バンドリ-漆黒の竜王-(本編完結)   作:D・MAKER

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第10話です!
今回のメインはタイトル通りになります!


歌姫と小さき魔王の告白

(竜騎視点)

 

 

 

前回のデュエルで美竹さんに勝った俺。闇の呪縛を発動して無かったら、キツかったかも知れない。

 

 

「蘭、大丈夫!?」

 

「蘭が…1ターンキルされた…?」

 

「良い線は行ってたけど、俺の勝ち」

 

「どうして…こんなにアッサリと…」

 

「蘭ちゃん、辰巳先輩は2年前に当時16歳の若さでデュエル協会に最年少で認定された“カリスマデュエリスト”なんだよ?」

 

「え…?そんなに凄いデュエリストなの…?」

 

「そう言えばつぐ…辰巳先輩のデュエルを知ってるって…」

 

「ゴメンね蘭ちゃん…あの時説明しようとしたんだけど…」

 

「ううん、アタシもつぐの話を聞かずにデュエルしてたから…」

 

 

羽沢さん、やっぱり俺が“カリスマデュエリストだって知ってたんだ…。

 

 

「お取込み中の所で悪いけど、これでコーチの件は無しで良いよね?」

 

「うっ…」

 

 

美竹さん…凄く悔しそう。相当コーチをして欲しかったのか…。

 

 

「あ、あの~辰巳先輩…デュエルが終わって言うのも何ですが…、私からもコーチをお願いします!」

 

「あらら…もしかして、オタク等の誰かが勝つまでするパターン…これ?(汗)」

 

「だったら、次はアタシとです!」

 

「と、巴ちゃん?」

 

「2人共、熱いね~」

 

 

おいおい、宇田川さんが次にデュエルするのか…?そんな事を考えてたら…

 

 

「それは認められないわね…」

 

「!?…湊さん、何時からソコに…?」

 

 

俺の後ろには、何時から居たのか友希那が居た。

 

 

「デュエルの途中で、竜騎が闇の呪縛って言うカードを使ってた辺りかしら…?あんなに大きな声でデュエルしてたら誰だって気付くわよ?ライブが終わったばかりなのに元気ね、竜騎?」

 

「面目無い…勝手にデュエルを受けてしまった…(汗)」

 

「別に大丈夫よ。竜騎が“人気者”なのは今始まった事じゃ無いし…。私が美竹さんの立場だったら、同じ事をしてたかもしれないし」

 

 

何故だろう?“人気者”って言葉に凄い皮肉を感じた。まぁ、口に出したら後が怖いから言わないがね…。

 

 

「湊さん……どうしても、ダメですか?」

 

「……繰り返しになるけど、美竹さんの気持ちは分かるわ。でも、竜騎は貸せない、いや、渡したくないって言った方が良いかしら?」

 

「?」

 

 

渡したくない?何だろう、すっごく引っ掛かる。

 

 

「……そうね、この際だからはっきり言っておきましょうか。少し恥ずかしいけど……ねえ、竜騎?」

 

「う、うん…」

 

 

目の前に立ち、真剣な目で見つめてくる友希那の姿はリサとは違う『美しさ』を感じさせる。

改めて思うと、美人になったなぁ。

 

「私、これでもあなたのことを大切な相手だと思ってるの」

 

「……それは、俺もだよ」

 

 

昔、デュエルが強すぎて孤独だった自分に何度も声を掛けに来てくれた事。それは今でも嬉しいと思ってる…。

 

 

「……そう、ありがとう。竜騎ならそう言ってくれると思ったけど、言葉にされると嬉しいものね。

それと、もう一つ言いたいことがあるわ」

 

「ん?」

 

 

友希那は薄っすら微笑みながら、僅かに赤みがかった顔で、

 

 

 

 

 

「私、あなたのことが好きよ。勿論、1人の男性としてね…」

 

 

 

「……え? 」

 

 

突然の愛の告白。いきなり過ぎて間抜けな声を出してしまった…。

 

 

「……その反応は予想外ね。もう一回言った方が良いかしら?」

 

「ごめん、意味は分かるんだ。ただ、ちょっと……混乱してるし…リサが居るからさ…ん!?」

 

 

俺がそう言うと…友希那に唇を奪われた。

 

 

「それと…昔みたいに“ゆき”て呼んで欲しいの。それと、返事は『まだ』いいの。リサには今も昔も色々助けられたけど……竜騎のことだけは、譲れないから」

 

「……うん。分かったよ、ゆき」

 

 

突然の愛の告白とキスに、アフグロメンバーが赤面で固まってる。そりゃそうか…。

 

 

「所でリサ…何時まで隠れてるのかしら?」

 

「え?」

 

 

友希那がそう言うと、後ろにはリサが居た。恐らく友希那と一緒に最初から居たと思う。

 

