バンドリ-漆黒の竜王-(本編完結)   作:D・MAKER

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第13話です!
パスパレが登場します。


彩りアイドルを守れ

(竜騎視点)

 

 

「じゃあ、ドラゾー。後でムーナと一緒にCircleの外で合流な」

 

『了解しました、マイロード!』

 

「じゃあムーナ、また後でな?」

 

「にー」

 

 

俺はそう言ってバイクを出した。今日はRoseliaメンバーとパスパレのライブを観に行くと言う事でCircleに向かっていた。

その途中…見覚えのある人物が走っているのを見かけた。

 

 

「ん?…アレは、サヤ?」

 

 

その人物とは、ポピパのドラマー、サヤこと“山吹沙綾”だった。どうやら慌てて走ってる様だ。そんな事を考えながらも、サヤより少し先にバイクを停める。

 

 

「おはようサヤ!」

 

「え?…あ、竜騎先輩!おはようございます!」

 

 

最初は驚いてたサヤだったけど、声で俺だと言う事が分かってくれた見たいで、元気良く挨拶を返してくれた。

この娘は本当に律儀で良い娘だなぁ。

 

 

「何か急いでる様だけど、どうかしたの?」

 

「これからポピパの皆とCircleで待ち合わせしてて、お店の手伝いをしてたらギリギリになっちゃって…」

 

 

そう言えば、家がパン屋さんだったなぁ。俺も買いに行ってるから見てるけど、朝とか仕込みから接客まで大変だもんね…。

 

 

「それだったら後ろに乗って行く?俺もリサ達と今日のCircleで開かれるパスパレのイベントに行くからさ。ヘルメットも有るよ」

 

「え?良いんですか?」

 

「サヤが嫌じゃなければだけど」

 

「い、嫌じゃないです!嫌では無いんですが……後でリサさん、前の様に怒ったりしないかなぁ…(汗)」

 

 

あぁ、成程。確かにリサがまた暴走するのは目に見えてるなぁ。でも、俺は何の対策もしてない訳じゃないけどねw

 

 

「リサにはさ、俺がちゃんと説明するよ」

 

「……聞こえてました?」

 

「耳は良い方なんだよね」

 

 

そう言って予備のヘルメットを貸して、背中に乗せる。

 

 

「それじゃ、しっかり捕まってて」

 

「は、はい!」

 

(思いっきりしがみ付かなくても…)

 

 

香澄ちゃんの時もそうだが、ポピパの娘達って何故かくっ付く時がコアラみたい…。(特に香澄ちゃんが)

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『Circle:ロビー』

 

 

 

「みんな、遅くなってごめーん!」

 

「おっはよーさーや! 大丈夫、まだ余裕あるよー!あれ、竜騎先輩も一緒? おはようございます!」

 

「おはよう香澄ちゃん!」

 

「香澄、急に走るなって何度も……って、竜騎先輩!?」

 

「有咲おはよう!」

 

「お、おはようございます!」

 

「「竜騎先輩、おはようございます!」」

 

「おたえ、りーみんもおはよう!」

 

「竜騎先輩ももしかして、パスパレのライブですか?」

 

「うん、リサ達と待ち合わせ」

 

 

俺とサヤがCircleに入った途端、香澄ちゃん達が此方に来た。

 

 

「偶然会ってから、先輩が乗せてくれたんだ。竜騎先輩、ありがとうございました!」

 

「お礼なんて良いよ、大した事ないしさ」

 

「えーーー!?沙綾、竜騎先輩のバイクに乗せて貰ったの!?羨ましい~!!」

 

「あれ、マリは何時から居たの?」

 

「さっきから居ましたよ~!!」

 

 

本当だ。よく見たらマリ(ひまりの呼び方)の他に蘭やトモ、モカっちにつぐみん達アフグロも居る。

 

 

「流石はリューさん、バイクで女の子を捕まえるなんてモカちゃんは驚きですよ~」

 

「捕まえるって…と言うか離れてくれモカっち…」

 

「そうだよ!モカばかりズルイ!!」

 

 

とそんなやり取りをしていたら…

 

 

「竜騎~、まーた他の子達と仲良くしてるの~?」

 

「うお!?リサ…別に下心は無いんだ…」

 

「本当に…?」

 

「本当だよ…」

 

「そうだよねー?その前に…モカ、ひまり?“アタシの竜騎”から離れてくれないかなぁ?」

 

「ひ、ひいいい!?」

 

「はーい……」

 

「また出た…」

 

