遂にリサが嫉妬で…
(リサ視点)
「ふんふふ~ん♪」
「凄く嬉しそうねリサ…」
「勿論!アタシのクッキー、竜騎食べてくれるかな?」
「リサのクッキーだから喜ぶでしょ。それにしても、昨日は嫉妬して暴走しないかと思ってたけれど、大丈夫みたいだし」
「ちょっ!?アタシ、恋は盲目だと思ってるの!?」
「この10年の間、結婚の約束と言う“ノロケ”を1年に何百回聞いたと思ってるの?」
「アハハ…そんな事もあったねぇ。懐かしいなぁ…」
「……」
始めての竜騎との合同練習の為、『Circle』へ向かうアタシと友希那。今日は何時も以上に頑張って、クッキーを多めに焼いたんだぁ♪
大半は竜騎用だから、愛情もタップリだよ♡
決して友希那からジト目で見られてないよ…うん、見られてない。
「おっはよー紗夜☆今日は何時もより早いね!」
「おはよう紗夜、朝早くから精が出るわね」
「湊さん、今井さん、おはようございます。昨日の辰巳さんの演奏を聞いた後で、じっとしていられませんでした」
紗夜は何時もより早く来てギターを弾いていた。その隣には…
「おはよう、2人共!」
「おはよ~竜騎♡」
「おはよう」
隣に居た竜騎も挨拶をしてくれた。今更だけど凄くカッコよくなったなぁ…。
「私のギターはどうでしたか、辰巳さん?」
「技量は俺と良い勝負だね。強いて言うなら…音を出す時が少し固いかな?」
「…何だか随分と抽象的ですね…(汗)」
「面目無い…教えるのは去年、1回だけで…(汗)」
「あ、いえ…責めてる訳では無いですよ?」
「うん、ちゃんと理解してる」
何か竜騎と紗夜は楽しそうだなぁ…熱心に練習してるのは良いんだけどねぇ…
「竜騎~、アタシを放置して紗夜とばっかりイチャイチャして酷いぞ~?」
「リサ、そんなに抱き着かなくても(汗)後、練習してるだけでイチャイチャはしてないから…」
「今井さん、変な誤解しないで下さい!!」
「分かってるって、冗談だよ♪」
ふふふ、紗夜ってば顔が真っ赤じゃん。もっとイジってやろうと思ったけど、竜騎に抱き着けたら良しとしよう♪
それからあこと燐子が練習に来てからと言うものの…
「…」
「ねぇねぇ、おにーちゃん!あこね、カッコイイ事を研究してるんだよ!ドラムでも何かカッコイイ叩き方があったら教えて欲しいなぁ!」
「それだったら、余裕のあるパートでアクションを加えるのも手だな!……と言うより…“おにーちゃん”?」
「駄目かな…?」
「いや、俺は良いよ。呼び方はひとそれぞれだしさ。」
「やったー!!」
「……」
おーい、竜騎~。それじゃあ“ロリコン”になっちゃうぞ~?
「竜騎さん…お疲れ様、です…」
「うん、白金さんもお疲れ様!…もしかして、コレが気になるのかな?」
「はい…、カードゲーム…お好き、なのですか?」
「うん、幼い頃からしてるんだ。もし興味があるなら一緒にどう?」
「ふふ、その時は…宜しくお願い…しますね」
「うん、何時でも言ってね」
竜騎が休憩中にアタシのクッキーを食べながら、持ってるカードを整理してたら、燐子と一緒に楽しそうに話してる。と言うより、人見知りの燐子が初対面の相手と普通に話してる……竜騎は凄いなぁ……。
でも、何でだろう…凄い胸が苦しくなる。
「リサ…怖い表情になってるわよ?」
「…え?」
「どうやら、自覚が無かったのね…」
友希那が心配そうにアタシに言う。アタシ、そんなに怖かったのかな?
