タイトル通り、オリ主が羽丘の生徒に…
(リサ視点)
『羽丘女子学園-高等部3年A組-教室』
今、アタシと友希那が居る教室もそうだけど、この羽丘女子学園では“ある噂”で持ち切りだった。
「転校生かぁ…随分と中途半端な時期だけど、どんな子なんだろうね?」
「別に興味は無いわ…」
周囲と同じく転校生が気になるアタシ。だけど友希那は作詞中の為か興味は無さそうだった。
そうしていると、HRのチャイムが鳴って先生が入って来た。そして先生が転校生の紹介をす為に入室を促すと……
「…………え!?」
「リサ?どうしたの……!?」
顔を上げた友希那もアタシ同様、固まってる。その視線の先には、羽丘にいるはずのない男子の制服を着ているーーそれも、よく知っている顔だ。
「共学のテストモデルということで、こちらに転校することとなりました。辰巳竜騎です。男子一人ということでご迷惑をおかけするでしょうが、仲良くしてくださると嬉しいです。よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる彼ーー竜騎の姿に二人して絶句していると、
「ねえ、彼良くない?凄くカッコイイ…」
「男の転校生って何事かと思ったけど……うん、ありだね。寧ろいい♪」
「彼女いるのかな~?アタック掛けてみようかなぁ」
などと、周囲のみんなは好印象どころか、黄色い声を上げていた。
この展開は予想外というか、竜騎を受け入れてくるのは嬉しいけど、ライバルが増えるのはノーサンキューなんだけどなあ……
(リサ視点END)
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(蘭視点)
『休憩時間』
「え?3年生の転校生が男の人!?」
ひまりが叫ぶ。どうやらここ最近、噂になってた転校生の事だ。しかも、今日聞けば男性らしく、来年の共学化と言う事でテストモデルらしい。
更にはイケメンらしくて、聞いたひまりがもう騒ぐ騒ぐ。
「ひ、ひまりちゃん…少し落ち着いて(汗)」
「そんなに気になるなら、会いに行けば良いだろ?」
「まぁ、ひーちゃんの事だから、また墓穴を掘るかもね~」
「ヒドい!?と、兎に角!その人に会いに行こう!えいえい、おー!!」
「「「「………」」」」
「どうしてやってくれないの~!?」
「はいはい、行こう」
そんなこんなで何時も通りのやり取りをしながら、その男子生徒を探しに行く。
廊下に出てから探してる最中…
「お、あの人じゃないか?」
「おや~、あの人はもしかして~」
「あ、本当だ!早速行こう!」
ひまり、急にテンションが上がったね…」
(蘭視点END)
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(竜騎視点)
「ふぅ…馴れないなぁ…」
長めの休憩なので、屋上に行って見た。結構眺めも良いし、雨や雪でなければ落ち着く。
教室だと凄く注目が集まって、まるで動物園の“蛇”みたいだった。
決してリサと友希那の圧から逃げた訳では無い…断じて違う。
そう考えてると…
「あ、あの~…」
「ん?」
振り向くと、後ろには以前に『羽沢珈琲店』に居たピンクのツインテール娘と、赤メッシュ、そして店員が居た。赤い長髪の娘は初めて見る。そしてもう1人はコンビニでリサとバイトしてた娘だ…。
「ど~も~先輩。コンビニ以来のモカちゃんで~す」
「あぁ、オタクは確か…青葉さんだったかな?」
「モカちゃんで~す」
名前は理解したが、苗字が分からん…(汗)
「え!? モカ、このイケメンお兄さんと知り合いなの!?」
「この間、リサさんとコンビニバイトしてた時に会ったんだー」
「早く言ってよそれー!」
「おおう、ひーちゃんクールになろうぜー」
「…」
何かコントを始めたぞ…。と言うかイケメンでは無いけどね…
「えっと…オタクら確か…」
「あ、ごめんなさい呼び止めておいて! えっと、辰巳竜騎先輩ですよね?」
「あれ?まだ名前言ってないけど…?」
そう、この前も名乗っては無い。
「もう学校中がその話題で持ちきりだから、みんな知ってますよー。で、ちょっとお聞きしたいことがありまして!」
「あの、ひまりちゃん? いきなり聞かれても、先輩困ってるよ?」
ひまりと呼ばれる少女を止める店員の子。止めてくれた事はありがたかったホント。
「そ、そうだよね。あ、私、上原ひまりって言います!」
「うん、改めまして辰巳竜騎だよ。所で何か用事かな?」
「えっと…噂の3年の転校生がイケメン男子って聞いたので…」
「その先は…思い付いて無かったとか?」