「「「「「………………(震)」」」」」

 

 

嫉妬のオーラを纏ったリサのある力で俺達全員、震える…。リサを宥めてやっと、本日のイベント“パスパレ”のライブを観る事になる。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

『みんな、今日はありがとー!』

 

 

最後の一曲を歌い終わり、疲労を感じさせない笑顔でパスパレのボーカル、丸山彩が客席に向けて手を振ると、大歓声が上がった。

 

 

「流石大人気のアイドルバンド、ってところだねぇ」

 

「そうね…竜騎から見て、どうだったかしら?」

 

 

俺が感心したように呟くと、横に立っていたゆきが尋ねてくる。聞いているのは彼女達の技量だろうと理解した俺は顎に手を当て、答える。

 

 

「そうだな…最初の件に比べれば、アイドルバンドとしては高い完成度を誇っていると思う。でも、ゆき達に比べればまだまだだし、俺個人は Roselia の曲の方が好きだな」

 

「……当然よ。私達は頂点を目指す以上、誰にも負ける気はないわ」

 

ステージに目を向けたまま友希那は答えるが、嬉しさで緩みそうになる頬を必死に耐えているのに、俺は気付いた。まぁ、本人の前では言わない方が良いだろう。

その後片付けが終わり、パスパレのメンバーが俺達の元へやってきた。リサから聞いた話だと、合同ライブ等で何度も一緒に演奏しているらしい。世間は狭いなと思っていたら、ステージ衣装から着替えたパスパレメンバーと合流する。

 

 

「彩先輩、お疲れ様です! 今日もキラキラしてましたね!」

 

「香澄ちゃん、ありがとー!」

 

 

香澄ちゃんとボーカルの少女、丸山彩が手を取り合いながら話している横で、後ろから出てきたベースの白鷺千聖に氷川さんが声を掛ける。

 

 

「白鷺さん、お疲れ様です。また腕を上げたわね」

 

「ふふ、ありがとう紗夜ちゃん。あなたにそう言ってもらえると、嬉しくなっちゃうわね。……あら? そちらの方は?」

 

 

ん?俺の方を向いてるけど…。後ろを振り向いても誰も居ないがなぁ…。

 

 

「え、えっと…男性の貴方の事なのだけれど…(汗)」

 

「あぁ、俺の事ね」

 

「竜騎以外誰が居るの…?」

 

 

リサが苦笑いしながらツッコミを入れる。まぁ1人だけ男が混ざってたらそうなるかぁ…。

 

 

「彼は辰巳竜騎さんです。湊さんと今井さんの幼馴染で……私達Roseliaの、用心棒…ですかね?」

 

「用心棒って…(汗)…まぁ、用心棒且つメカニックかな」

 

 

間違っては無いなぁ、うん。

 

 

「仲が良いと言う事は理解したわ」

 

「恐縮です」

 

「ん~?んんん~?」

 

 

俺が丁寧に言うと、氷川さんに似た娘が俺の顔をマジマジとみる。

 

 

「日菜…何をしてるの?」

 

「えーと……氷川さん、妹さんだっけ?」

 

「はい、双子の妹の日菜です。日菜、辰巳さんが困ってるわよ…」

 

 

唸りながら竜騎の顔を見上げる日菜に紗夜は注意するも、

 

 

「んー……ねー、前にどこかで会わなかったかな?」

 

「確か、通ってる学校の生徒会長だったから、すれ違ってる位は…」

 

「え?でも、羽丘って女子学園だけど……?」

 

「あ、もしかして噂の共学モデルの男子生徒っすか?」

 

「そう言えば、羽丘に男子生徒が来たって言う話があったわね…」

 

「…ああ!思い出しました!」

 

「イヴちゃん、何を思い出したの?」

 

「此方の方は2年前から有名になってる、“カリスマデュエリスト”の辰巳竜騎さんです!」

 

「あ、オタクはデュエルでの俺を知ってる人?」

 

「はい!私は、、竜騎さんに憧れてデュエルを始めたんです!」

 

「そうなんだ…」

 

 

パスパレの中にもデュエルする娘が居るんだ…初耳だわ。

 

 

「うーん、その前に会った気がするけどなぁ…」

 

「日菜~?“アタシの竜騎”を逆ナンしてるの~?」

 

「違うよ~!と言うかリサちー怖くない?…前にるんっ♪て感じがしたのになぁ…」

 

「どんな感じよ、それは……」

 

 

他人の空似じゃないの。紗夜がそう続けようとした言葉は、周囲の悲鳴にかき消される。

 

 

「きゃあ!?」

 

「なんなんですか、あなた!?」

 

「うるせえぞガキ共、ここにパスパレの連中がいんだろ!?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

人波を掻き分けながら近付いてくる男の声に、パスパレの五人は肩を震わせる。それは驚きではなく、恐怖によるもの。

 

 

(この声は……嘘だろ…アイツは逮捕されたはずじゃ!?)