アタシってこんなに嫉妬深い性格だったかな…
「ごめん友希那…アタシ…」
「大丈夫よ、リサだって抑えられない部分もあるんだし、今日は大目に見るから竜騎に10年分、しっかりと甘えて来なさい」
「友希那…」
友希那はそう言ってくれた。でも、友希那だって本当は竜騎の事が好きなのに…。
でも、今は凄く嬉しい。
「ありがとう友希那。アタシ、友希那と親友で良かった!」
「私もよ。ただ…イチャイチャするなら程々に…ね?」
「アハハ、大丈夫だよ☆ほんの少~し“調教”するだけだからさぁ☆」
「………本当に、程々にお願いね…(呆)」
「うん、行って来るね♪」
アタシはルンルンな気分で燐子と楽しそうに話してる竜騎の後ろに近づく。
「りゅ~き♪」
「ん、リサ。どうしたの…イッ!?」
「!?…い、今井さん…?どうして?」
竜騎が痛がり、燐子が驚く。まぁ無理も無いよねぇ…ガリッと竜騎の首筋に噛み付いちゃったから☆
燐子も驚かせてゴメンねぇ。
「リ、リサ…いきなり何を…?」
「ゴメンね竜騎。燐子と楽しそうにしてたから、我慢できなくなったの。あ、このままだと跡残っちゃうね。ちょっと待ってね」
「え?ちょ…まっ……!?!?」
「!?!?!?/////////」
れろ、ぢゅうう。噛み跡が付いた場所を舐め、思いっきり吸い上げる。あ、くすぐったいの弱いのかな? かわいー顔してるなぁ☆
んふふ~♡キスマークをしっかり付けてあげたよ~☆竜騎にアタシの証が刻まれたみたいで、嬉しくなっちゃう。
「……はっ!?い、今井さん!何をしてるんですか!?」
我に返った紗夜が、アタシに咎めて来る。燐子に至っては顔がリンゴの様に真っ赤にして固まってる。
むぅ…もっと竜騎とイチャイチャしたかったのになぁ…。
「ん~、竜騎が他の女の子と仲良くしてるのを見てたらさぁ、凄くカァっとなっちゃってさぁ。それで竜騎にアタシの“愛の印”付けたくなっちゃったんだよねぇ♡」
「だ、だからって…こんな事をして良い理由には…」
「――氷川さん…」
「た、辰巳さん…?」
真っ赤になりながらも言い続ける紗夜を止めたのは、当の本人である竜騎だった。
「リサには俺が言うからさ…、今は気にしないで欲しいんだ。俺は…怒って無いし大丈夫…」
紗夜は何か言いたげだった様だけど…
「わ…分かり、ました。辰巳さんがそう仰るのであれば、私はこれ以上は口出しはしません…。ただ、今井さん…今後は人前でこのような事はしないで下さい。練習の妨げにもなりますし、な…何より……は、破廉恥ですので……」
「あー、うん…ゴメンね。気を付けるよ」
ここは素直に頭を下げておこう。今度お詫びに何か奢ってあげないとなぁ…
それにしても竜騎、こんなことしたアタシのこと庇ってくれるんだ……嬉シイナァ、カッコイイナァ。益々好キニナッチャウナァ……♡
「友希那さ~ん、目の前が真っ暗なんですけど?」
「あこにはまだ早いわ」
因みに、あこは友希那の手で目隠しされてたから、何が起こったのか分からなくて首を傾げてた。
でも、あこはもう高校1年生だけど…見た目の所為で見えない事もあるんだよねぇ…。
(リサ視点END)
ーーーーーーーーーーーーーー
(竜騎視点)
『竜騎のアジト(家)』
「はぁ…リサってば何を考えてるんだろう…」
今は自室のベッドで仰向けになってる。え?練習はどうしたのかって?
