(リサ視点)
引っ手繰りを追い掛けて、結構走った。もう何処まで走ったか覚えてない程。
「っち…」
「?」
引っ手繰りは急に広場の池で止まった。広場には人気が無い…。
「此処なら…」
「…え?……なっ…!?」
引っ手繰りは何かを取り出した。取り出したのは何と“包丁”だ。
「ま、まさか…」
「此処で大人しくすりゃあ…命は取らないぜぇ?」
「や、ヤダ…」
アタシは恐怖して体が硬まる。でも…こんな事で…
「じゃあ、死ぬか?」
「ヒッ…!?」
アタシはその脅迫に更に恐怖を抱く。そんな時…
「リサ、大丈夫!?」
「…今井さん…!?」
友希那達が駆けつけて来てくれた。
「おっと、動くな!このガキの命が惜しいならな!」
「リサ姉!!」
「何故こんな真似を…」
「テメェ等に話す気は根も葉もねぇんだよ!このガキを返して欲しければ金を用意しな!」
「ひ、卑怯な…」
紗夜達もアタシの所為で抵抗出来ない状態…。どうしよう…
「払わねぇなら、このガキの後にテメェ等も後でコイツの元へ送ってやる…」
「や…やだ…。アタシは良いから皆だけは…」
「人質が意見してんじゃねえ!死ね!!」
「イヤアア!?」
「「「「リサ(リサ姉/今井さん)!!!」」」」
ゴメン皆…ゴメン竜騎、アタシは今日で…
ドカンッ!!!
「ギャアア!?」
「「「「「……え?」」」」」
何故か引っ手繰りが吹っ飛んでた。一体何が起こったんだろう…?
「今のは…」
「あこ見ました!横から銃弾が出て、バーンとなって!」
「銃弾…それにしても大きい様な…」
『グルルル…』
「な、何ですか…今のは?
「狼…?」
「あ、アレ、です…」
「りんりん?…えぇ!?」
燐子が何か動揺していて、更にあこも何かを見て声をあげていた。アタシも見てみると…
「…な、何……アレ?」
「ド、ドラゴン…?」
向いた先に居たのは、赤と黒を中心に見た目がメカメカしいドラゴンだった。と言うよりも…デカい。
「いつつ…って、うわあぁ!?」
「ギャアギャアほざくな…犯罪者の声は耳が腐る…」
「彼は…」
「へ、漆黒の魔竜…」
竜の足元に居たのは、先程ライブで活躍していた漆黒の魔竜本人だった。あのドラゴンは彼が出したのだろうか…?
「このガキぃ…俺様が誰だかわかっt」
「知るか」
「って、まだ言いきってねぇだろうが!」
「犯罪者の分際で、俺に気安く意見するなよ……?」
「!?!?!?」
何…この憎悪に満ちた威圧は…彼から…?
「やれ…“ヴァレルロード・ドラゴン”」
『グルアアア!!』
「う、うわあああああぁぁぁぁあああ!?」
彼の指示であのドラゴンは引っ手繰りを攻撃した。そして引っ手繰りは完全に気絶している。怪我は全く無い見たい…。
「えっと…何これ…」
「「「「……………………」」」」
アタシもそうだけど、友希那達も開いた口が塞がらない状態。まぁ…無理もないよね。あ、バッグは無事だった。
そして警察が到着し、引っ手繰りを逮捕しパトカーに乗せて去った。
「リサ姉、大丈夫だった!?怪我とかしてない!?」
「うん、大丈夫だよ」
「それにしても、彼が出したあのドラゴンは…」
「もしかしたら、デュエルモンスターズ…でしょうか?」
「それって昔からある“カードゲーム”だっけ?」
「何にしても…お礼の1つは言わないとね…」
「うん、そうだね…ちゃんとお礼を言わないと」
そう言ってアタシは彼、漆黒の魔竜にお礼を言いに行った。
「あの…」
「大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます。大事な物があったので…」
「なら良かった…」
「漆黒の魔竜さん、私からもお礼を言うわ。ありがとう…」
「気にする事は無いさ。単に個人で犯罪者を痛ぶりたかっただけさ。ま、警察も肝心な所で役に立たん」
「…本当に変わった人ですね…」
「まぁ…リサの事を放って置く訳にも行かないし…」
「…あれ?何でリサ姉の事知ってるの?」
「…あ(汗)」
「貴方…何処かで会った事無いかしら?」
「会った事があると言うより、有名だから知らない訳無いけどねぇ…(汗)」
「あ…」
「今井、さん…?」
「そのキーホルダー…」
「え?…あ…(汗)」
それはアタシが昔、彼にあげた“ドラゴンのキーホルダー”だった。やっぱり彼…漆黒の魔竜は…
「さて、俺もそろそろ消えるかな…」
「待って!」
「ん?」
アタシは彼を呼び止め…そして尋ねた。
「竜騎…?」
「……竜騎?」
「「「???」」」
「…………」
アタシは竜騎じゃないかと尋ねた。だけど、彼は少し黙ってた…そして口を開くと…
「口外しないなら…正体を教えても良い…」
「う、うん…」
アタシはそう返事した。そして、彼は仮面を取った…。その素顔は…
「久しぶり、リサ」
久しぶり…じゃあ、本当に竜騎だ…。竜騎が帰って来てくれたんだ……
「りゅうきぃ…」
「?」
「竜騎ーーー!!!」
「うおっ!?」
アタシは嬉しさの余り、竜騎に抱き着いた。
「竜騎、竜騎~、ヒック…会いたかった…会いたかったよぉ~……ヒック」
「10年、待たせた…かな?」
「うぅ…10年も待たせ過ぎだよぉ…ヒック、アタシ…忘れられたんじゃないかって…不安だったんだよぉ…ヒック…」