 

「あはは、友希那ってば大胆だねぇ☆ もちろん、アタシも竜騎を渡す気は無いよ~?それにしても竜騎ってば、気付くのが遅いよ~?」

 

「ご、ゴメン…(汗)」

 

「ふふ、冗談だって☆」

 

 

リサは怒っても無ければ、嫉妬で暴走もして無かった。そう、この時までは…

 

 

「おにーちゃーん!」

 

「うお!? あこ、どうした?」

 

「え?“おにーちゃん”って…あこ?」

 

 

背中に突撃したのはあこだった。実の姉である宇田川さんは、“おにーちゃん呼び”に驚いてる模様。まぁ、そうだよねぇ…。

 

 

「あこもね、おにーちゃんが大好き!」

 

「わぉ…」

 

「……ゆ、友希那さんと同じだからね?」

 

 

腰にしがみつきながら、普段は見せないような恥ずかしげにしながらも、ハッキリと言う姿は可愛らしい。だが…これでまだ終わらなかった。

 

 

「友希那先輩もあこちゃんもズルーい! 私も竜騎先輩のこと、大好きなんだから!!」

 

「か、香澄ちゃん!?」

 

「えっと…ウチも! 香澄ちゃんと同じで、竜騎先輩が大好きです!!」

 

「ちょ!?りーみんまで一緒に何してるの!?」

 

 

香澄ちゃんとりーみんがそれぞれの腕にひっついてきた。何でこうなった…と言うかどうしようか…この状況。等と考えてたら…

 

 

 

 

 

「ねえ、みんな? 1回……“アタシの竜騎”から離れよっか?」

 

 

 

 

 

「!?!?!?」

 

 

何度聞いても慣れない、温度の感じられない声と視線に背筋が凍る。振り返ると予想通り、光のない瞳でリサがこちらを見ていた。

そう、何時もの暴走だ…

 

 

「リ、リサ姉…(泣)」

 

「「うぅ………(震)」

 

 

好きな相手から向けられるとは思えない視線に、あこ達は顔を青ざめさせながら素早く離れていく。

 

 

「ひいいいいいいいいぃ!?」

 

「リ、リサさん……!?」

 

「ど、どうしたんだ…リサさんは…?」

 

「ふえぇ…(涙)」

 

「リサさんこわ~い…(震)」

 

 

アフグロの娘達に至っては、この状態のリサを見た事無い見たいだから、凄く恐怖してる。まぁ…無理も無い。

全員離れたのを確認すると、リサはニッコリと満面の蠱惑的な笑みを浮かべ、俺の腕に絡みついてくる。

 

 

「うんうん、みんなありがとねー。じゃあ竜騎、帰ろっか?」

 

「……あ、うん(汗)」

 

 

当然この状態のリサに逆らえるはずもなく、俺達二人はCircleを後にした。

 

 

 

(竜騎視点END)

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

(友希那視点)

 

 

「湊さん…、何ですか、あのリサさんは……?」

 

「……まあ、竜騎のことになるとちょっと暴走してしまうの。大目に見てあげて、美竹さん」

 

「ちょっと……?」

 

「あれをちょっとと言える湊さんも凄いですよね……」

 

「伊達に幼馴染やってないわ。さて、私も行こうかしら。紗夜、燐子、ごめんなさいね」

 

「いえ……私は、大丈夫です。あこちゃん、大丈夫……?」

 

「ううう、やっぱりあの状態のリサ姉怖いよー、りんりん……(泣)」

 

「宇田川さん……こうなるのは告白する時に分かってたと思うのだけど…湊さん、1つかで宜しいですか?」

 

「何かしら?」

 

 

紗夜が私を引き留める。

 

 

「今井さんには落ち着くよう言ってください。最近、反省会が後回しになります…」

 

「そうね、リサにも良く言っておくわ…」

 

 

そう言って私は“ある場所”へ向かう。私が居る限り…“2人だけでお楽しみ”何て認めないから…。

 

 

(友希那視点END)

 

 

 

第10話:完

 

 

 

 

「竜騎と…」

 

 

 

 

 

 

 

「リサの…」

 

 

 

 

 

 

 

「「今日のカード紹介コーナー!!」

 

「今回は“エクスプロード・ウィング・ドラゴン”!」

 

「レベル7のシンクロモンスターで、チューナー以外の素材がドラゴン族と指定されてるね☆」

 

「自身よりも攻撃力の低いモンスターと戦闘する時は、ダメージ計算を行わずに破壊して、その攻撃力分の効果ダメージだ!」

 

「序盤で出せたら凄く助かるね!」

 

 

 

「次回!会長と風紀と子猫!」

 

「ん?子猫って?」

 

 

 

 

 

 




ご観覧、ありがとうございました!
次回は、別の2人がメインです!

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