「夜嵐イナサ?……確か士傑の教師の知り合いがそんな名前出してましたね。どうしても雄英が受けられなくなったとかで、派手に泣きながら入学式で答弁してたとか」
「(………イナサくん、ホントにごめん)」
すべては彼の経歴が頭から抜けていた作者の責任です()
日本の何処か。3人の男が、テレビを見て各々の感想を溢す。
「ヒュウ。炎と氷とは派手だねぇー…それに便利そうで羨ましいぜ」
「コンプレス、貴方のだって十分便利じゃない!彼よりよっぽど応用利くわよ」
「全くだ。お前がちゃんと俺を回収してくれてたらここまで歩いて帰って来なくてよかったのにな」
「無理に決まってんだろォ!?ダストが勘付いてたらしいからな、地下のお前を探してる余裕は無かったんだよ……お前なら問題ねぇと思ってたし」
ここは「敵連合」のアジト。構成員は僅か3名…さらに、雄英襲撃時点の外見的特徴から内2名の身元は割れている。
「信頼って奴さ、死柄木。もう付き合いも長くなってきた頃だろ?」
Mr.コンプレス…本名「
「私がヘマしちゃったのもあるわね〜…ごめんなさいね葬くん」
マグネ…本名「
「まあ……構わねえよ。さっさと逃げた俺も威張れる訳じゃねえ」
そして、もう1人。
死柄木葬…本名不明、個性「腐食」。五指で触れたものを黒く変色させ、溶かし崩すことができる。生物・非生物問わずあらゆるものが対象であるが、腐食したものから腐食を波及させることはできない。
「それよりもこの雄英のガキ共のごっこ遊びだ……見てて無性に楽しくなっちまうなぁ。元気な顔してるコイツらが…どんなふうに顔を歪めるのかを想像したらよ」
「原作」におけるこの頃の死柄木弔と比べると、彼は少々冷静なようだ。子供の癇癪とまで揶揄された弔に対し、葬はオールマイト自身も一定の警戒を示している。勿論千雨から告げられた「AFOの後継」の疑いを込めた評価でもあるが、純粋な戦闘力も
「しっかし…こっちに引き込めそうなのはいなかったなー。どいつもこいつもいい子ちゃんだぜ」
「別にそれならそれでいいさ。全員めちゃくちゃにしてやるだけだ」
「葬くんってばカゲキねぇ。私もそれには共感だけど」
悪は今も虎視眈々と、機を窺っている。
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「さて、今日からよろしくな『インゲニウム
「分かった……いや、分かりました!よろしくお願いします、『インゲニウム』!」
雄英高校ヒーロー科の1年生たちは、職場体験期間に入っていた。その中の1人…飯田天哉が指名に応じたのは、兄の天晴が運営する「インゲニウム事務所」。兄弟故個性の性質も似通っていることから、悪くない選択であるといえる。
そうして彼らは個性の「エンジン」を活用して高速機動でのパトロールを始めたのだが…今日の所は様子がおかしかった。
「…今日はやけに落ち着いているな」
「そうなのですか、インゲニウム?」
「ああ。確かにそう頻繁にヴィランと遭遇する訳じゃないが……ここまで何も起きないというのも珍しい。誰か他のヒーローも居合わせているのかもしれない」
「成程…そういうこともあるのですね」
「そうさ、だから……っと。あれは…」
飯田が納得したその時…話をすれば、1人のヒーローがヴィランを担いでその場を去ろうとしている所だった。
「……インゲニウム…か」
「貴方は…スタンダール。驚いた…こんな所でお会いできるとは思わなかったよ」
そこにいたのは、チャート10位「スタンダール」。事務所を持たず、神出鬼没にヴィラン退治を行うスタイルが近頃一定の人気を集め始めている男だ。
「……貴様にはヒーローとしての資質が欠けている。贋物と断じるには、少しばかり早いがな」
「!!な…!?」
そんな彼は、初対面のインゲニウムにいきなり否定の言葉をぶつけた。これには飯田も驚きと怒りを隠せず、食ってかかろうとするが…インゲニウムがそれをさりげなく手で制し、口を開く。
「いやはや、これは手厳しい。貴方に認められるには、まだまだ精進が足りないようだ」
「…我を失わずに自己評価ができている点は評価しよう。では」
端的に言いたいことを言ってすぐにその場を後にするスタンダール。人1人担いでおきながらその動きはインゲニウムのトップギアと遜色なく、飯田は彼の実力の程を見せつけられた。それでも…不満は消えない。
「…一体何なんだ、あの男は…!!兄さんを悪く言うなど……チャート10位に相応しいとはとても…!!」
「止めるんだ、弐號」
しかし、飯田が漏らした不平をインゲニウムが遮る。
「スタンダールは…確かに、好意的には受け取りにくい人物かもしれない。けれどそれでもトップ10に食い込んでいるということは、支持率の低さを補ってあまりある実力を備えているということだ。決してその座に見合わないヒーローなんかじゃないさ」
「兄さん…」
彼はそのまま、自分の考えを話した。
「会って早々にああ言われたのはびっくりしたけどね…ヒーローとしては、彼のような人が居てもいいと俺は思う。実際、最近ちょっと弛んでる気がしてたんだ。いい機会になったよ」
「そんなことはない!兄さんはいつだって…!」
「ははは、喋り方が戻ってるぞ弐號。とりあえず、パトロール再開といこう」
「はい!分かりました!」
人格の優れたインゲニウムが、何故原作で贋物判定を受けたのか
→ステインより弱かったから
多分こうじゃないかなあと思います。彼、倒されたがってる節ありますし。