 

 

そしてもう一人、竜騎も反応していた。こちらは正体を隠していた時の記憶が蘇り、困惑と憤怒のない交ぜになった表情を浮かべる。

 

 

「みぃつけたあ……よーう、久しぶりだなあお前らぁ……?」

 

「ひっ……」

 

 

粘着質な声で名前を呼ばれ、彩は思わず悲鳴を上げてしまう。囚人服を着て、右手にナイフを持った男は、喜悦と憎悪の混じった瞳でメンバーを見据える。

 

 

「あ、あなた、どうしてここに……服役中でしょう……?」

 

「服役…あ、去年にニュースで出てた、元マネージャーだ…」

 

 

蘭の口から出た言葉…。そう、去年逮捕されたパスパレの元マネージャーだ。

 

 

「ああそうだよ、お前らと“変な野郎”のせいで牢屋にぶち込まれたが……隙見て抜け出してきたぜ。ったく、ちょっとアイドルについて『教育』してやろうってだけだったのに、ひでえ話だよなあ……なあ…彩ちゃんよぉ!?」

 

「き、きゃあああ!?」

 

 

唐突に向きを変え、固まっていた彩に手を伸ばす男。彩は動くこともできず、涙を浮かべる。

 

(ヤダ、誰か助け――)

 

 

まぁ…俺はそんなに見てる程、甘くはないがな…

 

 

「ガッ!?」

 

「――え?」

 

 

あと一歩というところで、男はその場で倒れた。正確には、横で待ち構えていた少年、竜騎のけたぐりによって、無様に転倒したのだが。

 

 

「耳障りな上に…目障りだ…」

 

「このクソガキ…先ずはテメェから殺してやる!!!」

 

 

そう言って男は竜騎にナイフを振りかざす。

 

 

「竜騎!!!」

 

「危ない!!」

 

 

ガシッ…

 

 

「………え?」

 

 

とても刺した音とは思えない音がした。それはそうだ…何故なら…

 

 

「なっ…!?」

 

「う、嘘だろ…竜騎先輩…?」

 

「す、素手で…刃を…?」

 

 

素手で刃を掴んでたからだ。

 

 

「こ、このガキ…離せ!!」

 

「毎回言うのも飽きるがな………犯罪者の分際で俺に意見するなって…何度も言わせるな?」

 

 

バキッ!!!

 

 

「「「「「!?!?!?!?!?!?!?」」」」」

 

 

俺はそう言ってナイフを素手でへし折った。リサ達は…当然驚くがな…

 

 

「素手で…ナイフを……!?」

 

「へし折った……!?」

 

(まただ…香澄の時と同じで、竜騎先輩が同じ目つきになってた…)

 

「あ、…ああ…に、逃げねえと…!?!?」

 

「何逃げようとしてんだ…?」

 

「ひ…ひぃ!?」

 

 

俺が睨んで恐怖させていると…

 

 

「見つけたぞ!もう逃げられんぞ!!」

 

「君、大丈夫かい?」

 

「警察はコイツを野放しにして何やってんだ…権力だけで無能だな」

 

「す、すみません…」

 

 

つい警察に怒ってしまった。だけど事実である事には変わらん。まぁ…当の本人の方が心配だな。」

 

 

「怪我は無いわけ?」

 

「あ…はい…」

 

 

どうやら怪我は無いようだ…。う~ん、やり過ぎて怖がってるか…(汗)

 

 

「竜騎、大丈夫!?」

 

「あぁ、怪我もしてないし大丈夫」

 

「良かったあ……もう、あんまり危ない事しないでよぉ……」

 

「悪い…」

 

「竜騎さん…手を見せて、下さい…」

 

「だ、大丈夫だよ…」

 

「ダメです…、傷が有ったら大変、です…」

 

「そうです、心配したのですから…」

 

「全く、無茶なんて物じゃ無いわ…」

 

「おにーちゃん、あこ…心配したんだよ?」

 

 

 

Roselia全員が心配してやって来た。まぁあんなの目の当たりにすればなぁ…。

 

 

「所でドラゾー、さっきのは撮れた?」

 

