ナッジとの闘いが終わり、休暇を少しもらったチャゴスはどうするべきか考えていた。
「(城に戻っても門前払いされるのがオチだし…ポルトリンクに行くか。確かスキルのことを教えてくれる女性がいるんだよな。帰る時はキメラの翼を使えば良いし。)」
チャゴスはそう決意するとナッジと教官に挨拶してポルトリンクに向かった。
~アスカンタ国領~
「なんだこりゃ…」
チャゴスが見た景色は一面、黒、黒、とにかく黒だった。それ故にチャゴスは驚いてしまったのだ。
「(待てよ…確か原作でもあったよな。)」
チャゴスは原作知識を使って思い出した。アスカンタ国領では原作開始の二年前からこんな空気が続いている。その理由はシセル王妃が死んでしまいパヴァン国王が悲しみ、今もなお喪に服し続けているからである。
「(これは本来俺の役目じゃないけど、アスカンタに借りを作らせておく為にもやっておいた方が良いな。それに月影のハープをドン・モグーラに盗まれたら厄介だし。)」
腹黒いことを考えてながらもチャゴスはそう決め、前へと進んだ。
「ここで挨拶くらいはしておくか。」
当然城の方向である。何故城の方向かと言うと突然現れて解決したとしても、他はともかく今回は借りを作ったことにはなりにくい。だから挨拶して宣言をすることによってパヴァンをはじめとした上層部にチャゴスの印象に残らせておく必要があるのだ。
「まあ大臣とかに会いにいくか。」
その後チャゴスはアスカンタの大臣に会いに行き事情を聞いた。チャゴスの原作知識通り、昼間パヴァンは自分の部屋で悲しんでいる為会えない。夜は王室にいるが会っても無駄とのことだった。
それを聞いたチャゴスはすぐさま行動した。具体的には原作知識を使い、近くの丘まで行き、着いたと行ったところだ。その過程は…チャゴスTueeeeな状態だったのでとにかくモンスターがいれば突っ込んで切り刻み、首を落とす。その際にモンスター達が落とした宝箱や金も忘れずに回収した。
「さて…あとはヘチ…違った。イシュマウリに会ってパヴァンを治してくれればいうことなしだ。」
そして満月が頂点に達した時、扉の影が壁に出来上がり、異世界への扉が出来た。
「ようこそ、月の世界へ…」
チャゴスがその扉を開き、少し突き進むと案の定イシュマウリがいた。
「私の名前はイシュマウリ。君はどのような願いを持っているのだ?」
「…アスカンタにいるパヴァン王を治してくれ。」
「了承した。ではその者の場所へ移動しよう…」
チャゴスとイシュマウリは摩訶不思議な力でアスカンタ城の王室に移動した。ちなみにパヴァンは悲しんでいるあまりにチャゴスやイシュマウリがここにいることに気づくことはないので不審に思われなかった。
「では…やろう。パヴァンなる者の治療を。」
イシュマウリがそう言うと手元にあったハープを弾いた。するとそこに出てきたのは美しい女性…シセルだ。その幻のシセルがパヴァンを呼んだ。いや正確には過去のパヴァンを呼んだのだ。
~数分後~
そして演奏が終わり…
イシュマウリは
「これで願いは叶えた…さらばだ。」
と言って帰った。
パヴァンも吹っ切れたのかチャゴスがいたことにようやく気がついた。
「そうか…君なんだね?僕の為に動いてくれたのは?」
パヴァンはそう声をかけてチャゴスに頭を下げる。
「はい。お初にお目にかかります…パヴァン王。私はチャゴスと申します。」
チャゴスは自己紹介をしてパヴァンにお辞儀をする。
「じゃあ…チャゴス君?何かお礼をしたいんだけど欲しいものはないかな?」
パヴァンはそう言ってチャゴスに出来る限りのことをしようと
「月影のハープをもらえませんでしょうか?あれは本来の持ち主がいてその方に返したいので…どうにか出来ませんか?」
「あれか…君ほどの恩人の言うことだ。持って行っていいよ。ちょっと待ってね。あれは一階の噴水からいける地下の宝物庫にあるんだ。」
「わかりました。」
そう言って二人は地下一階の宝物庫へと向かった。
そして地下の宝物庫に向かい、月影のハープをとり、立ち去ろうとすると…
カキーン…ガラガラ…
「ようやく着いたな…」
そこに現れたのはちょんまげとサングラス、そして何よりも周りのいたずらモグラを引き連れていたことからモグラ達のボスであることがわかる。
「むっ!?そのハープは…人間!そのハープをよこすモグ!このワシ、ドン・モグーラが有効活用するモグ!」
ボスモグラのドン・モグーラがチャゴスに対して指差し、命令した。
「…パヴァン王。少し目を閉じて下さい。」
チャゴスはそう言うとフラフラしながらドン・モグーラの方に向かって行った。
「オラァ!」
「ゲフッ!」
「てめえ…舐めたこと言っているんじゃねえぞ!」
堂々と盗みに来たモグラ達にチャゴスは怒りの言葉を向けた。というのもチャゴスはこれまでストレスが溜まっていた。そのストレスはなかなかレベルアップ出来ないことである。メタル系は見つからないし、しかもチャゴスの元々のスペックの高さ故にレベルアップがしにくくなっていたのだ。
それならばいっそドン・モグーラ率いるモグラ達を全滅させてやればレベルアップができると思ったのだ。
「さて…てめえら…覚悟は出来ているんだろうな!」
ドスの効いた声でチャゴスがそういい、いたずらモグラ達はびびってしまった。
「おのれ…ならばワシのとっておきを喰らうがいい…芸術スペ「うるせえ!」モグッ!?」
チャゴスはドン・モグーラが喋っているにも関わらずぶん殴り、ターン制なぞ関係ない!と言わんばかりに素早く行動した。…最もこれができるのはチャゴスの素早さがメタルスライムよりも速いということにある。
そしてチャゴスはスーパーハイテンションになった。これまでのストレスがテンションに変わったのである。当然戦闘は…
ドガッ!バギッ!ベゴッ!
などの音が聞こえてくる…これではどっちが悪かわからない。
【今回の戦闘シーンはグロテスク表現が多い為省略されました。】
そしてしばらくするとドン・モグーラはボコボコになっており、元々茶色い身体は赤く染まり、サングラスはボロボロ。顔に関してはもはや突っ込めない領域まで達していた。
「おい…てめえら。」
チャゴスはドスの効いた声でモグラ達に話かけた。
「はいっ!なんでしょうか!?」
モグラ達はビビりながらもなんとか返事を返した。
「もし生きて帰りたいのなら40秒以内に失せろ。」
チャゴスは少しは冷静になったのかモグラ達を逃がそうとした。
「ボス!」
モグラ達はドン・モグーラを連れて急いで帰って行った。
「パヴァン王、もういいですよ。それよりも月影のハープは貰って行きます。」
「あ、ああ…ついでにここにある宝箱も持って行って構わないよ。使わないから必要な人にあげるのが筋ってものでしょ?」
パヴァンはお人好しであるがここまでチャゴスに対して優しいのは先ほどの音声を聞いてしまったが故だろう…
「有難うございます。」
チャゴスは礼をして宝箱を漁り、色々な武器や道具などを持って行った。
あと二〜三回ほどで原作に突入しますので少々お待ち下さい。
誤字修正とお詫び
今回に限ってチャゴズになっていましたので、チャゴスに変えておきました。では…失礼しました。