大丈夫だったか?」
「え?あぁ、アレは違うんだよ!前日ちょっと夜更かししちゃってさー、うっかり寝ちゃったんだよね。君が起こしてくれなかったら本当にやばかったよー!改めてありがとね!」
「…寝てた?とんでもねえな…」
転弧の質問に常軌を逸した答えを返す少女。若干の呆れを覚えつつも、転弧は彼女に名前を告げる。
「俺は志村転弧。あんたは?」
「!そっか、自己紹介!あたし
「よろしくできるかどうかはクラス分け次第だと思うけど…まあ、よろしく。ちなみに俺A組ね」
「じゃあ大丈夫だ!あたしもA組だもん!」
「そか」
お互いに名乗り終え、同じクラスであることも分かった転弧と美智榴。二人はそのまま他愛もない話をしながら、何処へともなく歩き始めた。
「……なあ、教室何処だっけ?」
「分かんない!うっかり見てなかった!」
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どうにか教室に辿り着いた転弧たち。しかし息つく暇もなく、担任と思しき教師が後から入ってくる。
「さあ皆、とりあえず座って座って!……うん、素直でよろしい!ひとまずは入学おめでとう!この後すぐに入学式があるから、簡単にだけど自己紹介しておくわね。私は18禁ヒーロー『ミッドナイト』!一年間このA組の担任をさせてもらうから、よろしくね!」
「(…これまたとんでもないな……主に格好が)」
入ってきたのはボンテージに全身タイツとでも言うべき格好をした女性の教師。朝から色々な出来事が起きすぎていることに、転弧はそろそろ辟易してきていた。
「18禁なのに私たちの担任しても大丈夫なんですか!?」
「ご心配なく、肩書きだけよ!」
ある意味真っ当な質問を堂々と行う美智榴に対し、これまた堂々と返すミッドナイト。一同はそのまま体育館へと向かい、特に何の変哲もない…強いて言うなら滅茶苦茶校長先生の話が長い入学式を終えたのだった。
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Name:那珂美智榴
Hero Name:未定
Birthday:5/23
Height:160cm
好きなもの:歯応えのあるもの
個性:???