『問題ありません、マイロード!アイツの暴言や殺人未遂等の証拠はしっかりと押さえて置きました!』

 

「流石ドラゾー、ありがとな!」

 

「にー」

 

「ムーナ、もう少し待っててな?」

 

「にー」

 

 

先程の証拠はドラゾーがしっかりと撮ってくれてた。ムーナも俺に会いたかったのか、可愛く鳴いていた。

 

 

「って、子猫!?どっから?」

 

「いや…その前に…、あの猫を抱えている奴は何だ?ドラゴン型のロボットか何かか…?」

 

「ドラゾーだけど?」

 

『はい、ドラゾーですが?』

 

「えっと……竜騎先輩、名前もそうなんですけど…ドラゾーって何者なんですか?(汗)」

 

「ドラゾー君はね、おにーちゃんが作ったお手伝いロボットだよ!」

 

「竜騎先輩が作ったぁ!?」

 

「しかも、自我まで持ってるし…」

 

「え!?…自我持ってるんですか……?」

 

『はい、持ってます』

 

「竜騎先輩って、何でも有りだな……」

 

 

ドラゾーの事を知った有咲達は驚いてたなぁ…。まぁ、自我を持って動いてるって滅多と無いからかな。

それから、警察が奴を再び逮捕して、更に事務所の関連の人達も駆けつけて来た。

 

 

「えっと、本当にありがとうございました!」

 

「別に礼を言われる事はしてないけどね」

 

「それでも、自分達にとっては恩人っす!」

 

「竜騎さんは正にブシドーです!」

 

「俺、戦士よりドラゴン派だけど」

 

「そこ!?」

 

 

そんなやり取りをしながらお礼を言われている。

 

 

「あの…少しだけ良いですか?」

 

「ん?何?」

 

「もしかして……“先生”……ですか?」

 

「………」

 

「彩ちゃん…?“先生”って…彼は違うんじゃ無いかしら?」

 

「間違って無いけどね…チサ」

 

「!!…その呼び方は……」

 

「ん……」

 

 

俺は懐の仮面を一瞬だけ見せた。すると…

 

 

「「「「「あああああああああああああああああ!?」」」」」

 

「声大きい…」

 

 

予想以上のリアクション…声がデカくて耳が…。

 

 

「先生!!先生だったんですか!?」

 

「まさか、竜騎さんがオシショー様だったなんて!驚きです!!」

 

「道理で何か“るんっ♪”って感じがすると思ったけど、まさかの先生だったなんて…」

 

「し、師匠~!去年の事で師匠にアイツから助けて貰って、1週間だけの特訓以来、師匠に会いたいと探しても見つからずでした~!」

 

「そりゃ、素顔を出した事無いから分からんって…(汗)」

 

 

そう、去年もさっきの奴を倒して助けた事があった。しかも、マネージャーが俺に1週間だけコーチしてくれと言って来たんだ。俺は断ったが、依頼料が凄い額だったので、止むを得ず…ね?

 

 

『あ、あの~…マイロード…』

 

「どうしたドラゾー?ムーナが寂しがってるとか?」

 

『いえ、そうではなく……後ろを…(汗)」

 

「後ろ?………あ……」

 

 

パルパレに驚かれながらも、ドラゾーの言う通りに後ろを向くと……

 

 

「……ねーえ竜騎、アタシに説明してくれるよねー?」

 

「……貴方、私達に隠し事が多すぎないかしら?」

 

「竜騎先輩、一体どう言う事ですか!?」

 

 

「あ、あはははは…」

 

 

リサやゆきを中心に何か黒い物を感じた…。だが…

 

 

「悪いけど、今日は疲れたし…ムーナもお腹を空く頃だから、また今度ね。ドラゾー、ムーナ…帰ろう」

 

『りょ、了解しました……(汗)」

 

「にー?」

 

不思議そうに首を傾げるムーナをよそに、俺は身の危険を感じて此処を去る。だが…

 

 

「辰巳さん、ダメですよ」

 

「逃がしません…」

 

「薄情するまで離しません」

 

「ちょ!?」

 

「ふっふっふ…我らの力を持ってすれば、黒き竜を簡単に捕獲出来る」

 

「おーい…」

 

「私達アフグロの件を差し置いて、どう言う事ですか?」

 

「去年の話だ…」

 

「何にしても竜騎?薄情するまで…逃ガサナイカラネ?」

 

 

結局、話さるを得なかった…。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『Circle:ロビー』

 

 

