シリアス回、長いです。
(リサ視点)
「竜騎~、居るの~?」
アタシは竜騎の家に入り、竜騎を呼ぶ。玄関の靴を見るに、帰宅はしているだろうけど、本当にこの家は広いんだよね。ドラゾーやムーナが居るとはいえ、竜騎はこんなところに一人で居て寂しくないのかな。
「ガレージには居ない……ってことは部屋かな?」
何時も何かあったときはガレージで機械いじりをしていることが多いけれど、今回は違うみたいね。
「竜騎?開けるよ?」
再び広い家の中を歩き、竜騎の部屋のドアを開ける。
「リサ……」
ベッドの上でギターを持っていた竜騎と視線が絡んだ。
「気になってきちゃった。大丈夫?」
「別に、平気だよ」
「はい、ウソ。大丈夫じゃないからさっさと帰ったんでしょ?」
「……」
じっと竜騎の視線が強くアタシを見つめてくる。でも、アタシが“それで”納得するワケないじゃん。
「葉山アミの事は、アタシにも言えない事?」
「変な言い方をしないで欲しいな…」
「っはは、そうしないと竜騎は全部自分の中で完結しようとするじゃん」
「俺は別に……」
しかし、アタシはその先を言わせない。どさりと彼のベッドサイドに腰を下ろして代わりに言うの。
「隠すことがなんでもかっこいいワケないよ。竜騎はアタシを思ってのことでも、アタシはそれで納得しない。竜騎が抱えてるものはアタシだって抱えたい」
「リサ……」
「だって、アタシは竜騎の彼女だもん……違う?彼女であるアタシにも、隠し事なんて許さないんだから」
「…………」
再び口をつぐんだ竜騎はしばらく考えるように目を伏せたままだ。しかし、やっとアタシの方を見て口を開いてくれた。
「わかったよ、話す……ごめん、俺はこう言うのは不器用だからさ」
「あはは!そんなの今に限ったことじゃないじゃん!」
「リサには助けられてばかりだな……情けない」
「そうやってカッコつけるからだよ~、かっこいいのもいいけど、それはライブで一番かっこいい竜騎を見せてくれたらそれで十分!」
「そうだな」
やっと笑ったね、竜騎。
「……まあ、じゃあ何から話すかな……取り合えずリサに知って置いて欲しい事だから」
「……うん」
それからしばらくの間、アタシは竜騎の過去を少しだけ知ることができた。少しだけって思ったのは、竜騎が何か考えながら話しているのが分かったから。
“それ以上”は、今回は許してあげようと思う。
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『キング・アリーナ:控え室』
アタシ達、Roseliaのライブが終えた後に、竜騎のライブが終わった。竜騎が控室に戻ると…。
「竜騎…」
「ん?」
友希那が竜騎に話しかけて来た。
「リサからその…聞いたの。前の様に向こうで怖がられてた事とか…」
「リサ…」
「ご、ゴメン…。結局話しちゃった……」
「私達が後でリサに聞いただけなの。リサは許してあげて…」
「まぁ、俺は良いけどね」
竜騎は気にしては…無いと思う。うん…そんな時に…
「竜騎先輩!お疲れ様で~す!」
「あ、香澄ちゃん」
控室に香澄が飛び込んで来た。
「香澄、今はコードネームの方で呼べよ!」
「あ、ゴメ~ン有咲」
香澄…忘れてたなぁ?