「それは無い」
竜騎…りゅうき・・・リュウキ…やっと…やっと帰って来てくれた。
アタシとの約束を守ってくれた…。
それに、アタシを助けてくれた…アタシだけの竜騎…。
竜騎、りゅうき、リュウキ……………
モウ、アタシヲ離サナイデ……………
(リサ視点END)
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(竜騎視点)
再会そうそう、抱き着かれた上にワンワンと泣き始めたリサ…。さて…どうするか…。
「竜騎……なの?」
「久しぶり友希那、良く俺だって分かったなぁ」
「そのキーホルダー、リサから貰った物でしょう?覚えてるわよ」
「えっと、湊さん…お知り合いですか?」
「私とリサの幼馴染よ、10年前に引っ越してたのだけど…何時帰って来たのかしら?」
「1週間前」
「竜騎って名前…何処かで…………あああああああああ!!」
「ど、どうしたの、あこちゃん…?」
「急に大声を出したらビックリするでしょ!?」
「この人って、“冷酷なる魔竜”の異名を持つ“辰巳竜騎”さんですよ!!2年前に当時16歳の若さでデュエル協会から認定された“カリスマデュエリスト”ですよ!!」
「あ…思い出しました…確かに、あこちゃんの言う通り…」
「そうなの?」
「私達はデュエルの事は全然ですので…(汗)」
「だろうね」
そうやらドラムの娘はデュエルでの俺を知っている様だ。リサとか辺りは全然っぽいけど。
「まさか“漆黒の魔竜”の正体が、湊さんと今井さんの幼馴染で…カリスマデュエリストだったとは…」
「そうね。貴方が“漆黒の魔竜”だと言う事は明らかになった訳だし」
「はぁ…折角の仮面とコードネームなのにバレた…」
そう、本来なら正体を明かす気は無かったのに…バレた。
「何で正体を隠してたの?」
友希那が不機嫌そうに問い詰めて来る。さて…どう誤魔化すか…。
「個人の自由意志かな。コードネームを使用したり、仮面を使ったらダメと言う法律も無いし」
「確かにそうだけど…それで大事な人を悲しませたりして良い理由にはならないわよ?特にリサは…」
「ハハ、ごめん(汗)」
正論を言われたなぁ。まぁ2人共、成長したんだなと実感する。
………所でリサ…泣き止んだなら、そろそろ離れて貰おうかな…。“アレ”が当たってるし……//////
「リサ…そろそろ…良い?」
「………………ヤダ、もっと…」
そう言って更に“ギューッ”っと強く抱き着かれる。何故!?
「…反省の色が見えないわね………?」
「理不尽!?」
友希那も薄い眉で分かる位には不機嫌になるわで…。他の3人は蚊帳の外状態で困惑してる。
「と、取り合えず…お詫びに何かするとしようかな」
「何でも!?」
「何でもとは言ってない…」
リサが凄い目をキラキラさせてる………いや、違う。よく目を見るとコレ………ギラギラしてて怖い(汗)
「へぇ…だったら…」
おーい、何でもと言って無いだろうに…、何時からそんな娘になった訳…(汗)
「で…何をお願いする訳?」
「簡単よ、竜騎…私達と組んで欲しいの」
「………は?」
組んで欲しいって…バンドの事だよなぁ…。良いのか?
「どうしたの?お願いを聞いてくれるんじゃ無かったのかしら?」
「Roseliaってガールズバンドだから、男の俺と組んで大丈夫なの?」
「男と組んじゃダメって言う決まりも無いし、コラボと言う形であれば問題無いわよ。貴方の音楽は、私達を高めてくれるって思うの」
「流石は友希那!竜騎~、良いでしょ?アタシも竜騎と一緒に居たいし…ね?ウルウル…」
わぉ…上目遣いで頼んで来たよ…(汗)威力が強すぎる…
「俺は良いけど、俺等3人だけで話を進めるのは良くないと思う…」
「それもそうね…皆はどうかしら?」
自分で言ってんは何だけど…流石に男に抵抗あるから反対するんじゃ無いかと思う…
「お2人の私情が多めに見えますが…私としても良い刺激になると思うので、私は賛成です」
「あこも賛成です!ふっふっふ…青薔薇と黒き魔竜が交わりし時、真の力が覚醒する」
「私も…賛成、です。この人と一緒に…バンドをしたら…、Roseliaにとっても、良いかもしれません…」
「わぉ…」
あらま、アッサリと了承してる…。俺が思ってるよりも“お人好し”かな?
「と言う訳で、宜しくね竜騎」
「やった~!竜騎と一緒だぁ♪」
「あ、せめて正体は口外しないで欲しい」
「あら?それは良いけど…」
「大丈夫、その件は守るからさ!」
「そうね、私達のヒーローなのだから、それくらいは…ね?」
「俺…ヒーローよりも“ドラゴン”が良い」
「そ、そこですか…(汗)」
そう言って友希那と握手を交わす。皆、微笑ましく思ってるしリサもニコニコしていた。
だけど何故だろう…ニコニコしているリサから…
10年前と同様に“黒い何か”を感じたのは…
第2話:完
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「次回、“嫉妬の女神”!……何だろう…寒気が…」
ご観覧、ありがとうございました!
次回はタイトル通り、リサが…(汗)