「ねーリュっ君、前みたいにパスパレのコーチになってよー!」

 

『!?』

 

 

翌日、事件の影響で客入りが常より Circle 内にて。紗夜にくっついてきた氷川妹がいきなり爆弾発言してくれたことで、パスパレ以外のメンバーが一斉に氷川妹の方を振り向く。

 

 

「リュっ君って…俺の事?と言うか、ソッチはもう居るって聞いたけど?」

 

「確かにそうだけどさぁ、リュっ君が居ると皆のモチベーションも上がるし、あたしはるんっ♪って来ると思うよ~!」

 

「あ、私もソレ良いと思う!」

 

「そうね…せんせ、じゃなくて竜騎さんのご指導なら是非…」

 

『ダメ(です)!』

 

「わっ!?」

 

異口同音にリサ達 Roselia だけでなくポピパ、アフグロからも反対の叫び声が上がり、氷川妹は驚きの声を上げてから、

 

「な、何やらRoseliaの人達だけで無く、戸山さん達からも凄い気迫っす…(汗)」

 

「皆さん、何だか燃えてます!」

 

「えー、何がダメなのー?」

 

 

 

分かりやすく頬を膨らませ、不満を顔に出す。喜怒哀楽が激しい…。

 

 

「私達ポピパとRoselia の両方を見てもらってるんだから、これ以上は竜騎先輩が大変になっちゃいますよ!」

 

「香澄がまともな事を言ってる」

 

「えぇ?それどう言う意味なのおたえ!?」

 

「確かにな。“竜騎先輩の事に限って”だけど…」

 

「有咲まで酷いよ~!」

 

「香澄達はまだいいじゃん。あたし達なんか、何度お願いしてもコーチをやってくれないし……」

 

「一生根に持たれるなぁ…」

 

「ちょっと蘭!?そんな事言ったら余計に竜騎先輩が引き受けてくれなくなるじゃん!!そう言うのはリーダーである私がさ…」

 

「え?アフグロのリーダーってマリだったの?てっきり蘭かと思ってた…」

 

「ええええ!?酷いですよぉ~!!」

 

「ごめん…(汗)」

 

「これも何時も通り~」

 

「モカまで~!!」

 

「アタシは香澄と一緒かなー。竜騎の負担がこれ以上増えるのは、ちょっとねー……」

 

「そうね、私もリサと同じ意見よ」

 

「ぶー、りさちーも香澄ちゃんもずーるーいー!ねーリュっ君、いいでしょー? 昔みたいに教えてー!」

 

「裾引っ張りながら無茶を言うな……無理なもんは無理だから」

 

 

俺だって自身の活動とかあるんだからさ…

 

 

「むう……じゃーあ、勝負しよ勝負! 勝ったらリュっ君があたし達のコーチになること!」

 

「俺が勝ったらどうするんだ……」

 

「それは秘密だよ!」

 

「おい…」

 

 

条件が成立して無いぞ。そう思ってると…

 

 

「あれ? もしかして、自信ないの?」

 

「何……?」

 

 

鞄からデッキを取り出して挑発(本人にそのつもりはないが)する日菜にピクリ、と眉を動かし…

 

 

「……デュエル出来るのか、オタク?」

 

「もっちろん!」

 

「……そうか。デュエル挑んだ以上、後悔は無しな?」

 

「行っくよ~!」

 

 

少しばかり険のある声で竜騎もデッキとデュエルディスクを取り出し、身構える。

 

 

「……なーんで Circle でデュエル始まってるんだろうね~?」

 

「日菜がすいません……」

 

 

その後ろでは、双子の姉である紗夜が、非常に申し訳なさそうに縮こまっていた。

 

 

 

(竜騎視点END)

 

 

 

第13話:完

 

 

 

 

「竜騎と…」

 

 

 

 

 

 

 

「リサの…」

 

 

 

 

 

 

 

「「今日のカード紹介コーナー!!」

 

「今回は“BF-アーマード・ウイング”!」

 

「蘭のカードだね!BFのシンクロモンスター!戦闘では破壊されない上にダメージも0だね!」

 

「しかも、相手が強くても楔カウンターを置くんだ!取り除いたターン終了時までは攻撃力と守備力が0!」

 

「うわ、戦闘以外で無いと対処し辛いなぁ…。対策はしっかりとね☆」

 

 

 

「次回、姉の告白、妹の後押し!氷川さん…?」

 

 

 




ご観覧、ありがとうございました!
次回はタイトル通り…お楽しみに!

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