前回の後編です!
前回、ミュッシーの捜索の為に分かれて行動していた竜騎達一行。そんな中、こころ達のチームが怪しい影を見たとされている場所を突き止め、目撃情報のある場所まで向かう事に。
「此処が、目撃情報の場所?」
「そうみたいだけどね…」
「竜騎、さっきからどうしたの?」
「いや、何でも…」
「ん~?」
リサが竜騎の考え事を探っている模様。だが、竜騎も簡単には折れない。すると…
「アレ?…霧が出て来た」
「そう言えば…この辺りは時々、霧が発生するって聞いたな…。まぁ一時的な物だから大丈夫だろうけど…」
「お、おい…今、アソコ何か赤く光らなかったか?」
「え?どこどこ!?」
「巴、本当に見たの~?」
「確かに見たんだって!」
何か赤い光が見えたと言っている巴、だが赤い光は見当たらない。
「……?」
「りん、何か見えたの?」
「アソコ、何か…光りました……」
燐子が何か見つけた先を見つめる竜騎達。そして…
「あ、光った」
「本当だ!何か光った!
「きっとミュッシーよ!さ、出て来てミュッシー!!」
こころがそう言うと、2つの赤い光が霧の中ではっきり見えた。
「ああああああ!!」
「「「「「ミュッシー!?!?!?!?」」」」」
数人がミュッシーらしき影を見つけて大声をあげる。
「ほ、本物!?本物なの竜騎?」
「いや…アレは……」
リサも本物かと騒ぎ始める。それと同時に霧が晴れて行く。そしてミュッシーの正体は……
「「「「「………アレ???」」」」」
それはランプの光であった。しかも、そのランプはスピーカーも付いており、そのコードを辿ると下にはギターらしき物が繋がっていた。
「あれ?ギターか何かかな?」
「な、何でこんな物が…?」
「こ、コレがミュッシーの正体?」
「あぁ…うん」
「竜騎さん…?」
「さっきからどうしたの?まさか、何か知ってるの?」
「えっと……」
燐子とリサが竜騎の様子が変な事に気付いており、竜騎も隠しきれないと思い白状する事に……
ーーーーーーーーーー
「竜騎先輩が作った“暴走族撃退装置いいいいいいいい!?!?」
有咲の大声が響き渡る。竜騎と有咲以外はポカンと口を開けたままだった。
「この間の仕事の依頼で作ったんだ…。暴走族の音をギターの演奏が出るスピーカーの音で掻き消す為だったんだけど…」
「けど…どうしたんですか?」
「スピーカーに付いてる赤いランプが、どうも怪獣の目と間違えられて寧ろそれで暴走族が逃げたらしい上に、捕まったそうで…」
「な、成程…」
当時、発生してた霧で具体的な形が分からず赤い光が目に見えてしまった為に、怪獣等と間違われてたらしい…。
「ここの目撃情報の正体は、竜騎先輩の発明品…」
「もっと早く教えて下さいよ~!!」
「ご、ゴメン……(汗)」
当然、こうなるのがオチ。
「コレ…弾けるのかな?」
「え…?待った!静かな状態で弾くと…」
たえが装置のギターを軽く弾いた。すると…
ギュイイイイイイン!!
「「キャアアアアアアア!?」」
「こうなるから……おっと!?」
たえが引いたギターの音がスピーカーから発した。しかし、スピーカーから放たれた音と衝撃破で竜騎とたえ以外が吹っ飛ぶ。
「い…痛いっす…」
「ふえぇ…」
「ひまり、大丈夫か?」
「ダメ、巴助けて~…」
「ごめ~ん、皆大丈夫?」
「いてて、ゴメンじゃねぇよおたえ!勝手に弾くなよ普通に!!」
盛大に吹っ飛んで、立ち上がったり心配したり。そして…
「ありがとリューキ!色んな物を作れたり、私を助けてくれたり凄いわ!」
「あ、あはは…」
竜騎の元に吹っ飛んだこころは、助けてくれたと思い込み抱き着いた。だが、それを許さず嫉妬して暴走する存在が居る事を忘れてはならなかった…。
「りゅ~う~き~?アタシを助けずに、他の子を抱き止めるなんて…余りにも酷いんじゃ無いかなぁ……?」
「り、リサ!?ぐ、偶然なだけで…俺は他意も何も無いんだ…」
ガシッ!!