「そう言えば、もうすぐ彼女…“葉山アミ”の順番でしたね」
「そうね…観に行きましょう」
「うん…」
アタシ達は最後の出場者…“葉山アミ”のライブを観に行く。
「では、最後の曲です」
彼女はそう言って最後の曲を歌う。この歌声…アタシからすれば相当な物だ。
「彼女、相当ね…」
「ボーカルだけでコレ程とは…」
友希那も紗夜も感心してる。そして彼女が歌い終え、彼女が喋り始める。
「私の歌を聴いて頂き、ありがとうございました。突然ですが、1つだけ私の我儘を宜しいでしょうか?」
「え?」
「!」
彼女の我儘とは何だろうと思ったら、竜騎(漆黒の魔竜)がスポットライトを浴びる。
「漆黒の魔竜、今ここで私とデュエルしなさい!」
「えぇ!?」
葉山アミは竜騎にデュエルで勝負しろと言い始めた。
「何時かは来るって思ってた…。行って来る」
「竜騎…」
竜騎はそう言ってステージに立つ。
「そろそろ、仮面を取ったらどう?竜騎…。私は正体を知ってるのよ?」
「やれやれ…正体をバラすなよ…」
あの娘…竜騎の正体を知ってるの…?それだけじゃない…
「え…アレって…“冷酷なる魔竜”…辰巳竜騎じゃあ…」
「えぇ!?あの人が“漆黒の魔竜”だったの!?」
「マジかよ…正体がカリスマデュエリストだったなんて…」
観客側からも大騒ぎ。そうだよね、まさか此処で正体がバレるなんて思っても無いもの…。
「あわわわ…、何か凄い騒ぎにになってない…?」
「うん…正体が誰も予想出来なかったんだろうね…」
「うん、此処まで騒ぎになるなんて…」
「あの葉山アミって女、何考えてんだ…」
一方で観客席に居る有咲達ポピパや他のガルパも、竜騎の正体が観客等にバレた事に動揺が隠せない。
「さて、じゃあデュエルを始めましょうか…」
「…」
「「デュエル!」」
こうして、竜騎と葉山アミのデュエルが始まった。
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竜騎:LP4000
アミ:LP4000
『1ターン目』
「私のターン!私はモンスターをセットし、カードを1枚伏せてターンエンド!」
「え?伏せただけ?」
「彼女…どう言うつもりでしょう?」
『2ターン目』
(アミが意味も無く伏せるだけで終わる訳が無い…恐らく…。いや、今は此方のペースに持ち込む)
「俺のターン、ドロー!フィールド魔法、“リボルブート・セクター”を発動!そして効果で、手札から2枚まで、ヴァレットを守備表示で特殊召喚する!エクスプロードヴァレットと、シルバーヴァレットを守備表示で特殊召喚!」
シルバーヴァレット・ドラゴン
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1900/守 100
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時に発動できる。
このカードを破壊する。
その後、相手のEXデッキを確認し、その内の1枚を選んで除外する。
(2):フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。
デッキから「シルバーヴァレット・ドラゴン」以外の「ヴァレット」モンスター1体を特殊召喚する。
「そして手札から、アブソルーターを特殊召喚!そして現れろ!野望を突き進むサーキット!召喚条件は“ドラゴン族・闇属性モンスター2体”!俺はエクスプロードとアブソルーターの2体をリンクマーカーにセット!リンク召喚!来いリンク2、“デリンジャラス・ドラゴン”!」
デリンジャラス・ドラゴン
リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/ドラゴン族/攻1600
【リンクマーカー:上/下】
ドラゴン族・闇属性モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手エンドフェイズに、このターン攻撃宣言をしていない
相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールドに「ヴァレット」モンスターが特殊召喚された場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
「アブソルーターの効果で、デッキからアネスヴァレットを手札に加える。そして再び現れろ、野望を突き進むサーキット!召喚条件は“トークン以外のモンスター2体以上”!俺はリンク2のデリンジャラスとシルバーヴァレットの2体をリンクマーカーにセット!3つの銃口よ、相手の守りも策も全て打ち抜け!リンク召喚!リンク3、“スリーバーストショット・ドラゴン”!!」
「来ました、竜騎さんの…主力モンスター…」
「しかも、守備相手なら貫通効果でダメージも狙えます」
「させないわ。速攻魔法“禁じられた聖杯”を発動。ターン終了時まで、スリーバーストの攻撃力を400アップして効果を無効化!」
禁じられた聖杯
速攻魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が400アップし、効果は無効化される。
「攻撃力は上がったけど…貫通効果が…」
「そのままバトル!スリーバーストでセットモンスターを攻撃!」
竜騎がスリーバーストで、アミのセットモンスターを攻撃。アミのセットモンスターは“伝説の白石”と言うカードだった。
「伝説の白石の効果発動。墓地に送られた時、デッキから“青眼の白龍”を手札に加える」
「ブルーアイズ…アミのエースか……」
青眼の白龍
通常モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。
どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。
「あわわわ…ブルーアイズ…」
「あ、あこ…そんなに凄いカードなの?」
「そりゃそうだよ!!昔から凄く強くて人気の高いドラゴンなんだよ!デュエルでも歴史が長いし、今でも関連のカードだって増えてる程の人気カードなんだよ!」
「そ、そうなんだ…(汗)」
そんなに昔から人気があるんだ…しかも画面で見たけど…レベル8で攻撃力3000に守備力2500…!?…正直強すぎる(汗)でも、竜騎だってヴァレルロードを出せば…。
「カードを1枚セットして…ターンエンド」
『3ターン目』
「貴方のエースはまだかしら?」
「そう焦るな。デュエルは始まったばかりなんだ」
「エース…ヴァレルロードの事でしょうか?」
「恐らく…」
「早く出して欲しいものだけれど…」
「葉山さん…ヴァレルロードの事、凄く気にしてますね…」
「うん…」
「えらいヴァレルロードを意識してるんだ」
「勿論よ。………ねぇ竜騎?」
ヴァレルロードに関しては凄く意識している葉山アミから、意味深な言葉が発せられる。
「貴方のヴァレルロード・ドラゴン、アレは何処で手に入れたの?」
「……え?」
ヴァレルロードを何処で手に入れたか…?……一体何を言ってるの………?