「あははは…はい…」
乾いた笑いを浮かべる上原さん。この子…勢いで空回るタイプらしい…
「あ、そうだ! 私達、After grow ってバンド組んでるんです!」
「あぁ、やっぱり!この間も観てたんだよね」
観てたと言っても、裏の方からだけどね。
「本当ですか!?うぅ…お兄さんの様なイケメンに気付かないなんて、私…一生の不覚!」
「あぁ、俺はイケメンじゃないよ?寧ろ“冷酷で残忍”だから」
「自分で言うんですか!?」
「事実だからねぇ…」
「えっと、じゃあじゃあライブの感想でもーーあいたあ!? 何するの蘭!?」
「ひまり、初対面の人にグイグイ行きすぎ。先輩困ってるよ…」
「えー、そんなことないって! ですよね、先輩?」
「うん…」
「いやひまり、それ頷くしか出来ない質問だからな? あ、宇田川巴って言います」
「宇田川…?もしかしてオタク、あこのお姉さん?」
「はい、あこは妹で高等部の1年なんです!」
「そっかぁ、何時も“自慢のお姉ちゃん”だって良く聞いてたからさ」
「あはは、ありがとうございます!」
「それにしても、デュエルで有名な方が先輩になるなんて驚きました」
「あれ?デュエルでの俺の事知ってるの?」
「はい!2年前からずっと見てます!あ、ライブ聴いてくださってありがとうございます! 羽沢つぐみです」
えっと…ドラマーがあこのお姉さんで、店員の子が羽沢さんね。うん、覚えた。
「モカちゃんで~す」
「苗字は変わらず隠すのね…」
「あ、モカちゃんの本名は“青葉モカ”ですよ」
「つぐ~、何でバラすの?」
「え?何かマズかった?」
「特に無いよ~」
「無いの!?」
かなりを通り越したマイペースだなぁ。そして最後の赤メッシュの娘…
「美竹蘭です…」
「美竹さんね…所で、顔に何か付いてる?」
「いえ、少し気になっただけです…」
「そう…あ、そろそろ教室に戻らないと。じゃあね」
俺はそう言って去った。あの美竹さんって娘…俺の何かを探ってる気がするけど…気のせいだよな…。
「どうしたの蘭~?先輩が気になるの~?」
「えっと、あの人…学校以外で何所かで見た気がして…」
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『Circle』
「竜騎~?どうしてアタシ達の学校に転校して来たか、説明してくれるかな~?」
「後、何で黙っていたのかも洗いざらい吐いて貰おうかしら……?」
「2人共…取り合えず落ち着かない?説明出来ない…(汗)」
はい、現在リサと友希那の2人に羽丘に転校して来た事について、問い詰められてます…。2人共、顔が近いって…。
「え?竜騎先輩、羽丘に転校したんですか?良いなぁ…私の所にも来て欲しいなぁ」
「来て欲しいのね…」
「いや先ず、男子が女子高にいることに疑問を持てよ!?」
「まぁ…そうなるよねぇ」
「あ、えっと…竜騎先輩がいちゃいけないって意味じゃないですよ!?」
「うん、大丈夫。ちゃんと理解してる」
有咲の言いたい事は最もだよねぇ。
「所で…練習の後でも良いんじゃないかな?ほら、氷川さん達もポピパの皆も待ってる訳だしさ…」
俺がそう言うと…
「え?あこも気になるから知りたい!」
「あ、あの…私も、気になります…」
「実は私もです…」
あらま。あこは学校で耳にしなかったのかな?白金さんどころか、氷川さんも気になってる様だし。
「私も気になります」
「わ、私もです…」
「教えて貰って良いですか…?」
おたえも即答、サヤとりーみんも聞く気満々だわぁ。はぁ…コレは話すしか無さそうだ。
因みにサヤは山吹さんの呼び方、りーみんは牛込さんの呼び方。俺って“ドラゴンセンス”(第六感)が働いて独自の呼び方を付けるんだよねぇ。本人達は凄く気に入ってる模様。
「羽丘の理事長と親父が知り合い同士でさぁ、親父が勝手に俺をテストモデルにしたんだよ」
「叔父さんが?でもまぁ、アタシは竜騎と一緒だから嬉しいよ☆」
「そうね…隠してた事は頂けないけど」
別に隠してた訳じゃ無いけど…
「そう言えば、竜騎先輩達は幼馴染だったんですよね?昔から仲が良かったんですか?」
「昔…昔ねぇ…」
あの頃は…2人と出会うまでは…
「最初は私達も、竜騎に嫌われてたわ」
「詳しく言えば、竜騎はデュエルが強すぎて周りから怖がられてたかなぁ。アタシ達も何度か会ってやっと心を開いてくれたし…」
「ちょっ!?何を勝手に…」
「隠してた罰よ…」
「赤裸々に語っちゃうよ~☆」
「勘弁してくれ…///」
(赤くなってる竜騎も良いなぁ。ふふふ、存分に語っちゃうからね?)