リサがキスマークを付けた後に、練習を再開したのだが……あの光景を目の前にした白金さんは茹ダコの様に顔を真っ赤にして動けなくなり、更には氷川さんも集中出来なくなってしまったからだ。
氷川さんはやはりリサの暴走(?)が不満だったらしいが…友希那がどうにか静止してくれて、俺にリサの事を頼むと言った。
そして今日の練習は解散と言う形になった。
その後に、2人きりになった所でリサに一応注意した時に、リサの口から出たのは…
「竜騎ハ“アタシノモノ”ダカラ…」
今でも脳から離れないあの言葉と “黒い何か”…。でも…好きで居てくれた事については…嬉しかった
「俺も…甘ちゃんなのかもなぁ。自分では“冷酷で残忍”なのに…」
そう、俺は優しくなければ正義の味方でも何でも無い。“あの日”からそう決めたのだから…
ピンポーン♪
そんな時、玄関のチャイムが鳴った。配達か何かだろうか…?そう思って出ると…
「はーい」
「竜騎♪」
「リサ?どうして俺の家に?」
玄関に居たのはリサだった。俺…住所はまだ教えて無い筈だけど…?
「竜騎に会いたかったから、思わず来ちゃった☆竜騎はもうご飯食べたの?」
「いや、まだ食べてないけど…」
そう言えば時計はもう6時半だわ。すっかり考え事してたら、あっと言う間に過ぎてたなぁ。
「それなら良かったぁ!アタシ、ご飯作って持って来たんだぁ♪一緒に食べよ?」
「うん、わざわざありがとう!」
リサが袋から出したタッパーの中には、筑前煮とカレイの煮付け。とても美味しそう…。
「全部リサが作ったんだぁ…、とても美味しそう」
「ふふふ~♪アタシ、筑前煮は得意なんだぁ☆」
「じゃあ…」
「「いただきます」」
残っていたご飯をよそい、リサと一緒に夕食をいただく。
「……うん、美味しい♪」
「ホント? よかったー☆」
リサはニコニコしながら俺の方を見ている。
「冷めちゃうよ?」
「竜騎の食べてる顔が見たいんだぁ☆」
「アハハ…」
そう返されると恥ずかしい…
「ごちそう様」
「はーい、お粗末様。……ねえ竜騎」
「ん? 」
「アタシと一緒にいるの、楽しい?」
「急にどうしたのさ?」
何時も明るいリサが、何故か暗く感じる。どうしたんだろう本当?
「アタシはさ、こうして一緒に居たりご飯を食べたりして凄く楽しいよ。でも、竜騎はどうかなってさ…10年も経ってるから色々と変わってるかもしれないって思うと…アタシ…」
「そんな事を気にしてるの?」
「そ、そんな事!?ア、アタシは真剣に悩んでるんだよ?……あ」
「俺だって一緒に居て楽しいんだからさ、そんな風に言わないで欲しいな。じゃないと家に入れる事も無いって」
「竜騎…」
俺はそう言ってリサの頭を撫でる。はは、頭を撫でるのは今でも有効の様だ…
「嬉しい♡」
「んむっ!?」
そう言ってリサは俺の唇を奪う。これが俺にとってのファーストキス、相手はリサって決めてるから良かった。
「プハッ、いきなりでゴメンね竜騎?アタシ…今のがファーストキスだったんだ」
「俺もだよ…」
「良かった~♪アタシが初めてで♡」
まぁ、広島に居た時も告白されても即答で断ってたし…昔は“ある事”でそう言うのは無かった。
まぁ、周りは勿体ないとか言ってたけど…俺は一途なんだよね。
「んふふ~、竜騎の初めて貰っちゃったよ~♡アタシ、今スッゴイ幸せだよ~♡」
「俺もだよ。でも、今日の様に人前ではダメだからね?友希那達に迷惑が掛かr………リサ…?(汗)」
俺は言葉が止まってしまった。何故なら…友希那の名前を出した瞬間、リサの瞳のハイライトが消えてたからだ…。めっさ怖い…。
「今アタシと2人きりなのに…友希那の名前を出すんだぁ…。友希那はアタシにとっても大事な親友だから、竜騎に何かしない限りは大丈夫だと思ってたけど……ソッカァ……」