「アミは既に知ってる筈だけど?」
「それとも、言えないのかしら?」
「ちょっと待ってよ!竜騎がヴァレルロードを持ってて、何か問題でもあるって言うの?」
アタシが葉山アミにそう抗議する。だけど彼女はこう言った…
「貴女とボーカルの人って、竜騎の幼馴染なのよね?」
「そ、そうだけど…」
「それと何が関係すると言うの?」
「どうやら、何も聞かされて無いのね」
葉山アミが呆れながら言う。まるで挑発をする様に…。
「どう言う事?」
「辰巳竜騎と言う人間は、貴女達が思っている以上に隠し事が多いと言う事よ」
「そ、そんな事…」
確かに竜騎は隠し事があるかも知れない。だけど…
「だったら、嘗ての竜騎のエースがヴァレルロードでは無い事も知ってる筈だけど?」
「え?……嘗てのエース……?」
「竜騎の前のエースは“闇鋼龍ダークネスメタル”だった筈よ?」
「闇鋼龍…ダークネスメタル……!…そうだ、そうだった!」
「そうだったわ…。戸山さんの時のデュエルで、違和感があったのは…コレだったのね」
そうだった。アタシと友希那は10年以上前から竜騎と居たのに、すっかり忘れてた…。
「そしてヴァレルロードは元々、彼が2年前から使い始めたカード。そして彼が最初の所有者では無かった…」
「…え?」
「おにーちゃんが最初の所有者じゃ……無い?」
一体どう言う事…?竜騎以外の所有者が居たって言うの…?
「その所有者は彼にとっての恩人である“葉山亮斗”。そう………
“4年前に殺されて亡くなった、私の父のエースモンスターだったから”よ!!」
「…え!?」
「な……!?」
竜騎の恩人で……葉山アミの…お父さんの…カード…?………それって……どう言う事…?
(リサ視点END)
第21話:完
「竜騎と…」
「リサの…」
「「今日のカード紹介コーナー!!」
「今回は此方!“オートヴァレット・ドラゴン”!」
「お、別のヴァレットだね!リンクモンスターの効果対象になったら、今度は自身を破壊して…魔法・罠を墓地送りにするんだ☆」
「しかも、マグナやシェルと同様に破壊されたターン終了時に別のヴァレットを特殊召喚出来るんだ!」
「次回、疑惑のヴァレルロード!………竜騎、嘘…だよね…?」
『オリキャラ紹介②』
葉山アミ(はやま あみ)
イメージCV:伊藤静
年齢:17歳
学年:魔気亜高等学校3年生
一人称:私
好きな食べ物:梅昆布茶
嫌いな食べ物:トマトジュース
趣味:発明、作曲
楽器:専用マイク
デッキ:青眼デッキ
暗い青緑の髪をした物静かな少女で、今は西日本の天才歌姫と呼ばれている注目のボーカル。
竜騎とは4、5年前に知り合ってたらしいが、再会そうそう、竜騎に宣戦布告を仕掛けて来た。
エースは“青眼の白龍”。
「次に会う時は、貴方と私……何方かの野望が潰える時よ」
「辰巳竜騎と言う人間は、貴女達が思っている以上に隠し事が多いと言う事よ」
ご観覧、ありがとうございました!
まだまだシリアスは続きます!お楽しみに!