リサがニヤニヤしながら勝手にバラしてるよ…。こうなればギターの調整だ…。
そうだ、現実逃避に限る。
(竜騎視点END)
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(蘭視点)
辰巳先輩が転校して来て数日、今日は“漆黒の魔竜”と“Roselia”、そして“Poppin'party”の合同ライブへ来ていた。
特にひまりがもうテンション上がりまくりだし、。客の数も盛り上がりも、今まで以上なのは一目瞭然だ。
つぐみによると、Circle 関連の SNS も毎回大騒ぎになっているらしいし。
「凄いね巴ちゃん!」
「あ、あぁ…(こんなつぐ、初めて見た)」
つぐみが漆黒の竜帝のファンだったのは意外だった。最近は有咲さんと一緒に話したり、羨ましそうにしてるのをよく見る気がするのはそういうことだったんだ。
「いやー、やっぱりすごいね蘭! Roselia だけじゃなくポピパもコラボとか羨ましい。私達もお願いして一緒に演奏出来ないかな?」
「……うん、そうだね」
「……おーい、蘭ー? どうしたのー?」
「………」
「巴~、蘭が私を無視する~(泣)」
「えっと、何か考え事してるんじゃないのか?ほら、アタシ達と一緒に観ようぜ?」
ひまりが何か言ってた様だけど、無視はしてなから。でも、ありがとう巴…助かった。
「間違い無い…正体は…“あの人”だ」
「何の事~?」
「モカ!?何時から…」
「蘭が考え事してる辺りから~」
心臓に悪いよホント…。でも、アタシは後で皆と一緒に“ある作戦”を実行する…。
(蘭視点END)
第8話:完
「竜騎と…」
「リサの…」
「「今日のカード紹介コーナー!!」
「今回は“チェックサム・ドラゴン”!」
「おぉ、レベル6で守備力2400もある!」
「相手モンスターの攻撃宣言時に、手札から自身を特殊召喚出来るんだ!この方法で特殊召喚すれば守備力の半分、LPを回復出来るんだ」
「攻撃力は低いけど、攻撃表示の間は戦闘で破壊されないから、場に留めるのなら敢えてダメージを受けても残せるね☆」
「次回、勧誘デュエル!?竜騎VS蘭!」
「え?勧誘って…嫌な予感…」
おまけ
『竜騎と人間関係②』
戸山香澄
Poppin'partyのリズムリーダー且つボーカルで、リーダー。
合同練習に向かってる最中に竜騎に助けられ、本人曰く『流星の様な煌めきを感じました!』と竜騎に一目惚れする。竜騎にコアラの様にくっ付く事が多く、出会ったその日に竜騎に告白している。
花園たえ
Poppin'partyのリードギター。
竜騎の事を“兎に愛されそうな人”と思っている。
花園ランドに招待して、兎の為になる発明をして貰いたいらしい。
牛込りみ
Poppin'partyのベーシスト。
竜騎にチョココロネを貰ってから小動物の様に懐いている。竜騎が付けてくれた『りーみん』と言う呼ばれ方も気に入っている。
また、竜騎とはホラー映画好きと言う事で仲良くしている。
山吹沙綾
Poppin'partyのドラマー。
『漆黒の魔竜(竜騎)』のファンである。正体を知った時は驚いていた。また山吹ベーカリーの常連である竜騎とは仲が良く、竜騎の胃袋を掴もうとしている。
市ヶ谷有咲
Poppin'partyのキーボーダーでサブリーダー。
『漆黒の魔竜(竜騎)』の大ファンで、竜騎の前ではツンは無く、素直にデレたりしている。
竜騎の事は人間としても、尊敬している。
『呼び方・呼ばれ方②』
香澄:竜騎先輩 竜騎:香澄ちゃん
たえ:竜騎先輩 竜騎:おたえ
りみ:竜騎先輩 竜騎:りーみん
沙綾:竜騎先輩 竜騎:サヤ
有咲:竜騎先輩 竜騎:有咲
ご観覧、ありがとうございました!
次回はアフグロメンバーが…?