リサがブツブツと、まるで恨めしい様に何か言っていた。凄く背筋が凍る……そして、顔を上げるとニッコリと俺を見る。この笑顔…10年前と昨日の“黒い何か”と同じだ……。
「ねぇ竜騎~?今2人きりなのに…此処で友希那や他の女の名前を出すのは…流石に許せないかなぁ?…だからさ、今から竜騎を………“調教”シテアゲルネ?」
「え?チョッ!?調教って…んむ!?」
いきなりリサが“調教”と物騒な事を言い始めた!?そして宥める様に言おうにも、リサの豊満な胸に顔を埋められ、後頭部まで腕を回している。
「どう竜騎~?アタシの“おっぱい”、結構大きいでしょ?友希那より大きくて柔らかいでしょ~♡」
「んん…んぐ…」
リサが自分の胸の大きさを自慢しながら、谷間の奥までギュウギュウと締め付けられる。抵抗も出来ずに、ただ顔を左右に動かす事しか出来なかった。
「やん♡竜騎~、そんなに顔を谷間に擦り付けられるとくすぐったいよ~♡そんなにアタシのおっぱい気持ち良い?でも、そろそろ離さないと窒息しちゃうから、はい終わり♡」
「ぷは…はぁ…はぁ…」
「んふふ~!竜騎ってば可愛い~♡でも、まだお楽しみは…コレカラダヨ?」
「え?お、お楽しみって…んん!?」
「ん…んちゅ…ちゅ…」
またしてもリサに唇を奪われる。しかも今度は舌を絡め始めた“ディープキス”だ。酸素を求めていた為に口を開いていた為、簡単にリサの舌が侵入する。
「ん…んん…チュッ…ん…チュウ…」
音を立てて長い長いキスが続く。俺も自然と舌を絡ませると…
「ん…ちゅっ…ぷは!美味しかった♡ご馳走様、竜騎♡」
「あ…う…」
「ん?竜騎?」
「きゅ~…」
俺の意識はグルグルと回り、そのまま意識を失う。
「あれれ?疲れて眠っちゃったのかな?ふふ…アタシが見ててあげるから、ゆっくりオヤスミ♡」
リサの声を子守歌にして、そのまま委ねる事にする…
「……大好キ、大好キダヨ竜騎。ダカラ、他ノ女ナンテ見ナイデ?アタシダケヲ見テ、一緒ニ幸セニナロ?…約束ダヨ…」
優しく、狂気に満ちたリサの声に完全に眠る。
翌朝…
「ん…」
何時の間にかベッドで寝てたらしい。
「んん…って…(汗)」
隣でリサが俺を抱き枕にして寝てた。
「ん…おはよう竜騎♪可愛い寝顔だったよ☆」
「うん、おはよう…」
さて、朝シャンでもするか…。そう言えば、今更ながら気になる事があるので聞いてみよう。
「俺の家、良く分かったよね?」
「あぁ、おばさんに聞いたら教えてくれたよ♪『竜騎を宜しくね~』ってさ。んふふ~♡」
母さん……(汗)
第3話:完
「次回、黒竜と星のカリスマ!…キラキラドキドキ?…何処に?」
おまけ
竜騎とリサがご飯を食べている時間帯…
「湊さん…今井さんの暴走は今度どうするのですか?」
「どうするって?」
「辰巳さんは一切の抵抗はしませんし…異性同士のトラブルでRoseliaがバラバラになると言う事です。」
「あぁ、その事ね。まぁ竜騎はリサに甘いけど…必要な時には注意はすると思うわ」
「駄目じゃないですか!白金さんだって、あの光景を目の当たりにして…また固まってしまったらどうするんですか!?」
「最後には竜騎が勝つわ。今回のリサの暴走、アレは“序の口”にも入って無いわ…」
「アレが…“序の口”ですら無い…?」
「それに、将来は“私の夫”になって貰うのだから、自力で解決して貰わないと困るわ」
(辰巳さん…大変な幼馴染を持ったのですね…。と言うよりも、湊さんも狙ってたのですか…)
友希那の口から出た“序の口ですら無い”と“私の夫”発言で、紗夜は大半諦めていた…
ご観覧ありがとうございます!
リサが暴走してヤンデレ化しました。最後辺り…大丈夫か心配でした(汗)
次回は、キラキラドキドキで有名な“あの子”が出ます!