「………」
「り、りん……?」
後ろには無言の圧力を放ってた燐子が居て、捕まってしまう。
「……今井さん。抑え、ました……」
「ナイス燐子、こころはちょーっと離れてね?」
「うわ!? ちょ、リサ…んむっ!?」
そのまま問答無用にリサの胸元へ抱き寄せられてしまう。
「じゃあ、ちょっと向こうで“調教”しよっか?」
「んむっ、んう……」
そのままの体勢で三人は林の中に離れていき、こころはポカンとした表情をしていた。
「リサと燐子はどうしたのかしら?…あら、皆震えてるけど寒いの?」
残った他の面々は、リサと燐子から発する恐怖で震えていた。
「……リサさん、せめて公共の場で隠そうと思わないのかな…」
「……市ヶ谷さん。何があの二人をあそこまで変えたんだろ?」
「私に聞かれても困る……」
「だよねえ……」
ーーーーーーーーーーー
それからして、残りのチームとも無事に合流した。
「あれ、おにーちゃんはどうしたの?」
「あ…えっと…」
「疲れただけだよね~?」
「えぇ…。今井さんの言う通り、です…」
「???」
先程の“調教”でグッタリしてる竜騎。あこは不思議そうにしてたが、リサと燐子がそう言うと、疑問に思いながらも聞かなかった。
(市ヶ谷さん達のこの状況…恐らく竜騎さんはまた…)
(リサ達を嫉妬させて調教を受けた様ね…)
紗夜と友希那は何があったのか直ぐに察した。
そして今居る場所は、最後の目撃情報とされる場所へ来ている。どうも廃墟となってる場所で瓦礫が多く、足場は宜しく無い模様。
「やっぱり都市伝説だから、実際に居るのは難しいか」
『そうですね…私の計算での確立も1%あるかどうかも怪しいです』
「所でムーナはさっきから地面をカリカリしてるな…」
『そうですね………ん?コレは……』
「どうしたドラゾー?」
『ムーナがカリカリしている場所…、何かあります」
「ん?どれだ……コレは……!?」
ムーナの足元を見れば、何やら文字か記号の様な暗号を見つけた。
「ドラゾー、写真だけ撮って置いてくれ」
『了解しました、もしやコレは…』
「そう思いたいけど…調べないとな。確信が持てずに言うのはなぁ…」
『私もそう思います』
「竜騎~!」
「あ、リサ!」
ドラゾーと話しているとリサが駆け寄って来た。
「ミュッシーの手掛かり、何か見つかった?」
「いや、全然…(汗)」
「そっか~、此処もダメだったね…」
「ま、都市伝説は見つからないから都市伝説なのかもね…」
「そうだね、アタシ達もそろそろ皆と合流しよ?」
「うん」
そう言って、他の娘達と合流した。それぞれ探しては見たが、手掛かり1つ見つからなかった。
「うーん……結局いなかったね、美咲ちゃん」
「まあ、そんな簡単に見つかれば都市伝説なんて言われませんよ」
「大丈夫だよかのちゃん先輩、みーくん! 諦めずに探せば、いつか絶対に会えるんだから!」
「そうね、はぐみの言う通りよ! またみんなで探して、ハッピーな出会いを見つけましょう!」
「未知の生物との出会い……ふっ、想像するだけで儚いじゃないか」
「いや当初と目的が変わってない?」
ハロハピメンバーは何時もの感じで話していた。
「まあでも、久々に色々回って楽しかったよー。ね、友希那♪」
「そうね、偶にはこういうのも悪くはないわ。……竜騎を最初から最後まで独占されたのは、ちょっと納得がいかないけど」
友希那の妬ましそうな小声のセリフはともかく、他の面々も概ね楽しかったと好評である。
(アレが関係してるのなら…調べる必要があるな…。俺は…俺の野望を進むだけだ)
「にー?」
「ん?ムーナ、心配してくれてるのか?」
「にー」
「帰ったらご飯にしよっか」
「にー」
そうムーナを抱える竜騎。
そして先程の暗号…竜騎の“野望”に関係する物であると、この時のリサ達は知らなかった…。
第17話:完
「竜騎と…」
「リサの…」
「「今日のカード紹介コーナー!!」
「今回は“ツイン・トライアングル”!」
「リンク召喚成功時に、墓地のレベル5以上の闇属性モンスターを自身のリンク先に特殊召喚!」
「ただし攻撃は出来ず効果も無効だから、次のリンク召喚に繋げよう!」
「次回、開幕!?竜騎争奪戦!……やな予感(汗)」
『竜騎と人間関係⑤』
弦巻こころ
ハロー、ハッピーワールド!のボーカル。
竜騎とは去年に会っており、正体も知っていた。
時に竜騎に抱き着いたり、重婚可能な法律を作ろうとしている。
瀬田薫
ハロー、ハッピーワールド!のギタリスト。
演劇部で竜騎に機材のサポートを頼む事もある。
北沢はぐみ
ハロー、ハッピーワールド!のベーシスト。
精肉店で既に顔を知っており、竜騎とはデュエル仲間である。
松原花音
ハロー、ハッピーワールド!のドラマー。
水族館で迷子になっていた所に出会う。迷子になっては竜騎に助けて貰う事が多い。
ミッシェル/奥沢美咲
ハロー、ハッピーワールド!のDJでミッシェル本人。
“漆黒の魔竜”のファンであり、竜騎を数少ない常識人と認識している。
『呼び方・呼ばれ方④』
こころ:リューキ 竜騎:ココちゃん
薫:竜騎君 竜騎:薫君
はぐみ:リー君 竜騎:はぐみん
花音:竜騎君 竜騎:カノちゃん
美咲:竜騎さん 竜騎:ミサ
ご観覧、ありがとうございました!
此処までの段階で、観覧は勿論、お気に入りやコメントを下さってる方々には本当に感謝しております!
次回もお楽しみに!